大臣会見

前田大臣会見要旨

2011年11月15日(火) 18:50 ~ 19:03
国土交通省会見室
前田武志 大臣

閣議・閣僚懇

本日の閣議案件で、特に私の方から御報告するものはありませんが、一点皆様に発表したいことと、一点御報告があります。
まず一つは、大臣就任以来、持続可能で活力ある国づくりを目指そうと申し上げてきたわけでございますが、この方向に向けて、省内の装置を一つ作って、今日正式に発足をいたしました。
我が国は、人口減少、少子高齢化、財政制約、国際競争の激化に加え、地球環境問題や震災を契機としたエネルギー制約等、これまでにない困難に直面しています。
これらの課題を克服し、我が国の明るい将来を築くため、国土交通省は一丸となって、「持続可能で活力ある国土・地域づくり」を進める必要があると考えています。
つきましては、資料のとおり、「四つの実現すべき価値、八つの新たな政策展開の方向性」からなる、国土交通省としての基本方針を定めました。
そして、基本方針に基づき施策の検討・具体化を図るため、省内横断的な体制を整備することといたしました。
なお、施策の検討・具体化に当たっては、本省内の各部局間の連携による横断的な取組、地方支分部局の活用及び他府省との積極的な連携が特に重要であると考えています。
また、日本再生重点化枠を始めとする来年度予算や、国家戦略会議において検討が進められている日本再生の基本戦略にも、この「持続可能で活力ある国土・地域づくり」の考え方をできる限り盛り込んでいきたいと考えています。
 報告事項ですが、「東京ゲートブリッジ」の開通日についてでございます。この度、関東地方整備局東京港湾事務所において整備している東京ゲートブリッジの開通日を、平成24年2月12日といたしました。
東京ゲートブリッジの開通により、東京港における物流の効率化や交通渋滞の緩和が図られます。
詳細については、事務方にお問い合わせください。以上です。

質疑応答

(問)アメリカの通商代表部がTPPに関する事前協議で、日本に対して、重点分野の一つとして、自動車市場の規制の改善ということを求める意向を示しております。
この点について、国交省としてどのような方針で臨むのか、現時点でわかっている情報なども含めて教えてください。
(答)手元に、USTRが発表した文章があるのですが、自動車とは書いていないのです。「regarding barriers to agriculture,services,and manufacturing trade」と、こう書いているだけで、特に自動車というような指摘はございません。
日本では、自動車は随分とオープンにしているわけでございますから。

(問)そういう意味では、自動車の分野でアメリカから市場開放を求められた場合の感想としてはいかがでしょうか。
(答)これを見ていると入っていないということです。
もちろん、もしもまたいろいろ交渉の過程でいろいろあったとしても、日本は十二分にオープンになっています。

(問)古い話で恐縮ですが、先週7日に、日本航空が中間決算を発表しまして、営業利益が連結1千億円、通期の利益目標も上方修正しましたが、この業績についての受け止めと今後、経営再建を進める上で、大臣なりにポイントとして考えられている点があればお願いします。
(答)日本航空があのような非常に厳しい状況からここまで経営が改善されてきたことについては、非常に結構なことだなと思います。
しかし、本当にこの厳しい国際航空競争の中で安定した回復成長軌道に乗ってきたかどうかということは、まだもう少し時間を掛けて慎重に見ていく必要があると思います。
いずれにしろ、非常に明るいニュースですし、やはり、日本においては代表する二つのワールドフラッグと言いますか、そういうものの経営が健全に成長してくれることが、日本の国際的な成長、あるいは世界戦略において非常に重要なツールになると思います。

