大臣会見

太田大臣会見要旨

2014年1月14日(火) 11:03 ~ 11:17
国土交通省会見室
太田昭宏 大臣

閣議・閣僚懇

 本日の閣議案件で国土交通省関係はございません。

質疑応答

(問)建設業界の人手不足についてお伺いします。
東北の被災地で人手不足が問題になっていますが、これから先、防災・減災の対応や五輪に向けた建設需要の増加に伴って、人手不足がますます深刻化していくと思われますが、中長期的な人手不足の問題にどう臨まれるのでしょうか。
また本日、第1回建設産業活性化会議が初会合を開くと思いますが、会議を立ち上げる狙いと併せてお考えをお聞かせください。
(答)これは重要な問題であるという認識をしておりまして、きちんと対応できるようにということで本日会議を行ってスタートを切ろうということでございます。
まず、最近の入札不調について申し上げますと、予定価格と実勢価格の乖離によるものが主なものだと考えています。
再入札の実施等によって最終的には契約をされていることをみましても、人材の逼迫感は確かにありますが、その不足が原因で入札不調が生じているとは考えておりません。
一方で、建設産業の担い手につきましては、これまで続いた建設投資の減少というものがあり、それによって建設企業の疲弊が起き、若年入職者の減少や技能労働者の高齢化の進展、これらが全て絡み合ったという構造的な問題があると認識しています。
こうした問題を看過いたしますと、中長期的には将来にわたるインフラの維持管理というのは非常に大事な課題で続いていくわけでありまして、また災害等の対応もございます。
このインフラの維持管理や災害対応等を地域で担う人材が不足するということが懸念されている状況にあると認識しております。
このため、新規学卒者等の若者が入職し、いったん建設業から離れた労働者の方々に建設業に戻って頂くということができるように、人材確保に向けた構造的な問題の解決に取り組む必要があると強く思っております。
その検討をするということで、本日会議を更に持とうと提唱したわけでありますが、その検討にあたり企業側としましては、若年労働者を確保、育成しようと考える場合には、将来的に安定的な見通しが経営側としたら、仕事量があって、誇りがあってという見通しが利くということが重要だと思います。
また、若年労働者の教育訓練機能の強化、工業高校が無くなったり中々そういう現場で、昔は大学でいいますと電気・機械・土木・建築というようなことが主な工学部の分野であったと思いますが、そこが若干幅が広がったりすることで現場のそうしたことの、若年労働者の教育訓練機能ということをどう強化するかという幅広い検討というものが必要かと思います。
また、外国人の技能実習生の活用という課題もありまして、これから政府としてもそこの点も踏まえてこれからどうするかという観点からの検討もしなくてはならないということもありますし、また去年の4月初めから労務単価を引き上げさせて頂きましたが、発注時の適切な予定価格の設定ということも極めて重要な事だというふうに思います。
そうした幅広い観点から、総合的な取り組みを検討していくことが必要だと考えております。
こうしたことから本日髙木副大臣をヘッドにして、「建設産業活性化会議」を設置し、人材確保の具体的な施策についての検討に着手することとしています。
今後、学識者や建設業界関係者、教育関係者等々から様々な意見、知恵を頂きながら検討を行って、毎月毎月それをウォッチしていくという体制をとるとともに、総合的あるいは中長期的な観点に立って本年夏頃までに中間的な取りまとめも行いたいと思っております。
中長期的にこうするということと同時に、今年は毎月毎月そうしたことをウォッチして適切な対応をとるということが必要と考えておりまして、ここは国交省挙げて、対応ということに全力を挙げたいと思っているところです。

(問)JR北海道の特別保安監査の問題についてですが、一部報道でJR会社法に基づく監督命令を検討なさっているということと、ATSを破壊した運転士の問題について、運転士の免許取消を検討なさっている報道がありまして、この事実関係と大臣の所見をお願いします。
(答)特別保安監査につきましては、検査データの改ざん問題を中心にしまして、引き続き関係者から聞き取り調査等を行っているという状況にございます。
かなり膨大な聞き取り調査も行ってきておりまして、今整理・分析作業等も行っている。
今なお現場で調査も続けていますが、整理・分析も行っているという状況です。
なお、特別保安監査では、このATSの破壊についても調査を行っている状況にございます。
監査の結果について、本日新たにお話出来る事項はございません。
現在行っている整理・分析を急いで、出来るだけ早期にJR北海道について講ずべき総合的な安全対策及びこれに関連する鉄道事業法やJR会社法に基づく措置等を取りまとめたいと考えている状況です。
現在はそういう意味では、調査中であり分析・整理をしている段階であり、そして取りまとめを早期に行いたいということで、今進んでいるという状況にございます。

