大臣会見

石井大臣会見要旨

2016年11月22日(火) 9:32 ~ 9:51
国土交通省会見室
石井啓一 大臣

閣議・閣僚懇

本日の閣議案件で、特に私の方から御報告するものはございません。
以上です。

質疑応答

(問)本日早朝の福島県沖の地震についてお伺いします。
津波警報も発表され、被害状況を把握されているさなかではあると思いますけれども、現在の被害状況及び国土交通省の対応についてお聞かせください。
(答)本日朝5時59分頃、福島県沖を震源とする最大震度5弱の地震が発生をいたしまして、福島県沿岸に津波警報が発表され、さらに8時過ぎに宮城県沿岸にも津波警報が追加発表されました。
この地震を受けまして私からは3点指示をいたしました。
1つは被災状況の早期把握に全力をあげること。
2つ目には津波の厳重な監視を継続するとともに、住民や関係地方自治体等に対し、適時的確に情報提供すること。
3点目に安全確保を第一に、地方自治体や関係機関と緊密に連携して対応すること。
この3点を指示をいたしました。
国土交通省では、所管施設の被害情報の把握に努めるとともに、福島県及び宮城県に東北地方整備局からリエゾンを派遣したのをはじめ、関係自治体と連絡体制を確保し、被害情報の収集等に当たっております。
地震発生後、高速道路につきましては、常磐道や磐越道の一部区間が通行止めとなりましたが、既に通行止めを解除しております。
また、鉄道については、既に運転を再開しておりますが、東北、上越、北陸の各新幹線が一時運転を休止したほか、JR東日本の在来線については、現在も運転休止となっている区間がございます。
津波警報、津波注意報のため、点検できていないところもありますが、現在までに、インフラ関連の施設被害の報告はございません。
引き続き、津波の厳重な監視を継続するとともに、被災状況の把握等に取り組んでまいります。

(問)博多駅前の陥没事故の件でお伺いします。
大臣は20日に現地視察に行かれましたけれども、視察の所感及び原因究明と再発防止のための検討会を月内にも立ち上げるというふうに現地でコメントされましたが、今後の予定と対応などを教えてください。
(答)福岡市交通局七隈線延伸工事現場におけます道路陥没につきましては、一昨日20日に、復旧した道路の状況や、陥没したトンネルに通じる立坑を視察しました。
陥没現場では、高島市長から、福岡市の関係者一体となって不眠不休で復旧作業に取り組まれたこと等を伺いました。
福岡市や地元の建設業者、ライフラインの管理者の方の非常に素早い対応に敬意を表したいと思っております。
また、本坑に通じる立坑におきましては、現場を維持する観点から立坑内の水位を一定に保っている等の説明を受けまして、改めて非常に難しい地層地質であることを認識いたしました。
今後、土木研究所に設置されます第三者委員会による原因究明や再発防止対策の検討が行われることとなりますが、第三者委員会の開催につきましては、現在、福岡市と具体的な進め方等について調整をしているところでございます。
早急に委員会に参加頂く有識者等を確定させた上で、今月中にも開催する方向で調整しているところでございます。

(問)先日JR北海道が、全路線の約半分に当たる路線を維持するのが困難だという発表をしました。
これは北海道に限ったことではなく、全国で人口減少の続く路線はかなり維持が困難な地域もあると思うのですけれども、JR北海道の対応も含めて、地方路線の維持に関してどのように対応されていくのか御所見を伺えればと思います。
(答)鉄道は各地域において地域住民の生活や、経済活動を支える輸送機関としての役割を果たしておりますが、地方鉄道の路線の中には、利用者の減少により運営赤字が生じるなど、厳しい経営状況に置かれている路線もございます。
そのような中、国土交通省としても地方鉄道の維持・活性化に向けまして、鉄道の安全輸送確保のための投資に対する補助、また新駅の設置やICカードの導入など、利用者の利便性向上に資する施設整備に対する補助といった支援を行っているところです。
地方鉄道の維持に関する問題については、各地域において、鉄道の利用促進をはじめとする活性化に向けた取組を行いつつ、地域の実情に応じた持続可能な公共交通のあり方に関する議論が行われる中で、地域公共交通活性化再生法の枠組みなども活用しながら、地域における鉄道のあり方について御議論をいただくことが重要ではないかと考えております。
国土交通省といたしましても、鉄道のあり方も含めまして、地域の実情に適した地域公共交通のあり方について、地域における関係者の間で十分に議論がなされるよう、必要な支援をしてまいりたいと考えております。

