大臣会見

大畠大臣会見要旨

2011年2月8日(火) 9:31 ~ 9:50
国土交通省会見室
大畠章宏 大臣

閣議・閣僚懇

それでは、今日の閣議後の記者会見をさせていただきます。
今日の閣議は、特に国土交通省関係で皆さんにお話しをするべきことはございませんので、私の方から冒頭に、ホームドアの設置について調査結果等がまとまっておりますので、この件について、御報告を申し上げたいと思います。
 先日、皆様方に御報告を申し上げましたが、やはり様々な観点から、ホームから転落する、そして亡くなるという事故が起きておりますので、これに対してきちんと対応すべきだろうということで、特に、韓国の青年、そして日本人が転落をした乗客を救おうとして亡くなられたという事故がありましてから約10年が過ぎてもなかなか対策が十分進んでいないという状況を目の当たりにいたしまして、改めて、この転落防止のための恒久的な対策として指摘をされておりますホームドアの設置について調査を指示して、それがまとまりましたので、この件について御報告を申し上げたいと思います。
 まず、「ホームドアの整備促進等に関する検討会」を新たに設けるということを、過日申し上げましたが、明日2月9日に第1回を開催することになりました。
また、先月末までに鉄道事業者にそれぞれのホームドアの検討状況、あるいは整備計画について報告を求めたところ、その調査結果の概要がまとまったところであります。
詳細については、後ほど事務方から報告を別途説明させたいと思いますが、例えば、大規模なターミナル駅である京王新宿駅、あるいは小田急新宿駅や東急大井町駅など、計285の駅について、ホームドアの整備計画があることが明らかになりました。
ホームドアの整備については、各社とも真剣に御検討いただいているところでありますが、更に整備が促進されるよう、明日開催します検討会で御議論を頂き、国土交通省として是非指導してまいりたいと思います。
特に、新大久保駅については、やはり様々な形であのような事故が起こったわけでありますから、10年経っても整備できないというのは、大変申し訳なく私は感じておりますので、そういう意味から早期に整備ができないのかということも申し上げさせていただきました。
ホームドア整備計画の中には、山手線全駅で設置することで27駅が入っておりますが、いろいろと構造上難しいというところもあるかもしれませんが、しかしできないことは無いと思いますので、しっかりと対応していただけるように改めて要請をしているところでございます。
以上が今日の冒頭の御報告になります。

質疑応答

(問)今、お話にあったホームドアの件ですが、検討会の検討内容によっては、例えばガイドラインですとか、整備時期の前倒しを求めるということもあり得るということでしょうか。
(答)この記者会見に当たって事前に事務方と話をしてきたのですが、どの駅でホームドアを設置するということにするのかと、1つの基準があってしかるべきだろうと。
今回、285の駅でホームドアの整備計画というのが調査した結果明らかになったのですが、これは鉄道事業者からの申請ということでこの285駅になったのですが、国土交通省としてどういう駅の場合にはホームドアを設置することが望ましいということになるのか、これもこの検討会の中で議論してもらうことにしたいと思います。
同時に、今御質問のことについても、できるだけ早く設置することが望ましいわけでありますから、この検討会の中でもどういう形で設置していくかということについて御議論いただき、できるだけ早く前倒しでこういう結果が進むように私は期待したいと思います。

(問)明日、高速道路の無料化社会実験の区間が発表になるということですが、昨日、政務三役で了承したということで、大臣は今回の区間をどういったお考えで決められたのか御所見をお願いいたします。
(答)今朝、事務方と話をしたのですが、明日、党の部門会議で御意見を頂いて決めたいと思っておりましたが、それが一斉に新聞に出てしまうということはどういうことなのかと。
情報の管理というものにどこか課題があるのではないかというような話をいたしましたが、今回、高速道路の無料化の実験の範囲について、改めて23年度に行うべきところについて考え方をまとめさせていただいたところです。
私は、できてしまっている高速道路をより有効に活用するという観点で、特に夜間の大型車の無料化実験については、夜間に並行する一般道を利用する大型車が多く、無料化により高速に転換しても混雑しない区間を設定するということですとか、あるいは6月からやってきた経緯を見ながら、それを踏まえて一部区間の見直しということで追加したところが330キロです。
それから、今回、夜間ということで物流コストの低減等の効果をよりわかりやすく国民に理解頂くための夜間の大型車を対象とした長距離の実験、これが1,500キロ程度でございますが、これを新たに追加したいということであります。
いずれにしても、様々な御意見がございますが、私どもとしては高速道路の無料化というものを一つの旗印にしてここまでまいりましたが、この高速道路の無料化というものが一般社会、経済面、地域にどういう影響を及ぼすのか、あるいは、出来ている高速道路をより有効に利用することによって、国民の利便性に寄与するということ、更には国土交通省としても、地域社会における道路のあり方について、より国民の皆さんの期待に応えるように努力していこうということも加味しながら、このような社会実験の考え方をまとめたわけでございます。
さらに、これを党の方にも御理解いただき、与野党の議員の皆さんにも御理解いただき、これから高速道路のあり方についても検討の場を設けたいということは前にも申し上げたとおりでございますが、この社会実験も含めて、実験結果というのを大事にしながら、高速道路の課題について取り組んでいきたいと考えているところです。

