大臣会見

太田大臣会見要旨

2014年7月11日(金) 11:06 ~ 11:24
国土交通省会見室
太田昭宏 大臣

閣議・閣僚懇

 本日の閣議の案件で報告はございません。

質疑応答

(問)台風8号が日本に上陸しまして、全国に被害を与えています。
現時点での被害状況のまとめと国交省の対応についてお聞かせ下さい。
(答)台風8号と梅雨前線によりまして、7月6日から全国的に記録的な豪雨となっています。
山形、新潟そして長野の他に、九州・沖縄地方などで土砂災害や河川の浸水被害等が発生をしまして、今日午前8時現在、全国で3名の方がお亡くなりになられました。
御冥福をお祈り申し上げたいと思います。
特に9日に長野県の南木曽町で発生しました土石流によりまして、1名がお亡くなりになられました。
この土石流の影響によりまして、JR中央本線の橋梁が流出をした他に、国道19号が土砂流入により通行止めとなるなどの被害が発生しています。
これに対しまして、発生直後の9日に中部地整(中部地方整備局)からリエゾン4名を町役場に派遣をした他に、昨日10日ですが、国土技術政策総合研究所(国総研)、そして土木研究所(土研)から砂防の専門家3名を現地に派遣しまして、現地の状況等の調査を行いました。
今日もその作業は進めているところでございます。
更に本日は、今度は応急復興ということのために技術支援を行うためのTEC-FORCE(緊急災害対策派遣隊)を派遣を致しました。
今後は地元自治体や関係機関と連携して早期の復興に努めていきたいと思っているところです。
今回、タイムラインを初めて適用したということを行いました。
これからそうしたことをやっていきたいと思っております。
台風の上陸前から体制の確認、施設の点検など事前の備えということについて、国交省としては新たな取組をさせて頂きました。
特に今回は台風の進行という状況と、梅雨前線の影響から違うところでまた豪雨が発生するということであった訳ですが、タイムラインは全国的にやらせて頂きまして、それぞれ台風が沖縄の近くにあるという時も、タイムラインということで梅雨前線ということの影響も含めて3日前とか2日前とかいうような状況を的確にして、そして例えば最上川で浸水被害が生じましたが、事務所長から大江町に水位の状況を連絡することによりまして、浸水被害が発生する前に避難勧告が発令されているというような具体的には効果というものが出ております。
更にタイムラインをしっかり今後つくっていって、防災対応を円滑に図ることが出来るように努めていきたいと思っておりますし、この点をまた検証したいと思います。
もう一つは、今回の南木曽町のことは2時間で一気に、その前後は殆ど(雨が)降って無かったというようなことで、地元では「蛇抜け」という蛇のように抜けていくということらしいですが、今度は二つの流れでいくということを国交省としては突き止めまして、ただこういう時の予報の仕方やそうした注意喚起というもので、都市部においてはXRAIN(XバンドMPレーダネットワーク)があって、非常に細かく何区では雨が今近づいている、隣の何区には雨がこれからこないということが、15分単位かと思いますが、高速道路の渋滞情報みたいに出来るということがでております。
ところがこの地域、南木曽町を始めとしてかなりしっかりした体制を作らないとそれができないものですから、まだそうしたことが不十分な状況です。
大きな警報とか注意報とか特別警報では、今回のことにはなかなか対応できないということがあって、どうしてこれを知らせていけるかということについては、更に検討していかなくてはならないと思い、そうしたXRAIN等を始めとして、研究を急ぎたいと思っているところです。
今後まだこの台風については、警戒をしなくてはならないという状況にありまして、しっかり対応できるように、そしてまたどうも気象状況が今までと違う、局地的・集中的・激甚化しておりますので対応していきたいと、南木曽町については復旧・復興を急ぐように力を注ぎたいと思っております。 

(問)同じく台風8号のことについてですが、今回の特別警報が沖縄本島に2回発令されまして、自治体が困惑したとの指摘もあります。
今回の特別警報の判断は適切だったのかどうかお考えをお聞かせください。 
(答)これは特別警報は、人的に何か意図を持ってやるというのではなくて、全く科学的、そしてデータの上で出すものでございます。
異常な現象を高い精度で予測をして、非常事態であるということを伝えるというのがこれ特別警報です。
ただ、特別警報も、注意報や警報と同じように、波浪警報とか、土砂災害の警報であるとか色んなことがある訳なんですが、特別警報もそれにのって、さらに被害があるということで行われるものですから、この波浪、暴風、高潮、大雨の特別警報というのは、それぞれその時間に沿ってそれぞれの特別警報を発令しているという状況です。
大きく言いますと、台風の強さということに関連して特別警報と、これは910ヘクトパスカルの強度で沖縄地方に接近するという予測の上で、台風の強度ということについて(特別警報を)出した。
その内容は、波浪であったり、暴風であったり、高潮であったり、大雨であるというこういうことで全体的に言うと台風の強さです。
それを発令をしました。
その後、台風が過ぎたということの中で、雨ということに着目をしますと、決して油断は許さないということで、台風が過ぎ去って様々な特別警報はなくなった(解除した)のですが、雨については再度注意が必要であるということの中から、特別警報というものを出したというのが現実であります。
そういう点では、台風の強度による基準、そして雨量による基準、大きく分けるとこの二つというふうに考えて頂くということが大事で、更にこの点は混乱が生ずるといけませんから、徹底をしたいと思っているところです。
混乱が生じたというよりも、むしろこれでもう大丈夫かなと思っていたところ、雨ということについての特別警報が出たものですから、学校を休ませるとか色んな事の中で、例えば沖縄の教育庁などは「大変これで助かった。(休校の)判断が出来た。」ということを漏らしているようでありまして、これについてはより徹底を正確にしていくということに努めたいと思っているところです。

