大臣会見

大畠大臣会見要旨

2011年7月1日(金) 10:37 ~ 11:17
国土交通省会見室
大畠章宏 大臣

閣議・閣僚懇

閣議後の記者会見を始めます。
今日は、閣議案件以外に4件、皆様方に御報告をさせていただきます。
一つは、国際海事機関(IMO)事務局長選挙結果についてであります。
後ほど、現地に行きまして、一所懸命選挙活動を行ってきた市村政務官から、補足の御報告をお願いしたいと思いますが、すでにマスコミ等で報道されていますとおり、28日火曜日に、ロンドンにある国際海事機関(IMO)本部において開催中の第106回理事会において、IMO次期事務局長選挙が実施されました。
日本政府が擁立した関水康司さん、現在IMO海上安全部長ですが、選挙の結果、当選をいたしました。
初めての日本人のIMO事務局長となりました。
非常に厳しい選挙戦でありまして、これまでも日本としていろいろな形で国際機関の選挙を行いましたが、成果がうまくいきませんでした。
今回、関水さんが当選したことは、大変喜ばしいことでありますし、国際社会で日本が責任を果たすという一つの責務を担うことができる体制になりました。
今回は総勢6人の方が立候補されて、激戦だったということですが、改めて関係各位の御協力に御礼を申し上げたいと存じます。
今後、IMOとの連携をより一層強化して、日本国としても諸問題解決に向けて積極的に取り組んでまいりたいと考えているところであります。
正式には、来年1月1日に新事務局長に就任予定、そして任期は4年ということであります。
それでは、現地に行って、関水さんの選挙応援活動を行ってきた市村政務官に状況の報告をお願いします。

(市村大臣政務官)今、大臣からお話もありましたように、国際海事機関(IMO)事務局長選挙が行われました。
正式には、今年の11月に総会が開かれまして、そこで承認をされた上で、来年1月1日から4か年の任期ということになります。
この選挙につきましては、関水さん御本人は海上安全部長という立場でいらっしゃいますので、やはりIMOの仕事を優先していただくということもありました。
そういうこともありましたので、日本国の関係者が本当に力を合わせて、この選挙戦を行わせていただきました。
もちろん、私ども国土交通省は当たり前でありますが、外務省の皆さんにも大きなお力を頂いた上の本当に関係者が力を合わせての結果だったというふうに思います。
その結果、国連の専門機関としてましては、事務局長、事務総長と言っていいのかもしれませんが、 セクレタリー・ジェネラルでございますが、4人目ということでございまして、一部報道もされていますが、国連の専門機関としましては、ユネスコの松浦事務局長に続いて12年ぶりということになります。
そうした中で、今回の選挙があり、関水康司さんが選ばれたことは大変喜ばしいことだと思っております。
ただ、もちろん事務局長になるということはそれだけの責任を負うということであります。
特に海事でありますから、4面を海に囲まれた日本であればこそ、この意味は重いと思いますし、責任も重いということであります。
特に、海賊問題等、今本当に船員を脅かす大きな問題があります。
日本船籍でありながら、日本人が乗らない船が多いですが、やはり日本人のみならず、日本のために働いていただいている海外の皆さんの安全をしっかりと守っていくということも私どもの務めだと思います。
そういった意味で、大変重い立場をこの日本は頂いたというように思うわけであります。
また、もう1点だけ付け加えさせていただきますと、関水さんのキャリアパスというものは、私は、今後の若い世代にとっても大きな意味を持つと思っています。
というのも、官僚になられた後に国際機関に行かれて、そして官僚の立場から転籍した上で国際機関にプロパーとして勤めて、今日で確か22年目だと思いますが、そういう流れの中で、同じスタッフの信頼を得た上で、こうした立場になられるということ、特に、とかく内向きになりつつある今の日本の状況を考えると、外に開いていく人材がいるんだと、またそういうキャリアパスがあるんだということを関水康司さんの生き方は示していただいていると思います。
もちろん正式には、総会を経てからでありますが、私は、そういった意味でも大変示唆に富んだ関水さんの事務局長就任になると思います。
とかく最近暗いニュースばかりでありますが、こうした明るいニュースでありますので、お伝えいただければと思います。
どうもありがとうございました。

