大臣会見

冬柴大臣会見要旨

2008年7月4日(金) 10:39 ~ 11:04
国土交通省会見室
冬柴鐵三 大臣

閣議・閣僚懇

(大臣)本日の閣議は、当省に関係するものでは一般案件の決定が5件ございました。「利根川水系及び荒川水系における水資源開発基本計画の変更について」の決定、「国土形成計画(全国計画)について」の決定、「国土利用計画(全国計画)の変更について」の決定、「北海道総合開発計画について」等の決定と、「国際会議等の北海道開催の推進について」の了解がございました。私から3点報告がございます。まず、1点は本日の閣議において、国土形成計画(全国計画)が閣議決定されました。この計画は、多様な広域ブロックが自立的に発展する国土を構築するとともに、美しく、暮らしやすい国土の形成を図ることを基本的な方針として定めております。従来の国土総合開発計画とは違って二層になっております。全国計画と広域地方計画というものが二層になっており、今回閣議決定したのは全国計画でございますが、例えば東北地方、東北6県に新潟県を加えた7県を広域地方として、そこがどのように県境、県というものを超えてそのエリアというものをどのように捉えていくのか、そういう今までとは違う発想が今回から採られることになったわけで、今日はその全国計画が閣議決定されたという次第です。この計画を基本として国と地方の協働による広域地方計画の検討を本格化させてまいることとなるわけです。そのため、閣議の場におきまして、私から関係閣僚に対しまして、国土形成計画の着実な推進に当たっての引き続きのご協力をお願いしたところであります。また、2番目に食料供給力の強化と「食」の高付加価値化、国際競争力の高い魅力ある観光地づくりなどを内容とする新たな北海道総合開発計画についても閣議決定された次第です。次に、本日は閣僚懇談会において、町村官房長官より、去る4月から政府全体で取り組んでいる行政と密接な関係を有する公益法人に対する集中点検について、各府省の点検結果を取りまとめたご報告がありました。今回の集中点検は、福田総理の行政の無駄を徹底的に排除するとの考え方の下、国等からの支出に依存する法人や国等と随意契約を締結している法人など、「行政と密接な関係を有する公益法人」について、政府全体では約350法人、うち国土交通省におきましては73法人を対象として、公益法人に対する事務事業の必要性について改めて見直しを行うとともに、一般競争入札等の競争性の高い契約方式に全面的に移行することを基本として点検を行ってまいりました。詳細は、後ほど事務方から説明させますが、今回の点検結果はいわばスタート台であります。今後、政府全体として、今後予算編成過程などを通じて、公益法人に対する支出を見直し、無駄の撲滅を徹底してまいる所存です。私からは以上です。

質疑応答

(問)2点お願いします。1点目は昨日、国土交通省からタクシーの営業規制の提案がなされて、運転手の労働条件緩和という見方がありつつも、一方で規制緩和に逆行するんじゃないかというような批判の声もあり、それに対するご所見をお願いしたいのと、2点目は中部地方整備局の元課長が逮捕されて、市の発注工事でありますが、また公共工事がらみで不祥事が起きたということで、それに対するご所感をお願いいたします。
(答)タクシーの問題につきましては、昨日発表したタクシー問題についての現時点での考え方というものがあります。これまでにワーキンググループが7回開かれていますが、その審議を踏まえて現時点での国土交通省としての考え方を示したものです。今お尋ねになられた規制緩和に逆行するのではないかという批判もとおっしゃいましたが、私はそうではない、規制緩和という大きな流れを止めるつもりは全くありません。しかしながら、そういうものが行き過ぎると、現在起こっているようにいわゆる労働者の賃金が著しく劣化しました。そしてまた、年間21億人が利用する最も身近な公共交通機関ですので、競争が激化することによって、乗客が不便を受けるとか身に危険を感じるようなことがあってはならないことです。そこをどう調整していくかというところが、今回の最も核心に触れる部分であると私は思っています。したがって、その供給過剰というものについて、どのようにしたら改善できるのか、それから優良な新規事業者の参入を排除するようなことであってはならないわけであり、そういうものを維持しながら、それはどのようにしたらいいのか。特に働く人たち、こういった人たちの労働条件というものが尊重され改善されなければならない。そのためにはどうあればいいかというものを、大きな規制緩和という流れの中でどう考えていくか難しいところです。しかしながら、今後も様々なそのようなご意見を伺いながら、年末までにワーキンググループで適切なご意見を承っていきたいというふうに考えているところです。
 それからまた、中部地方整備局の職員が三重県警に逮捕されたと聞いて本当に悲しい思いをしているところです。中部地方整備局から三重県の四日市市に出向中に、四日市市が発注した公共工事に関して便宜の取り計らいを行った見返りとして、現金を受け取っていたのではないかという疑いの下に、7月3日に逮捕されたというその事実は承知しています。四日市市役所に出向中とはいえ、職員が収賄容疑で逮捕されるということはあってはならないことであり、大変驚くとともに改めて心から遺憾の意を表したい、国民にお詫びを申し上げたいと思います。今後警察の捜査には全面的に協力をいたしますし、またその推移を見ながら確定した事実に基づき厳正に処分をし、対処しなければならないと思っています。再発防止策についても再三のことでお恥ずかしいですが、できるだけの処置をとって改めていかなければならないと思っています。幾重にも国土交通省関係の人が、このようなことで司直に指弾をうけるというのは誠に残念です。6万2千人の職員の大多数の人は、本当に真面目に昼夜を分かたず国土交通行政の先頭に立って働いているのに、こういった不心得者が出ることによって、そのような人たちに本当に恥ずかしい思いをさせるということは、誠に遺憾です。心からお詫びを申し上げます。

