大臣会見

金子大臣会見要旨

2009年7月14日(火) 10:52 ~ 11:10
国土交通省 会見室
金子 一義 大臣

閣議・閣僚懇

 本日の閣議では、当省に関係するものは一般案件2件、「総合物流施策大綱(2009-2013)について」と「平成21年度特定港湾施設整備事業基本計画の承認について」の決定がございました。「総合物流施策大綱」についてですが、現在、世界経済が停滞しております。物流は我が国の経済活動や国民生活にとって、なくてはならない重要な分野であります。新たに策定した大綱は、政府全体の5年間の物流ビジョンとして今後の物流施策の基本的方向を示すものであります。この大綱に基づき諸施策を総合的かつ一体的に推進し、物流の効率化を通じた我が国の国際競争力の強化と国民生活の向上に努めてまいります。これは閣議の中での私の発言をビジョンとさせて頂きました。閣議案件以外で2件報告がございます。1件は「羽田・北京間の定期的なチャーター便について」であります。羽田空港と北京首都空港の間の定期的チャーター便につきまして、本年4月29日に麻生総理と温家宝国務院総理の会談におきまして、本年10月から開設することで合意されておりました。その後、国土交通省で具体的な期日と便数について中国民用航空局との間で調整を続けてまいりました。その結果、昨日7月13日に、本年10月25日から双方が1日2便ずつ、計1日4便でありますが、定期的旅客チャーター便を羽田空港と北京首都空港を結ぶことで合意いたしました。両国の首都を結ぶという意味で、政治的にも大きな意義があると思っておりまして、ようやくその実現に向けた具体的な枠組みについて合意が出来たことは喜ばしいことであると思っております。もう一点が事業執行を見合わせております直轄国道についてご報告させて頂きます。九州地方整備局管内の3事業について、先週の7月8日に事業評価監視委員会で議論が行われました。その結果も踏まえまして、今般3事業のうち鹿児島県早崎地区、これは大隅半島に桜島から渡るところでありますが、早崎改良、220号であります。それと川辺改良、鹿児島から枕崎に行く幹線道路であります。これは225号。この2事業についてコスト縮減などを事業内容とした上で、事業継続が妥当とし、事業を進めることと致しました。特に川辺改良については、予定されている事業費のコストを半分に削る、追い越し車線をこの区間止めるといったような工夫、コストの削減をしたところです。残されました220号の宮崎の青島~日南改良について、青島バイパス区間について当初4車線化という計画でありましたが、これは取り止めることと致しました。なお、事業区間の中の防災対策、これは日南の南の方でありますけど、知事を始めてとして地域の皆様方のご要望、或いは事業評価監視委員会等から必要性が指摘されました。私もここは現地視察をさせて頂きました。日南市長、知事等々からお話を伺い、また日南市民と地区の皆様方からの手紙等々も頂戴をいたしましてその必要性について訴えられたところであります。この部分について、今後事業内容の具体化に向けて直ちに詳細な検討に着手するということとさせて頂くということを昨日最終的に決定させて頂いたところであります。今年は調査費を付けさせて頂く予定になっています。私からは以上です。

質疑応答

(問)日曜日の都議選の結果で、今後の政局を見据える上で大変注目が集まっていましたが結果は自民党の惨敗ということでこの結果についてどのように受け止められておられるかということと、これに関連して昨日麻生総理が総選挙の日程について、早ければ7月21日に解散して8月30日に投開票ということで政府・与党で合意したということであったのですがこの解散の日程について大臣のご所見をお願いします。
(答)票を分析してみますと自民党の総得票はそう減ってないんですね。民主党の方が投票率が上がった分ほとんど民主党にいかれたという、結果としてそういう動きが見えます。言い方を換えますと、これまで自民党を支持してくれた人というのはそれなりに自民党支援、ただもっとそれを上回る自民党に訴える力が、或いはアピールする力が足りなかった。東京でそうですから多分地方ではもっと厳しい状況が来るのではないかと。こういう動きというのは地方に伝搬するのだろうと思っております。それだけに大変厳しい選挙になると思っております。今日閣僚懇談会で来週早々に解散をしたいという、これは総理からお話がありました。閣僚の間から、誰というのは申し上げません、東京都議選の総括、東京都議選で何故敗けたかということについて、よく吟味し反省し必要な点をきちんと整理して、その上で選挙に臨んで欲しいという要望が何人かから出されました。それについては、官房長官と浅野副長官から、麻生内閣がこれまでやってきた或いは今後進めていく方向について、残念だけども本来訴えるべき政策が届いていないのではないか、もう少し分かり易く説明をしようと、或いはすべきではないかという話があり、意見がまとまったところです。

