大臣会見

石井大臣会見要旨

2017年9月8日(金) 10:56 ~ 11:10
国土交通省会見室
石井啓一 大臣

閣議・閣僚懇

本日の閣議案件で、特に私の方から御報告するものはございません。
このほか、私の方から1点御報告がございます。
今年3月27日に株式会社てるみくらぶが破産したことを受けまして、消費者保護を一層図っていくために、「経営ガバナンスワーキンググループ」を4月28日から8月2日まで4回開催し、更に検討事項の詰めの議論を行い、この度最終報告をとりまとめました。
今後、てるみくらぶの破産のような事案が発生しないように、企業運営の透明化や適切な経営の確保のために、企業ガバナンスの強化を図るとともに、仮に同様の事案が発生したときに向けまして、弁済業務保証金制度の見直しを図ります。
詳細については、後ほど事務方から説明させていただきます。
私からは以上です。

質疑応答

(問)平成27年の鬼怒川の水害から間もなく2年を迎えます。
この間の国土交通省の取組の進捗と今後の取組についてお聞かせください。
(答)平成27年9月関東・東北豪雨によりお亡くなりになられた方々の御冥福を心からお祈りを申し上げまして、また御遺族に対し哀悼の意を表します。
また、負傷された方々、被災されたすべての方々にお見舞いを申し上げます。
この一昨年9月の関東・東北豪雨では、鬼怒川の堤防の決壊、溢水などにより多くの家屋浸水被害等が発生するとともに、避難の遅れにより多数の孤立者が発生しました。
このため鬼怒川においては、ハード対策として平成32年度を目処に堤防整備や河道掘削等を進め、同様の雨により被害が生じないように対策を行うとともに、ソフト対策としてプッシュ型の洪水情報の配信やタイムラインの策定等に取り組んでいるところです。
明後日、9月10日には常総市主催の式典への参加と併せて現地を視察することとしており、復旧状況等を確認してまいります。
また、全国の国が管理する河川においては、この関東・東北豪雨の教訓を踏まえ、「施設では守りきれない大洪水は必ず発生する」との考え方に立って社会全体で洪水に備えるため、「水防災意識社会」を再構築するハード・ソフト一体となった取組を進めております。
この取組を更に県の管理する河川に拡大し加速させるため、本年、通常国会で水防法等を一部改正するとともに、水防災意識社会の再構築に向けた緊急行動計画をとりまとめたところです。
今後とも、洪水からの逃げ遅れゼロ、また社会経済被害の最小化を実現するため、水防災意識社会を再構築する取組を、国、県、市町村が一体となって進めてまいりたいと考えております。

(問)先日、ニューヨーク行きJAL便のエンジンに出火事故がありまして重大インシデントに認定したということですが、その後に新たに判明した事実があれば伺いたいのが1点、もう1点は今後国土交通省の方から指導や運輸安全委員会の立入検査を含めた対応、何か決まっていることがあれば、お聞かせください。
(答)9月5日11時頃、羽田発ニューヨーク行、日本航空6便が羽田空港のC滑走路を離陸滑走中に、第一エンジン、左側のエンジンに不具合が発生したため、羽田空港に引き返す事案が発生しました。
当該機の損傷状況の詳細な確認を行った結果、エンジンのケースに長さ約4cm、幅約0.5cmの孔を含む損傷が認められたことから、一昨日、重大インシデントとして取り扱うことといたしました。
運輸安全委員会から3名の調査官を現地に派遣し、原因調査を開始しております。
これまでに機体の損傷状況の調査、機体整備状況の調査、関係者からの聞き取り、フライト・データ・レコーダー及びコクピット・ボイス・レコーダーの回収等を行ったと聞いております。
また、日本航空に対しましては、調査の進捗に応じ必要な措置を講じるとともに、その調査の進捗を待たずして考え得る当面の対策を検討し、速やかに措置を講じるよう、一昨日指示したところです。
国土交通省といたしましては、日本航空によるこれらの取組状況を確認し、必要な指導を行ってまいりたいと考えております。

