大臣会見

金子大臣繰り下げ会見要旨

2008年12月24日(水) 9:51 ~ 10:19
国土交通省会見室
金子一義 大臣

閣議・閣僚懇

 本日の閣議では、「生活対策」、「生活防衛のための緊急対策」等の全府省一体となった実施の推進と、そのフォローアップのため、内閣に「緊急雇用・経済対策実施本部」を設置することが口頭了解されました。閣議後第1回の本部会合が開かれ、私からは「生活防衛のための緊急対策」等に盛り込まれた数多くの施策について、関係省庁と連携し適切に対応すること、住宅・不動産業の活性化のための緊急対策を着実に実施すること、離職者の居住安定確保に向けた対策について関係地方公共団体等に本日周知し、住宅セーフティネットに万全を期すること、について申し上げました。具体的には、後程住宅局からお話申し上げるかもしれませんが、市営、県営含めてですが、公営住宅について要件の緩和、つまり入居条件としての家族状況、これも単身でもいい、それから収入状況、仕事が無くなって収入が無くなってしまうというのがありますが、そういう方も要件で対象にすると。都市再生機構の空き住宅ですが、これも同じように要件を緩和して定期借家という仕組みで対応しますと、中堅向けでありますけれども、安い家賃で入れる、これも要件を緩和して対応等々他に4つありますけれども、こうした対応を執る。舛添大臣からは、雇用促進住宅の確保、合計一体全体いくらでどういう要件で入れるのか。各省庁それぞれ今日出しましたので、官房長官から後でまとめて官房長官会見で政府全体としてこれだけ用意しましたということを報告してくれ、ということを私から申し上げ、官房長官もそうするという話となりました。閣議前に「安全保障会議」、「行政改革推進本部」が開催されましたので出席を致しました。私からは以上です。

質疑応答

(問)政府の予算案ですが、公共事業費が過去数年と比べて削減幅が大きく、予備費を使ってやり繰りでという声も強まっている訳ですけれども、大臣の受け止めをお願いします。
(答)政府全体として5%減、私のところは最終的には4%減ということになりました。これに加えて、予備費、それから1次、2次の補正が入って来ますので、こういうものを通じて、今一番大事な仕事を作る役割を公共事業で担って頂けるという部分はそれなりのことが出来る予算となったのではないかと思います。道路については一般財源化になりました。しかし、地方の自治体の皆様方は、地方の交付金が出来て一つ安定した財源をこれによって確保できる。交付税ですと財源がなかなか安定しない、というご心配がありました。私のところに来られる方はそう仰ってまして、それが出来るようになったということが一つ安心感。もう一つは、地方に必要な道路を造れる枠組みを作る、地方に必要な道路を造れるような枠組みを作っていくことの必要性を私は言ってきましたけれども、今度、総枠で昨年以上に地方への配分が確保されたという意味では良い結果が出たのではないかと。ただ、一般財源化になりましたので、今まで4分の1自動的に直入されていた地方道路整備臨時交付金はシーリングの外に置かれていた訳ですけれども、今度一般財源化に伴いまして全てシーリングの中に入りますので、これは今までと違う、道路財源と関係なくシーリングの中に入る、つまり財政規律に従うという意味でかなり大きな枠の変更が今回の一般財源化を機会に出来たのだと思っています。

(問)リニア中央新幹線ですが、今日指示を出すということですが感想をお願いします。
(答)今日これから出させて頂きます。整備新幹線も目途がつきましたので出させて頂きます。大変期待をしています。地元調整等しっかり相談をして頂いて打ち返して頂きたいと思っています。  

(問)道路の件ですが、大臣はずっと地方で必要な道路を造る枠組みが必要だと仰ってます。その形で新しい交付金が出来ることもありましたが、仰るとおりシーリングに従って財政規律に従うということによって毎年のシーリングに掛かってきて、2011年までは1パーセントから3パーセント削減されるということで、或いは600億円を差し出したことによって発射台が低くなって、地方が必要な道路を造る枠組みが確保されたというのは、来年度については言えると思いますが、再来年度以降予算が厳しくなると想定されますがその点は如何でしょうか。
(答)大きな枠組みの変更、国対地方という部分の変更は無いと思います。直轄の部分はその分食い込んでいくということになっている。地方の分の道路が確保されないようなことはしないつもりです。