(問)博多の件で、開催する場所についてはある程度目途はついているのでしょうか。
(答)場所についてはまだ報告を受けておりません。
今後検討されると思います。

(問)JR北海道についてお伺いします。
JR北海道が、先週18日の金曜日に単独では維持が困難な路線として13区間を発表しました。
それでJR北海道ですが、鉄道・運輸機構が株式を100%所有していて、実質的に国有企業という見方もあります。
そのJR北海道が沿線自治体に多額の財政負担を迫るということになったことについて、オーナーとしての立場で、国の責任をどのように考えていくかお聞かせ願えますでしょうか。
(答)国はこれまでJR北海道に対しまして、経営安定基金の運用益の下支え、経営安定基金の実質的な積み増し、設備投資に対する助成や無利子貸付など、累次にわたって支援を行ってきております。
現在、JR北海道が置かれている問題は、地域の人口減少やマイカー等の他の交通手段の発達により、路線によっては輸送人数が大きく減少し、鉄道の特性を発揮しづらい路線が増加している状況に起因するものであると認識しています。
このため、今後JR北海道から各地域に対して丁寧に説明を行っていただき、各線区が置かれた実情に関する理解を得た上で、地域における持続可能な交通体系のあり方について、関係者がともに考えていくことが必要であると考えています。
こうした検討を行う中で、JR北海道が置かれている状況を地域の皆様に認識していただくとともに、国といたしましても北海道庁と連携しながら、これらの協議に参画をいたしまして、地域における持続可能な交通体系の構築のために何ができるのか、検討してまいりたいと考えています。

(問)北陸新幹線についてお尋ねします。
国土交通省の試算は、4月の検討委員会の求めどおり米原乗り換えのみのものですが、その後リニア中央新幹線に財政投融資を使うという状況変化がありましたので、試算でも米原よりリニア中央新幹線の全線開業の方が先になっているかと思いますが、リニア中央新幹線が先に開業すれば東海道新幹線のダイヤが緩和されるので、乗り入れの試算も出す必要があるのではないかと思うのですが、大臣のお考えをお願いします。
(答)北陸新幹線敦賀・大阪間のルートにつきましては、与党の北陸新幹線敦賀・大阪間整備検討委員会におきまして、昨年8月より議論されているところであります。
検討委員会において、関係自治体や鉄道事業者からヒアリングを行っておりまして、今年の1月26日に開催された第9回の検討委員会におきまして、JR西日本及びJR東海より、米原での東海道新幹線への乗り入れは困難であるとの意見が述べられたと承知しております。
それは運行密度のみならず、技術的な面でも困難であるということでございます。
このような意見を踏まえ、米原ルートについては、米原駅での乗り換えを前提として調査を行うよう求められたものでございまして、その旨は検討委員会の中間とりまとめにおいても記載されております。
国土交通省といたしましては、この検討委員会の求めを受け、今回の調査結果をお示ししているところであります。

(問)今日、迎賓館で外国人旅行者4000万人の実現に向けたビジネス交流会がありますが、その交流会を通した観光促進への期待をお聞きしたいのと同時に、旅行者数は去年の爆発的な増加に比べると、増加率は小さくなっていますが、省の鉄道・航空等の横断的な必要な取組について、お考えをお聞かせください。
(答)本日、夕刻に迎賓館赤坂離宮本館において『「4000万人」の実現に向けた訪日旅行ビジネス交流会』を開催いたします。
これは、「明日の日本を支える観光ビジョン」を踏まえ、「2020年4000万人インバウンド」の達成に向けて、訪日観光をお支えいただいている内外の関係者の皆様やメディアの方々にお集まりをいただきまして、訪日観光の一層の促進に繋がる新たなビジネスチャンスを作り出す機会として御活用いただくことを目的としております。
このような意見交換を今般初めて迎賓館という特別な会場で開催できることは非常に意義深いと考えております。今後、各地で公的な施設や文化財を訪日旅行促進に一層活用していく上で、リーディングケースになるものと期待しております。
4000万人の実現に向けては、現在の観光の成果の勢いを継続し、更に加速させていくために、文化財や国立公園等の地方の観光資源の魅力を磨き上げることや、空港・港湾等のインフラ整備といった観光ビジョンに掲げられた施策を、これまで以上にスピード感をもって実施していきたいと考えております。

