大臣会見

太田大臣会見要旨

2012年12月28日(金) 9:59 ~ 10:18
国土交通省会見室
太田 昭宏 大臣

閣議・閣僚懇

 本日、国土交通省関係の閣議案件はございません。
 次に、私から1点御報告がございます。
笹子トンネル下り線復旧後の交通分散対策についてです。笹子トンネルの天井板落下事故の発生による通行止め区間において、12月29日から下り線を用いた対面通行での開通を予定しております。
しかしながら、対面通行での開通であり、年末年始を控え引き続き渋滞の発生が予想されること、観光など地域経済への悪影響を最小限にとどめる必要があることから、地元山梨県からの要望も踏まえ、中央道富士吉田線の無料措置による迂回の促進など、交通の分散を図る対策を早急に検討するよう、昨日ネクスコ中日本へ指示致しました。
 これを踏まえ、ネクスコ中日本から、本日中に具体的な対策の内容について発表される予定だと聞いております。
以上です。

質疑応答

(問)昨日今年度の補正予算と来年度予算の編成方針が出たと思いますが、今のところ復興・防災分野というのも入っておりますが、国土交通省としてどのように取り組んでいかれるか、大臣のお考えをお願いします。
(答)予算につきましては、総理大臣指示としては3分野ということがありまして、それを重点化しつつ防災・減災というもの、そして老朽化対策を加えて、命を守る公共事業ということで国民が納得出来るものを行うと私も申し上げておりますので、そうした考えに沿って必要な予算をしっかり要求していきたいと思います。

(問)消費増税後の住宅購入者の負担軽減策についてお考えをお伺いしたいのですが、昨日自民党の調査会が開かれまして住宅にも軽減税率を導入して欲しいと、導入されない場合あるいは導入されるまでの間は住宅ローン減税だけですと、所得が低い方の負担が増えるので現金給付措置も組み合わせて欲しいという考えを自民党はお持ちですが、大臣はどういった負担軽減策が必要だとお考えでしょうか。
(答)自民党も公明党も具体的な話し合いが始まったという状況だと思います。
住宅ローン減税だけでは、今の現状からいきますと十分対処できないという意見が出ているということも承知しております。
そういう意味では、何らかの財政措置ということについて、今後しっかり与党の論議を踏まえて検討していくと、いずれにしても住宅を取得するという場合には、かなりの消費税の金額ということになりますから、そうした住宅に係る負担軽減策については総合的に与党ともしっかりと話し合いながらやっていかなくてはならないと思っています。

(問)民主党政権下で独立行政法人改革について、あまり知られていませんが、(改革が)進んでいたようなのですが、やり方に少し問題があるのではないかという指摘もあります。
例えば水資源機構ですが、扇千景さんが国土交通大臣をされていた時にダムは作らない組織に改革されたわけですが、今回、今まで7水系のみのダム開発をしていた組織が、この独法改革という名の下で、海外事業なども受注できるように法律案をいじっているというような話が聞こえてきたのですが、改革の名で焼け太りしてしまうというようなところに、今後どのような観点から大臣としては取り組みをされますでしょうか。 
(答)いわゆる行政改革ということについては、稲田さんが大臣になりまして、政府全体の方針として何らかの新たな方針が出てくる段階にございません。
したがって大枠としてのそうした方針というものを見ながらものを考えていくべきだろうと思います。
(問)新たに見直しをされますか。
(答)見直しかどうかも含めて、大枠ということについて出て、その下で対応していくと思っています。
もともと私は、個人的なことを申し上げますと今から15年位になりますが、公共事業、例えば今ダムとおっしゃいましたが、細川内ダムとかあるいは徳山ダムというものがございまして、それをやるのかやらないのかということで止まっている段階にありまして、そうしたことをしっかり精査してやりなさいと、かなりイデオロギー的ではなくて具体的な事例を挙げながら国会等で質問をし、具体的に、徳島にある細川内ダムがそこで中止を決定したという事例もございます。
私は公共事業については無駄な物は削る、必要な物はやる、そうした信念をずっと持っていますが、行革のそうした具体的な方向そして対処、そういうことについては、まだ内閣としての大方針が出ていませんので、これからそれらを見て判断したいと思っております。

(問)先週、猪瀬都知事の初めての会見がありました。
その時に質問したのですが、都営地下鉄と営団地下鉄の統合で、都知事はいずれ国土交通大臣が決まったらお話しするということだったのですが、是非統合の日を早めるように努力していただきたい、それでできなければ、現在シルバーパスが出ている世代のパスだけでも使わせていただければ、営団の方にも収入があると思いますので、そこからでも会合をもって始めて頂くという願いを持っていますがいかがでしょうか。
(答)選挙中、猪瀬さんと並んでいた時にも、そうした問題についての発言が私にありまして、共に当選をしたならば連携を取って行きましょうと言っております。
ただ、今は大臣になったばかりで、猪瀬新知事もなったばかりということで、そのような約束をしておりますからとにかく連携を取ってこれから詰めていきたいと思っています。
今日質問があったことをよく受け止めておきます。