(問)タクシーの件ですが、業界の企業収益等を見るとそんなに苦しくなっている企業は無く、ただ単に業界内で自助努力が足りないんじゃないかという感じもしますが、この辺り、収益や労働者の賃金の関係はどのようにお考えですか。
(答)そこは非常に核心の部分でして、タクシーの場合、出庫したら車の中では社長さんになるんですねその人は。要するに、会社の支配、具体的な支配を離れてするために、その賃金体系も、いつも会社から目配りを受けている人たちとは違う形で、歩合給でその人が働けば働くほど報酬も多くなるし、働かなければ取り分はなくなるよと、そういう仕組みが取られているのが常であり、この業界では一貫してそうなっていました。その結果、今お尋ねのように、業界全体としては非常に悪くなっている、乗客や売上げも悪くなっているのに、会社としては依然として増車をして利益を取ろうというようなことになる。そのしわ寄せがどこに行くかというと、運転者や乗客に、今回の運賃値上げは乗客ですね、平均労働者の給料から200万円も年収で低いということは労働者にしわ寄せがいっているわけです。私どもは、そういう構造をどう見直していくかということも、今回の改革の大きな主題だと思っています。

(問)その部分が、今回の国交省側からの提示に盛り込まれていなかったと思いますが。
(答)それは、このワーキンググループでそのような話をしていただいていますので、私どもは、その意識はもちろん、再三申し上げていますが、その経営方針、経営組織そのものがどうあるべきなのか、これは非常に重要な視点だと私自身そう思っていますし、そのように、自動車交通局にも言っているところです。

(問)一昨日から北海道開発局の廃止という報道が流れまして、官房長官のやり取りが続いているのですが、事の真偽も含めて大臣のご所見をお伺いします。
(答)事の真偽といわれても、その時の発言の議事録を読みましたが、北海道開発局長が記者会見で述べたことが一つの話題になっているようですが、これは、地方分権で年内にも検討される第二次勧告で、取り上げるべきテーマだと承知しています。それは、地方支分部局というものと地方分権との関係が検討されると承知していますが、その過程で、これは分権委員会や国レベルでどうこうするではなしに、なしにというよりも、それとともに、大事なのは地方がどう考えられるのかです。今回の場合では、北海道の道民の方々、経済界、道庁、それから現に道路・河川・農業等を担当している北海道庁の職員の方々の考え方、こういう人たちがどういう考えをお持ちなのかということを十分にレクチャーを受けて、そして、第二次勧告は発せられると私は思っています。したがいまして、北海道開発局長がそのような権限を持っているわけでもなんでもないわけで、彼の考え方を、その記者会見での問いかけに対する答えとして述べたところであろうと思っています。それも一つの考え方であろうと思いますが、政治的にそれがどうこうという問題ではないと思います。私としては、第二次勧告の取りまとめに対して、国土交通省としての考え方は正式にその時点で述べさせていただくと思っています。

(問)JALとANAが関空路線を中心に大幅な廃止を検討しているとのことですが、これは燃油高騰等もさることながら、検討する背景として、関西に空港を造り過ぎたのではないかという指摘が、関空路線の不振の背景にあると指摘がありますが、大臣はどのように思いますか。
(答)私は関西の人間ですが、造り過ぎたとは全然思っていません。四国4県に4つあります。四国の人が聞いたら怒られますが。関西の経済力は韓国を凌ぐほどの力を持っています。人口ではオーストラリアとかオランダを凌いでいるんです。凌いでいるか並んでいるか知りませんけど、それぐらいです。では、オランダとかオーストラリアにいくつ空港があるのか。3つ以上あると思います。そういう見方もあります。しかしながら、便数をどうするかということは、航空会社の営業判断であります。しかし、判断だから損のところは切る、利益があるところは回す、それだけではなく乗客の利便とか、そういうことも十分考えていただかなければならないのではないかと思います。そのようなことを考えれば、やはり関係する乗客、関西の方々がどう考えるのかということも十分に話し合っていただいて、そのようなことがいろいろニュースになったりすることがないように、やっぱりいろいろ話合いをして、きちっとやってほしいなというのが私の率直な意見です。

