大臣会見

太田大臣会見要旨

2014年7月8日(火) 10:19 ~ 10:40
国土交通省会見室
太田昭宏 大臣

閣議・閣僚懇

本日の閣議案件で、報告はございません。

質疑応答

(問)本日付で人事を発令されまして、新体制でのスタートとなりますけれども、今回の幹部人事の狙いと、新体制の期待をお聞かせ下さい。
(答)本日付で幹部人事を行いました。
現下の状況を見て私としては昨年来、国土交通行政を担当してきまして、様々な方向性を打ち出し、また懸案の打開ということに努めてきましたが、そうした現下の状況を総合的に勘定しまして、適材適所のベストの人事を行ったと考えています。
国土交通省としましては、震災の復興ということもございますし、巨大地震への対策もありますし、その中でもインフラ整備ということだけでなく、その中で防災・減災、老朽化対策、メンテナンス、耐震化、こうしたことにかなり力を入れていくという方向性もございますし、また、それに対してそれを担うべき人材の確保、そしてまた執行状況、そして(入札)不調とか、そうしたことへの対応、様々な手を打ってきたところでありまして、さらにそれを進めて行くということが大事だというふうに思っています。
また、世界に通用する観光立国を目指すということの方向性についても、同様でありますし、都市の競争力の向上、そしてグランドデザインを2050(年)を目指して、打ち出して頂きましたが、それらの方向性を着実に推進をするという方向性に沿って、人事を行ったということでございます。
当然、その中には2020年の東京オリンピック・パラリンピックへの対応ということもありますし、それがゴールではなくて、2021年(以降)も持続的な戦略がなくてはならないということも十分理解を頂いて、推進を頂くというそうした人事を行ったというふうに思っています。
非常に大事な現在の国交省が抱える状況でありますものですから、一致結束してスタートを切って頂ければというふうに思っています。
なお、本日大型の強い台風8号が来ておりますものですから、人事異動に伴って、ここに空白が出来るとかいうことがあってはならないと思っておりまして、継続的な取り組みが損なわれることないよう、今日人事で私が発令することをあえてやめて、九州整備局(九州地方整備局)とか関西の整備局(近畿地方整備局)等は現地でそのまま指揮を取って、新しい人が今日からまた加わって、やって頂くという体制を取らして頂いているところでございます。

(問)台風8号が接近しています。
台風としては初めての特別警報も昨日発令されました。今後の国交省としての対応と、国民の皆様へ呼びかけがありましたらお願いします。
(答)気象庁においては、非常に強い台風第8号が宮古島近海を北上しておりまして、沖縄地方では、暴風、波浪、高潮に対する特別警報を発表しています。
特別警報というのは、雨という場合もありますが、今回は、暴風、波浪、高潮に対する特別警報という発出でございます。
特別警報を発出する台風は数十年に一度クラスの強さでありまして、沖縄地方は引き続き厳重な警戒をお願いをしたいと思います。
今後、台風は非常に強い勢力を保って、明日9日から10日にかけまして、西日本に接近する見込でありまして、広い範囲で暴風、高波、高潮、大雨に対する警戒が必要だというふうに思います。
国交省としましては、九州をはじめとして、各地方整備局・運輸局等におきまして、台風に備えて、万全の体制を取るよう指示をしているところです。
特に今、お話しましたが、人事等もあったものですから、そこはしっかり対応が最優先という体制を継続するよう徹底したところです。
台風の備えということについては、特別警報ということがありますが、気象庁が台風の動き、雨の動きから特別警報を出すわけですが、これの避難ということになりますと、これは、地元の市町村長が行うというそうした仕組みです。
従って、特別警報がこれから発せられなくても、巨大な台風で、どちらかと言いますと、九州方面では雨が非常に心配されるということで、今回の特別警報とは違う警報ということになるかもしれません。
しかし、そこでも先週も雨が降ったということもありまして、地盤が弱いということもございます。
十分そこは注意をしなくてはいけないと思っておりまして、特別警報が出たとか出ないということを超えて、今回はかなり避難を含めて警報が発せられたならば対応をと思っています。
避難勧告の発令等に着目したタイムラインの策定を進めていた訳でありますが、今回の台風第8号がタイムラインを適用する初めてのケースとなります。
実際に、昨日の午前中から九州地方整備局を始めとして西日本の各地方整備局におきまして、施設の点検や体制の確認等を始めておりまして、一日前には何をする、そして何時間前には何をするというようなことを刻々とそれを手を打ちまして、そして交通を始めとして、また避難ということも始めとして、タイムラインということを今回はスタートを切っているところでございます。
今後も時間の経過に従って市町村長による避難勧告や避難指示の発令に遅れが生じないよう、市町村と連携しながらタイムラインに定めた防災行動を進めていきたいと考えています。
特別警報が例えば夜中に出るとか、土砂災害に対しての警報が夜中に出るというような場合でも、タイムラインに沿って早めにどういう動きをこの夜したらいいかということも含めて、防災行動を的確に出来るように備えたいと思っているところです。
国民の皆様におかれましては、地元気象台が発表する最新の気象警報やあるいは土砂災害警戒情報、水位の情報等の洪水の警報等に加えまして、市町村が発令する避難勧告等に十分注意し、早めの対応を是非ともお願いをしたいと思っているところです。

