大臣会見

繰り上げ石井大臣会見要旨

2016年12月22日(木) 10:17 ~ 10:33
国土交通省会見室
石井啓一 大臣

閣議・閣僚懇

まず本日の閣議案件になりますが、本日の閣議で、平成28年度第3次補正予算及び平成29年度当初予算の概算を決定しました。
平成28年度第3次補正予算につきましては、国土交通省関係では、公共土木施設等の災害復旧等に要する経費として944億円、戦略的海上保安体制の構築に要する経費として30億円、公共事業等の発注平準化措置として、国庫債務負担行為、いわゆるゼロ国債の事業費2984億円が計上されています。
平成29年度当初予算につきましては、国土交通省関係の国費総額は、全体で5兆7946億円、対前年比1.00倍であります。
うち公共事業関係費が5兆1807億円、対前年比1.00倍でございます。
内容といたしましては、東日本大震災や熊本地震等による被災地の復旧・復興の加速、防災・減災、老朽化対策など国民の安全・安心の確保、生産性向上による成長力の強化、コンパクト・プラス・ネットワークの実現等による地域の活性化と豊かな暮らしの実現など、国土交通省が抱える喫緊の課題に対応する予算を確保することができたと思っております。
今後は、これらの予算に盛り込まれた施策の必要性を丁寧に説明しつつ、予算の早期成立をお願いしてまいります。
詳細は事務方にお問い合わせいただきたいと思います。
このほか、私の方から1点御報告がございます。
海外出張の件でございますが、12月25日から30日にかけまして、ミャンマー及びインドネシアを訪問いたします。
わが国は、ミャンマー及びインドネシアに対して、鉄道、道路、港湾、空港、都市開発、下水道等のインフラ整備において、幅広い協力を行っているところです。
今回の出張では、ミャンマー及びインドネシアの要人との会談を行い、両国との関係を強化するとともに、旺盛なインフラ需要を取り込めるよう、わが国企業の受注機会の拡大に向けたトップセールスを行う予定です。
詳細は後ほど資料を配布いたします。
私からは以上です。

質疑応答

(問)予算案ですが、いずれも重要な施策かと思われますが、特に大臣として力点を置かれたい施策や分野などあれば御紹介いただきたいと思います。
(答)いや、今御指摘いただいたようにいずれも重要な分野でございますので、これ1つだけというのはとてもございませんが、先ほど申し上げましたように、東日本大震災や熊本地震等による被災地の復旧・復興、これをしっかり加速をしていく、また国民の安全・安心の確保としまして、防災・減災、老朽化・耐震対策等をやっていくことです。
従来から生産性革命ということで今年は元年にしておりましたが、生産性向上による成長力の強化、地域の活性化と豊かな暮らしの実現、こういう4分野に重点化してしっかりとこの予算を早期成立させた上で、成立した暁にはしっかりと執行していきたいと思っております。

(問)今年最後の閣議後会見ということになりますが、2016年の国土交通行政を振り返りまして、大臣から一言お願いできますか。
(答)2016年は振り返りますと、自然災害や事故などが多発をいたしまして、その対応に全力で当たった年だと思っております。
具体的には、1月には軽井沢スキーバス事故がございましたし、4月には熊本地震、またその後も夏には相次ぐ台風によりまして、北海道や岩手県などの水害、また秋には鳥取県中部の地震、また11月には博多駅前道路の陥没等々、自然災害や事故などが数多く起こりました。
その都度、国土交通省の持つ現場力を活かしまして、災害であればリエゾン、テックフォース等を緊急に派遣をしまして迅速に状況を把握するとともに指示を行うなど、国土交通省にとりまして最重要な課題であります、国民生活の安全・安心の確保に全力で取り組んだと思っております。
そのほか、今年は生産性革命元年と位置づけ、省を挙げて生産性向上の取組を行いました。
これまでに20の生産性革命プロジェクトを選定しまして、I-Constructionをはじめとして着実に成果を上げてきていると思っております。
そのほか、先日、今年の漢字1文字は何かと問われ、「会」というようにお答えをいたしましたが、9月のG7長野県・軽井沢町交通大臣会合をはじめとして、内外の多くの方にお会いをした年であったと思っております。

(問)先日の与党のプロジェクトチームで、北陸新幹線の敦賀から先のルートが小浜・京都ルートに決まりましたけれども、その決定を受けての大臣の所感と今後の国土交通省の対応についてお聞かせください。
(答)20日に、与党の整備新幹線建設推進プロジェクトチームにおきまして、まずは敦賀・大阪間のルートに関しましては、移動の速達性や利用者の利便性等を総合的に勘案し、小浜・京都ルートとすること、また、京都・新大阪間については検討委員会が国土交通省に求めた追加調査の結果及び同委員会での議論も踏まえて、年度内に結論を得ることなどの決定がされたところでございます。
これは、与党において関係地方公共団体をはじめとする関係者の皆様からのヒアリングをはじめ、精力的に御議論をいただいた結果、得られた決定であると承知をしておるところでございます。
今回の与党PTの決定を踏まえまして、国土交通省としましては、まずは検討委員会から求められました京都・新大阪間の調査を引き続き行い、調査結果がとりまとまり次第、検討委員会に御報告を行いたいと思います。
また年度内に得られるであろう結論を基に、来年度当初より、小浜・京都ルートについて、駅やルートの公表に向けた詳細調査を行うなど、適切に対応していきたいと考えております。

