大臣会見

太田大臣会見要旨

2013年12月20日(金) 11:50 ~ 12:06
国土交通省会見室
太田昭宏 大臣

閣議・閣僚懇

 本日の閣議案件で、特に私の方から御報告するものはございません。
 一点、御報告させて頂きます。
 来年度以降の高速道路の料金についてです。
国土幹線道路部会の中間答申などを踏まえまして、様々な観点から検討を進めてきたところです。
本日「新たな高速道路料金に関する基本方針」をとりまとめ、公表させて頂く運びになりました。
 まず、料金水準につきましては、これまでの「整備重視の料金」から「利用重視の料金」へと転換を致します。
具体的には、建設の経緯の違いなどによる区間毎の料金差を是正し、「普通区間」、「大都市近郊区間」、「海峡部等特別区間」の3つの料金水準に整理することとしています。
 また、料金割引については、平成20年から緊急経済対策による財源で実施してきた割引が終了することに伴いまして、全体を再編します。
再編に当たりましては、通勤の時間帯などに対する生活対策、休日の乗用車等に対する観光の振興、トラックの大口多頻度等に対する物流対策などの観点を重視しまして、高速道路の利用機会が多い車に配慮することとしています。
 今後、この「基本方針」を踏まえまして、高速道路会社において詳細な制度設計を実施し、来年4月から新たな料金が導入される予定です。
私からは以上です。

質疑応答

(問)発表のありました新しい高速道路料金の基本方針に関してお伺いします。
全体的な3区分への再編ですとか、割引の見直し等、かなり大幅にがらりと変わると思いますが、利用者が新たな料金になった時に戸惑うことも考えられますが、その辺の周知に関して課題はどのようにお考えでしょうか。
(答)これまでの高速道路料金について、利用者の方々から複雑で分かりにくいという指摘が随分ございました。
今回はそれを整理させて頂いたということもありまして、御指摘のように十分ここを周知するということを、我々としましても、また関連の会社におきましても周知をしていくということに力を注ぐということが、大事なことだというふうに思っています。
今回の料金の見直しにおいては、利用者の方々にとって分かりやすく、出来るだけシンプルな料金体系を実現するよう、検討ということを行ってきたところです。
まず、この料金水準につきましては、長大トンネルや長大橋など多額の建設費を要した区間については、これまでは建設コストを反映した料金水準となっていたわけです。
これを今回は、「普通区間」、「大都市近郊区間」、「海峡部等特別区間」この3つの料金水準に整理をするということが大きな一つの特徴です。
また、一方で料金割引がずっと行われてきたわけでありますが、これも様々な割引を導入したために複雑で分かりにくくなっているという指摘もございました。
これを今回は生活対策、観光振興、物流対策などの観点を重視しまして、重複や無駄のない割引となるよう再編をすることとしているところです。
一方、今回の高速道路料金制度の見直しは、大きな変更ということもありまして、利用者に対して十分な説明が必要だというふうに考えておりまして、ここは努力を我々もまた企業(高速道路会社)においてもしていかなくてはならないと強く思っています。
更に、4月以降の消費税率の引き上げにつきましても、転嫁分を反映していくことが必要となるということもありまして、十分な周知ということが必要かと思っています。
今後、高速道路会社におきまして詳細な制度設計を実施するに当たっては、ホームページやサービスエリアでの情報提供、パブリックコメントの実施など、十分な期間を取って、利用者に対して十分な説明と周知を図っていくよう会社に対しても指導したいと思っているところです。

(問)東京都の猪瀬知事が辞任を表明されましたが、そのことについて一政治家としてで結構ですので、大臣の所感をお願いできますでしょうか。
(答)猪瀬知事は都民の圧倒的な支持を受けて、大変な大きな期待の下でスタートを切ったと思っています。
これまでオリンピック招致ということにおきましても、色々な東京関連のことについて私も個別的にお会いをしたりする機会も多くて、打ち合わせもしてきたところですから、今回の徳州会絡みの問題で辞任に至るということについては、残念なことだというふうに思います。
しかし、疑惑がなかなか晴れないということもありますし、十分説明をしていないということもありますから、これは辞任を表明するということは、ある意味では当然なことだろうという認識をしています。
ただ、東京ということからいきまして、東京オリンピック・パラリンピックを控えているということからいって、東京都がそして国としっかり連携を取って、この高まっている国民の機運を失しないよう成功に導いていかなくてはならないということを強く思っているところです。

