大臣会見

金子大臣会見要旨

2008年11月11日(火) 9:13 ~ 9:43
衆議院議員食堂
金子一義 大臣

閣議・閣僚懇

 今日は、私から閣議でご報告するテーマはございません。総理から、会計検査院の報告が出されましたと。これについて各省庁できちんと対応するようにと。21年度予算に反映するようにして欲しいとの指示がありました。

質疑応答

(問)淀川の河川整備の関係で、地元の知事が大戸川ダムについては反対であるということを間もなく表明される訳ですが、川辺川ダムの時もそうだったのですが、最近、国のダム計画について地元から反対ということが続いているのですが、率直な感想をお願いします。
(答)今日、共同の会見をされると伺っております。これについて、近畿地方整備局長が、ご意見を伺って対応のコメントを出されるということなので、私もそれを聞いてからまた対応したいと思います。

(問)東北新幹線の八戸と新青森が2010年12月に開業するということですが、これに対する受け止めと、未着工区間の財源の目途についてお伺いします。
(答)少し早まって工事が進んできたようですので、順調に進んでいるなと思います。未着工区間については、来年度、財源を確保して新規着工出来ればしたいと。概算要求に出ていませんが、来年度に向けて追加要求出来ればしたいという方向で、年末までに財源確保を何とかしていければ、という姿勢は今でも持っております。それに向けて、鉄道局で色々勉強して参りましたが、22年度から暫時、現在建設中の区間が完成してきますので、そういう状況を見て新たな財源を検討していくということをやって参りましたが、そのような検討の途中経過になるのでしょうか、あるいは試算なのでしょうか、今後整備をやるとすればどういう区間でやるのかということについて、与党のプロジェクトチームにお諮りすると。明日だと思いますが。ご議論を頂くというところに来ていると思っております。何とか財源が出来て、また財務省も良とするものにまとまってくれば、話が更にもう一歩進むと思っておりますが、今の段階ではまだ与党側の対応もはっきりしませんから、明日のPTを見て、また更に揉んでいきたいと思います。

(問)明日のPTでは、未着工の区間の財源についてもある程度言及はされるということで宜しいのですか。
(答)ええ。

(問)それは、補正を前提にですか。
(答)補正ではないです。補正は関係ありません。来年度予算です。

(問)既着工の部分について来年度のものを前倒しするという話も明日出ると。
(答)財源としては、既着工のものが22年度から完成していきますので、それを財源として取り込んでいくというのが趣旨になります。

(問)それは未着工区間についてですか。
(答)そうです。未着工区間の工事財源です。

(問)既に今建設中のものの財源についての予算の前倒しについても、明日結論が出るということになるのですか。補正ですか。
(答)補正ではないです。

(問)あくまでも明日は未着工区間の話が中心になりますか。
(答)はい。

(問)淀川ですが、流域の知事が明確に反対を述べるということ自体が、なかなか異例のことだと思うのですが、それが川辺川、淀川と続いている現状について率直なご感想をお願いします。
(答)川辺川についても、淀川についても、それぞれの事情が多分違うのだろうと。特に淀川は4知事プラス2で、6知事が関連しておられるということで、やはりそれぞれでの府県の立場も異なってくるのだろうと。私が聞き及ぶ段階では、全部が良い悪いではなく、それぞれ対応が分かれているやに伺います。今はセットで各知事に対して諮問している訳ですが、対応がそれぞれのダムあるいはダムの連関性でのお考えの違いもあるようですし、お立場も違いがあるようですから、それは近畿地方整備局長がそういうところも含めてコメントしてくれると思っていまして、全く同じ事由では無いと思います。

(問)ダムによらない治水をということは一つ共通している意見であると思いますが、これは根本的にダム行政の根幹を地方の側から問い直すものだと思うのですが、これについては大きな転換を迫られているという認識はどうですか。
(答)一般論としては、脱ダムというのは環境という意味で出てきているのかもしれません。それから、ダムについて新規のダム等々考える上では、そういうものも含めて改めて考え直していくという、あるいはダムを造っていくという手続きについても財政の負担問題ついても、今すぐではありませんし、私が河川局と詰めた話でもありませんが、全体としてそういうのも多少見直していく必要があるのかもしれないと、ただ、今、川辺川そして今度の淀川水系だけではまだよく分からないと。逆に別の知事からは早くやってくれと、干ばつがある故に早くやって欲しいという状況も寄せられているケースもあります。その辺のダムのあり方について、どっかで少し、繰り返しますが財源負担も含めて検討が必要かもしれません。公式ではありません。公式といいますか十分検討した訳ではありません。