(問)今回の台風では、地方整備局から長野の土砂崩れの瞬間の映像が提供されまして、それが各社で報じられ、それがかなり注意喚起に功を奏したとみられてます。
今回の映像提供はこれまで以上に迅速に行われたと思うのですが、これは大臣から何か指示があったのでしょうか。
(答)私からは指示をしておりません。
(指示をして)おりませんが、現場の状況等については、出来るだけ、気象情報もそうですが、的確に、(情報が)あるものは全て出せということは言ってます。
正確な情報は提供するということが大事で、そうしたことが各マスコミに於いても評価を頂いたということは、むしろより一層そういうことに努めたいと思っています。

(問)整備新幹線についてお伺いします。
昨日(7月10日)与党のPTで申入書が固まったのですが、その中で財源の問題がやはり大きいということで、機構(鉄道・運輸機構)にJR側が支払う貸付料が30年と期間が決まっているのですが、それをもっと長くすることによってそれを財源に出来るのではないかという検討をしてほしいという案が入っています。
それについてJR東日本などは否定的ですが、大臣のお考えをお聞かせ下さい。
(答)ここは与党PTはかなり主導的に、これまでも整備新幹線については論議をして下さっておりました。
それがまとまって、特に整備新幹線の新規着工の3区間の工期短縮ということについて、こういう方法はどうか、こういう方法はどうかということを具体的に提起したと承知をしておりますが、私自身は直接具体的な内容は伺ってはおりません。
来週にも恐らく直接来ると、来て報告をいただくということだと思います。
それを受けてこれまでも与党PT、そして国交省は連携を取って、財源の問題とか色々な問題あります。
特に財源の問題です。
これらについては、総合的に知恵を出せるのかどうかという、そしてそれが実現するのかどうかということについては、与党と相談をしながら、これから本格的に議論をしていきたいと。
具体的なこれはどうだ、あれはどうだということについてはまだ議論をしておりませんから、それらについては再度申し入れをいただいて、議論をしていきたいと思ってます。
少しでも(完成を)早くというそのお気持ちであるということは、現地や与党PTの気持ちは十分承知をしているつもりであります。

(問)南木曽町の豪雨のことについてですが、気象レーダーの現在の監視体制について、都市と地方において格差がどうしても存在するということなんでしょうか。
それとも急激な気象情報に対しては現在の技術では予測が難しいということなのか、今回のケースの場合には、そのいずれだということになるのでしょうか。
(答)気象情報自体も相当体制を整えて、どれだけのメッシュで切っていけるかという体制は、これは気象庁的にはほぼ整っているという状況にあります。
従って、いわゆる天気予報というものがかなり正確になっているということは、そのことが現れていると思います。
一方、局地的なとか、地域に分けたXRAIN(XバンドMPレーダネットワーク)という提供しているものについては、これを提供できるだけの科学的なシステムをしっかり作っていかなくてはなりません。現状は、大きな都市を中心にしてそれを順次やってきてるという状況でありまして、この南木曽町等にはそれがまだ整っていないという状況です。
今、先ほどありましたように土砂が崩れてるときには、そこでセンサーを用意したり、色んな監視ということの体制を整えているという状況ではありますが、XRAINの体制はまだ整っていないと、これから拡大していこうとは思いますが、どこからどういうふうにこれは予算を伴いますから、どうしていくかということについては、これから大いに議論をしていかなくてはならないと思っています。
今回のことについては、なんとか少しでも予知とかそういうことがお知らせすることが出来ないかということを今朝も国交省として幹部で集まって話し合ってきたところです。

(問)自衛官の建設業への就業について解禁をするとういう一部報道がありましたが、これについて事実関係と大臣の御所見をお願いします。
(答)退職自衛官の雇用促進につきましては、建設業への再就職をこれは自粛するということでこれまで来ましたが、これは色んな何故自粛するかということについては経緯があったわけですが、防衛省としまして、これを解除するということを検討している状況だと私は承知しています。
これは、防衛省における結論が出てですね、国交省に相談があれば出来ることは協力をしていきたいという状況でありますが、まだ、防衛省は最終の結論ではないようで、検討をしていることは間違いないですが、それを正式に受けてからの話になると思います。
(問)結論はいつ頃に出るのでしょうか。
(答)それについては、時期はわかりませんが、かなり詰めているという状況かと思っています。

ページの先頭に戻る