大臣会見

石井大臣会見要旨

2017年6月20日(火) 10:22 ~ 10:38
官邸3Fエントランス
石井啓一 大臣

閣議・閣僚懇

本日の閣議案件で、特に私の方から御報告するものはございません。
このほか、私の方から1点御報告がございます。
「水防災意識社会の再構築に向けた緊急行動計画」についてであります。
国土交通省では、平成27年の関東・東北豪雨災害、昨年8月の台風10号等による豪雨災害を受けまして、社会資本整備審議会においてとりまとめられた答申も踏まえ、「水防災意識社会」の再構築に向けた取組を進めてきているところであります。
その中で、本年1月には、「中小河川等における水防災意識社会の再構築のあり方」についての答申を受け、私から、提言された取組についての具体的な行動計画を早急にとりまとめるよう、指示をしたところであります。
今般、昨日の水防法等の施行と併せまして、国・県管理河川において概ね5年で実施する各種取組の方向性、進め方や国の支援等について、水防災意識社会の再構築に向けた緊急行動計画をとりまとめました。
具体的には、大規模氾濫減災協議会の早期設置、取組方針の作成、県管理河川における水害対応タイムラインの作成の促進、要配慮者利用施設の避難体制構築の支援など、32項目を定めております。
今後は、本計画に沿いまして、都道府県等の関係機関と緊密に連携し、防災・減災に向け全力で取り組む所存であります。
詳細は、後ほど事務方から説明させます。
私からは以上です。

質疑応答

(問)17日未明に伊豆半島沖でイージス艦とコンテナ船の衝突事故が起きました。
国土交通省のこれまでの取組と、今後の調査の予定を教えてください。
(答)まずは、この事件で亡くなられた米艦船の乗組員及びその御遺族の方々に心から哀悼の意を表します。
また、負傷された方々にお見舞い申し上げますとともに、一日も早い回復を祈念いたします。
海上保安庁におきましては、通報を受けまして、直ちに巡視船艇・航空機を発動するとともに、海上自衛隊に災害派遣要請を行いまして、行方不明者の捜索活動等を実施をいたしました。
翌18日に、米軍側から海上で行方不明となっている乗組員はいないとの通知があったことから、現場海域での捜索活動は終了しております。
本件事件は領海内で発生しておりますことから、現在、海上保安庁におきまして所要の捜査を実施しております。
また、運輸安全委員会におきましても事故発生当時の17日より、船舶事故調査官3名を現地に派遣いたしまして、フィリピン籍のコンテナ船につきまして、船体の損傷状況の確認等の調査を実施しております。
引き続き、必要な捜査及び情報収集等を実施してまいります。

(問)イージス艦の件で、米国側に1次裁判権があるということで、今後、捜査協力等も必要になってくるかと思うのですが、その点について現段階での要請しているのかということも踏まえてお聞かせください。
(答) 海上保安庁では、まずコンテナ船に対し所要の捜査を実施しておりまして、米国の艦船につきましても、関係省庁と連携しつつ、米軍側と協議中であると報告を受けております。
引き続き、海上保安庁において必要な捜査が実施されるものと承知しております。
詳細は、海上保安庁にお問い合わせいただきたいと思います。

(問)ヤマト運輸が昨日、サービスの縮小に繋がる時間帯指定配達の見直しをいたしました。
大臣の受け止めと国土交通省の今後の対応、大臣も利用者だと思いますので、個人としての御感想があればお願いします。
(答)今般のヤマト運輸の配達時間の指定などの見直しは、国土交通省としては、宅配サービスを今後とも持続可能とするために必要な働き方改革を実行するための措置の一環であると認識しております。
こういった取組によりまして、トラックドライバーの労働環境の改善が図られて、それが宅配便ネットワークの維持・発展につながることを期待しております。
国土交通省としても、3月末に決定しました「働き方改革実行計画」を踏まえまして、荷主も構成員に含めた全国各地の協議会や、官邸に設置された中小企業の取引条件改善に関する会議等も活用しながら、トラック運送業の働き方改革の実現にしっかりと取り組んでまいります。
また、環境省と連携しまして既にオープン型宅配ボックスの普及促進を図っているところであり、これによりまして受取方法の多様化や利用者利便の向上が図られるものと期待をしております。
私個人といたしましても、ネットによる宅配サービスを利用させていただいておりますけれども、非常に充実したサービスといいますか、高度なサービスが提供されておりますので、それが人手不足の中でどこまで持続可能かなという懸念を持っておりました。
今回の取組はそういった意味で、宅配サービスの持続可能性を高めるという意味ではやむを得ない措置であると個人的には認識をしております。