(問)地方整備局長に委ねるということですが、近畿地方整備局長に対して何か大臣から「こうやりなさい」とご指示はなさっていないのですか。
(答)知事からのお話を受けて状況を聞き取って頂きたいと思っていますから、こちらから近畿地方整備局長に対しての指示はしておりません。

(問)4知事が共同会見という異例の対応する中で、局長に何も指示を与えずにというのはどうかと思うのですが。
(答)それは第一義的にそこの局であたって頂く、しかもそれぞれ一つのダムではありませんから、むしろ局長にやって頂いた方がいいと思います。何れ最終責任は私の所に来ますから。

(問)最終的に大臣の所に来た段階で大臣がコメントを発表するということですか。
(答)と思います。

(問)新幹線のことでお聞きしますが、繰り返しになるかもしれませんが、東北新幹線の新青森までの開業が3ヶ月程度早まるとのことですが、九州新幹線についても同様なケースが言えそうか、大臣の所見をお聞かせ下さい。
(答)今のところは八戸だけで、九州は予定通りと聞いています。

(問)定額1,000円の高速道路の関係ですが、色々と高速道路会社に聞いたところ、週末の高速道路の利用台数の中でETCを持っている車両はかなり落ちるようです。週末はETCを持っている車両の利用率が大幅に下がるらしいです。平日は結構ETCを付けている車が多いらしいですが、週末に限っては普段高速道路を使っていない車両が乗るケースが多いらしいです。にも関わらず、ETCに限定されているのはあまり効果が見られないと思いますが。
(答)どこにお伺いされたのか、詳細は私の手元にこれから来ますが、週末でもETCの搭載率というか利用率は7割から8割、比較的高速道路を走られている割合が高いという状況を前提として今回やらして頂いていると、それからもう一つは、渋滞というのは料金所周辺が一番の大きなネックになっていますし、ETCを付けないでやるとなると、今の料金収受機というのを改造する費用の方が非常に上がってしまうので、何とか長い目でETCを見て料金所渋滞を無くすと。それによってCO2の削減効果を持ってもらうということもあるので、出来るだけETCに普及、誘導をしていきたい。「ETCを増やすと何かまた天下りで儲けるのか」という話に必ず繋がりますが、そうではないように、少し皆さんの目に見えるような形でETCを普及させて頂く機会にして頂けないだろうかという期待を持ちながらやっています。

(問)その点ですが、ETCを持ってない人の割引について料金所で料金を集める人が大変だという話を聞きますが、職員の方が見てどこから来たか判断すれば良いと思います。それは、ETCを使わない人の割引をしないという理由にはならないと思いますが。
(答)料金所の人に金をかけるという話ですか。

(問)その人がきちんとどこから来たかということを把握すれば良いという話です。
(答)ですから、もっとどんどん手間暇掛けるという話を出来ないことはないんでしょうけど、やはり全体として人手を減らしてコストを削減したいというのがある訳です。つまり、経費削減が求められている訳です。ですから、やって出来ないことはないだろうという話なんでしょうけど、出来れば7割の方が使って頂けるような状況が、どんどんETCの搭載率が高まってきているので、やはりコスト、ゲートの管理をされている人のコストを削減していくと。ETCの普及をこの機会に設置して頂くようにならないかと思っています。

(問)今回の料金の値下げでETCの普及を図りたいという狙いがあると。
(答)ETC普及そのものを狙っているのではなく、料金の引下げをしたいのです。料金の引下げが主眼なのです。その手段として、一方でETCを使って頂くことによって、全体としての道路会社の経費負担、削減にも資するようにして頂きたいし、そもそも交通渋滞、高速道路渋滞、これがお陰様でETCを使うことによって大幅に削減出来ているという昨今の流れがあるので、何とか下げられるように使って頂けるようにして頂けないかという思いからなのです。

(問)担当課からどういった説明を受けられているのか分かりませんが、先程の大臣の8割というのは首都高の平日ETC利用率だと思いますが、休日になると大幅に下がると首都高が言っています。
(答)首都高ですか。私が今言ったのは地方の高速道路のことです。

