大臣会見

石井大臣会見要旨

2015年10月20日(火) 10:37 ~ 10:50
国土交通省会見室
石井啓一 大臣

閣議・閣僚懇

 本日の閣議案件で、私の方から特に御報告するものはございません。

質疑応答

(問)横浜のマンション問題の関係ですが、これまでの対応状況、今後の方針、あるいは総理から何か指示をされたりというようなことがあるかないかお聞かせください。
(答)総理からの指示は特にございませんけれども、今回の横浜市の分譲マンションの件については、くいが支持層に達していたかどうかのデータの改ざんに加えて、くいの先端のセメントミルク量についても不正が行われたということで、これについては国民の信頼を損なう行為であり、極めて残念であると思っています。
マンションを買われる方は一生に一度の買い物でありますし、様々な暮らしを夢見て購入されたと思いますので、そういった思いを踏みにじる行為であって、許されるものではないと考えております。
国土交通省といたしましては、10月9日からの住民説明会に先立つ6日に、まず、売主責任に基づき住民の皆様に誠実に対応すること、更に、横浜市が実施する安全性に係る調査に適切に対応すること、また、くい打ち関係データの転用・加筆等について調査を実施する。これは当該マンションと更に旭化成建材が行った全国のマンション等について、事業主及び施工者に指示したところでございます。
更に、注入セメントミルクに係るデータの転用・改変につきましては10月16日に関東地方整備局で報告を受けました。
これを受けて、翌17日に関係者を本省に呼び、改めて誠実な対応を指示するとともに、旭化成建材に新たなデータの転用・改変の実態についても調査し、あわせて早急に報告をするよう指示したところでございます。
こういった状況を踏まえまして、昨日、省内に次官をヘッドとする連絡会議の設置を指示し、対応に万全を期することにしております。
また、調査等報告でございますけれども、国土交通省におきましては、施工者である三井住友建設及び旭化成建材などに対しまして、建設業法に基づきまして当該建設工事の施工の体制などについて、随時報告を求め、その確認の調査を行っているところであります。
また、三井不動産レジデンシャル及び三井住友建設がこのマンションにおける未調査の全てのくいについて、支持層に到達しているか否かの調査を行っており、これについては11月中を目途に調査を完了予定と報告を受けているところでございます。
また、国土交通省からの指示に基づき、旭化成建材及び旭化成において現在約3000件の他の物件について、データの改変がなかったか調査が進められておりますが、旭化成に対しまして、今週22日にも建物の用途別、都道府県別のデータをとりまとめるよう指示したところでございます。
国土交通省としましても、調査が適正に行われるよう主体的に取り組むとともに、今回の事態を受けて、国民の皆様の不安が広がらないように売主である不動産業団体、施工者である元請けの建設業団体等に対しましても、この本件調査に責任を持って協力するとともに、不安の払拭のために、様々な取組みを積極的に講じるよう求めてまいりたいと思っています。

(問)今回、ようやく国交省から本件についての動きが、今の大臣のお言葉で表れたと思いますが、若干、時間が遅いというか、対応について前回の会見でも旭化成建材の物件数が3000件というのも情報として入っていなかったようですが、これまでの対応についてはいかがでしょうか。
(答)これまでも国土交通省としましては、先ほど申し上げたように、売主に対しては住民の不安やいろんな懸念に対して、誠実に対応するように求めてまいりましたし、施工業者である元請け、あるいは下請けである旭化成建材等に対して、しっかりした調査を求めてきたところですので、そういった意味においては、必要な指示を行ってきたと思っております。
更に問題が、不正がくいの支持層に到達したかどうかではなく、更にくいの先端のセメントミルク量に不正が行われると。
これは問題が重なってきましたので、国土交通省としては更に徹底した対応を行っていきたいと思います。
(問)三井不動産は、東京オリンピック・パラリンピックのオリンピック村の計画も受注している、いわゆる国家プロジェクトも含めて受注している企業です。
これに対して、宅建業法違反で調査を始めるというのは極めて異例だと思いますが、三井不動産等への立入調査など、積極的に調査を行う方針はございますでしょうか。
(答)売主は、宅建業法及び住宅品確法に基づいて、瑕疵担保責任を負っておりますので、瑕疵に対して補償や損害賠償を適切に行う責任がございます。
仮にこれらの責任を果たさずに、購入者に損害を与えた場合は、宅建業法に基づく処分の対象となる可能性がありますので、まずは、売主として責任を持って対応するように、三井不動産レジデンシャルに指示しており、対応状況について適宜報告を求めているところでございます。
(問)行政法上は、対象企業等に立入調査ができるわけですけれども、立入調査を行うよう指示なさるご予定はありますでしょうか。
(答)まずは売主の方が、住民の方にきちんと誠実に対応するということをきちんと求めていきたい思っております。

