大臣会見

石井大臣会見要旨

2016年9月13日(火) 10:30 ~ 10:44
国土交通省会見室
石井啓一 大臣

閣議・閣僚懇

本日の閣議案件で、特に私の方から御報告するものはございません。
このほか、私の方から1点御報告がございます。
熊本地震により被害を受けました九州自動車道と大分自動車道につきまして、全線一般開放しておりますが、一部区間において対面通行及び時速50キロメートルの速度規制が残っております。
このうち大分自動車道につきましては、土砂崩落箇所の復旧が完了いたしますので、今月9月17日から始まります連休前までに、地震前と同じ4車線、規制速度80キロメートルに戻せる見通しであります。
九州自動車道につきましては、来年度の早い時期に4車線に戻せるよう、盛土崩壊箇所や橋梁の復旧工事を引き続き進めてまいります。
詳細は事務方にお問い合わせいただきたいと思います。
私からは以上でございます。

質疑応答

(問)関東・東北豪雨で、茨城県常総市の鬼怒川の堤防が決壊してから1年が経ちました。
この1年を振り返って、水害対策の取組が思い通りに進んでいるのか、また今後更に取組を強化したいと思っていらっしゃる点はあるのか、大臣のお考えをお願いいたします。
(答)関東・東北豪雨から1年が経過しました9月10日に、茨城県常総市で開催されました「復興祈念式典」に出席するとともに、鬼怒川の被災の現場を視察してまいりました。
鬼怒川の決壊箇所や溢水箇所には、新たな堤防が整備されておりまして、復旧が着実に進んでいるという印象を持ちましたが、一方で、未だ多くの方が避難生活を送り、生業をたたんでしまった方や、あるいは市外へ転出された方も多いとお聞きしまして、復興への道のりは未だ道半ばであると感じております。
鬼怒川につきましては、「鬼怒川緊急対策プロジェクト」を平成32年度を目途に進めておりますが、引き続き堤防の整備や河道掘削等のハード対策を進めるとともに、9月5日から既に始まっておりますが、プッシュ型の洪水情報の配信などソフト対策を組み合わせまして、住民の安全・安心を守る対策にしっかりと取り組んでまいりたいと思っております。
昨年の関東・東北豪雨災害を踏まえまして、国管理河川におきましては、施設では守り切れない大洪水は必ず発生するとの考え方に立ちまして、社会全体で洪水に備えるという「水防災意識社会再構築ビジョン」の取組を進めております。
各地域で今後5年間の具体的な地域の取組方針を策定いたしまして、関係者が連携して、ハード・ソフト対策が一体となった取組を推進しているところでございます。
更に今後はこの取組を県の管理する河川にも拡大してまいりたいと存じます。
特に今般の台風10号の甚大な被害を踏まえまして、高齢者・障害者などの要配慮者が利用する施設等の管理者が、水害時に避難に関する情報の正しい理解を深めていただくための説明会、また、直轄では既に実施しておりますが、県の管理河川につきましても、河川の状況に関する情報を市町村長本人に直接提供するホットラインの取組等を緊急的に進めてまいりたいと思います。
今後とも各地域において、関係機関と連携しながら社会全体で洪水に備える水防災意識社会の再構築に向けた取組を強力に推進してまいりたいと思います。

