大臣会見

前田大臣就任会見要旨

2011年9月2日(金) 22:27 ~ 22:45
国土交通省会見室
前田武志 大臣

閣議・閣僚懇

冒頭簡単に私の所信を述べさせていただきます。
総理から、国土交通大臣として、また海洋政策担当大臣として、こういうところに留意されたいという点については事前にお配りをしております。
したがって、あえてこの件については、個別には申しません。
何と言っても東北の震災からの復旧・復興、そして原発の事故の収束に向けての努力、これに尽きるかと思います。
原発の事故については、国土交通省もいろいろな面で、縁の下の力持ち的な支えを行っていると聞いておりまして、そういう意味では国土交通省の皆さん方、よく頑張ってくれているなと思います。
国土交通省については、ここにおいでの皆様方は専門であるわけでございますが、日常危機管理を行っており大きな責任を持っていると私は思います。
北海道開発局をはじめ、地方整備局があり、そこでは河川や道路や港湾やまちづくり、下水道、あらゆる面で、例えば今日のような台風が来ているとか、あるいは地震があってどうだとか、豪雪だとか、あらゆる場面で危機管理を担当しているわけでございます。
なかなか地味な仕事ではありますが、本当に国土の基盤を整備する、そして維持管理していくとともに、危機管理を行ってくれているという意味で、6万人の職員の皆様方が、日夜を問わず頑張ってくれているなと思います。
それから維持管理の時代になってきたと、この中にも書いてありますが、戦略的な維持管理・更新を推進すると、そのとおりなんですね。
維持管理の時代になったと言われて久しいわけでございますが、そういう意味では、国土交通省、もともとはミニストリー・オブ・コンストラクションであったり、あるいはトランスポートであったり、どんどん、どんどん建設整備を進めていくというイメージの官庁であったわけでございますが、時代はまさしく更新・維持管理という時代になってきて、そこに実は低炭素循環型社会という、これは、ほぼ国を挙げての認識になってきたし、世界共通の認識になってきたと思うのですが、そちらの方に向いて大きく舵をきらなければならないような、そういう事態に追い込まれたというのは、3.11が大きなきっかけではなかったのかなと思います。
したがって3.11の復興に向けて、いよいよ第3次補正予算について国土交通省としても、大いに予算の確保等をしていかなければいけないわけでありますが、その中でモデル的に東北の復興の中で、いかに循環型、あるいは持続する国土という考え方で行っていくか、モデルづくりといったことが非常に大きいと思います。
例えば、私は直前まで予算委員長を拝命しておりましたが、御承知のように、参議院のねじれの予算委員会というものは非常に厳しい質疑応答というものがあったわけですが、3.11をひとつの契機にして、与野党の議論、あるいは政府と委員との議論というものが大きく変わったのは、まさしくエネルギーシフトであったり、循環型の社会であったり、持続する国土というものはどうであるかというような議論が非常に多くなりました。
そういった意味では、国権の最高機関である国会においての議論が、そちらの方に大きくシフトしてきました。
もちろん、国土交通省においても今までその方向の政策を打ち出していたわけですが、何といっても国民、そしてそれを代表する国会においてその方向にベクトルが変わっていかないとなかなか進まないという面があったので。
今国会の3.11を境とする議論を見ていましても、まさしく国土交通省が今まで行ってきた方向に間違いなかったと、それに大きく拍車をかけて行っていく必要があると感じた次第であります。

質疑応答

(問)最初の抱負のところでありましたけれども、第3次補正予算が秋にも編成されることになっていると思いますが、今後の被災地の復興や景気浮揚に対する具体策を教えて下さい。
(答)これからの枠組みをどうしていくかということは、各局において、今、積み上げを行っているわけでございますが、例えばインフラ関係でいうと、道路にしろ鉄道にしろ、基幹的なインフラというものは、なるべく早く復旧させないと復興そのものが進まないということになりますから、額的にもかなりのものになると思います。
それからよく言われる新しいまちづくりのあり方になってくるわけですが、御承知のように、高台に上げたら良いということで済むわけでもない。
それは、集落だけでも何百とあるわけでございますけれども、そういった各集落ごとの、あるいは町ごとの特性を踏まえて、なるべく地元の方々の意向というものも受け止めた上でのまちづくりをしていかなくてはならないと思います。
しかし、そこになぜ循環型だとか持続するということを言っているかといいますと、ただでさえ非常に高齢化していた地域の方々で、やはり若い世代というものは、もちろん雇用の関係等、あるいは教育等の関係もあり、かなり出て行かれている、あるいは、新しくまちを作ってそこに戻るかというと、若い層がかなり出て行く可能性があります。
したがって、なお一層高齢化が進むと、そういった高齢者主体の持続するまちというものがどういうものであるかということは、実はそう簡単には答えが出てこない。
しかも、ひとつのパターンで対応できるかというと、地域特性等が随分あるわけです。
そういった意味では国土交通省のみならず、もちろん厚生労働省等も含めて、そしてまた県、町村、あるいは専門家等を入れて、相当検討を深めていかないと答えがなかなか出づらいといったようなところもあるかと思います。
そのような意味において、3次補正ということについては、来年度の本予算に繋がるモデル的な予算というものも是非採っていかなくてはならないなと思います

