大臣会見

金子大臣会見要旨

2009年5月15日(金) 10:32 ~ 11:02
国土交通省会見室
金子 一義 大臣

閣議・閣僚懇

 本日の閣議では当省に関連する案件はありませんでした。閣議前に安全保障会議が開催されましたので出席を致しました。安全保障会議の中身につきましては、官房長官が会見で話されます。私の方からは、ニュースとしては旧聞に属してしまう話ですが、昨日、高速道路料金引下げについて党内で発言をさせて頂きました。趣旨は、今度のゴールデン・ウィークの渋滞状況を拝見しましたら、5月2日と3日で30キロ以上の渋滞が下り線で11回と9回、上り線は5月4日と5日、6日は比較的少なかったようですが、11回と12回という渋滞が起こっているという状況に鑑み、この渋滞の問題をどう考えるのかと、お盆の時期は暦でいきますと15日と16日の土日に集中すると考えますと分散させることを考えた方が良いのではないかと。ただ、何をやっても良い訳ではありませんので、この場合、お盆を考えるのであれば年末年始もどうするかといった1つのルールというものを考えていく必要があると、これはこれからの検討課題です。もう1つは、流通関係は平日割引を中心としていますので、平日を休日扱いということにやっていきますと、流通への問題が出てくるということで、特にトラック関係の問題は少し相談をしなければいけないと。JR貨物の幹部に昨日お話しを伺いましたら、今度のゴールデン・ウィークでは対応しようと思ったがコンテナが間に合わなかったそうです。こういう時にJR貨物には、モーダルシフト等と大げさなことは言いませんが、もっともっと活躍してもらう工夫の余地があるのではないかと。それからトラック協会の皆さんは今はコンビニで5分遅れただけで損害賠償を取られるようで、渋滞だから許されるという話では無いという状況もありますので、こういう流通関係について、平日を休日扱いにした場合にどのような問題が生ずるのかも併せて検討していきたいと思っています。一方で、街角景気ウォッチャーで、渋滞が起こったが地域、或いは地方の街角でこの料金千円ということで、ある意味元気になってきている、1つの景気の効果も出てきているようですから、何とかそれを生かしながらやっていきたいと思っています。私からは以上です。

質疑応答

(問)今の件に関連しますが、その高速道路料金割引の財源の問題は。
(答)これについてもこれから更に詰めさせて頂きます。当然ですが、道路会社とこれから相談に入っていきます。ゴールデン・ウィークの状況だけ見ますと当初予定を大分上回っているものですから、かなり道路会社の増収で賄える部分、或いはサービスエリアでの物品の販売が非常に好調であるようですので、これでそれなりにカバー出来る部分もあるだろうと。しかし、規模によっては何か考えなければいけないかもしれませんが、そういう意味で財源を含めてこれから検討したいと思います。

(問)今回の発表のタイミングですが、まだゴールデン・ウィークの需要の実績等の分析が十分でないタイミング、あと総選挙も控えており、ちょっとうがった見方をすれば選挙対策ではないかという声も出ていますが、その点については如何ですか。
(答)物流が絡みますので、今から検討して早めに国民に知ってもらう準備期間が必要だろうと。間際になってからやりますという話ではなく、準備してもらわなければいけないということで検討を開始するということで、あまり遅らせる訳にはいかないと。遅くなってからというよりも、という意味です。

(問)地元案件ですが、河村たかし名古屋市長が水余りを理由に岐阜県の徳山ダムの導水路事業から撤退する意向を示し、この案件について所管大臣としてどう受け止められますでしょうか。
(答)今日地元紙にそういった記事が流れたようです。これから記者会見をされるようなので、それを伺いたいと思っています。ちょっと両面聞こえてきています。今までの議員での立場と、市長になってからの立場というのが同じなのかどうか。もしそういった話であるとすると、これは一番の水利用者は愛知県と名古屋市ですので、ここの県との調整を名古屋市にやって頂く必要があると思います。

(問)基本的には「けしからん」ということでしょうか。
(答)いいえ、そういったことはありません。水需要というものを、これまで名古屋市、愛知県、要するに木曽川用水、豊川用水でしょうか、決して名古屋市だけの話ではありません。知多半島等々の分もあるでしょうから、それを受益者としてご判断頂くという話ですから。そこは調整しながら、当然新市長としてもやって頂けると思っていますから。今日の記者会見を聞いてから、また相談に入りたいと思っています。