(問)今のタイムラインの初適用ですが、具体的にこれまでの防災とどういうところが違うというか変わることになるのでしょうか。
(答)今までは、気象庁が警報等を発令する、そして、それぞれの市町村で避難等を対応するということですが、全体的に台風の場合は何日頃接近するということが分かりますから、例えば鉄道とかそういうことを止めるというようなこととか、高速道路を注意するとか、あるいは九州等ではこの間、列車のところに土砂災害があったりしますが、そうしたことを何時間前とか早いうちに予測が出来るように、十分、これとこれとこれには注意して、何時間前にはそれを発令するというようなことを具体的に示すことが出来るということが今までとは全く違う。
どちらかと言いますと今までは、気象予想ということに対して、警報とかあるいは特別警報が出たということから動くという場合が多かったものですから、事前にそうしたことを見込んでやっていくということが新しい形になります。

(問)JR九州の株式上場についてお伺いします。
一部報道で秋にも有識者会議を立ち上げて、2016年度の上場に向けて検討を始めるという報道がありますが、その事実関係と、大臣の上場に関する考え方をお聞かせ下さい。
あと、経営安定基金が4,000億円弱の国のお金がJR九州に入っています。
上場の時にはこれをどのように扱うのか考え方をお聞かせ下さい。
(答)現時点で、報道ありましたが、JR九州の上場に関して有識者会議の設置をして検討して頂くということが必要ですが、このJR九州の上場に関する有識者会議の設置を決定したという事実はございません。
現段階はそういうことでございます。
JR九州は、平成28年度を最終年度とした経営自立計画を策定して、国の設備投資支援の下で、経営自立に向けた取組を行っているという段階です。
この上場につきましては、経営状況の推移等を見極めながら判断する必要があります。
いずれにしましても、このJR九州の株式の売却益ということで、よく整備新幹線の開業時期の前倒しの論議と一緒にされている訳ですが、この売却益については整備新幹線に使うというよりは、旧国鉄職員の年金の支払い等に充てることとされているところです。
今はまだその段階でありまして、この状況、JR九州の経営状況等をよく見て、これからの判断ということになろうと思っておりまして、まだ現在は特段の対応するという段階ではございません。