(大臣)IMOの次期事務局長の選挙について、まず御報告をさせていただきました。
続いて2点目でありますが、三陸沿岸道のルートの具体化について、御報告を申し上げます。
三陸縦貫自動車道を始めとする三陸沿岸道路は、今回の震災においても、開通区間が避難・救援等に大きな役割を果たすなど「命の道」として機能を果たしました。
この三陸縦貫自動車道については、予算委員会あるいは国土交通委員会でも、早く完成を急ぐべきだと、そしてこれが東日本大震災の復旧・復興の一つの柱、いわゆるシンボル的な柱になるのではないかと、また、地域の人の希望にも繋がるのではないかと、そのような御指摘を頂いてきたところであります。
そういうことが背景となりまして、復興構想会議においても「地域経済活動を支える基盤の強化として、三陸縦貫自動車道等の緊急整備」を提言いただいたところであります。
また、高速道路のあり方検討有識者委員会におきましても、地域の復興を広域的な視点に立って早急に進める基盤となる復興高速道路として、計画を前倒しした着工・推進等の必要性が指摘されました。
さらに、岩手県等からも、今後本格手化する復興まちづくり計画の策定にあたりその基軸となることから、早期の全線ルート確定の要望が出されたところであります。
こういう背景によりまして、国土交通省としても、三陸沿岸地域の1日も早い復興を図るために、三陸沿岸道路を復興のリーディングプロジェクトとして、早期整備が必要と認識いたしました。
よって、三陸沿岸道路のすべての未事業化区間についても、早期にルートの具体化を図るために、ただちに道路が通るおおむねの範囲を公表する、これを基に、7月中をめどに、地域の意見もお伺いしながら、おおむねのルートとインターチェンジの位置を提示した上で、8月中をめどにルートを確定するということで、物事を進めるように私の方から要請をしたところであります。
したがいまして、三陸沿岸道路のルートについては、8月中をめどにほぼ確定をしたいという方針で国土交通省としては仕事をしてまいりたいということについて、皆様方に御報告を申し上げます。
 3点目の報告でございます。
都市再生機構の改革工程表についてでございます。
独立行政法人都市再生機構につきましては、昨年10月に今後の組織や業務の改革の方向性をとりまとめた検討会報告書に基づき、いつまでにどのような取組を行うのかを具体的な内容として盛り込んだ改革工程表を、検討会委員の御意見もお伺いした上で策定いたしました。
詳細については事務方から聞いていただきたいと思いますが、その主な取り組みとして、一つは、効率的で透明性のある組織への見直しを図るため、業務・財務の単位で分けて、責任者を明確化した組織内カンパニー制度を導入し、賃貸住宅部門と都市再生部門の区分を明確化する。
二つ目は、事業規模を縮小し負債を圧縮するため、今年度中に都心部の高額家賃物件の公募手続きに入り、機構の財務体質の改善につながる価格で譲渡等を行う。
また、都市再生事業については、新たに策定した事業実施基準に基づいて行う。
三つ目は、関係会社については、利益剰余金140億円を機構に返納するよう要請し、機構の負債の圧縮と国費の負担軽減に充てるほか、震災に対応した業務にも充てることを期待しているところであります。
また、会社自体は整理・統廃合を進めることとしております。
まずは、この工程表に基づいて、現在の独立行政法人制度の下でも実現可能な改革を着実に実施し、その上で、居住者の居住の安定に配慮しながらも、現在の14兆円の負債と事業規模を中・長期を見通しつつ縮小してまいりたいと考えております。
また、組織形態については、行政刷新会議における議論と連携して検討してまいりたいと思います。
工程表の取組をしっかりと実行することで、機構には効率的で透明性の高い組織運営・業務運営を行ってもらいたいと考えております。
図体の大きなところは、目配りが隅々まで行き渡らないところもございますので、先ほど申し上げた形で整理を行って、全体を見通せる体制の下に、長期的な展望を持ちながら、14兆円の巨額な負債をどのようにしていくのかということを、しっかりと見据えて、将来に対する責任を果たす体制で進んでいきたいと思います。
 前回の会見で御質問をいただいた件について御報告いたします。
これは委員会でも御論議を頂いたところですが、自動車安全特別会計から一般会計への繰入金についての御質問に対するお答えでございます。
自動車ユーザーにお支払いいただいた自賠責保険料の運用益の一部が、平成6年と平成7年の2年間にわたって一般会計に繰り入れられました。
合計約1兆1千億であります。そのうち約6千億円が未だに戻されておりません。
繰り戻しの期間については、現在財政が非常に厳しい状況の中で、昨年12月に、平成23年度までに戻すこととしていたものを平成30年度までに戻すということに、延長、繰り延べをしたところであります。
全体的な財政状況が厳しい中では致し方ないと思いますが、このお金自体がいわゆる自動車事故の被害者救済や事故防止対策に充てるためのお金でございますので、できるだけ早く戻していただいて、このようなお金をお預かりした方々のために使うことが必要だと思います。
したがって、財務大臣に対しては、期限である平成30年度までの着実な繰り戻しを求めてまいりたいと思いますし、これが戻ってきた場合は、自動車安全特別会計に繰り戻されたお金については、法律で定められておりますので、本来の使途に充てるようにしたいと考えているところであります。

