大臣会見

大畠大臣会見要旨

2011年1月25日(火) 10:38 ~ 10:59
国土交通省会見室
大畠章宏 大臣

閣議・閣僚懇

本日の閣議後の記者会見を始めさせていただきます。
本日の閣議では特に御報告すべき課題はございませんので、その他の課題について御報告したいと思います。
既に朝のニュース等でも流れておりますが、平成13年1月26日に、JR東日本新大久保駅で、ホームから転落した乗客と救出しようした男性2名が列車にはねられ死亡するという事故が発生し、明日で10年が経つわけであります。
それから、1月16日には目白駅で全盲の方が転落して、列車にはねられて死亡するという事故が発生いたしました。
亡くなられた方々の御冥福をお祈りするとともに、御遺族への哀悼の意を表する次第であります。
特に平成13年1月26日に亡くなられた事故については、その後、転落した場合の対策を強化しようということで国土交通省としても努力をしてまいりました。
お手元に関係資料を配付しているところでございますが、落ちた場合に緊急的にホームの下の待避するためのスペースを確保する、それから、落ちた場合にホームに上がれるようにステップを設ける、非常時のときに列車を停止するための設備の設置を進めるように努めてまいりました。
対象の駅の数は2,074駅で、転落した場合の待避スペースの確保、またはステップの整備率というのは100%設置されたということでございますが、非常停止押しボタン、または転落検知マットの整備率は90.7%となっております。
これについては本日記者会見をするにあたり、担当者を呼びまして、いつぐらいまでに全部の整備が終わるのかということについて報告をさせるということにいたしました。
尊い人命が失われた。特に救助に当たったお二人の志を考えれば、二度とこのようなことがないような駅にするために、国土交通省としても努力をしてまいりますし、関係する鉄道事業者にも努力をしていただくということから、現在、90.7%になっております非常停止押しボタン、または転落検知マットの整備率を、いつまでに終わるかということを各事業者に提出をさせて、1日も早く100%になるように努めてまいりたいと思うところでございます。
それからもう1つ、ホームドアでございますが、一番望ましいのは、ホームに扉を設けて列車が来たときだけ開いて乗り降りができると、こういうことが望ましいわけではございますが、このホームドア、あるいは可動式のホーム柵は、正確な情報を今掌握するように努めておりますが、今年度末で約500の駅で設置される見込みでございます。
対象としておりますのは、全部で2,800と聞いております。
これは、1日の乗降客が5,000人以上の駅という意味では、2,800ということになりますから、まだ5分の1弱ということになっておりますが、これについてもできる限り各事業者の皆さんの御協力を頂いて、エレベーターとか、それからエスカレーターとか、そういうものの整備も進めているところでありますが、命を守るという観点から、このホームドア、可動式ホーム柵についても整備を進めているところであります。
これをおおよそどの程度の目標で進めるかということについても、各事業者から報告を受け、全体を把握するように努めていきたいと考えております。
以上が、大変残念な事故でございましたが、転落した方、そしてその転落した方を救出しようとして尊い命を奪われてしまったこのお二人の方の御冥福をお祈りしながら、国土交通省としても再発防止に努めているということを御報告申し上げた次第であります。
 それでは、後は皆さんの方から御質問を頂き、それに答える形で記者会見を進めてまいります。


ホームドア等の設置状況について(1月25日大臣会見参考資料)


質疑応答

(問)昨日、モスクワの空港で、自爆テロと見られる爆発がありました。
現時点で、邦人の被害は確認されていないのですが、この件に関して、今日の閣僚懇で何らかの話が出たのかというのが1点と、国内の空港について、国交省として何らかの対策等の指示をするお考えがあるのか、この2点をお願いします。
(答)今日の閣僚懇では、特に私自身も発言はしませんでしたが、実態がよくまだわからないと。
私も朝のラジオのニュースで聞いたわけでありますけれども、現在、状況を把握しているところでありまして、空港の警備については、今後とも警察当局と連携しつつ対策してまいりますが、いずれにしても、一般の市民を巻き込むテロ行為というのは、当然ながら、断じて認められるわけではありませんが、日本国内でもそのような状況に至らないように、安全の体制構築を努めてまいりたいと考えております。
現在のところ、日本人の負傷者と言いますか、巻き込まれたという情報は得ておりませんが、国土交通省としても、事実の確認を今一生懸命しているところであります。

(問)前の就任会見のときにも出た話なのですが、八ッ場ダムの地元への訪問等の予定についてお伺いします。就任して十日以上経ちましたところで、国交省としての喫緊の課題の一つだと思うのですが、地元の皆さんとのそういうような場を設けることについての調整状況が今どうなっているのか教えてください。
(答)八ッ場ダムの現地訪問については、私も就任当時から現地の関係者の方々から御意見をお伺いすることから始めたいということを申し上げておりましたが、事務方が地元の方と調整を致しました結果、2月13日、日曜日に訪問することで、最終的に詰めを進めております。
八ッ場ダムの現地をお訪ねしまして、付替え道路や代替地の進捗状況など現地の状況を把握した上で、群馬県知事、長野原町長、東吾妻町長等に就任の御挨拶を申し上げ、新大臣としての今後の進め方等についての考え方を直接お伝えをし、またそれぞれ首長さんからのお話を頂きたいと考えております。
詳細の日程等については、事務方に聞いていただきたいと思いますが、今一生懸命詰めているという状況でございます。