(問)一般財源化についてですが、一方で一般財源化としては骨抜きにされたとか、道路予算はまだ多過ぎるとの意見もあるようですが、これについてはどう思われますか。
(答)10年間で40パーセントの道路の削減がされてきている、今回は道路についてだけ言えば、間違いなく2千億円減額になります。その中で私が担当大臣をやって改めて強く感じていますが、地方自治体の皆様方の需要は非常に大きい。これに応えるだけの十分な財源が確保されているかというと、それはそうではないだろうと。そう言った意味で、着実に造っていくということと優先順位を付けていくということに相当苦労しながら、しかしながら必要な道路は造っていきたいと思います。骨抜きと仰いましたが、私は何を指して仰っているのか、色んな意味もあるのだろうと思いますが、一般財源化によって、少なくとも道路財源とのリンクが断ち切れて先程申しあげた道路財源があるから道路は予算が決まるのだという、財源が先にあって予算が付いて来るという、そういう意味での基本的な仕組みは完全に消えてしまったということです。相当大きな枠組みの変更になっているのではないかと思います。

(問)先程、大臣が地方に必要な道路を造る枠組みに関して総額では確保出来たということですが、総額というのは補助金の3千5百億円と9千4百億円のことを指していらっしゃるのでしょうか。
(答)知事会が言っているのは、地方に配分される元々の道路の財源があります。それと地方道路整備臨時交付金7千億円と地方への補助にまわるのが6千億円、これらを合わせたものが、今回計算して頂ければ思いますが、今年は去年よりも上回っています。 

(問)それは8千億円ではなく9千4百億円ですか。
(答)8千億円が道路ですから、計算してみて下さい。

(問)先程リニアのご感想で、期待されているということで仰ってましたが、これから地元との調整というのはなかなか難航するかもしれないということもあると思いますが、それに関して改めてご意見お願いします。
(答)地元の調整は難航すると思います。道路の確保について先程間違えました。平成20年度、21年度は補助金と交付金の方は9千4百億円は入っての数字です。

(問)大臣の認識としては、9千4百億円の内8千億円は道路、1千4百億円はそれ以外に関連するインフラのソフトだと言われていますが、大臣としては、それはもう、所謂道路予算だといった認識でいらっしゃるのですか。  
(答)いいえ。一兆円の内の概ね8千億円が道路ですから、地方枠という意味では、両方併せて今年の地方向け交付金・補助金を上回っているということです。

(問)今年、600億円は社会保障費に廻しましたが、基本的に次の年以降についても基本的には社会保障費に充てられるという認識で宜しいでしょうか。あるいはその年に再度議論するということでしょうか。
(答)消費税の議論もまた行っていく訳ですから、それまでどの財源から捻出していくかについて継続して議論することになると思います。取り敢えず、財政上の扱いが単年度になっているのかどうかということは別として、枠組みの方向はそう変えられないと思います。

(問)リニアの件で地元との調整は難航すると思う中で、JR東海と地元双方に対してどのように今後調整して欲しいと願っていますか。
(答)よく話し合って貰いたいと思います。

(問)川辺川ダムと大戸川ダムについて本体工事に繋がる部分の予算が全面的にカットされたという結果についてどのように受け止めますか。
(答)川辺川はダムによらない方策というのを求めようということがはっきりしましたし、協議会も立ち上がるようでありますので、本体工事に廻る部分の予算は付かない。ただ、五木村再建をこれからどうしていくのかということについては、今後県当局と相談していく手続きに入っていると思います。大戸川ダムは4府県知事が反対表明をされましたので、本体着工関係はもとより付かない。ただ、滋賀県で月曜日の県議会がこの反対含めて流れてしまったという報道が夕方入ってきました。これを受けてもう少し詳しく県の状況を伺ってみたいと思いますが、2府4県なのか、あるいは京都・大阪府知事さんとなのか、ご相談もあるのだろうと思います。どのようなご相談をこれからされていくのか見てから対応したいと思います。