(問)高速道路の話に戻ってお伺いしたいのですが、昨日の発言をもう一度復唱させて頂きますと、「皆さん青森までJRで帰るよりも遙かに車で帰った方が安いでしょうよ。そうしたらサービスステーションに寄って何か買ってくれるという効果が現れているので、地域経済の為にもその方が良い」と言われたということですが、要約すると「JRで帰るよりも高速道路を使って帰った方が地域経済の為にも良い」というように聞こえるのですが、青森はこれから正に整備新幹線を作ろうとしている地域で、非常に不適切なのではないかと思うのですが如何でしょうか。
(答)事例として申し上げますが、今度のゴールデン・ウィークの時の使われ方というのは、瀬戸大橋で讃岐うどんを食べに行くと。500メートル並んで讃岐うどんを食べに行くとか、関東圏ではアクアラインを通って千葉県に海産物を食べに行くとか、宮城県の気仙沼周辺の市長、町長、議会の皆さんが来られて、気仙沼の周辺でも他県ナンバーがこのゴールデン・ウィーク中は来てくれたと。海産物のほや、農産品では丁度ワラビ、ゼンマイといった山菜の類、道の駅で本当にお客さんが殺到してくれたといったような話があります。そういった意味で、青森への帰省の話だけではなくて、お盆には皆さん色んな使い方をしますから、経済効果という意味が大きいのではないかと思います。

(問)渋滞の分散を大きな目的とするならば、寧ろお盆等は上限1,000円の割引を止めた方が効果があるのではないかと思うのですが、如何ですか。
(答)観光という観点からは、うんと分散するという意味でしたいのです。どうやってそれが出来るかというと、やはり学校、今出ている議論では学校群によって休暇を変える等のことで、道路の話だけではないと。全体の仕組みとして、会社の休みの取り方というのはやはり全体に分散するというのが相まって来ないと、なかなか今仰ったような分散は出来ないのだろうと思っております。ゴールデン・ウィークに集中する、お盆に集中するというのは、全体に分散していくのが将来の課題だと思っています。高速道路料金の話だけでは無いと思います。

(問)分散ということからいくと、小中学校でいうところの夏休み全体まで広げるという考え方ですか。
(答)経済財政諮問会議でもその話は出ました。ブロック毎に学校群の休みを思い切ってずらすというのが諸外国ではあるようです。そういったものが出来ていくと良いと。ただ今度は子供の学校だけでなくて、皆さんの、父親達の休暇の取り方もそういった分散が出来るようにしていく必要もあるのだろうと。繰り返しますが、経済財政諮問会議の1つの課題として取り上げられていますし、私もそれは認識しています。

(問)国土交通省が発注している道路の空洞調査で、所管の公益法人が道路の空洞を見逃しているのではないかという指摘が自民党の内部からも出ているのですけれども、もし事実だとすれば相当道路のユーザーにとって不安だと思うのですが、この指摘をどう受け止めていますか。
(答)金子副大臣が来週早々、皆さんに事実関係を調べて報告をさせて頂くようです。

(問)空洞を見逃していると指摘されている区間の測定とか再調査をやった上でですか。(答)見逃しているのかどうかも含めて事実関係を調べた上で、副大臣が報告をさせて頂くということです。

(問)特に未だ今の段階では第三者の有識者を交えた委員会を立ち上げるとか、そういった話というのは。
(答)副大臣にこの問題をやってもらうので、事実を調べてもらって、第三者、或いは専門家、この分野は言ってみれば読み取りの問題ですよね。つまり、レントゲンを撮る人と、レントゲンに気泡があるのかガン細胞があるのかを見る読み取りの2つに大きく分かれますよね。走らせて波形を取るのと、波形によってそれを読み取ると。それから読み取ったところでもう1つは、陥没しそうだからすぐ工事に入る箇所と、経過観察をして今すぐ入らなくても良いんじゃないかという判断、その問題も多分あると思いますので、それも含めて委員会が必要かもしれません。それも含めて、副大臣に今事実確認と対応をやってもらってます。

(問)お盆の話にまた戻るのですが、ちょっとは選挙のことも考えているのでは。
(答)選挙よりも、この5月のゴールデン・ウィークでの利用のされ方で、どういう渋滞が出たかと、どういう使われ方が出たかを分析する過程でむしろ出て来ているんです。去年に比べてゴールデン・ウィークの渋滞、利用度がどうだったか。路線毎にどういう使われ方をしたか、もうちょっとやってもらおうと思っておりますけれども。30キロ未満、或いは30キロ以上の渋滞が去年に比べて渋滞時間が1時間長くなっていると。こういうことを材料にして、今の時期からどういう使われ方が望ましいのか分析していきたいです。

(問)そんなに選挙のためというのはやはりまずいんですかね。
(答)選挙を意識して考えたというよりも、経済の観点から、先程街角景気ウオッチャーという話をしましたけれども、ここでも料金引下げの効果を地方に感じてもらっているというのは、麻生内閣で進めている景気対策としては、庶民が感じて頂ける、或いは地方が感じて頂けるというのはもの凄く大事なことだと思ってますから、そういう意味で、これを活用していくことは今年選挙が無くても考えますよ。