(問)北海道運輸局が道内3箇所で開いたシンポジウムが先週末終わりました。
大臣の総括をお願いしたいのと、出席者から国の考えが非常によく分かったという声もある一方、沿線自治体は今も国の今後の支援が見えない中では、中々重い判断を下すのは難しいという声も出ています。
シンポジウムで識者の方々が強調していたのは、沿線自治体の覚悟を促して速やかに問題の解決を図るには、国がどの程度の支援を示しているかということを先に示すということも必要ではないかと思いますが、大臣の所見をお願いします。
(答)北海道運輸局が主催したシンポジウムにおきましては、自治体職員、交通事業者、地域住民など多くの方々の出席を得て、活発なディスカッションが行われ、講演者からは地域における持続可能な交通体系の構築に向けて沿線の自治体や住民が当事者意識を持って主体的に議論に参加することの重要性が指摘されたと聞いております。
今後、地域の皆様にJR北海道の置かれている厳しい状況について御認識していただくとともに、地域における持続可能な交通体系を構築していくために、関係者において速やかに協議を行っていただく必要があると考えています。
国といたしましても、北海道庁と連携しながら、これらの協議に参画をしまして、地域における持続可能な交通体系の構築に向けた対応につきまして、検討してまいりたいと考えております。
このディスカッションでは全国の色々な事例等も紹介をしていると承知していますが、全国の事例を見ましても、まず地域でどのように取り組んでいくか、地域自らがお考えいただく、その上で国がどのような支援をしていくかということですので、北海道においても同様の取組がなされることを期待をしております。
(問)JR北海道が大規模な見直しをしてから初めての株主総会が22日に開かれます。
実質的な株主として、JR北海道の改善に向け国としてどのような指示を出されるお考えでしょうか。
また、沿線自治体に多額の負担を求めるというようなJRの方針を、国としても認めるお考えなのかどうか教えてください。
(答)今月22日、JR北海道の株主総会が開催される予定ですが、JR北海道の株主を保有している鉄道・運輸機構の理事長が、株主として出席することとしています。
国土交通省としては、JR北海道において国鉄改革の趣旨を踏まえ、鉄道の利用促進策による増収の取組や、経費節減に向けた事業運営の効率化を通じた鉄道事業の収支改善、また関連事業の利益拡大に取り組むことによりまして、できる限り早期に安定的な経営基盤を確立し、完全民営化を果たすことができるように努めていただきたいと考えております。

(問)神戸のヒアリについてですが、他省庁とも関連してくると思いますが、現在の対応や今後の対策等、今分かっている範囲で教えていただけますか。
(答)神戸港における事案を受け、昨日全国の港湾管理者に対し、中国南沙港からの貨物が取り扱われているヤードにおけるヒアリの有無について、緊急に点検するよう文書で要請しております。
また、日本港運協会に対しても、荷役作業にあたり十分注意するとともに、ヒアリらしきものを発見した場合、港湾管理者等に速やかに連絡するよう、昨日付で文書による要請をしたところです。
今後も、環境省等と連携し適切に対処してまいります。