(問)経営安定基金を残したままJR九州が上場した場合に、そのまま資本の市場に出ると例えば外資ですとか内資でもいいですが、買収リスクにさらされるということが当然想像されうる訳ですが、今のままの流れでこの上場を目指すということについて基金が買収の対象になりかねないということについてのリスクはどのようにお考えでしょうか。
(答)そのことも含めまして、まだそうした上場と、経営状況は少し良くなってきつつあるという見込みの段階でありますから、ちょっとそういう問題のデリケートさもありますから、それについては現段階で私がコメントというのは控えさせて頂いて、具体的な話が進展するなかで、もう少し煮詰まった段階で有識者会議等の判断も仰いで考えなければならないと思っています。

(問)先週なんですが、総理の所にかなり長く一対一で入られていたと思うのですが、どのようなやりとりをされたのでしょうか。
(答)そんなに長くはありませんで、中国へ行きましてその報告で全ての時間が費やされたということでございます。
中国のそれぞれ会談された方のなかなか真意とか、今の中国の人と率直に話をしてきたということの流れもなかったものですから、私閣僚として初めて出会ったということもあるものですから、その辺の報告をしたと。
もう少し早く報告をすれば良かったのですが、何分7月1日集団的自衛権をめぐる問題の閣議決定があったものですから、私はそれが終わってからということで控えておりまして、中国の報告を普通にさせて頂いたということです。
(問)その報告に対しては、総理から何かありましたでしょうか。
(答)特段報告することはございません。

(問)先日JR北海道で特急列車の発煙事故がありましたけれども、その事故の御所見と対応等はいかがでしょうか。
(答)ここは、私は新しい体制になりまして、かなり保線や、あるいは予算を使うとか、現場に幹部が歩くとか、この間も一件事故がありましたが、これに対しての対応ということや会見の状況とか様々なものを分析しまして、現実には安全第一の会社としてのスタートは切れているという印象は持ってます。
それ故に、7月6日のこの室蘭線、静狩駅と長万部駅の走行中の列車におきまして、先頭車両の後部デッキにある機器室床下の配線から発煙すると、煙が出るという事故が発生をしました。
私はこれが大事な問題と思っております。
これが一体どういう事なのか、また、安全ということでの落ち度は無いのか、あるいはこの車両がかなり古いというようなことなのか、あるいは車種ということに問題があるのか、何故にそういうことが起きるのか。調査も現実にはしていたようです。
私としては、北海道運輸局の職員二名を、昨日現地へ派遣したところでありますけれども、更に加えてこの問題については重視をしていきたいと思っています。
現在原因は調査中です。
真剣に調査については取り組んで頂いていると思います。
これはJR北海道側としても真剣に取り組んでいるということです。
まず281系のうちの同構造の車両について、配線の状況を点検する。
その上でこれらの車両を含む列車全体についても漏電等の異常が無いかを点検をする、こうしたことをまず行っています。
当面の対策としてですね、原因が判明する迄の間、281系の全ての車両について配線からの漏電が無いか判定する試験をこれまで90日(毎)でやっていたのですが、45日毎に期間を短縮して実施するというようなことも決めさせて頂いています。
安全が第一でありますものですから、その点は引き続きJR北海道を指導していきたいと思っておりますし、安全の体制を作った現段階で起きていることについては、そこは更に指導をしていきたいと思っております。

(問)集団的自衛権が閣議決定しましたけれども、これで万が一尖閣諸島で中国が(尖閣諸島を)占拠をするなど暴挙に出ましたときに受けて立てるという感じですが、今現在、海上保安庁の保安官も武器を取って戦うというようなことが出来るのでしょうか。
それとも自衛官がそのために乗船するのでしょうか。
(答)その問題は、いわゆる集団的自衛権の行使を巡る今回の新しい三要件とは異なる次元の問題と思います。
まずその上で、領海を守るということは、海上保安庁として大事な任務でございます。
その任務の、海上保安庁の強化というものが必要で、それは武器ということではなくて、巡視船を増やすとか、船員を増やしていくということによって、強化をするというのが、私どもの今の基本的な考えです。

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