(問)でも、お盆と年末年始にこういう問題が生じるというのは最初からちょっと考えれば分かることであって、それをこのタイミングで、尚かつ派閥の会合で仰るのはちょっと。選挙対策だって悪くないじゃないですか。
(答)すみません。

(問)財源についてお伺いしたいのですが、先程仰ったサービスエリアの物件販売が伸びるとかそういう部分が多分あるんだと思いますけど、その分高速道路会社の家賃に跳ねて収入が増える部分もある訳ですけれども、そこは5,000億円の財源との関係では、何らか客観的に評価して引くという作業をするのか、それともそれは単に儲けで上げちゃうのかそれは如何ですか。
(答)やっぱり出来るだけ高速道路会社で還元をしてもらいたいという原則がありますから、45年で返すことを大原則とすると同時に、収益の上がった部分は利用者に還元してもらいたいということですから、さっき申し上げたように、高速道路会社に相談しますけれど、そういう中で上がってきた収益を年末年始やお盆に還元してもらうことは念頭に置きながら相談したいと思います。

(問)「還元」というのは利用者に何らかという意味なのか、それとも5,000億円の財源投入の後で精算が起きる時の引く数字にするというのか、それはどっちですか。
(答)これから高速道路会社とやる時にその議論は出て来ると思いますけども、今申し上げたのは、仮にお盆をもう少し休日扱いを増やすとすれば、その財源に、料金引き下げる訳ですから、その財源に充てられないかということです。

(問)そうすると、売り上げが増えた分はどの部分が効果なのかという線を引かないといけませんが、それは客観的にどのように。
(答)高速道路会社と相談します。

(問)民主党の代表選ですが、どのようにご覧になられていますか。
(答)昨日の昼に発言いたしまして、余計なお世話だとお叱りを頂きましたけれども、一昨日の段階では小沢さんとの距離が近いのか遠いのかという話で、自民党との政策の違いが、鳩山さんがなった場合と岡田さんがなった場合に必ずしも明確ではないなと。総選挙が間近ですから、国民の関心はどちらがなられた場合にはどういう政策が、特に民主党の中の問題ではなくて自民党との政策の違いでどういう風に出て来るのかと。期待して私もそういう目で見ていたのですが、その違いよりも全面に小沢さんとの距離が出ているというのは、「おやっ」と思うところでしたので昨日発言いたしました。昨日の午後からそれぞれ政策を発表されましたし、今日も政策を発表されるようですから、楽しみというか、選挙で戦わなければいけませんから、どういう政策の違いを出されるのか当然注目しております。

(問)どちらの方が与しやすいですか。
(答)それはどちらも大変ですよ。小沢さんという重しがとれるのでボーンと浮上するに決まってますから、自民党にとって、閣僚という立場を少し離れて話しをしていますが、いずれにしても大変です。気を引き締めて選挙には我々も臨まなければいけないと。

(問)観光庁長官に何度かお尋ねしていますが、観光庁の職員だけでも休暇をとらせて旅行に行かせたらどうかと。
(答)なんて返事があったんですか。

(問)自分としてはやりたいのですが、課長クラスがうんと言わないと。二週間なり一ヶ月位まとめて休みを取らせて、外に出て旅行を経験されて各地で講演するなり、やったほうが良いと思っていて、それが何故出来ないのか不思議なのですが。
(答)お考えは分からないではありませんが、観光地で元気のある所は必ずその地域に人がいますよね。誰か中心になって一生懸命頑張っている人がいる地域というのは伸びているなと。そういう意味で、その観光地で通ずるノウハウは他の観光地では必ずしも通用しないと思うんですよ。観光庁の課長さんが2週間位行って分かるのかどうか。行かないよりはマシですが。せっかく行くならばそれぞれの観光地の人に会って何を努力してきたのか、そういうものを吸収してもらうと。役人ですから、ノウハウがある訳ないのでここの観光地のノウハウは他では通用しないのは分かった上で、どういった経緯でその地域が伸びてきているのか、どういう背景で失敗したのかということも含めて学んでもらう。そのために休暇を取ってとか、また休暇を取らなくても各地に行って人々の話を聞いてみると。こういうことをやれば他の地域も伸びるのではないかとか、道路だけではなくて周辺の整備、観光地として魅力のあるものにしていくということのアドバイスが出来るというような状況を吸収してくると。

(問)大臣も休暇の取り方については日本全体としてもうちょっと考えたほうが良いという趣旨のご発言されていたと思いますが、そういった意味では観光庁が率先して、国交省でも平日ベースで言うと5日位しか夏休みがないと。こんなに短くて良いのかということがあると思います。観光庁が音頭を取って「もうちょっとまとめて休暇を取ろう」と口では言うけれども自分達はやらないというのは変だと思います。
(答)分かりました。なるべく観光庁にもそれぞれ分散してまとめて取ってもらって経験してもらうことが必要かもしれませんね。

                               

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