(問)大規模なリコールが続いているエアバッグのタカタの件ですが、近く民事再生法の適用申請へということで報道が相次いでいますが、現状国土交通省としてどのように把握されているのかというところと、リコール対応への影響と懸念があればお願いします。
(答)タカタが民事再生法の適用を申請するという報道がなされていることは承知していますが、タカタからはそういった報告は受けておりません。
タカタ製のエアバッグについては、安全確保を徹底するため、僅かでも事故の可能性があるものにつきましては、速やかにリコールを実施しているところであります。
リコールの改修状況については、5月末時点で73%となっておりまして、自動車メーカー等に対し、早急にリコール対象車両の改修が進むよう、引き続き指導しているところであります。
また、タカタに対しましても、リコールに必要な部品の供給が滞ることのないよう、引き続き指導をしているところでございます。
いずれにいたしましても、本件は安全上極めて重要な問題でございますので、今後とも対応に万全を期していきたいと考えています。

(問)2点ありまして、1点目は先ほどの緊急行動計画ですけど、タイムラインとか、高齢者施設・要配慮者施設の避難訓練ということですが、今年も既に梅雨期に入っておりまして、概ね5年の対策ということですが、取組の加速化が求められ、必要なものは見直す必要があると思いますが、その辺りの今後の取組方針についてまずお聞かせいただけますか。
(答)今回の緊急行動計画によりまして、洪水等からの逃げ遅れゼロと社会経済被害の最小化の実現を目指して、関係者が一体となって防災・減災対策の取組を進めてまいりたいと考えております。
これから本格的な出水期に入りますけれども、既に出水期を迎え各地で水害対応タイムラインに基づいた水防訓練等を実施しているところでありますので、本格的な出水期に向けてこのタイムラインが機能するよう、関係機関と連携して取組を先導していきたいと考えております。
(問)それから、土曜日に新潟県で県管理のダムの放流が行われて、親子が流されるという事案がありました。
幸い救出されたわけですけれども、安全を確保するダムがあわや一大事ということもあったわけですが、この辺り大臣の受け止めと今後の防止策についてお聞かせください。
(答)今回の水難事故で怪我をされた親子に、御見舞いを申し上げたいと思います。
今回のような事故はあってはならないものでありまして、大変遺憾であると思っております。
本件については、下流自治体等に放流通知が行われなかったと報告を受けております。
ダム管理者である新潟県では、下流の水位局で30分で20cm以上の水位上昇がある場合に放流通知を行うルールになっており、今回はそれには当たらないという操作のために通知はしなかったと聞いておりますが、今回のような水難事故が発生したことを踏まえて、観光放流に当たっては、更にきめ細かな対応が必要であることから、新潟県では原因の究明と再発防止に向けた検討を始めたと聞いております。
国土交通省としても、国や各道府県等のダム管理者に対して、同様の事態が発生しないよう、放流に当たっては、下流の十分な安全に留意するよう、改めて注意喚起を行ったところであります。

(問)昨日、森友学園の関係先が捜索されましたけれども、それを受けて大臣の受け止めを一言お願いします。
(答)昨日、大阪地方検察庁が森友学園を捜索したと承知しております。
国土交通省に対しましては、3月30日に捜査当局より協力の要請があったところでありまして、国土交通省としては、捜査当局に対し最大限の協力を行っているところでございます。
今回の捜索につきましては、捜査に関わることでありますので、具体的なコメントは差し控えさせていただきたいと思います。

(問)日本とEUのEPA交渉ですが、鉄道市場の開放を巡ってEU側が、JR四国・JR北海道の安全注釈の問題とか要求をされると思いますが、これについての国土交通省としての見解等を教えていただけたらと思います。。
(答)日EU・EPAにつきましては、5月26日にイタリアで開催されました、日EU首脳会談において、できる限り早期の大枠合意が極めて重要であることが確認されまして、また、大枠の合意は手の届くところまできていると、そういった認識で一致したと承知しております。
これを受けまして、できる限り早期の大枠合意に向け、今、御指摘のありました鉄道分野につきましても、政府調達の一環として交渉を行っているところでありますが、現在、詰めの交渉の段階でございますので、具体的な内容については、差し控えさせていただきたいと思います。
 

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