(問)「持続可能で活力ある国土・地域づくりの推進について」ということですが、これは国交省として何かアウトプットを出していくような具体的な動きはあるのでしょうか。
(答)もちろんそのつもりです。
例えば、12月中には、日本再生戦略の方向性が出ると思いますが、そういったときにも是非国交省としての提言等を出していきたいと思います。
また、低炭素・循環型社会ということをずっと言っているわけですが、こういうことについても単に国交省のみならず、経産省であったり環境省であったり、そういったところが一丸となって取り組んでいかなくてはなりません。
日本のエネルギー事情については、エネルギーの供給面ばかりに目を向けるわけですが、需要面で見ると、住宅、建物等のまちづくりを含めた民生部門のエネルギー消費が3分の1も消費しているわけです。
これらの断熱、省エネ、耐震改修を行ったり、まちぐるみで自然エネルギーやバッテリーを組み合わせて、エネルギー的にも自立できるようなまちづくりを行っていくことが、将来の日本の低炭素・循環型社会を実現していくのだと思います。
そういったことに省を挙げて取り組むだけでなく、国を挙げて取り組むということをスタートさせる必要があると非常に強く感じているものですから、こういったものがスタートしたということは非常に心強いことであります。

(問)例えば、来年何月までに何を取りまとめるとか、そういった具体的なことについてはいかがでしょうか。
(答)それについても戦略的に考えております。
今チームがやっとできて、今日、政策官を事務次官から発令しました。
コーディネーター役になると思いますが、全省を挙げてこういったプロジェクトを開発していくことになります。
当然その中には、どの時点でどういうアウトプット、制度改革といったことも含めてプログラムを作っていってくれるんだろうと思います。
いささか内向きになっていたように思うのですが、国土交通省が持っているポテンシャルというものをもっと発揮して、役割を果たしていくことが日本再生に繋がると思います。

(問)自動車関係団体の大臣表彰についてお尋ねします。
1960年から50年間に渡って年間に200人の人が表彰されておりますけれども、そこに二輪車関係の人が入っていないのはなぜでしょうか。
大臣表彰の中には販売関係者が含まれておりますけれども、なぜ国交省が所管しない販売事業者を表彰するのでしょうか。
乗用車は5、000万台、二輪車は1、300万台の登録台数がある中で、この二つを考え合わせると国交省の二輪車関係事業者への目配りが足りないのではないでしょうか。
(答)今御指摘の件については、私自身も深くは承知していないのですが、御指摘の件は私も感じております。
実際に国民の足であり、地域の経済活動、社会活動に交通手段として二輪車も利用されているわけですから御指摘の通りです。
この件については、これからの検討課題にしていきたいと思います。

(問)来週、政策仕分けがありますけれども、この中で公共事業という大枠でざっくりと対象にされておりますけれども、これについて大臣の御感想をお願いします。
(答)公共事業そのものについては、まずは必要な公共事業は何かということになるわけです。
今、省を挙げて、あるべき持続可能で活力ある国土・地域づくりに向けて取組を始めましたが、本当にそのために必要なのかどうかということです。
あるいは、公共事業のあり方については、維持管理、更新の量というものも随分と大きくなって更新、維持管理の時代に入ってきたと言われますが、これは各地域において、今ある施設がどのようにサービスを提供しているかという、バランスシートの視点だと思います。
施設というものが資産の部にあって、それがその地域において多様なサービスを提供し、もっとも効率的に行っているかどうかという視点の施設管理というものは、今まで作る一方という感じでしたから、あまりそういう視点はなかったと思います。
だからこそ、こういった持続可能であったり、低炭素・循環型社会と言っているのはそういう意味であります。
直轄事業については、それなりにしっかりとした管理を行っているわけですが、ほとんどの事業は地方公共団体、自治体の管理が多いわけです。自治体において行おうとすると、もっと民の力を入れていかなくてはなりません。
だからバランスシートなのです。自治体自体が経営体ですので、そういうところにPPPという考え方が入ってくるわけです。
そういう視野でこれから行っていこうとすると、今までの公共事業のあり方では少し弱い所がありますので、あえてこの時期に新しいチームを発足させたわけです。

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