(問)てるみくらぶの破綻を受けまして、最終報告がとりまとまったと思いますが、再発防止策の実効性についてどのように見られているでしょうか。
また今後、国土交通省としてどのように取り組まれていくのかお聞かせください。
(答)先ほど申し上げましたように、てるみくらぶの破産を受けまして、消費者保護を一層図るため、企業ガバナンスの強化と保証制度の見直しを行うこととしました。
具体的には、企業ガバナンスの強化として、観光庁において旅行会社の経営状況が把握できるように必要な書類を毎年提出させること、また企業内部や他の企業からの通報を受け付ける第三者機関の通報窓口を設置する、これらにより不適切な状況が把握された場合に調査を実施する、また広告・旅行者募集のあり方を見直す、予め旅行者が払う前払金のあり方を見直す等を実施します。
このように、企業運営の透明化や適切な経営の確保を図り、旅行者に対し、今回のてるみくらぶの事案のように大規模に負債を抱えて倒産するような事案の再発を防いでいきたいと考えております。
また、保証制度の見直しとして、弁済業務保証金の分担金を引き上げるほか、大規模に募集型海外企画旅行を実施している会社に対して、ボンド保証制度の加入を、これは今任意になっておりますが、これを促して保証水準の向上を図りたいと思います。
こうした取組を通じ、旅行者・消費者の皆様が安心して海外旅行ができる環境を整備してまいります。

(問)今月11日に政府が尖閣諸島を国有化してから5年となります。
今の警備状況と、今後の対応方法、もし新たな取組等あればお聞かせください。
(答)平成24年9月以降、尖閣諸島周辺海域では、中国公船が天気の悪い日を除いて、ほぼ毎日接続水域を航行しており、月に数回領海侵入する状況にあります。
海上保安庁では、その時々の情勢を踏まえ、巡視船を増強配備し、状況に応じ適切に対処しているところです。
また、昨年12月に関係閣僚会議で「海上保安体制の強化に関する方針」が決定されました。
これに基づいて、尖閣領海警備体制を強化していくこととしております。
今後とも、尖閣諸島周辺海域における情勢の変化を踏まえながら、必要な体制整備を推進し、わが国の領土・領海を断固として守り抜くという方針の下、事態をエスカレートさせないよう冷静かつ毅然とした対応を続けていきたいと考えております。

(問)北朝鮮によるミサイル発射が9日にもという報道が出ておりますが、何かもし情報がありましたら教えてください。
(答)私のところには特段の情報はございません。

(問)太陽の表面で爆発が起きる、太陽フレアが観測されていて、通信障害が今日の午後から深夜にかけて起きるのではないかと懸念されているのですけれども、国としての体制だったり対応がもしあれば教えてください。
(答)最も心配されるのは、航空管制への影響かと思いますが、航空管制でGPSを活用しておりますけれども、GPSだけに頼っている訳ではございません。
例えば、洋上空域においては、数十km間隔で管制の間隔を確保しておりますし、着陸及び出発においては、航空管制官がレーダーにより、常時航空機を管制して指示を出しておりますので、必要な対策は講じられていると考えております。
(問)特段、航空関係には大きな影響はないんじゃないか、と見てらっしゃるということでよろしいでしょうか。
(答)十数年前も同様の大きな爆発があったようですが、その時も特段の支障はなかったと聞いておりまして、大きな支障はないんじゃないかと思います。

(問)てるみくらぶの弁済業務保証金制度なんですけれども、拡充されるということですけれども、どのくらい拡充されるのか、もし具体案等があれば教えていただけますか。
(答)それは、後ほど事務方から説明させていただきます。
あえていえば、事前に旅行者から多額の予約金等を受け取ることがないというふうにすることと、弁済保証金と2つ備えて、今回のてるみくらぶのような大きな破産をしたけれども、なかなか保証が行き渡らないというような事態を避けるようにしていくという考え方であります。
 

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