(問)例えば中日本高速道路に聞くと、全国で登録台数8千万台の内、高速道路を利用しているのは850万台位です。それがいざ定額1,000円で利用するとなると、大幅に増える可能性があります。そうすると、今のETCの利用率で施策を決めるというのは如何なものかと思うのですが。
(答)土曜、日曜に首都高で8割弱、他の道路でも西日本は6割から7割の間ということで、これは土日です。それから、搭載台数で議論すると軽自動車は非常に搭載率は低いです。中型以上になると地方に行ってもそれなりの搭載率であるとのことです。ですから、もう1つ、今手許にありませんが、ETCが比較的に搭載し易いように、出張に行こう、休日にどこかに行こう、お盆に秋田まで走ろうという時に、比較的簡便にETCを搭載出来るような状況を出来るだけ作りたいと思っています。

(問)少なくとも利用頻度が高い人はETCを搭載するんでしょうけど、土日しか使わない人をターゲットに絞って、今回定額1千円を導入されたと思うのですが、何故ETCに限定するのか、もう少し説明して頂かないと分かりません。
(答)先程説明致しましたが、その説明では納得頂けないようですので分かり易くまた説明をもう一度します。どうせ国会でも質問が出ますし。この問題は理解をして頂く必要がありますし、地方の方にとってみれば、昨日全国の県議会の方が来られて「何故我々のトラックを割引しないのだ」とトラックはまるで割引されていないというような認識や、まだまだ分かりにくところがあると私も気が付いていますので、トラックの平日3割引、深夜5割引というのは残るんです等をまだ頻繁にご説明をさせて頂く必要があると思っていますので、更に進めていきたいと思います。

(問)先程の、ETCを簡便に付けられるシステムを考えたいというのは、今のシステムとか手続きとは別に、もう一つ簡略化したようなものができないかというイメージですか。
(答)ETCを接続・搭載するコストの割引制を導入するとか、場所を拡大するとか今のシステムで付け易くするということです。

(問)今、いくら位掛かるんですか。
(答)機械と設置料金と、全部で1万5千円位です。

(問)今、大臣が仰った話は、高速道路の定額制導入に合わせて実施したい、セットでやりたいということですか。
(答)セットでやりたいということです。ただ、セットでと言っても、すぐにETCを普及したいというのは、高速道路渋滞の3割以上が料金所渋滞ですから、これをなるべく少なくしていきたいということ。それから、トータルとして道路会社のコスト削減というのは、やはり人件費ですから、ここを削減したいということ。また、ETCの導入については、今回だけではなく長期的な課題としても取り組んでいきたいと思っています。

(問)コストの割引というのは、どの程度の割引を考えていますか。
(答)色んな試算がいくつか挙がっていますので、もう少ししたら出せると思っています。

(問)一時、5千円位で付けられるとかやってましたね。
(答)実際に旅行に行こうという時に、どこか近くでそれを受けてくれる所が、ちゃんとセットで割引が出来るというネットワークがないと出来ないので、販売してもらえるネットワークと併せて値段の設定を図ろうとしています。

(問) 給付金は、結局、高額所得者は自主返納という形でと総理も仰っていますが、それで宜しいですか。
(答)今日、明日、与党で決めると聞いていますが。

(問)大臣として、問題はないとお考えですか。
(答)問題があるかないかと言われれば。

(問)民主党は、そんなの制度ではないという感じですが。
(答)そういう意味では、必ずしも厳密さはないんでしょうが。苦渋の選択というか、早く実現をしていく上で、事務負担を、厳密にこれを配分するのに大変な事務を伴っていくようでは何の為にやるのかという話になりますから、苦渋の選択ではないのかと思います。方向として、今の経済状況を鑑みて、所得制限の上限を設けるというのは私自信は良いと思っています。後は手続きの問題ですから、政府としておかしいという見方もあるでしょうし、しかし迅速性を保てば良いではないかという考えもあるでしょうし、私はこれで与野党がまとまるのであれば、それで良いと思います。

(問)新幹線のPTのことで1点、先程、どういう区間でやるのかについてご意見を伺いたいということだったんですが、与党の中では3線同時着工が一応原則的な考え方になっていると思いますが、3線同時着工を前提としてどういう区間でやるかという意味なのか、それとも同時着工ではなくて別々に順番を区切り付けしてやる可能性のもあるという意味なんですか。
(答)それも含めて申し上げたのですが。

(問)必ずしも、3線に拘っているという訳ではないということですか。
(答)拘るのかどうか、与党側でどういういう方向でこうやって欲しいとか、ここまでやって欲しいとか、こっちから着工して欲しいとか色々な要望が出ると思います。あるいは、着工区間についてもこういう目途に立って欲しいとか要請があるので、そういうことを全部まとめた上で、更にそれに対応する財源をどうするかと、両方ある訳ですから、もう暫く行ったり来たりになると思います。

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