(問)今、御説明があった旭化成に22日までに都道府県別のデータをとりまとめるよう指示したという指示について、もう少し意図するところ等を詳しく御説明していただけますでしょうか。
また、このデータを公表する予定はあるのか、その辺りも含めてお願いします。
(答)この横浜のマンションの事案を起点として、国民の皆さんにやはり不安が広がっていると思いますので、まずその不安を解消する一環として、早く当該旭化成建材が施工した物件がどれくらいあるのか、約3000件ありますけれども、それが地域別にどれくらいあるのか、あるいは建物、種類別にどれくらいあるのかといったことを報告させようという趣旨で、22日にデータをとりまとめるよう指示したということでございます。
データがとりまとまれば公表させていただく予定です。

(問)今回の偽装を受けて、工事そのものの偽装のチェックができるように、検査項目の整備であったり、改正を改めて考えていますでしょうか。
(答)建築基準法の話だと思いますけれども、今、基準法上は三階以上のマンション、共同住宅等については、中間検査を行うということで、その検査の際には建築確認の際に提出された図面どおりに実施されているかどうかを目視したり、あるいは計測機器によって測定したりということで確認することとなっております。
くいについては、必要に応じてくいの施工状況に関し、報告を工事施工業者から求めることができるとされておりまして、横浜市の場合は、横浜市で独自に作った細則、建築基準法の施行の細則において、中間検査、完了検査の際に、くいの施工結果の報告書を求めるとしておりまして、本件についても、今回偽装されたデータ含め、くいの工事の施工結果報告書が提出されておりました。
ただ、提出はされておりましたけれども、結果としてそういった不正が見抜けなかったということがございますので、今回の案件について、原因究明とか、あるいは建築基準法への違反の有無等をまず明らかにした上で、このような建築基準法に基づく検査や報告聴取のあり方も含めて、点検していきたいと思っております。

(問)なぜ、こういった改ざんが行われたのかという理由に関連すると思うのですが、その問題となっているくい8本というのが、この三ヶ月の工期の中の最後の二週間で駆け込みのような形で行われていたという一部の報道があるのですが、もしそれが事実であれば、その工期に対して見直さなければいけないのではないかという、プレッシャーが背景にあったのではないかという推測に繋がる重要な事実になるのかと思うのですが、その辺りについ随時報告を受けているということでしたので、どのように把握されていますでしょうか。
(答)国土交通省としましては、施工業者からそのような報告は受けておりません。

(問)フォルクスワーゲンのディーゼル不正問題に関連してなのですが、アメリカでは御案内のとおり路上使用過程車の路上検査をやっているわけですが、日本でもこれを抜き打ち、あるいは計画的に路上での使用中の車についての検査をやっていくと、これについて検査法人が主体となって検査を実施し、道路運送車両法の改正を視野に入れて罰則規定等を設けるという検討を国交省がやっていると承知しているのですが、現状を教えていただけると助かります。
(答)国内でディーゼル乗用車を販売する国産車メーカー等からは、フォルクスワーゲンと同様な不正は行っていないという報告を受けております。
国土交通省としては、国内で販売されたディーゼル乗用車について、実走行時における排出ガスのサンプリング調査等により、報告内容の検証を進めるということで、今、その方法について検討しているところです。
また、ディーゼル乗用車全般について、不正ソフト使用の禁止措置を元々やろうとしていたわけですが、これを前倒しすることや、今回のような不正に対応するための検査方法の見直しを検討してまいります。

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