(問)昨日、国土交通省が設置した有識者会議で、熊本地震の建物の被害状況の分析がございましたが、その中で概ね現行の新耐震基準は今回の倒壊で有効だという見解でしたが、中には1981年から2000年の中で接合が不十分で倒れたケースがそれなりに散見されるという評価もあって、そうした部分は対策が必要だという見解を示していましたが、今後、こうしたところについて国土交通省の対応というのは現段階でどのようにお考えでしょうか。
(答)熊本地震における建物被害の原因の分析につきましては、本年5月に委員会を設置して以降、建築構造の専門家等に精力的に御議論をいただき、昨日9月12日の第3回委員会において、報告書の案が示されたところです。
この度の熊本地震では、木造建築物を中心に倒壊等の被害が見られ、報告書案においては木造建築物について、1981年以前の旧耐震基準のものの倒壊率は、1981年の新耐震基準導入以降のものに比べ顕著に高く、新耐震基準が倒壊等防止に有効であったこと。
ただし、新耐震基準導入以降のものについては、接合部の仕様等が不十分であったものに倒壊が多く見られたことから、こうしたものの被害の抑制に向けた取組が必要であることが示されたところです。
委員会の報告書については、昨日の委員会における各委員からの御意見を踏まえ、今後、委員長一任のもと、とりまとめられることとなっております。
国土交通省としては、木造建築物の耐震化等に関する今後の具体的な対策について、最終的な報告書を受けて、早急に取りまとめてまいりたいと考えています。
(問)現段階では耐震基準の見直し等も含めて報告書が出されてから検討ということでしょうか。
(答)現在では、現行の耐震基準が十分有効であると考えております。

(問)高速道路のナンバリングの件で、週末に案が出ていますが、所感を改めていただいてよろしいでしょうか。
(答)ナンバリングについては、海外でも既に導入されている事案がございますが、標識等で日本語あるいは英語が読めない方もいらっしゃいますから、全ての道路利用者に分かりやすく案内することを目指しております。
9日の第5回高速道路ナンバリング検討委員会で公表された提言案につきましては、今後、パブリックコメントを実施する予定であり、広く国民の皆さんからの御意見も聞いて決定していきたいと考えております。

(問)9月に岩泉町を視察した防災担当の政務官が、長靴も履かずに視察して、水たまりでは職員におんぶをしてもらうという事案があったのですが、水防災意識社会を進める所管の役所の大臣として何か御感想はありますか。
(答)昨日の政府与党連絡会議におきましても指摘がありましたが、菅官房長官からは、9月2日に松本防災担当大臣から本人に対して口頭で厳しく注意したと聞いております。
官房長官からも緊張感を持って引き続き職務に当たるようにという指示をされたと伺っております。
しっかり反省をしていただいて取り組んで頂きたいと思います。
(問)大臣自身、職務上被災地に訪れることが多いと思いますが、その際、心がけていることはありますでしょうか。
(答)服装等は当然原則防災服で、基本的には私はウォーキングシューズを履いていくようにしております。
場合によっては長靴等を用意していただいて現地に入る。
そういうことは心がけております。

(問)一昨日公明党の山口代表が札幌にいらっしゃって、JR北海道の赤字路線の維持について、国とよく相談しながら政府与党として赤字路線の維持について財政支援に限らず、支援できるところがあれば支援していきたいというような発言をしていらっしゃいます。
台風で鉄道も大分被害を受けているのですが、改めて北海道の鉄道の維持に関して大臣のお考えをお願いします。
(答)JR北海道で島田社長が会見されて、今後のJR北海道の路線のあり方等について検討していきたい旨、発表されていると承知しております。
まず、JR北海道と地域の関係者でよく話をしていただいて、地域の公共交通をどのように持続可能なものにしていくのか、国土交通省としてもそういった話し合いを促すとともに、状況に応じて適切に対応してまいりたいと考えております。

(問)昨日、クルーズ船に関する第1回の有識者会議があったかと思いますが、投資案件を募集したりということを今後されるようですが、クルーズ船に関して国土交通省として今後こういうふうに取り組んでいくとか、大臣の所感などございましたらお願いします。
(答)既にクルーズ船については、クルーズ船によるインバウンドを2020年までに500万人という目標を掲げて、クルーズ船が入港できるような港湾の整備等を進めているところでありますが、加えて埠頭等に旅客のターミナルや誘客施設を設けるということについて、クルーズ船の会社の方から提案があるというケースもありますので、官民連携をしてクルーズ船の来客の受入環境の整備をしていくことについて議論をしていく場だと考えております。

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