大臣会見

太田大臣会見要旨

2014年9月30日(火) 10:40 ~ 11:00
国土交通省会見室
太田昭宏 大臣

閣議・閣僚懇

 私の方から、閣議案件の御報告はございません。

質疑応答

(問)3日前に噴火した御嶽山の事についてお伺いします。
国交省のこれまでの対応と今後の取り組み、また、今後警戒すべき事はどういう事なのかをお願いします。
(答)9月27日に発生しました御嶽山の噴火によりまして、現時点で12名の方がお亡くなりになられ、24名の方が心肺停止となっております。
また、多くの方が負傷されております。
お亡くなりになられた方の御冥福をお祈りするとともに、被災された方に心から御見舞を申し上げたいと思います。
私自身、噴火当時山頂付近で多くの方が取り残されているとの一報を受けまして、27日14時25分に防災センターに登庁しまして、中部地方整備局長とのテレビ会議等を通じまして連携を取り、入山者の救助に総力を挙げるということを指示をしまして、初動体制を取ったところです。
国土交通省では、中部地方整備局から長野県そして王滝村、木曽町等にリエゾン11名を派遣をしております。
またTEC-FORCE19名、災害対策用機械14台を派遣しまして、救助の支援活動等にあたっています。
具体的には照明車によりまして夜間の下山者や救助隊を支援したほか、路面清掃車により町道に堆積した降灰の除去等を行ってまいりました。
また本日北川副大臣を現地へ派遣をいたしまして、上空から被災地状況の調査を行ったり、降灰状況の視察調査を行っているところです。
今後火山灰の堆積によりまして、少ない雨でも土石流の発生が懸念をされるために、二次災害防止が極めて重要だと考えております。
このため、救助活動中の土砂災害に対する注意事項を関係機関に配布し、注意喚起を行ったところです。
また、国総研、土研の砂防専門家3名を現地に派遣しまして、ヘリと地上の両方から、噴火・降灰の状況把握等の緊急調査を実施しております。
今後も二次災害防止に必要な情報を随時提供するとともに、土石流が発生した場合の影響範囲についてシミュレーション結果を提供するなど、地元自治体の警戒避難体制を支援していきたいと思っております。
御嶽山では火山性の地震が多い状況になっているなど、火山活動が高まった状態で推移しておりまして、今後も9月27日の噴火と同じ程度の噴火が発生し、火砕流を伴う可能性があると思っておりますので、二次災害防止が重要になると思っております。
こうした情報提供を行って、二次災害が防止され、そして救命・救援の活動がさらに進捗するということに全力を挙げたいと思っております。

(問)今回の噴火では、噴火の兆候を把握しながら登山者への情報が出来なかった。
これについて御見解をお願いします。
(答)特に9月10日から11日にかけて火山性地震が増加しておりましたが、地殻変動や噴火に変化が見られなかったことや、その後、火山性地震の回数が減少したこと、これらから噴火警報を発表して、噴火警戒レベルを上げるという判断には至りませんでした。
これについては現在の火山に関する知見、予測に関する科学的な水準において、出来るだけの判断をしたというふうに認識しております。
また、今回のように噴火警戒レベルを上げるまでに至らないけれども、火山性地震が増加しているような場合についても、その状況を登山者等にどのように伝達するかを検討する必要があると考えております。
そういう意味では、登山者に対しまして最新の火山情報が気象庁のホームページに掲載されているという周知を関係団体の協力を得て徹底するということが大事だと思います。
ホームページも私の方から指示をしているとこなんですが、全国の火山ということについても細かい字でずっと書いてるのではなくて、山に登る人が見たら今どんな状況かということがよくわかるようなそうした情報提供というものが必要だということを指示しているところです。
火山防災協議会におきまして登山者への情報の周知について協力を求めたり、加えて登山者等への効果的な情報提供の改善策について検討してですね、かなり突発的な水蒸気爆発ということではありますけども、こうしたことが起きないように万全の体制を取るということが大事だと認識しております。

(問)今の質問に関連してですが、情報提供のあり方の中で、今、気象庁のホームページのお話がありましたが、実際登山する方は色んな手段で、例えば、温泉旅館で見たりだとか、あるいは観光協会のホームページを見たりとか色んな手段で、情報を入手しようとすると思うのですが、国交省以外の所の関係する機関などでも情報提供のあり方はあろうと思うのですが、省の範囲を越えて議論をしていくというお考えはありますでしょうか。
(答)省というよりも、気象庁を管轄している国交省が主導して、むしろ地元、地方自治体、旅館そういうところにも情報提供するということはご指摘のように必要だというふうに思います。
色々工夫しなければいけないと思います。

(問)JR東海のリニアの件ですが、超伝導を保つために必要なヘリウムという資源がありますが、これは2010年代の後半には資源が枯渇しつつあるので、需給が緊迫しつつあると、そうすると運行ができなくなるという問題があるのですが、JR東海はヘリウムを回収する技術が出来るはずだという見込みを示してはいますけども、実際に今の山梨の実験線でヘリウムがどれくらい、距離に対してどれくらい使われ、どれくらい回収が出来ているのかといった情報は大臣の方にはお持ちでしょうか。
(答)国交省にかどうかはわかりませんが、私の所には直接そういうことは現在聞いておりませんが、調べます。
(問)聞くとこによりますと、医療器具のMRIなどで、やはりヘリウムが大変重要で、需要が増加していると、それについての価格が現在も高騰しているという問題があるということなので是非ご確認をお願いします。
(答)はい。

