大臣会見

石井大臣会見要旨

2016年9月20日(火) 10:31 ~ 10:43
国土交通省会見室
石井啓一 大臣

閣議・閣僚懇

本日の閣議案件で、特に私の方から御報告するものはございません。
このほか、私の方から1点御報告がございます。
9月27日からカナダのモントリオールにおきまして、国際民間航空機関、ICAOの総会が開催されます。
国際航空分野における温室効果ガス排出削減策について議論されることとなっております。
国際航空分野で責任ある役割を果たしているわが国は、これまでも地球温暖化対策に積極的に取り組んできたところでありますが、国際航空分野における効果的な温室効果ガス削減の必要性から、市場メカニズムを活用した排出削減制度に参加することといたしました。
今週末に軽井沢でG7交通大臣会合が開催されますが、ICAO総会の直前というタイミングを捉えまして、G7交通大臣会合におきましても、本制度の採択に向けた連携について議論をする予定であります。
後ほど事務方から資料を配付いたします。
私からは以上であります。

質疑応答

(問)来週から臨時国会が始まります。
予算や法案審議ではリニア中央新幹線について取り上げられることが多いと予想されます。
論点の1つが、国が財政投融資を使って資金を貸し出すことで、JR東海の自主性が損なわれることがないかといったところにあるかと思いますが、この点について大臣のお考えをお伺いします。
また、逆に公金が投入されるのだから、きちんとチェックしないのはおかしいのではないかという議論もあると思いますが、その点についても併せて見解をお願いします。
(答)リニア中央新幹線につきましては、交通政策審議会の議論におきまして、JR東海の事業遂行能力等を総合的に勘案した結果、JR東海が建設主体・営業主体として適当とされ、指名したものであり、自己負担を前提とする民間の事業として推進されてきたところであります。
今回の措置は、交通政策審議会において確認されたJR東海の事業遂行能力を前提といたしまして、更に全線開業を早期に実現するために財投を貸し付けるものであります。
今般の財投の貸付は、JR東海による民間の事業としての性格に変更を加えるものではなく、国土交通省といたしましても、健全経営、安定配当の堅持というJR東海の民間企業としての基本的な立場を踏まえながら、制度の具体的な検討を進めてきたところでありまして、これによりJR東海の自主性が損なわれることはないと考えております。
こういった観点も踏まえながら、平成28年度補正予算及び平成29年度概算要求に合計3兆円の財投措置を盛り込んだほか、所要の法改正をこの後の臨時国会に提出すべく準備を進めているところです。
なお、公金を投入するのにチェックをしないのかという御質問については、今般の財投の貸付けに当たっては、償還確実性の確保といった観点から、会社の財務の状況や工事の進捗についての確認を適切に行っていくため、借り手であるJR東海には必要な説明を求める必要があると考えております。
JR東海に求める説明内容、資料やその方法等については、貸付に際して鉄道・運輸機構とJR東海との間で締結される約定等において確認することとし、鉄道・運輸機構は、このJR東海からの説明に基づき、工事の進捗等を確認することを考えております。
具体的な内容については、現在、関係者と連携を取りながら検討を進めているところです。

(問)先週金曜日、米軍普天間飛行場の移設を巡り、沖縄県知事の決定を違法とし、国の訴えを認める司法判断が出ました。
石井大臣、原告として御所感をお願いします。
(答)今回の高裁判決においては、国の主張が認められ、沖縄県知事が埋立承認取消処分を自ら取り消さないことが違法であるとの判断がされたものと承知しております。
いずれにいたしましても、国土交通省としては、今回の判決を踏まえた上で、引き続き、国と沖縄県との間の和解の趣旨に従い、誠実に対応してまいりたいと考えております。

(問)訪日客の関係でお伺いしたいのですが、観光立国に向けて、現在、民泊やランドオペレーター、通訳案内士などいくつかの課題があるかと思いますが、来年度の通常国会などで、今後、法改正などどのようなことを国土交通省として検討されているのでしょうか。
(答)国土交通省としましては、今年の3月に取りまとめました、「明日の日本を支える観光ビジョン」において、観光産業を革新し、国際競争力を高め、我が国の基幹産業に位置づけることとしておりまして、これを実現するため、次期通常国会におきましては、通訳案内士法、旅行業法の見直しに係る法案、更に、民泊に関係する新法案を提出する方向で検討を進めております。
通訳案内士制度につきましては、通訳案内士制度のあり方に関する検討会等の場で、通訳案内士の業務独占規制を廃止した後の通訳案内士のあり方、通訳案内士の質の向上に資する定期研修の導入等について検討を進めております。
また、旅行業の関係では多様化する観光客のニーズに対応するために、地域発案型の特色ある旅行商品の企画・提供を容易にするための環境整備が必要と考えております。
更に、旅行業者の依頼を受けて、バスや宿泊等の手配を行うランドオペレーターに関し、旅行者の安全性の確保の観点から、業務の適正化を図る必要があると認識しております。
このため、今月中を目途に有識者、旅行業界等を構成メンバーとする検討会を立ち上げる予定でありまして、そこでの議論を踏まえ、今後、具体的な制度設計を検討してまいります。
民泊新法につきましても、次期通常国会提出に向けて準備を進めてまいります。
いずれにしましても、新たな観光ビジョンで示した各目標の実現に向けて、スピード感を持って取り組んでまいりたいと考えております。

(問)冒頭仰っていたICAO総会のことでお伺いしたいのですが、今回の規制の枠組みに参加すると、航空会社にとっては負担増になると思うのですが、そういった観点から参加を見合わせるという選択肢もあったと思うのですが、あえてこのタイミングで、航空会社の負担増になることを承知しても参加を表明される意義というのをお聞かせ下さい。
(答)これは、わが国の航空会社だけが負担を求められるということではありません。
世界各国の航空会社が、国際航空分野での排出削減目標をお互いに守っていこうという国際的な議論の下でまとめられた取組でして、わが国といたしましてもこれまでも積極的に温室効果ガス削減、抑制については取り組んできたものですので、この度の国際的な取組に参加をするという決断をしたところです。

(問)台風16号が北上していますが、今のところ把握されている被害について教えて下さい。
(答)現在までのところ、軽傷2名のほか、一部の浸水被害や高速道路、鉄道、航空、フェリー、高速バス等の一部に通行止め又は運休等が発生しているものの、堤防決壊や大規模土砂崩落等の甚大な被害は報告されておりません。
国土交通省としましては、直轄河川の沿川の自治体に加え、記録的短時間降雨がありました鹿児島県、宮崎県、愛知県の市、町に対しまして、ホットラインにより地方整備局と沿川自治体との連絡体制を確保するとともに、リエゾンの派遣や浸水箇所への排水ポンプ車等の派遣を行っています。
今後、台風が西日本、東日本に暴風雨を伴いながら進み、大雨が予想されていることを踏まえまして、国土交通省といたしましては、これまでの相次ぐ台風により既に被害を受けた地域もあることから、厳重に警戒をしてまいりたいと考えております。

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