質疑応答


(問)仮設住宅の関係ですが、大臣は先日の会見で、6月末までに建設予定地を決めて発注を行えば8月上旬までに完成できると発言されています。
用地確保が難航している宮城県の2市2町について、県からの調整結果報告とその後の状況、今後の国土交通省としての対応についてお聞かせください。
(答)前回の記者会見の際に、2市2町を除いては、おおむねお盆までに、希望する方々には仮設住宅に入居していただく体制が整いつつありますと申し上げたところでありますが、2市2町について、その後どのようになっているのかという御質問であります。
2市2町について改めて必要戸数を問い合わせたところ、約300戸減らすということです。
さらに、今後も精査していきたいということですが、現在のところ要求戸数が約300戸減りました。
詳しく申し上げますと、石巻市、気仙沼市、女川町、南三陸町の合計で15,050戸の要請がありましたが、精査した結果、現在は14,759戸になっています。
さらに精査するということですが、14,759戸のうち10,200戸については用地が確保されているので、残り4,500戸の用地の目途がついていません。この用地確保の目途をつけるために、今全力で取り組んでいるところです。
6月末までに土地の確保ができて発注を行えば、おおよそ1か月で完成しますので、まだ4,500戸分が7月末の完成の見込みはついていないということです。2市2町についてはさらに建設用地の確保に向けて努力をしていただいておりますが、7月初旬に建設用地を決定して発注すれば8月前半に完成させる環境は整っております。
したがって、問題はあくまでも土地なのです。現在、この2市2町内に作るということでなかなか土地の確保が難しいのですが、2市2町以外のところでも良しとするということであれば、土地確保のおおよそのめどはついているので、その踏ん切りをどうするかなのです。
なかなかそこが2市2町でも、決断といいますか、住民の方々のいろいろな御意見を頂きながらどうするかと悩んでいるということであります。
したがって、2市2町内に建てるということでなければ、土地はおおむね確保されていると。
その最終決断を自治体の方でどうするかということになっております。
こういうことから、8月上旬までにすべての仮設住宅を完成させるという目的の達成に向けて、改めて、宮城県知事、2市2町の首長さんに、応急仮設住宅の用地の確保、それから発注の促進について要請文書を出しまして、6月29日には住宅局担当審議官が気仙沼市長、女川町長、南三陸町長に、それから30日には住宅生産課長が石巻市長に改めて面会して要請を行わせていただいたところであります。
各首長さんも、自分のところですから地域の状況は良く分かっておりまして、できるだけ避難されている方々の希望に添う形で行っていきたいとのことでありますが、県と自治体との間で調整をしていただき、是非、避難者の方々が1日も早く仮設住宅に入って、すべての避難所の運営を辞めることができるように、そして避難者の方々が仮設住宅にお住まいになって、これからどういう形で自分自身の生活を再建していくかということを考えることができるように行っていきたいと思います。
地域の方々の声ということで、ある方から、仮設住宅の中に蚊が飛んできて困るということを電話で受けました。
また、蠅が増えていて困るという話で、これは避難所でも同様であります。
このことについては厚生労働省や松本龍さんのところでも対応していますが、この発生源ががれきのところにあるのではないかということから、早急にがれきを一時仮置き場に持って行くことが大変大事になってきていると思います。
このため、私としては7月の第2週くらいに、このがれきの状況、あるいは仮設住宅、避難所の状況を見るために、改めて宮城県の現地に入りたいと思っております。
その時には、がれきは環境省の所管でもありますので環境省のどなたかと、それから農林水産省も絡んでおりますので、国土交通省単独ではなく環境省、農林水産省と3省で一緒に行って、県と自治体の方々と一堂に会して、できるだけ早期に物事が進むような体制で現地に入りたいと考えているところであります。