(問)遠からずやってくる解散までの詔書については大臣はサインされるご意向でしょうか。
(答)麻生内閣の閣僚ですから署名します。

(問)所謂「麻生おろし」について内閣の一員としてどうお感じになっていますか。
(答)色々あるのではないでしょうか。閣僚懇談会でもやはり総括した上で、或いは国民にアピールすべきものをもっと整理してという意見が出る位ですから、当然ですが党内で色々意見が出るのではないですか。

(問)解散ですが、都議選で大敗した直後でしかも支持率アップが見込めない中でかなり先延ばしされた感じがしますが、今後の選挙戦はどのように戦っていけばよいとお考えですか。
(答)先程申し上げたように、分かり易くアピールすることをもう一遍整理していきます。例えば、国交省で言えば今日浅野官房副長官に申し上げたのは、来年の地方自治体の裏負担と言われているものについて来年も「もうやめてしまおう」なんてことはないと、自民党の責任を持って来年もこの部分についてはきちんと責任もって支えますと、2階に上げて梯子を外すようなことはしませんということをポイントにしてもらいたいと。これは私が言ったことですから官邸がどう使うか分かりませんが、これは財務省は冗談じゃないという話でしょうし、役所もなかなか言えませんが、そういうような閣僚が思っている部分を出しあって貰ったら良いと思っています。

(問)「総括した上で」という発言の裏には麻生さんではない別の顔で選挙を臨んだらどうかという意見が出たということで宜しいでしょうか。
(答)そこまで言っていないんですよ。

(問)因みに総理からはどんな発言がありましたか。
(答)貴重なご意見を承ったということでした。

(問)船舶検査法がおそらく廃案になってしまうのではないかということですが、これについては如何ですか。
(答)本当にいいんですかね。国連の要請って、国連至上主義をとっている小沢さんの意向には反するんじゃないの、どうするんだろう。これは衆議院を今日通すようなので、参議院はどうするのか、ちょっと参議院の国対、或いは幹事長ベースの話で対応するのかどうか、やはりこんなものを民主党は反対しては駄目だと思います。 

(問)話をもう一度聞いて恐縮ですが、総括した上で、という話が出たその話について大臣はどういったご感想を持たれていますか。
(答)既に述べた、やはり都議会選挙で訴えられなかったことを改めて今度は国政ベースで訴え直すということ、これに尽きると思います。東京都議選の場合には比較的私の住んでいる地域でも「築地市場移転、これには反対」、「新東京銀行、何よね、あんなのに何故都民税を使うの」とご批判票も相当それなりにあったのだと思います。私は杉並に住んでいますが井戸端会議で築地市場の話等随分出たのだそうです。今度はそういった問題ではないので改めてテーマをやはり政策についてのテーマというものを、民主党は政権交代ということですから我々は具体的な政策で国民に訴え得るべきものを絞って訴えて行くと。なるべく私個人は選挙はシングルイシューが本当は一番良いです。あの小泉さんの時はそうでした。是か非か、なるべく絞り込んで、役所が書いた或いは党が理屈を並べたような選挙マニュアル等よりも焦点を何かに絞るような方法が、その是非を問う方法が良い。民主党の最大のマニュフェストとは政権交代です。中身よりも政権交代です。それが最大のマニュフェストです。それが最大のシングルイシューです。これに対抗するものを考えていかなければならないので、相当絞り込んだ方が良いのだろうと思います。

(問)先程の国道の件ですが、従来の計画について中止するというのは分かるのですが、その先の事業については元々評価の対象ではない部分だったはずですが、それについて敢えてこの時点で言及されるというのはどういう理由でしょうか。
(答)これは、日南市長、住民の皆様方、知事も含めて非常に強い要請があった。現実にその地域は崖崩れがあった。そして今工事を一生懸命やっている、相当雨が降ると通行停止といったようなことで、現状においても復旧作業をやっていますが、新たな事業箇所として是非取り上げて欲しいという地元の要請があり、それを受けて事業評価監視委員会でも、この部分については事業化の検討を進めて欲しいというご意見が出てきたものと理解しております。

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