大臣会見

前原大臣会見要旨

2010年2月19日(金) 9:30 ~ 9:47     
国土交通省会見室          
前原誠司       大臣

閣議・閣僚懇

私から一点ご報告いたします。
京成電鉄成田空港線の上限運賃認可についてでございます。
国際競争力の観点から空港アクセスの時間短縮は極めて重要であり、ご承知のとおり、都心と成田空港を30分台で結ぶ京成電鉄成田空港線が今年7月に開業する予定です。
この件について、本日、上限運賃の認可を行う予定であります。
成田空港では、平行滑走路の延伸によりまして、本年3月からは年間発着枠が二万回増加して、22万回ということになり、中東やインド、北欧に直行便が新設されることになっております。
また、成長戦略会議でもご議論頂いておりますけれども、成田空港が有する東アジアで最も充実した国際航空ネットワークをさらに強化して首都圏及び我が国の国際航空需要に応えるため、年間発着枠を更に拡大すべく、昨年末から地元と具体的な検討に着手をしております。
今回の京成電鉄成田空港線はこのように成長しつつある成田空港と都心の間の30分台の空港アクセスを実現する、具体的には日暮里~空港第2ビルの間の所要時間を51分から36分に15分間大幅に短縮するとともに、沿線地域の利便性の向上に資するものでございます。
本件につきましては、昨年12月16日に京成電鉄株式会社から上限運賃の認可申請がありまして、これまで厳正に審査を行ってきたところでございますが、昨日18日に運輸審議会から「申請どおり認可することが適当である」旨の答申を頂き、それを踏まえて、本日上限運賃の認可を行うこととしております。
ちなみに成田空港線の開業日は7月17日になると聞いており、京成電鉄には、開業に向けて遺漏なきよう、万全を尽くして準備を進めて頂くように指示をいたしました。
また、これに関して、本日、北総鉄道から昨年11月30日の関係自治体と鉄道事業者との間の合意に基づき、成田空港線の開業時、7月17日から5%弱の運賃値下げを実施する旨の届出がなされる予定でありまして、あわせて、京成電鉄からも、成田空港線の北総鉄道区間について同様の実施運賃の届出がなされる予定でございます。
私の方からは以上です。

質疑応答

(問)公用車談合事件で職員の処分と再発防止策が発表されましたけれども、大臣自身の責任と再発防止に向けてどう臨むのかをお願いします。
(答)当然ながら、国土交通省の中で起きたことでありますので、過去の事案と言っても監督責任というのはあろうかと思います。
一昨日でしたか、予算委員会で胆沢ダムの談合事案についての再調査と、談合情報が寄せられた時にどういうプロセスで検討するかということの見直しというものをやらせて頂くということを申し上げました。
実は私が大臣に就任して以来、入札制度改革というのは内部で検討してもらっております。
中々難しいテーマではございますけれども、今お話のあった談合の防止ということも含めて少し内部で検討をさせて頂きたいと考えております。

(問)胆沢ダムについては、再調査を行うというご答弁をされたと伺っておりますけれども、具体的にどのようなご指示をなさったのかお願いします。
(答)5年前のことでもありますし、また我々捜査権はありませんけれども、出来るだけ事実関係というものをしっかり調べて国土交通省の対応に問題がなかったのかどうなのかも含めて検討するように指示をいたしました。
また、過去といいますか、現在も含めて談合情報というのはかなり寄せられていると聞いております。
年間に寄せられたものでいうと平成20年が70件以上だったと思いますし、また国土交通省の職員が様々な入札の資料に目を通していておかしいのではないかと思われる件数も数百件あるということを報告を受けております。
そういう意味では、この談合情報に我々は接してどう対応していくかということをもう少し、勿論公正取引委員会とも相談をしなくてはいけないことでありますが、見直して談合の芽を摘むと。そして、談合が起こらないような仕組みというものを更に追求していくために省内で検討をこれから具体的にしていきたいと考えております。

(問)昨日、香川と岡山の知事と会われて、フェリーの件に関して支援に向けた協議会を発足させるという話でしたが、その狙いと高速道路の割引で影響を受けた他の公共交通機関への扱いはどういう風にしていくつもりかということをお願いします。
(答)昨日、岡山と香川の知事がお越しになられまして、その前には高松市と玉野市の市長さんも来られまして、四国フェリーと国道フェリーが航路を廃止するということについて、なんとか存続をというお願いでございました。
どのような対応策があり得るのかということを含めて両県と両市、そして2社、国土交通省の連絡協議会を立ち上げるということを指示して具体的な作業に入って頂きたいと、このように考えております。
皆さんご承知のとおり、本四架橋が出来ましてその時に700億円以上のお金をフェリー会社に投入をしております。
その時は、特別措置法というものを作ってお金を投入したと記憶をしておりますけれども、今回、自公政権の時のETC1000円、或いは夜間等の割引等によって打撃を受けたのは事実でありましょうが、やはり根本的な利用客、或いは台数が減ってきた大きなポイントは本四架橋が出来た時にあったのだろうと思います。
従いまして、全てが高速道路無料化、或いは社会実験に起因しているという風には思っておりませんけれども、こういった影響もしっかりと把握をするための社会実験をやりながら、我々の高速道路料金の最終形を見いだしていくということでございますので、今回の事案も1つの参考例として対応を考えていかなければならないと考えております。
何れにしましても移動する権利というのは極めて重要でありますし、平成23年度には交通基本法案というものを国会に提出をしてご議論頂き、そしてやはり高齢化社会そして環境問題ということを考えた時には、公共交通がどうあるべきかということもしっかりと考えていかなくてはならないと思っておりますので、社会実験とこの交通基本法の中身を加味して総合的な交通対策を行っていくと、施策を行っていくということになるのかと思います。