(問)関連ですが、要請文については、市長や町長から回答を求めているのでしょうか。
回答期限はあるのでしょうか。
(答)直にいろいろ話し合っていますので、いつまでにということではないのですが、私としては、やはり決断しないわけにはいきませんので、首長さんと話しながら、また、現地復興本部も出来ましたので政府の方とも話しながら、できるだけ早くおおよそどういう形になるかというめどは付けたいと思います。
いつまでに回答しなさいということは申し上げてませんが、話し合いの中でおおよその回答が得られるように努力していきたいと思います。

(問)JRの不採用問題についてですが、昨日、闘争団の全国会議が開かれて、雇用を求める交渉については断念するということで確認されました。
24年に及ぶ長い闘争は終結する方向になりましたが、それに対する感想をお願いします。
それと、昨年4月に示された和解案には、JRに対して雇用に向けた努力をするという文言がありましたけれども、ここに至るに当たって、政府としての努力は十分だったかどうかということについてお願いします。
(答)JRの雇用の問題に関して、国労の闘争団が交渉を断念するという方針にしたということについてどのように考えているかという御質問を頂きました。
前回も申し上げたかもしれませんが、国鉄民営化のスタートの頃から、労使間、国との間でも様々な経緯がありました。
私も覚えておりますが、当時の中曽根総理が、1名も路頭に迷わせないという国会答弁をされたと思います。
それをスタートにしてずっと来たのですが、会社側では何度も雇用の機会を提供してきたと、しかしそれに応じてこなかったのではないかというようなお話等々、この約20年間に様々な歴史があります。
双方にそれぞれの話がある中で、私としては和解が成立して、金銭的なものについては一つの結論が得られ、雇用問題だけが未決ではないかということで、再度、3党の幹事長連名の要請があればJRの方に再度雇用についてこの要請を取り次ぐということの経緯を良く存じ上げておりますから、再度要請を取り次ぎました。
しかし、その結果として、JRからは、これまでの24年間JRとしても一つの道筋というものを示してきたと、したがって、今回改めて雇用の問題について申し入れを受けたけれども、これまでにもいくつか雇用の機会を提供してきた経緯もあるので、今回は要請を頂いてもそれを受けるということにはなりませんでした、という趣旨の回答を頂きました。
私としては、現在、1,047名の対象の方々、もう亡くなった方々が50人を超えているということでありまして、この24年間の長い歴史というものを改めて感ずるところでありますが、当時国鉄に入って間もない二十歳代の方がこの闘争の中で現在年齢を重ねているわけでありまして、そういうことを考えると人道的にもいろいろと考えて雇用問題についてもJRで柔軟に考えていただきたいという思いはありました。
しかし今回このような形でJR各社が統一した考えの下に回答書を御提出していただきましたので、この内容を3党を経由してお話したところ、関係する労働組合の方でもいろいろ行っていただいたのでそれを受け止めて終結したいという一つの結論に至ったということであります。
私としては非常に残念な思いもございますが、JR各社の対応についてはそれを受け止めざるを得ないということであります。
24年の間にJRの経営者の方も随分代わりましたし、今の経営者の皆さんはこれまでの歴史は十分御存知だとは思うのですが、もっと柔軟に対応していただいても良いのではないかとの思いは先ほども申し上げたようにあります。
しかし、会社側には会社側の歴史的な対応があったし、労働組合側は労働組合でこれまでいろいろ苦労しながら行ってきたものがあります。
双方がぎりぎりの話合いの中で今日に至ったわけでありますから、私としてもこれはこれとして受け止めざるえないと現在はそう感じております。