(問)大臣、先ほどの北海道の関係ですけど、今日は北海道総合開発計画の閣議決定がされましたけれども、いわゆる談合事件が起きたり、組織のこういう見直しが起き、計画を策定した局長まで逮捕されて、このような中でスタートを切るというのはどのように解しているのか、ご所感をお願いします。
(答)そのように思われる方はたくさんおられると思います。本当に、厳粛に受け止めなければならないと思います。それと、北海道総合開発計画と、あるいはそれに基づく北海道の将来像、あるいは今始まらんとしている洞爺湖サミット等を考えましてもそうです。また北海道が食料自給率200パーセント、食の蔵ですよね、そして北の大地ですばらしい自然とか観光資源を持っているわけです。そういうものをどう伸ばしていくのかということと、このような不祥事とは一緒にされるべき事項ではないことは分かりつつもです、わかりつつもこれはやはり国民の目から見れば、そういうことが一緒に混然となって大丈夫かという思いをされると思います。真に残念、残念至極ですが、しかしながら、私どもとしては正すべきものは正し、改めるべきものは改め、そして、進めるべきものは進めるということで、本当にみんなが一致結束してやっていかなければ、子供や孫達に自信や誇りをもてるような北海道というものを作っていくことができないと思います。したがって、ここは、本当に改めるべきとこは改め、謝るべきものは謝り、そして正すべきことは正して進んでいかなければならないと思っています。

(問)関空の話にまた戻りますが、先ほど造り過ぎではないというふうにおっしゃいましたけれども、韓国を凌ぐ経済力が関西にはあるとおっしゃいましたけれども、実際、国際線の搭乗率がものすごく低いままで、国際線は特に撤退が相次いでいます。今回は国内線の話に絞らせて聞かせてもらいますと、伊丹からは短い路線を飛ばして、関空からは長い路線を北海道とか沖縄、鹿児島に行くような路線を飛ばすという国土交通省の政策によって、結局関空まで天王寺からでも1時間かかってしまう。それから国内線に乗り継ぐというその利便性をあまりにも無視した国交省の指導のあり方が、結局客離れを招いて、国内線の低収益化を招いたという見方はできませんか。
(答)大変厳しい見方ですけれども、残念ながらそういう御意見もあると思います。率直に受け止めて、事業者の判断ではありますけれども、よく話し合って、どうすれば改められるのか、これはよく考えていかなければならないです。関空会社だって、民間の会社とはいえ、国も大変大きな利害関係を持っています。そこが撤退相次いだら成り立たなくなります。私はその視点も大事だと思います。ここは関係者で3空港の役割分担をよく話し合って決めた内容なんです。けれども、それがやってみた結果、今日のような状況がくれば、過去がどうであったかということではなく、どうあるべきかというこ
とを率直に、素直に判断していくべきだと私は思います。だからいろいろ話し合わなければならないのではないかなと思います。

(問)どのような選択肢が考えられるのでしょう。その伊丹の発着、そのジェットの発着枠を増やすとか、まあ一方でその関空のその利便性をもっと、まあでもなかなかアクセスを早くするってのも難しいとは思うんですけど、なおかつ経営状態を考えると発着料を安くするとか難しいとは思うのですが、考えられる方策というのはございますか。
(答)関係者はみんな努力しなければならないのではないでしょうか、本当に。それで利便を受けてる者がたくさんあるわけですから。そういう人たちが一生懸命どうあるべきか、例えば関西財界も13万5千回ですか、トップセールスを一生懸命してですね、まあ大阪府知事も前の知事ですけど一生懸命努力をしですね、そして関空があそこまで来たんです。ですからまあこれはいろいろと今までのいきさつもあったのでしょうけども、それを支える基盤が少ないとか、2千万人以上の人たちが利用できる可能性のある範囲にいるわけですから、僕はこの3つの空港がそれぞれに成り立っていくやり方はあると思うんです。いろいろ経済の問題もあるんでしょうけども、これは関係者が考えなければいけない問題だと思います。

ページの先頭に戻る