(問)新しい高速道路料金制度ですが、分かり易さという点ではかなり前進をしていると思いますが、一方で、道路公団を民営化した際の受益者負担という基本的な考え方からすると、非常に利益を受ける人が少ない区間も同じ料金になるということで、後退する、場合によっては必要の無い高速道路の建設に東名などの収益性の高い道路の収益が回されてしまうという懸念もあると思いますが、この点について懸念は無いのでしょうか、どのようにお考えでしょうか。
(答)全体的にはまず水準問題ということで、三つの区間に分けてそれぞれ典型的に違いますものですから、そこについては低いところに合わせてということにしております。
そういう点ではここは利用者の側に立った対応というものができると思っています。
そういう点では今回は恐らく周知を図っていけば御理解を頂けるという水準となったと思います。
(料金)割引の方は、ここはできるだけ割引して欲しいという声は、本州四国連絡橋の辺りではフェリーの問題等もあって若干違うということを発する所もあるわけですが、しかし、全体的には利用者本位ということで御理解を頂けるということになるのではないか、そのようにしっかり徹底していくことになろうと思います。

(問)繰り返しになりますが、ムダな高速道路が今後建設されてしまうというそういう温床になりはしないでしょうか。
(答)全くそれとは別次元の話でありますし、料金設定というのはあくまで利用者の側に立ってというところに大きな特徴がありますので、できるだけ低く抑えるという努力は会社側にも今回は強く要請をしたところで、そうした懸念はないと思います。
ムダな高速道路というお話しにつきましては、私はそうした公共事業のあり方等々については、よく財政制約の中で理解を得るものでなくてはならない。
地元からは要望は非常に強いんです。
しかし全体的に財政制約ということもあり、災害対応ということもあり、そして地元の方々に良く納得して頂けるということもあり、様々なことで良く中味を吟味して取り組んでいるところでありますから、その点は懸念は払拭できるのではないかと思います。

(問)道路に関しては今更うんぬんはしませんが、一点確認したいのは、今回の三つの分野での料金体系のシンプル化はとてもいいと思いますが、以前指摘があったようにコストの高いところは全般に低く下げられている、本州四国連絡橋に限っていうと三分の一位の料金体系になっているものもあります。
逆に都市部は据え置きが多く、東京都心部と阪神高速は都心部据え置きになっています。
これは不公平感はあるのではないでしょうか。
それから、一番大事なのは債務機構に約34兆円くらいまだ返さなければならないと思いますが、2050年よりは、更新修繕のコストも含めて守られそうもないと思うのですが、そこの懸念はないでしょうか。
(答)都市近郊の所については、これは例えば首都高速の関係で言うならば、3環状等が出来上がってくる、また阪神高速も同じように今建設中のものが出来上がるという時点でむしろ整合的なものにしたいということを明言もしておりますから、そうしたことで取り組んで行くと、今回はそういう意味でここは従来のままという形になります。
本四高速を全国の路線網に編入するということについては、かなり状況が違ってきている現状がありまして、この本州と四国の間の高速ネットワークの整備が進んでおりまして、かなり本四高速というのは今や全国ネットワークの一部となってきているという要素が一つございます。
また本四高速は国と地方からの出資を受けるとともに、民営化に先立って国が有利子債務を処理するなど採算の改善を図ってきたところです。
近年は本四高速の交通量が増加しておりまして、計画上の収入以上の増収が続いてきているということもございます。
こうした経営状況の改善を踏まえていきますと、現段階で本四高速を全国路線網に編入することについては利用者の理解を得られるのではないかと、利用者の理解を得られるのではないかというのは本四高速の近辺の県とか、あるいはそこを利用する方という以上に、全国の方々の理解というものも得られるのではないかというふうに考えている所です。
更に全国の利用者の負担を極力軽減するというのは大事な事でありまして、本四会社を中心に沿線自治体と連携した利用増進努力を行う事によって、更なる採算の改善を図るということをうたっているところです。

(問)引き続き高速道路料金についてですが、今はもう割引はETC車に限ってますが、今回の3区分の料金体系もETC車に限りますよね、ここETCの有無に限らず基本料金を下げるべきではなかったかと思うのですが、そこの辺りはいかがでしょうか。
(答)ETCの利用が、全国の高速で約9割に達しているということが一つございます。
残りの現金車においては、ETC車より高い料金徴収コストが必要な事から引き下げ対象にしないことにしているのが今の現状です。

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