(問)政府の努力は十分だとお考えでしょうか。
(答)十分か十分ではないか、ということは何をベースに話をするかということです。
雇用問題が解決すれば十分なのか、雇用問題が解決しなければ不十分と見るのか、十分か十分ではないかということは何をベースに御質問をされているのか。
少なくとも私はこの問題を理解して一所懸命取り組んできたと思っておりますが、雇用問題が解決しなければ不十分と言われれば不十分かもしれません。

(問)今回、三陸のルート案を示されたわけでありますが、これは10区間あると思います。
大体完成するのはいつ頃とみていらっしゃるのでしょうか。
それと3次補正に何らかの予算を計上する予定はありますでしょうか。
(答)当初、三陸縦貫道の予算を2次補正にのせるということも考えていたのですが、トータル額が2兆円規模と狭まっていますので基本的には3次補正にまわそうということにしました。
2次補正にも、調査費とか、のせられるものはのせたいと思っておりまして、今事務当局で検討しているところであります。
それから一部の新聞に10年、15年かかるのではないかとの話がありますが、私としてはこういう仕事はあまり長くかけると怠れますから、一つのめどとしては10年くらいで造り上げると、それでも遅いと言われるかもしれませんが、こういう事業については一つの考え方として10年くらいを一つの区切りとしてピッチを上げて行っていくということが必要ではないかと思います。
しかし、こういう事業というのは、どういうまちをつくり、どこに通すのか、そしてどのような構造にしていくのか、特に難しいのは地震と津波が想定されましたので、基本的に災害に強い防災まちづくりをしなければいけません。
復興構想会議で出された提言を踏まえて、どのようなまちをつくるのか、そこに三陸縦貫道がどのような位置付けになるのか、それも加味していかなければいけませんので、構想段階、計画段階が大変かと思いますが、私としてはおおよそ10年くらいをめどに完成させるという一つの目標を持って取り組むべきものだと感じております。

(問)北海道エアシステムの異常降下の問題で、先日、事業改善命令が出されました。
かなり厳しい処分だと思われますが、今回の措置に関する大臣の受け止めをお願いします。
(答)厳しいという御指摘を頂きましたが、私としては厳しいのは当然であると考えておりまして、3月11日の大震災でもそうですが、関係者の皆様は命というものをもっと大事にしてもらいたい。
業務というのは非常に大変だとは思いますが、西日本旅客鉄道でしたか、どちらかと言うと利益優先という姿勢が色濃く出て、並行して走っている鉄道よりも早くA地点からB地点にいかなければいけないということでスピードオーバーしていたわけです。
そういったことが一つの起因で大勢の方が亡くなったということです。
小泉政権下において、利益優先、効率優先という社会に大きく舵を切ったわけでありますが、いわゆる市場原理主義というもので、それは一つの考え方として理解できないことはないのです。
しかし、今日の社会の中で人の命は大事にしよう、人というものを大切にしよう、鳩山さんも政権交代のときに命を守りたいというメッセージを出したわけでありますが、そういう視点は非常に大事だと思います。
したがって、旅客網と言いますか、航空、鉄道、フェリーもそうでございますが、もう一度、命を運んでいるという視点に立ってすべてを見直すことは当然だと思います。
操縦士と副操縦士の2人おられましたけれども、両方ともその点についてはチェックが抜け落ちていたということですから、どんなことを指摘したとしても厳し過ぎることはないと思います。
そういう意味で、会社の経営方針を含めて安全ということについてしっかりと見直していただくために事業改善命令を出したわけでありますから、会社としても真摯に受け止めて安全確保のために必要な措置をとってもらいたいと思います。
それから、同社に対しては今後とも安全確保対策の進捗状況について引き続き監視をさせていただきますし、国土交通省としても同社の安全運航の確保に万全を期してまいりたいと考えているところであります。 

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