大臣会見

太田大臣会見要旨

2015年8月25日(火) 9:48 ~ 10:05
国土交通省会見室
太田昭宏 大臣

閣議・閣僚懇

 本日の閣議において、報告事項はございません。

質疑応答

(問)噴火警戒レベル4の噴火警報が出ている桜島の状況について、大臣のその後のご認識をお願いします。
(答)桜島につきましては、気象庁において、8月15日に、火山性地震の急増や急激な山体の膨張が観測され、噴火警戒レベルを避難準備を求めるレベル4に引き上げました。
これを受け、鹿児島市は、市の判断として、高齢者等の避難を円滑に行うため、有村町、古里町及び黒神町に対し、噴火警戒レベル5の防災対応である避難勧告という形で高齢者等を勧告し、避難をさせたということです。
8月21日に開催された、火山噴火予知連絡会拡大幹事会においては、桜島の火山活動について見解を出しているところです。
1つは、規模の大きな噴火が発生する可能性は、8月15日時点に比べ低下してきているという状況にあること。
2つは、再びマグマの貫入がある場合などには、火山活動の活性化は避けれないこと。
そして、引き続き火山活動の変化を注意深く監視していく必要がある、という主な3点です。
この見解を受けて、鹿児島市は、22日に有村町及び古里町に発令していた避難勧告を、噴火警戒レベル4の防災対応である避難準備情報に切り替えたというのが現状でございます。
また、黒神町に発令していた避難勧告は解除しました。
気象庁としては、この火山噴火予知連絡会拡大幹事会の見解を踏まえ、地震活動及び地殻変動の状況をしっかり監視し、地元自治体と密接に連携して、この桜島の状況について、監視をしっかりしていくということであります。

(問)道路公団民営化からまもなく10年に近づいてきましたが、国土交通省としては有識者を招いた業務点検の検討会やその報告書を出されたりしていますが、大臣ご自身として、どのように評価されるかということと、今後の高速道路行政について、どういったものがあるべき姿かご所見をお願いします。
(答)高速道路会社と機構は平成17年10月に民営化しました。
今年の10月1日に民営化後、10年を迎えることになります。
民営化については、3つの目的が当時示されました。
これまでその目的に即して、着実に成果をあげてきたと私は思います。
まず、1点目の約40兆円に上る有利子債務を確実に返済するという第一の項目です。
これについては、有利子債務は現在約29兆円まで減少しており、着実に返済されていると思います。
2つ目の、必要な道路を早期かつ極力少ない国民負担で整備する目的であります。
民営化後に約1,000㎞の高速道路が開通しました。
その整備にあたっては、約7,400億円のコスト縮減を図っているという状況です。
また、新東名の御殿場から浜松いなさ間で、約1年開通を前倒しするなど、平均で約4ヶ月開通を前倒ししているということで、工期を前倒しするという事例が色んなところで出ているという効果が出ています。
3つ目は、民間のノウハウの発揮による多様なサービスの提供ということです。
これについては、サービスエリアなどで施設の充実が図られていると思います。
コンビニやカフェなど店舗が多様化し、その売り上げも約4,000億円から約4,900億円に伸びているという状況にあり、現在もそうしたことについては拡大が予想されているというのは皆様ご承知のとおりです。
こうした3つの目的が着実に成果をあげてきていると私は思いますが、その一方で、この10年の間に、東日本大震災と笹子トンネル天井板落下事故等がありました。
防災・減災、老朽化対策、メンテナンス、耐震化ということが極めて重要な課題となってきたこの10年だと思います。
このため、昨年度までに道路法等を改正し、老朽化対策や大規模更新事業を進めているところで、首都高等におきましても、いよいよこの改修工事が着工するという段階まできているということであります。
ここは非常に大事な問題であるので、民営化して効率ということで安全がおろそかにならないようにということについては、これまでも随分私も指摘し、そして防災・減災、老朽化対策という項目については、国交省をあげての全体の方針として言ってきましたが、さらにこの辺はしっかり指摘をしていきたいと思っているところです。
こうした民営化10年を前にした点検について、学識経験者にもご議論頂いて、7月14日に公表したところです。
これで終わりではなく、この10年を踏まえるとともに、民営化の3つの目的と、防災・減災、老朽化対策という新たな課題について、着実に成果が上がっていくように取組を進めていきたいと思います。