(問)重複するかもしれませんが、大臣は日本の成長のために国交省としての所管で具体的に何ができるか、または、何を行うべきとお考えか教えてください。
(答)一つは東日本だけに限っていえば、とにかく早く基本的なインフラを復旧させるということです。
それはもちろん、そのこと自体も経済的な効果はありますが、そのインフラを整備をしなければ経済活動そのものが復興してこないわけです。
それがまず基礎となるかと思います。それからこれは全国的に言えるわけですが、たとえば耐震あるいは断熱、こういったものを、いま直ちにEU並みのことをやろうとしても無理があるかと思います。
そこまでいくには日本の関連の工務店であったり、あるいはまちづくり、流通なども含めた認識を研修などによって高めていかないと、なかなか断熱だといっても進んでこない。
しかし皆さん方も御承知のようにエネルギーの問題というものは大変なことになっています。
自然エネルギーにシフトすると言っておりますが、それ以上に重要なのはまちづくりにおいてどれだけエネルギー効率を良くするか、要するにゼロエネルギーまちづくり。
EUなどにおいては2018年までに公共建物については全部ゼロエネルギーにするというわけです。
普通の建物、住宅も含めて2020年までにゼロエネルギーにするというわけです。
既にエネルギーパスというような制度を取り入れて法制化して強制して行っているわけです。
ところがこれをはじめて10年くらいになりますが、行ってみると温熱費がものすごく安くなって、パッシブハウスだとかよく言われますが、こういうことになってくると温熱費がゼロになるわけです。
結果、投資してもそこに自己資金をつぎ込んだとしても10年以内で元がとれるというわけです。
そういうような建物住宅は、高く売れる、高く貸せるので、こういったもののモデルが東北の復興を通じて少しでも芽を出せれば、これは全国に広がると思います。
成長戦略といわれましたが、もちろん大きなインフラであったり、あるいは航空政策であったり、あるいは海外におけるインフラの輸出であったりTPPであったり、いろいろあるのですが、やはり基礎は、全国各地で幅広い雇用が出てきて、それがずっと継続して回るようになる必要がある。
それが何かといえばこれは住宅であり、建物であり、まちづくりであり、新しい地域包括ケアなども出ました。
国土交通省と厚生労働省老健局が一緒になって、あるべき高齢者時代のまちづくりを行おうというようなことも出てきました。
それはコンパクトシティにつながる。
そしてまた、今申し上げたような低炭素循環型と言いますか、そういったまちづくりというものがずっと続いていくことによって、持続する雇用、持続する経済、持続する国土ということになっていくのではないでしょうか。

(問)大臣はさきほど、インフラの維持管理が大事になっていく時代という御発言をされましたけれども、その一方で、インフラの整備自体終わっていない事業、例えば、その一つが整備新幹線だと思うのですが、札幌~新函館など未着工の3区間についての着工の条件や時期、財源などについてのお考えをお聞かせください。
(答)今、既に着工しているものについては、どんどん進めないといけないです。
それから御指摘の3区間については、五つの条件を挙げて、それについて今それぞれかなり詳しく検討をしていると聞いておりまして、そういった結果を待って、そこをクリアしたものから行うべきだと思います。

(問)先日、3党合意で、来年度の計上を見送った高速道路の無料化ですが、大臣の基本的な考え方と、大畠前大臣は、東北地方の高速道路の無料化について実施すべきだというお考えを示されていましたけれども、それについてはどういうお考えをお持ちなのか、その2点をお聞かせください。
(答)もちろん3党合意というものは、しっかり受け止めて行っていかなければいけないと思います。
しかし、大畠前大臣が言われたように、私も考え方としては同じ方向ですし、あの被災を受けた東北地域については、3党の方々もよく話し合っていけば、かなり一つの方向性が出てくるのではないかなと思います。
しかし、あくまでも3党合意ということが前提になります。

(問)来年度は見送りということでしたけれども、恒久的に見送るべきとお考えですか。
(答)3党合意は来年度のことです。
申し上げたように、被災を受けた東北の広大な所で、一番のインフラになる高速道路を、やはりもっと使いやすい形にすることが復興につながるということで、大畠前大臣と同じ方向です。
ただ、それは3党合意と矛盾することではない。
来年度については3党合意があります。
その先は、また3党でこれから話合いをどんどん進めるわけですから、当然理解されることだと思います。

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