(問)今日、台湾のトランスアジア航空が運航を停止するという話が聞こえてきていますが、国土交通省としての対応とインバウンド等への影響をどう考えておられるのか伺いたいと思います。
(答)復興航空、トランスアジアエアウェイズが昨日、本日の日本便を全て欠航すると発表したことは承知しております。
既に同社において、運賃の返金や他社便への振替措置がとられていると聞いております。
国土交通省といたしましても、同社を利用する日本人旅客や訪日台湾人旅行者等の外国人旅客の対応に万全を期すよう、同社の日本支社及び関係する旅行会社等に指示を行ったところであります。
なお、インバウンドへの影響についてでありますが、復興航空の今後の運航予定について、まだ明らかでない状況でございます。
いずれといたしましても、国土交通省としましては、今後の動向を注視してまいりたいと考えております。

(問)総務大臣の諮問機関の地方財政審議会において、来年度の税制、特に地方税制について諮問が出ている件で、特にビールの税をどうするかはたくさん出ているのですが、エコカー減税の問題も出ています。
基本的にはエコカー減税の対象範囲を狭めていくと。
これに対して、総務省側は、放っておくとどんどん税収が減っていくので当然絞る方向というものですが、国土交通省としては、エコカー減税が絞られるということに対して、今自民税調でやっていますけれども、大臣なりの御見解があればお伺いしておきたいと思います。
(答)エコカー減税は、地方の税収を確保しつつエコカーの導入を促進していくという政策的な意味合いがございます。
従いまして、今後、地球温暖化対策の促進が求められている中、エコカーを導入促進していくことは政策的には重要な意義を持っていると思いますので、引き続きエコカーの促進に資するような減税のあり方にしていきたいと考えております。
詳細については今後与党の中で御議論いただくと思いますし、我々としてもしっかりと与党と連携して取り組んで行きたいと思っております。

(問)昨日、千葉県から北千葉道路の有料化についての要望がありまして、大臣の方からは年内に幹線道路協議会へ案を提案するというような話があったと聞いております。
幹線道路協議会に提案することの意義と大臣の有料化についての考え方をお聞かせください。
(答)有料化については、一般の公共事業だけでは予算の制約がございますので、事業年数がどうしてもかかってしまう。
有料化することによりまして財源を一括して投入ができるということで、供用開始を早くできるというメリットがあります。
一方で、有料化すれば利用者から料金を徴収するということになりますので、当該地域の自治体を始めとする皆さんの理解が重要でございます。
今回は千葉県及び沿線の自治体の皆さんから有料道路で早く事業を促進したいという要望をいただきましたので、そういった方向で調整がなされていくことになると思います。

(問)最近、米国の大統領選やその他で話題となることが少なくなったが、尖閣諸島における中国海軍及び空軍の領海侵犯とかその他は相変わらず続いているのでしょうか、最近は少なくなっているのでしょうか。
(答)尖閣諸島周辺海域における中国公船の領海侵入ですが、一昨年で32件、昨年が35件、今年に入ってからは既に33件発生しております。
また、中国公船は荒天の日を除いてほぼ毎日接続水域を航行しておりまして、外国漁船の活動も続いているというのが最近の尖閣諸島周辺海域の客観的な情勢でございます。
海上保安庁が現場海域に巡視船を配備するなどいたしまして、わが国の領土領海を断固守り抜くという方針のもと、事態をエスカレートさせないよう冷静かつ毅然とした対応を続けているところでございます。

ページの先頭に戻る