(問)2017年度の予算で、幹線鉄道ネットワークの研究調査費が2.8倍と倍率としては大幅に増えているのですけれども、山陰とか四国の整備新幹線の整備を求める声が強まっている中で、このタイミングでこれだけの対昨年倍率で増やしている理由をお願いできますでしょうか。
(答)幹線鉄道ネットワークのあり方に関する調査については、各地域からの御要望や、20日の与党PTから求められた事項等を踏まえ、様々な角度からより充実した調査を実施するため所要の額を計上することとしたものです。
今後、具体的な調査内容の検討を深めてまいりたいと考えております。
(問)9月の衆議院の代表質問で、二階幹事長の質問に対して、大臣は「基本計画路線も含めて、幹線鉄道ネットワークの構築に向けて取り組むべきだ」と答弁されてらっしゃると思うのですが、こうしたことを踏まえて、現時点の大臣の基本計画路線の考え方をもう少しお願いいたします。
(答)基本計画路線といいますか、来年の調査の中身について申し上げたいと思うのですが、20日の与党PTにおいては、国土交通省に対しまして、幹線鉄道のネットワークの将来の実現に向けた検討を行うよう求められたところでございます。
来年度の調査としては、わが国の交通ネットワークの現状や、効率的な整備手法など様々な課題について、調査を行っていきたいと考えておりますが、この調査は特定の路線を念頭においたものではございません。
新幹線については、整備計画路線の確実な整備に目途を付けることが最優先の課題でございます。

(問)来年、米国の大統領にトランプ氏が就任します。
優先の重点政策の1つとしてインフラ投資が上がっている訳ですけれども、インフラ輸出を重視している日本にとってどういう影響があるのかということと、具体的に、高速鉄道の新幹線方式とリニア方式の検討を進めると思うのですけれども、国土交通省としてどのような取組を行っていくのでしょうか。
(答)米国とは、引き続き緊密に連携していくことが大前提でありますが、トランプ次期政権では、以前に運輸副長官を務められた経験もあるイレーン・チャオ氏が運輸長官に就任予定と聞いております。
国土交通省では、これまで、カルフォルニアやテキサスでの高速鉄道、これは民間主体ですね、あるいはワシントンDCからボルチモアを結ぶリニア鉄道構想をはじめ、航空、自動車、道路等といった幅広い分野において、良好な日米間での協力関係を築いてきたところでありまして、チャオ新運輸長官との間においても、引き続き、これまでの良好な関係を維持し、一層発展させていきたいと考えております。
なお、トランプ次期政権の具体的な政策はこれから順次明らかになっていくと思いますので、わが国インフラ輸出への影響については、いましばらく推移を見守っていきたいと思います。

(問)北陸新幹線について、沿線の国会議員や自治体から早期着工を求める声が多くあがっております。
財源の見通しに関して今のところで何かあればお願いいたします。
(答)北陸新幹線の敦賀・大阪間の着工までには、まずルートの精度を高めるための調査、駅位置ですとか詳細なルートの調査、これに1、2年程度が必要となります。
更に駅位置、詳細なルートを公表した上で環境影響評価の手続き、これに大体4年前後、少なくとも必要となります。
財源の確保については、この調査とは別途に、別の議論として20日の与党整備新幹線建設推進PTにおいて、詳細調査、環境影響評価の間に、与党において検討を行うこととされておりますので、国土交通省としては与党の検討をまずは見守っていきたいと考えております。
なお、整備新幹線の新たな区間の着工に当たっては、いわゆる着工5条件というのがありまして、1つは安定的な財源見通しの確保、2つ目には収支採算性、3つ目には投資効果の吟味、4つ目にはJRの同意、5つ目には並行在来線の経営分離についての沿線自治体への同意の確認、これが整えられていることを確認することが必要であります。

(問)年末御出張されるとのことですが、一連の出張の中で、ぶら下がりとか取材対応というのは予定されておりますのでしょうか。
(答)いま調整中でございます。
(問)ヤンゴンの鉄道などは今後注目される取り組みの1つだと思いますので、視察の折には、その場で取材対応いただければ有り難いです。
(答)やる方向で調整をされているようですから、どうぞ御希望の方はお越しいただきたいと思います。

今年最後の会見で皆さんには今年一年本当にありがとうございました。
来年もよろしくお願いします。

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