(問)冒頭の発言について国土交通省の言い分は分かりますが、今建設業界を離れてどういったことをやっているかと言いますと、大体特老ホーム(特別養護老人ホーム)等経営をされている方が多いと思います。
それを一度(建設業界から)離れた人を戻すということで、では特老ホームの人材確保というのはどうするのか、あと人材確保をする上で、今後もしっかり仕事が出来るようにということは、これまで自公(政権)でシーリングを下げてきましたが、シーリングを見直していくのでしょうか。
いわゆる建設業に関しての予算のパイを下げてきたと思います。
これからはずっと上げていく方向になるのでしょうか。
建設業に関する適正な人数というものがあると思います。
それは大臣が仰っている国土交通省の主張が全てなのでしょうか。
要は都合が良すぎるのではないかという部分があるかと思います。
(答)何がですか。

(問)これまで自公(政権)で国の借金を抑えるためにシーリングをかけて、徐々に公共工事の予算を下げてきた背景があると思います。
その過程で、あふれる建設業の方達をどうするかということで、国が面倒を見ながら、特老ホームに人材を振り分けてきた過程が過去にあると思いますが、そうしたものをないがしろにされるのか、あるいは一から取っ払って、新たな方針を立てるということなのでしょうか。
(答)ちょっと認識が違うと私は思っています。
まず、建設業から離れてきたというのは、急激に予算を削ったりしまして、これが急に行われたということがかなり影響があると思っておりまして、倒産が起きたり、見込みが無いということで離れたり、あるいは企業の側は赤字覚悟で仕事をとったりという様な状況が続きました。
そこで国が政策的に特別養護老人ホームとかそういうところに配分したのでは無く、現場の市場原理の中からどこに行くかということで、色んな運転業務というところに大勢行っているというような現実の方がむしろ、特別養護老人ホームとかそういうところは資格がいりますから、そうでは無くて、出来るというところにシフトしたというような現象は色んなところに現実行っていて、家で静かにしているという方もいらっしゃったりするんです。
そこも分析をさせて頂いたりしています。
しかし現実に仕事がある程度あり、そしてまた誇りがあるという状況になってきて、若い人を入れるということだけでなくて、この特に3、4年で離れた人達が戻ってきているという現象が現実には行われているということです。
ですから、東北の復興も当然優先しなくてはいけない。
そして防災・減災、老朽化対策、メンテナンス、耐震化ということもやらなくてはいけない。
こういう観点で全体的にやるべき事はたくさんある訳ですが、財政的な制約の下でそれだけでという訳にはいかない。
かなり抑制的になっているという姿勢はそのままの状況にはなっている訳ですが、しかし、執行ということがしっかり行われていかなくてはいけないので、そのためには建設業者の立場、あるいは発注側の立場、そしてもっと多くの構造的な問題で言うと、電気・機械・土木・建築は、以前我々が大学にいた頃は主要な工学部の分野であった、あるいはまた商業高校とか工業高校というのが非常に存在していた。そうしたことの支援体制というものが今無くなってきている。
かなりこれから中長期的に考えるとそういう対応というものを総合的にやっていかないといけない。
また土木、建築分野に限らず機械を始めとして油にまみれてというような職業に中々就かないというようなこと、教育面やあるいは他の産業との関連性や色んな中で大事な防災・減災、復興、そして老朽化対策、こうしたことを急いでいかなくてはいけないという課題をどういうふうに具体的にやっていくかということで、単に中長期的なことということで、まとめを行って中間とりまとめを行うというのでは無くて、私が言っているのは今年は毎月のように現場の実情を掌握しながら対応していこうということで更に会議をもってやっていこうということでございます。

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