(問)川辺川ダム・大戸川ダムとも、それぞれ40年という長い歴史の中で、結局このような感じで本体工事費が付かないという状況になりましたが、長期化する公共工事、ダムについては結局そのような結末に至ったことに大臣はどのようなお考えお持ちになったか。それと、こういった2つの事例ですが、今後他のダム事業計画に関して何かしら影響があり得るものなのか伺います。
(答)川辺川と大戸川でこういう話があったものですから、正にご指摘の通り長い時間が掛かります。そういう意味で、目的も利水・治水・発電それぞれその時代に応じて変わってくるということもあります。ダムについて何が問題なのか、これからそのような問題をどう対処していけばいいのかといった見直しをしたいということで省内に検討委員会を作ってくれということで、副大臣の金子さんをチーフとして外部有識者を含めてどういう点を検討していくのかも含めて、見直しチームをスタートしてもらう。大体骨格は出来て来年早々からスタートしていくと思います。

(問)リニアの件ですが、大臣のお言葉ですと、今回整備新幹線に一応目処が付いたのを待って指示を出す訳ですが、今後のリニアの手続きについて、整備新幹線を横目で睨みながら、配慮しながらという展開に今後ともなるのでしょうか、それともそこから先は分離されたものとして進んでいくのでしょうか。
(答)整備新幹線の進捗と併せてということを、必ずしも今の段階で考えている訳ではありません。リニアは大阪までの間の4項目をどのように調査していくのかということは、当然、機構とJRの両方でおやりになるでしょうから、いつまでという時限を切って今日はお願いをしませんので、進捗状況は折に触れてご報告はあると思いますが、今のところは考えておりません。

(問)リニアの関係で、地元調査について話し合ってもらいたいということだったんですが、これからの協議が平行線を辿る可能性が高いと思いますが、その場合は国として対応の仕様はあるのでしょうか。
(答)今はまだそのお話は早いと思います。まずやって下さいということです。

(問)今日、東京高裁で旧国鉄職員の採用問題が結審するんですが、これに関して大臣の見解と今後の方針を聞かせて下さい。
(答)今日、午前中に東京高裁で事実審として最終の結審ということになると思います。
来年早々、東京高裁で判決がなされることになれば、これは事実審としては最終ですので、これまで携わってこられた多くの関係者にとっては重みのあるものになるのではないかと思っています。当事者それぞれが、この判決を真摯に受け止めて、誠心誠意事に当たられることを心から期待します。

(問)リニアですが、地元でよく話し合ってもらいたい、あえて期限を設けていないということなのですが、思いとしては、出来るだけ早く着工出来たら良いということですか。
(答)4項目がありますから、採算とか技術的な部分とか、項目をきちんと調査の上整備することが必要です。私の思いからすれば、天下のプロジェクトですから、早く出来てくれた方があるいはそういう諸条件をクリアしてくれれば良いなと思いますけれども、その思いとは別に、やはり客観的な部分というのはきちんとクリアして頂かなければいけない。これが私のもう一つの思いでもあります。

(問)大体調査期間の目安みたいなものはないのですか。
(答)分かりません。

(問)中期プログラムの件ですが、消費税の引き上げに向けて23年度より実施ということは残ったのですが、経済状況の好転が前提ということで、そればかりが強調される形になりまして、逆に言えば景気回復がされなければ消費税の実施というのも無いのではないかという取られ方もされていますが、その件についてどのように思われるかお聞きしたいのですが。
(答)経済は生き物ですから、景気が回復していない時に増税というのは良くないと思います。私は、今回中期プログラムで消費税導入のメドを入れたということはむしろ、特に年金、3分の1から2分の1に上げるという安心感を与えるという上でも避けて通れない、政治として大きな前進だと思っています。ただ、諸外国を見て下さい。アメリカだって双子の赤字を無くそうということで、何遍もトライしながら経済が巧くいかない。トライ・アンド・エラーということで何回か繰り返して最後、平和な配当のところで達成した。それぞれの経済の歴史を見ても、やはりありますから、しかも、橋本政権の時もそうですけれども、景気と増税というのはもの凄く手に取るように状況が分かる、そのくらい怖さというのもあります。そこは大蔵省が絵に描いたような計画通りというのだけはやってはいけないと思っていますから、きちんと良く見た方が良い。景気が良くなったら国民の皆様を説得して導入して引き上げさせて頂くということだと思います。

(問)麻生政権の支持率なのですが、16.7%まで出ましたがそのご感想を。
(答)なんとか上げていくように、上げられる原動力の一人になって頑張っていきたいと思っています。

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