(問)御嶽山ですが、(噴火)予知が非常に難しいという中で、次善の策として避難シェルターの整備を急ぐ、あるいは入山規制そのものを厳しくするというような議論も今後出てくるだろうと思いますが、現時点での大臣の考えをお聞かせ下さい。
(答)私は今は、救命救助ということに全力を挙げておりますから、今後どうするかという方法論については、十分議論をしておりません。
入山規制についても、例えば御嶽山は、今まで全くそういうことがしばらく行われなかったということもありますから、科学的な知見というものを相当綿密に詰めてやらないといけない。
技術的な水準ということと、それからどの時点でどういう決断をするかということは広範囲にわたりますので、またシェルターを作るということを、どうすれば災害が起こらないかということを総合的に考えたいと思いますが、今のところまだそういうことではありません。
そういうことは全体的なことを検討して命に及ぶようなことが無いようにということで、できる限りのことはしたいと思いますが、現在まだそこに至っておりません。
御嶽山に限って今全力を挙げているというのと、全国の47の活火山につきまして、内閣府中心でありますが、避難計画策定の手引き等を作成して自治体における避難計画策定を支援するということをできるだけ急いでやらなくてはいけないと思いますが、一段、二段、三段と色んな段階があると思いますが、総力を挙げたいと思います。

(問)活火山の監視・観測体制というのは、富士山や桜島のようにしっかりできているところから、必ずしも十分ではないところまでかなりの差があると聞いていますが、こういった問題について監視・観測体制、御嶽山も含めて今後どのようにしていくお考えでしょうか。
(答)火山については、それぞれの活動の特徴に応じた監視体制を現在は執っている訳です。
阿蘇とか浅間とかあるいは桜島とかそういうところと、2007年にここは噴火をしているという、そしてその前の記録というのがあまり無いというような状況とか、色んな形態に応じた監視体制を執っている訳です。
全国の47の活火山におきまして、地震計、傾斜計等の観測機器も整備をしている訳です。
また大学等の関係機関の観測データも活用しまして、現在、札幌、仙台、東京、福岡の火山監視・情報センターで、24時間体制で火山の活動状況を監視しています。
中部、名古屋とかあるいは大阪の方というのは無い訳ですが、火山自体が東京で御嶽山を含めてカバーしているということもありまして、現在、札幌、仙台、東京、福岡の火山監視・情報センターで24時間体制での監視ということをさせて頂いている訳です。
更に火山活動に異常が認められる場合には、噴火警報等を速やかに公表するとともに、活動の活発化に対応して臨時に監視体制を強化することとしております。
今回の件に関しまして、現在の火山に関する技術水準において気象庁はできるだけの判断をしていたという認識をしておりますが、しかし、更なる改善をしていくことが大事だと思っております。
観測機器の整備等の監視体制強化について、対応していきたいと思っています。
どういう形で、技術水準がどうかということも含めて、もう少し全国の監視体制についてやるかということについては、ちょっと時間を頂かなくてはならないと思いますが、現時点でも今回のことに鑑みて、地震動等があったりということについては不安が当然あるでしょうから、できるだけ状況を公表していきたいと思います。
判定が、1とか3とか2とかいうことの判定が難しいことは事実ですが、現在、どういう状況にあるのかということについては、47の活火山について率直にそれは示していくということが必要なことだと思っておりますので、そうしたことをまずやりながら、その後の体制について検討したいと思っています。
(問)冒頭言及ありました土石流のシミュレーションなのですが、今後、雨等あればリスクが生じると思いますが、その際に国土交通省さんから今後の状況を鑑みて逐次出すものなのか、もう少し詳しくお願いします。
(答)土石流を私も一番心配しております。
これはまず雨がどの程度降るかと言うことです。
地形の状況で南の、南西と言いますか、剣ヶ峰の方はかなり谷が深くなっております。
人家がどこにあるのかということも含めて、そこでの避難体制があるものですから、どの程度の雨で、どの程度の土石流が生ずるかということについて、今そこを一番、TEC-FORCEを中心にして調査をしているということです。
ここまで雨がなかったということもあるのですが、晴れた場合にも、非常に様々な有害物質が発煙の中にあったり、色んなことがありますので、とにかく二次災害ということを絶対に起こさないということに全力を挙げたいと思います。
土石流は特に雨との関連が強いですから、技術水準とか色々問題がありますけれども、できるだけ率直に長野県・岐阜県等には情報を提供していきたいと思っているところです。

(問)大同特殊鋼が長年にわたって鉄鋼スラグを逆有償で出荷していた件なのですが、有害物質を含むという性質の他に水分を含むと膨脹するという性質があります。
住宅周辺で使うことは想定されていない物質でしたけれども、長野原町では住宅周辺の下に使われているという事実が指摘されていまして、先日長野原町の町長が大臣にお会いした際はそこまで細かいことは別件だったので言わなかったけれどもということで、実際はスラグが確認されれば当然撤去を求めるということを述べておられます。
現在の大臣の見解をお願いします。
(答)鉄鋼スラグについては、八ッ場ダムを含めまして、関東地方整備局において調査を実施しているという状況です。
現地における鉄鋼スラグ混入の有無についても調査中の段階ということです。
引き続き群馬県環境森林部と相談しながら調査を進め、結果がまとまり次第公表したいと思っております。
対応しなければいけないと思っております。

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