大臣会見

大畠大臣会見要旨

2011年4月15日(金) 9:55 ~ 10:15
国土交通省会見室
大畠章宏 大臣

閣議・閣僚懇

今日の閣議後の記者会見を始めます。
冒頭に私の方からは3点御報告をさせていただきます。
1つは、閣議の中で決定しましたが、「特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法第5条第1項の規定に基づき、特定船舶の入港禁止の実施につき承認を求めるの件」の決定がありました。
これは皆さんも御存じのとおり、先日の閣議決定によりまして、1年間入港禁止の措置が延長されまして、平成24年4月13日までを入港禁止措置の新たな期限とするということで国会の事後承認を求めるものでございます。
これが1点でございます。
それから、土日にかけて、私も岩手県、宮城県、福島県等被災地の現状について、国土交通大臣として状況を把握するために訪問をさせていただくことにいたしました。
1週間ほど前にも行こうと思っておりましたが、いろいろと現地に行かれる方々が多いということから、現地に負担を掛けないようにするために1週間見送ったわけですが、現地を訪れさせていただいて、各県の知事さん、それから被災受けた市長、町長さんにお会いして、現地の状況を直接お話をいただきたいと思います。
詳細な日程については、後ほど事務方から聞いていただければと思います。
なお、月曜日以降、来週の早い時期に、茨城県と千葉県にも、実情を直接知るために訪れたいと思います。
これについても決まりましたら、皆さんにもご連絡申し上げたいと思います。
3点目ですが、新たな造船産業政策についてということでございます。
今現在、東日本大震災を受けて、まさに東日本が大変な状況にあるわけですが、同時に、世界との競争も大変激しくなっている造船産業についても、しっかりと推進していかなくてはなりません。
皆さんご存じの通り、長年に渡って、日本の造船産業というのは世界のトップレベルを走ってまいりましたけれども、最近では、韓国や中国に追い抜かれて、世界第3位となっているのが実情でございます。
今後の造船市場は、深刻な需給ギャップに見舞われ、ますます厳しい状況が続くものと予想されます。
そういうことから、昨年12月に新造船政策検討会を設置して、委員の先生方に5回にわたって熱心な御論議をいただき、昨日、我が国の造船産業の国際競争力強化のため、戦略的な産業再編をはじめとする総合的な新政策の方向を取りまとめていただきました。
これによって、我が国が造船国として有り続けるための政策というものを示すことができたのではないかと考えております。
この検討会は夏までに具体策を取りまとめる予定でございますが、後ほど事務方から詳細を報告させたいと思います。
以上が冒頭の私からの御報告でございます。

質疑応答

(問)3月の訪日外国人旅客数が前年度月比で半減し、過去最大の下落率を記録しました。
今後の対応はいかがなされますでしょうか。
(答)これは観光庁の方からすでに報告があったことをベースとしての御指摘だと受け止めております。
確かに大幅減となりました。
日本の原子力事故というものが、国際的にも報道されまして、そういうことからこの訪日旅行を止めるということが顕著になっているわけですが、まずは安全・安心というものをどう認識していただくのか、原子力の放射線量等の事実関係を正確に、国内はもとより海外にもお知らせをすることが大事だと思っておりまして、観光庁のホームページ等に、英語、中国語、韓国語によって、正確な情報を世界に提供する体制を取りました。
それから、各国への直接的な働きかけが必要だということで、溝畑観光庁長官が、中国の邵琪偉国家旅游局長にもお会いして、中国人の方々の訪日旅行の回復に協力を要請をしたところでございます。
なお、前にも申し上げましたが、イギリスの大使、あるいは英国航空グループの会長にも直接状況をお話したところでございます。
これからどのように回復させるのかでありますが、直接、各国に働きかけをして、訪日旅行を再開してほしいということを要請するとともに、大変ありがたいことに、今、世界各国で日本を応援しようという動きがあり、活発に活動していただいております。
そういうことで、日本を直接訪れることが、日本の国民を応援することに繋がるということから、各国のマスメディア、あるいは旅行関係者にも、直接協力要請をする動きをしたいと思います。
いずれにしても、安全・安心のイメージ回復を図り、訪日の旅行というものがより増えるような環境整備を国土交通省としても取り組んでいきたいと思います。