(問)北陸新幹線の金沢・敦賀間の建設計画についてお尋ねいたします。
金沢・敦賀間については、今年の1月に従前の計画を見直して開業を3年前倒しする方針が決まりました。
このうち福井駅までの間について、さらに前倒しをして先行開業させられないか、与党の整備新幹線建設推進PTが検討を続けており、月内にも結論をまとめる方向です。
PTでは、出水期や夜間に工事を続けて工期を短縮する案などが出ていますが、鉄道運輸機構等の説明からは、大幅な短縮は難しいとの見方もあります。
工期短縮の余地がいかほどあるのか、短縮することができるのかについてご所見をお聞かせください。
(答)北陸新幹線の福井先行開業については、与党PTのもとに設置された福井駅先行開業等検討委員会において、精力的に議論いただいていると承知しております。
これまで13回の委員会が開催されたと聞いており、国交省や鉄道運輸機構から、工期や設備に関する様々な技術的な課題についても説明しているとの報告を受けているところです。
いずれにしても、与党における議論は現在も継続しており、その議論を見守ってまいりたいと思っており、私がこの段階で何らかのことを言うことは議論を深めるということから適切ではないと思っており、あくまで見守ってまいりたいという姿勢です。

(問)JR東日本について、先日22日に再びケーブルの一部が焼ける火災が起きました。
相次ぐトラブルについて、今後の対応と大臣のご所見についてお聞かせください。
(答)前回だと思いますが、この件については私の方から皆様にご報告をしたと思います。
その後、22日に、中央線東中野駅~中野駅間で通信用ケーブルを納めているプラスチック製のカバー、防護管が燃えるという事象が発生したということで、一つ一つどういうことなのかということの原因究明というのは極めて大事な課題だと思っており、今指摘をしているところです。
JR東日本は、本件を受けて24日の始発電車までに、防護管を使用している首都圏1,365箇所の緊急点検を実施し、異常がないことを確認したとの報告を受けています。
また、今後、防護管を難燃性のタイプに切り替えていくことを検討しているとのことです。
前回は同様の通信用ケーブルということなのですが、どうも今回のものと前回のものとは、原因が違うのではないかというような報告も聞いておりまして、もう少しここは、双方ともよく原因を究明しなくてはいけないと思っています。
今回の22日の件の原因については、本日、消防が損傷したケーブル及びカバーの検証を行う予定だと聞いています。
このカバーの方が特に燃えたということで発生が違うようですが、カバーの検証を行うようです。
JR東日本においては、ご指摘のように、4月12日の山手線の電化柱倒壊以降、先般の会見でも申し上げましたが、トラブルが続いていて、厳しく私の方からも指摘させていただいています。
8月21日に鉄道局長からJR東日本の副社長に対しまして、個々の事案の原因究明そして再発防止対策の確実な実施、それに加えて組織的にしっかり取り組む必要があると。
個別案件ということで原因が違うということだけで終わるなと。
組織のことも含めてしっかり取り組むようにと。
会社として徹底した上で原因究明を行いなさいということを指示したところです。
国交省としては、これらの原因究明がしっかり行われて、再発防止対策の徹底が図られるなど、輸送の安全・安定が確保されるということが大事でありますので、信頼性をしっかり確保するように、更に指導し対応を求めたいと思っています。

(問)今朝もまた株価がだいぶ下がっております。
世界同時株安の度合いも増しています。
国交省の管轄でも旅行であるとか経済に関わることでもありますので、ご所見を頂きたいと思います。
(答)株の動向、そして世界経済の動向等に関わるものでまだまだ動いている途上だと思っております。
国交省としては、そこの分析をする立場ではありません。
観光等で影響があるのではないかということですが、もう少し状況を見ないとわからない。
この2日ぐらいの状況以前の段階においては、特に観光は為替の影響があるわけでありますので、この動向については、少なくても、先般までは、急激に変わるものではないと。
確か3月、4月、5月頃の状況であることを申し上げたところですが、ここはその辺も含めて注視していかなくてはならないと思っています。

(問)先日もお話聞きましたが、成田と羽田空港で外国の記者が集まりますと、再検討する余地があれば、ぜひ24時間使える羽田をオリンピックの期間だけでも旅客便に開放してほしい。
というのは、1日の半分しか今成田は使えませんので、南米とかアフリカ辺りから20数時間かけてくる航空機にとっては、いつ何時遅延問題があって入れないということがあり、とても不便です。
考える余地があれば考えてほしいということですが、大臣のご所見をいただきたい。
(答)少しでも空港の容量を拡大できないかということは、問題意識として持っておりまして、常に検討しているところです。
今日の時点できちんとした報告ができることではありませんが、その都度そうした方向で今検討を続けているということで、問題意識としては十分我々の頭の中に入っているということです。

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