(問)ホームドア、防護柵の設置の件ですが、非常停止ボタン等やマットに比べるとホームドアの設置はなかなか進まないという状況があると思います。
資金的な面もあるかと思いますが、なぜあまり進まないのか、そしてより設置を進めるためにはどのような対策が必要なのかお考えをお聞かせください。
(答)今日もこの記者会見を受けるに当たって、現状についてお話を担当者から聞きました。整備が進まない背景には、エスカレータ-、エレベーターというものの設置も同時並行的に行われておりますので、そういうことからまだ対象の駅については、5分の1弱しか進んでいないという話でありますが、まず国土交通省として鉄道事業者におおよそいつ位をめどに設置をするのか、そして設置が進まない要因は何なのかと。
こういうことについても問い質し、電車のドアの場所がいろいろ変化していてきちんと乗り降りができるドアの設置が難しいという話は聞いておりますが、私の方からはロケットを打ち上げる科学技術立国なのだから、その程度のことは対応できるのではないかと、こういうことを申し上げました。
いずれにしても、当時者から報告を受けて、いつまでにそういう設置が終わるのか、おおよその目標値を各事業者から提出をさせて国としても促進をしたいと。
何か事業者の方で困っていることがあれば、国の方でそういう支援をできるのであれば行って、1日も早く、二度とこのような転落事故で尊い命が失われることのないように努めていきたいと考えております。

(問)八ッ場ダムの件ですが、先ほど今後の進め方、考え方を伝えたいということでしたが、就任当時に馬淵前大臣の方針を引き継いでいくということでしたけれども、検証結果の時期を今年の秋にするとか、その辺のことは変わらないということでよろしいでしょうか。
それから、住民との協議は今回はないということですか。
(答)就任のときに申し上げましたが、馬淵前大臣の基本的な考え方を踏襲してまいりたいという、そのお話もしてきたいと思います。
同時に、住民の方とのお話については、まだ時期尚早なのではないかということを、今、事務関係でお話をしていますが、そのようなお話を頂いておりますので、地元の状況をよく踏まえて地元の方が是非お話をしたいというような状況ができるまで、今回はまず首長さんを中心にお話をしてまいりたいと思っているところであります。

(問)先ほどのホームドアのお話に戻りますが、各事業者に導入の予定、整備状況を把握されるということでしたけれども、いつごろまでに把握されるのか、またその結果というのはこういった会見の場で報告されるのか、更には国交省として鉄道事業者に対して導入の数値目標のようなものを課したりするおつもりはあるのかお願いします。
(答)今日は現状だけ報告を受けたわけですが、現状だけでは駄目だと。
いつまでにそういう設置が進むのかということについても事業者の方に計画を出させるべきだという話をしましたので、いずれにしても、事業者の方にその問い合わせを担当者からさせます。
いつまでに回答を得るかということでありますが、事業者の方でどういう計画をしているのか分かりませんが、いずれにしても、1ヶ月程度を目途にして状況を把握したいと思います。
その後ろの所はまだ詰め切れてないということであれば、詰め切れてないということも含めて、少なくとも1ヶ月以内に状況を把握して、記者会見の場で皆様方にもお知らせを申し上げたいと思います。

(問)関連ですが、先ほどホームドアの関係で、国としてできることがあれば支援したいという御発言がありましたけれども、具体的に考え得る支援の内容とか、お考えのことがあれば教えて下さい。
(答)まだ、それについては考えておりませんが、いずれにしても、なぜ進まないのかということをよく伺って、何か基準とか、あるいは資金なのか等も含めて、今なかなか十分に進んでないという要因を出していただいて、それに対して、国として出来ることが何かあるのかということを国土交通省としても検討をしたいと思います。

(問)来年度予算で予定している個別事業について、前大臣は新しい交通需要推計に基づいて総点検をして、今月中には公表をしたいという意向を示されていたのですけれども、大畠大臣もその意向は変わりないということでよろしいのでしょうか。
(答)馬淵前大臣が一生懸命4ヶ月努力されてきましたから、基本的にはその考え方を踏襲したいと思います。
今のお話については、まだ私も聞いておりませんでしたけれども、その内容について、記者会見が終わりましたら状況を把握して、馬淵前大臣がお約束したことは、きちんと私も引き継いでお約束を果たすように努力したいと思います。

(問)八ッ場ダムの件について確認ですが、大臣としては、地元の方との意見交換の場を、時期を定めて行いたいというお考えはお持ちであるということでよろしいでしょうか。
(答)その件については、もちろん、地元の方々の地域ですから、地元の方々の御意見というのも当然伺いたいと思いますが、まずは首長さんのお話を伺います。
その首長さんの方から従前まだ時期尚早ではないですかとのお話をいただいておりますから、今回もそのことについては首長さんにお任せしています。首長さんも選挙で選ばれている方でありますし、議会はどういう状況であるのかとか、その辺もお話をいただいて、その後、状況が許す環境が整ったときに、できるだけ早く地元の方のお話も伺いたいと思っております。

(問)高速道路の無料化についてお聞きをしたいのですけれども、最終形をどうするのかということは党とも調整しながらお示しをいただけると思いますが、当面の23年度の無料化区間の考え方については、いつ頃お示しになられるのでしょうか。
(答)基本的な考え方がまとまり次第お示ししますが、これについても、馬淵前大臣が一生懸命基本的なことについては努力をされてきましたから、おおよその考え方がまとまった時点で、できるだけ早くお示しをしたいと思います。

(問)それは、月内あるいは2月の早い時期だとか、近々にということなのでしょうか。
(答)それについては、次回の金曜日にでも、その時期についていつお示しをできる状況にあるのかを把握してご報告したいと思います。

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