(問)本日、尼崎のJR脱線事故の事故調査報告書の漏洩問題を受けて、検証チームが大臣に報告をされると思います。
1年半近くに渡っての検証活動をどのようにご覧になるかということと、この報告書を受けて、国土交通省としてどのような取組をしていこうとお考えでしょうか。
(答)この件は、福知山線の脱線事故の調査報告書が2007年6月28日に出されたわけでありますが、その後いろいろと情報漏えい等の事実関係が出てまいりました。
被害に遭われました皆様、そして御家族の皆様方の御心情を深く傷つけることになり、また、当該事故調査報告書及び運輸安全委員会に対する信頼を損なうという結果になりました。
誠に申し訳なく思っております。
この問題は今御質問いただきましたように、検証メンバーの皆さんによって、この調査報告書と情報漏えいとの関係について、どうだったのかということを調べていただきました。
今回の事故調査報告書に対する徹底的な検証をしていただいたわけであります。
6回にわたって検証会合が開催され、情報漏えい等の問題に関わる事故調査報告書の信頼性の検証というものと、運輸安全委員会のあり方についても取りまとめをいただき、会合の後に検証メンバーから私に対して、運輸安全委員会の今後のあり方についての提言書を提出していただくことになっております。
本日、この提言内容を私も受け取りまして、このようなことが2度とないようにしっかりと国土交通大臣として対処してまいりたいと考えるところであります。
同時に、107名の方がお亡くなりになったわけでありますけれども、この福知山線脱線事故の調査報告書に基づいて、改めて2度とこのような事故が起きない運輸行政という意味からも、この背景について私自身もよく精査して、このようなことが2度と起きないようにしっかりと取り組んでまいります。
これは飛行機もそうですし、鉄道もそうですが、絶対安全ということを基軸として物事を考えていくというような仕組みに変えていきたいと考えております。
そういうことで、今日、検証メンバーの方からあり方に関しての取りまとめを頂いた提言書を頂くわけでありますが、提言書については国土交通大臣としてしっかりと受け止めさせていただいて、このようなことが2度と起きないようにしてまいりたいと考えております。

(問)今朝、一部の報道で、運輸安全委員会の調査報告書のあり方に関して、警察に証拠として採用されてしまうと証言される方が口を閉ざしてしまうといった障害があるので、この報告書の原因の部分に関しては、警察に提供しないという形で警察庁と協議をしているという報道がありました。
この事実関係に関して伺いたいのですが。
(答)事実関係について申し上げさせていただきますが、確かに警察の方と事故調査報告書の取扱いについて、話し合っていることは事実であります。
私としても、事務方からその内容についてお話を伺いましたが、やはり国際的に、日本だけでなくアメリカやヨーロッパ諸国ではどのような形で、警察との関係と言いますか、情報のやりとりをしているのかよく精査して、国際標準に近づけるように努力をすべきだということを申し上げました。
現在、いろいろと話し合っている最中でありますが、私としては、できるだけ国際的な仕組みに切り替えることを期待しております。
いずれにしても、今話し合っている最中だと私も確認を致しました。

(問)党の内外から菅総理の辞任を求める声が挙がっていますが、大臣は、このような菅総理の辞任を求める動きについてはどのようにお考えでしょうか。
(答)ニュース等ではそういうことを見聞きしているわけですが、今、私は国土交通大臣として、東日本大震災の復旧・復興工事に全力を投入しております。
仮設住宅の問題も遅いじゃないかと、いつまで36戸のままなのかということで、私も国土交通大臣として今なし得る限りのことに力一杯頑張っているところでありますので、そのことについては、ここで私からコメントすべきものでもないと思います。
私が一番気になっております仮設住宅の完成見込みでありますが、4月1日に36戸完成しましたが、16日までにプラスして231戸、合計267戸まで積み上がり、次の週には2,123戸積み上がる予定でありまして、合計が2,390戸になります。
その次の週になりますと、1,238戸が積み上がりまして、合計3,628戸、それから5月第1週末には862戸積み上げまして、4,490戸の完成した仮設住宅を引き渡したいということであります。
なお、官房長官が1週間程度の間にこの仮設住宅のおおまかな完成期日というものを明らかにしたいというお話がございましたが、私も来週いっぱいくらいには、当面する3万戸の仮設住宅のおおまかな完成の目標の時期というものを整理して、皆さんにもお示しをし、今、避難所に入っておられる皆さんにも自分の避難所の近くに、あるいはどこに仮設住宅が建設されるのか、それはおおよそどのくらいのときに完成するのかというおおまかな目標や、めどをお示ししたいと思っております。
それから、プラスした3万戸についても、今、各県ごとに用地の確保に努めておりまして、その用地の確保についても人手がなかなか難しいという話もありますので、国土交通省からも人員を配置して用地確保に努めて、合計6万戸を8月くらいをめどに完成できるように努めていきたいと思います。
福島県からは更に1万戸積み上げるというお話も出てきておりますので、それに対してもどう対応するかということをありとあらゆる努力をして、民間の借り上げ住宅ですとか、賃貸住宅ですとか、あるいは旅館ですとかホテルですとか、様々な形で、用地の確保も含めて私としては全力投球をしてまいりたいと思うところであります。

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