(問)笹子トンネル天井板崩落事故の対策として、富士吉田線を無料化するという話がございましたが、富士吉田線は富士河口湖の方に向かっている線だと認識しておりますが、迂回といいますとそこから迂回するという認識でしょうか。
また、地元の観光に影響があるので観光対策として行うということでしょうか。
(答)事故の場所から通行止めをしている場所があり、まさに仰ったとおり河口湖方面に行く迂回線があります。
そこから高速道路が通っているわけではありませんが、直近の所が極めて渋滞しているということもありまして、選択肢として通行する場合あるいは観光としてもう少し南方面に行く場合でも道路は様々ございますので、そうしたことで渋滞が解消できるということで、私は大変効果がある判断ではないかと思います。
特に12月29日ということでありますので、それに併せて対面通行での開通を行うと私どもは認識をしたということです。
「リダンダンシー」という最近よく使う言葉で、選択肢が広がっていくということで、利便性が確保できるし渋滞が解消されるということだと思います。
山梨県からも大変強い要望がありましたので、これは急がなくてはならないという判断をさせて頂いたところです。

(問)その点についてですが、いつ頃まで(対面通行での開通を)行うのでしょうか。
かなりしばらくの期間行うのか、年末年始だけなのかを教えて下さい。
(答)年末年始だけということではありませんが、いつ頃までということが決まっているわけではありません。
そこだけというよりも、よく状況を見てということをネクスコ中日本としては判断されるのではないかと思っております。
現在の復旧工事がどのあたりまで、あるいは回復がどうなるまで、ということも含めて、ネクスコ中日本としてのスケジュール感が近々に発表されるのではないかと思います。

(問)先程の補正予算についてですが、防災・減災に加えて老朽化対策というお話をされましたが、老朽化対策も、例えば国が管理しているところと地方を比べると、財政・財源の問題もあり、なかなか老朽化対策まで思うようにお金が回っていない現状もあるかと思います。
老朽化対策における地方の維持管理が進むような何かしらの取組とかはお考えでしょうか。
(答)私の認識では、国としてはかなり進めるべき方向性などは決まっているのですが、これまでの1980年代のアメリカの荒廃を始めとして老朽化の現状を見ますと、意外と市町村が管轄しているというようなところは、かなり傷んでいるのではないかと、全体的には感じられるという状況にあります。
当然財政ということもありますし、何をどう選んでいくのか、長期に渡る事業になりますので優先順位というものの付け方も大事かと思います。
これは防災・減災ということは、内閣全体、また、国土強靱化担当大臣も出来たということもありまから、そうした点ではよく内閣全体で相談して、どの辺りからどういう財源の基に、何を優先して進めて行くかということについては、私はかねてから、下から現実的なものを積み上げていくということを考えておりましたし、最初(12月26日)の記者会見でもここで申し上げましたが、その辺のものの考え方をしっかり内閣として、また、国土強靱化担当大臣ともよく協議をしてと思っております。
これからの詰めになると思います。

(問)笹子トンネルの関係で、米国に於いて同じような吊り天井が落ちる事故がありまして、その事故報告書、国家運輸安全委員会、独立の第三者機関ですが、その報告書を見ますと接着剤がふさわしくなかったと、要するに長期の加重に耐える事が出来ないものなので、老朽化して落ちたという先例があったわけですが、日本の場合は、まだ接着剤についての調査を行っていないようですが、事故原因を老朽化と簡単に片付けずに、本当に何が原因だったのかということと、責任者を明らかにするというような責任追及体制、原因究明体制が必要なのではないかと思いますが、どのように思われますでしょうか。
(答)事故原因というものは、今仰った事も含めて総合的に判断をしなくてはいけないものだという認識をしております。
そういう意味では、今調査をしている途上でもありますし、それをしっかりと受け止めて考えたいと思います。
要はしっかりとした調査をして下さいということを私が考えているというところの段階です。

(問)今後の治水のあり方に関する有識者会議をこのまま続行されるということを伺いましたけれども、これまで非公開で、国民には会議を非公開で、記者だけが傍聴できる形になっていたのですが、先程国民が納得できる公共事業ということを仰いました。
ということは、傍聴させてくれと各地の市民団体、住民団体から声が上がっていまして、民主党政権はそれを無視してきましたけれども、太田大臣としては、国民に対して有識者会議を開いていくというお考えはどのように思っておりますでしょうか。
(答)これまで国土交通省として行っているということを、一度よく私としては精査させて頂いて、やるべきもの、そしてやった方がいいもの、これは数人でしっかり落ち着いた論議をした方がいいもの、いろんな形を検討させて頂きたいと思っているところです。

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