(問)アメリカの公聴会がトヨタの社長を召致しておりますが、大臣としても出席して説明すべきだとお考えでしょうか。
(答)私は豊田社長さんにも佐々木副社長さんにも積極的にアメリカに行かれて議会に呼ばれるのであれば説明をされた方が良いということはずっと言い続けてまいりましたので、お受けになられるという方向になったということは結構なことだと思います。

(問)政府が、一部報道で普天間基地の移設先として、キャンプシュワブ陸上案を提示したという報道がありますが、その事実関係とその案についての大臣の考えをお伺いします。
(答)事実関係については一切存じ上げておりません。
シュワブの陸上案というのはかなり前に調査をされて消えた案だと伺っております。
従って俎上に上った案ではある訳でありますが、あそこは射撃訓練もやっておりますので、それの移転等も含めて、或いは前回駄目になった理由の1つは、やはり民家の上空を飛ぶということに問題があったということですので、もしそういうものが本当に俎上に上っているとすればそういったところをどうクリアをしながら考えられるかということではないかと思いますが、私は事実関係については存じ上げておりません。

(問)民主党の一部で政調の復活を求める声が出ておりますが、今回マニフェストをどう作るかと、また参院選が近づいている中で、政調復活とマニフェストをどういった形で作るのかお聞かせ下さい。
(答)大きなポイントとして自民党政権は政府与党がかなり独立をしていたと、つまりは政策調査会というものがあって、また法案を出す時には総務会の決定を経なければ出せないと、つまりは党の事前審査というものがあって、そして法案が内閣から提出をされていたというかたちでありましたが、我々は政府与党一体化を図っていく中で、そういった二元体質は止めていこうということで、新たな政権で今まで取り組んできたところでありますので、そういうイメージでの政調復活ということについては、私は慎重に考えた方がいいと考えております。
ただ一方で参議院選挙の公約マニフェストというものをどこで作るのかということを考えた場合、政府の中は今取り組んでいること、また中長期的な問題として取り組むこと、勿論それはそれぞれの役所で政府の中で検討し実施をしているわけでありますけれども、やはり大きな観点からそういった議論をするということも大事でございますので、そういう意味においては中長期的な党の政策マニフェストこういうものを議論するところが私は与党の中にあるということは前向きに検討すべきことではないかと、いずれにしてもいろいろな経過があって今のところに落ち着いているわけでありますので、国会のあり方つまりは私がよく例に出すのはドイツなのですが、ドイツというのは与党の事前審査をせずに法案を出すのです。
そして国会の中で議論をして与野党でまさに国会は議論の場として機能させる中で修正をしていくということで、私がドイツに行ったのは数年前ですけれどもその当時で7割から8割くらい政府から出された法案が修正されてましたので、こういうことも1つのあり方かもしれません。
勿論日本のあり方ということも含めて他の国を参考にしながらしっかりと議論をしていけばいいのではないかと思っております。

(問)トヨタの公聴会の問題ですが、そこでの話の出方によっては向こうでは急加速の問題がクローズアップされているようなのですが、話の出方によっては国内での国土交通省としての対応も必要となってきますのでそこに関する所見と、大臣のご懸念のとおり二国間の感情的な二国間の問題であるという側面もありますが、その点に対する政府としての対応はどのようにお考えでしょうか。
(答)まずはトヨタにしっかりと安全性に対する確認とそして説明責任と対応をしっかりしてもらうということが極めて大事なことだと思います。
今回公聴会に出られるという決定がなされたに聞いておりますが、それはそれで良かったと思いますが、途中は二転三転して出ないとか行かないとかいう話があったということは私は残念に思っております。
やはり早い対応でしっかり説明責任を果たし、そして問題があるなら安全性という命に関わる問題でありますのでしっかり対応するというのがメーカーの責務であると私は思っております。
従ってトヨタには迅速かつ丁寧そして責任を持って対応していただきたいとこのように考えております。
二国間関係については私もルース大使とお話をしてこのことが日米間の同盟関係に揺らぎがあってはいけないし、また自由な市場というものを歪めるものであってもいけないという確認をしたところでございます。
米国の中ではトヨタの現地工場がある知事さんを含めて冷静な対応をすべきだということで、トヨタは日本の会社であると同時に米国自体の会社でもあるんだという認識を持っておられる方々も沢山おられますので、そういう意味では私は悲観はしておりませんが、しっかり米国の当局とも連携をしながらまずはトヨタにしっかりとした対応を促し、我々としては日米間の良好な同盟関係ということをしっかりとマネージメントしていくということが責務であると考えております。

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