(問)関空と伊丹の統合について1点お伺いいたします。伊丹空港の地元の協議会では、伊丹の運用規制の緩和など活性化策を今国会提出の法案に盛り込むように求めてますけれども、三井副大臣からは先週に関空、伊丹の有効活用について何らかの形で示すということが地元には伝えられています。この具体策について、大臣のお考えをお聞かせ願います。
また、それを法案に明記するお考えというのはあるかどうかもお聞かせ下さい。
(答)高速道路もそうでありますし、飛行場もそうでありますけれども、今ある日本の、あるいは国土交通省所管の設備を有効利用するということは当然のことでありまして、飛行場についてもどういう形で連携をして使用できるようにするのがいいのかと、こういうことは常に検討を進めていくことが大事だと思っております。
今ご指摘の点については、地元の方からも、あるいは飛行場の管理者の方からも要請を受けているところでありまして、三井副大臣がおっしゃったように、いろいろと検討をして、適切な形で対応をしたいと思っておりますが、とにかく私が考えるには、世界の飛行場は24時間離着陸できるということが国際標準化になっているのですけれども、それがなかなか日本の飛行場の場合にはできていないということが日本の課題かなと思います。
私もドバイの飛行場に行ったり、あるいは様々な国に行きましても、飛行場というのは、まさにオープンスカイといいますか、24時間離着陸できるということが当たり前になり始めているのですが、日本の場合には関空などが24時間自由に離着陸できるということで、成田等々については、まだそういうような状況には様々な制約から至っておりませんので、関空、あるいは伊丹等についてもどういう形で連携をして国民の期待、あるいは世界の期待に応えていくかということを十分に検討をしていきたいと思います。

(問)閣議について確認ですが、予算の関連法案の閣議決定があったと思うのですが、鉄道・運輸建設機構の利益剰余金に関する閣議決定あるいは何らかのお話というのはなかったのでしょうか。
(答)閣議の中では、今日は、特に議論にはなりませんでした。

(問)ホームドアの対策が10年間進まなかったということですけれども、国土交通省はホームから転落しても無傷であれば報告の義務がないとか、あるいはホームドアの対策をバリアフリー対策としているなど、乗客の安全確保という点では鉄道事業者には甘いのではないかと思いますが、それが対策が進まなかった要因ではないでしょうか。
(答)今ご指摘を賜りましたが、私もこの10年間進んでいなかったということに対しては、大変ご遺族の方にも申し訳なく思います。
特に東京都内の駅は、非常に混雑をするというのは私もよく存じ上げています。
私も常磐線で上野駅に降りたときに、7時50分くらいから9時くらいまでの間、ホームに上がれない状態があります。
要するに、私がホームに上がろうとしても、階段がいっぱいで下の方で待っていると。
どういうことかというと、上のホームが人でいっぱいで、下から階段で上がるだけの余裕がないということで、その階段もいっぱいだし、その下に溜まっているのです。
ですから、こういう状態が続いているということは、どんなに注意していても転落する事故というのは、起こりえる状況になるんだと思います。
ですから、そういう状態がずっと続いてきたということについては、私も御指摘の視点についてはそう思いますから、これからこのホームドアの検討をする検討会を作らせていただきました。
鉄道事業者の方にも、今ホームエレベーターとか、ホームエスカレーターを5千人以上の駅では設置をして、バリアフリー化しようというのは、これはこれで重要な話なのですけれども、もう一つ、今ご指摘の点については促進するように私はしたいと思います。
いろいろな理由があるのだろうと思うのですけれども、理由はこの検討会の中でもお伺いいたしますけれども、理由はどうあれ、そういう危険性があるところについては設置すべきだろうと思いますので、そこについては御指摘等踏まえて加速するようにしたいと思います。

(問)関連ですが、先ほどおっしゃいました検討会で設置の基準を作られるという理解でよろしいのでしょうか。
現在は点字ブロックかホームドアということで、基準が実際としては無いのですが、これを一歩進めていくということでしょうか。
(答)私の今の考えとしては、この10年間の間に転落した場合の避難のためのスペースをホームの下に設けること、あるいは転落したときにホームに上がれるようにステップを設けること、これはほぼ100%近く設置はできたという話は受けているのですが、転落しないための措置というのが遅れていたわけです。
今回の調査では先ほど御報告申し上げましたように、285の駅で設置の計画があるということですが、これは鉄道事業者からの報告を受けたわけでありまして、どんな駅にホームドアを設置しなければならないかと、こういう基準を私は示すべきではないかというお話を申し上げまして、その検討会の中でこのことについてもいろいろ聞きながら1つの基準を設けたいと私は思います。

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