大臣会見

石井大臣会見要旨

2017年10月20日(金) 10:36 ~ 10:51
国土交通省会見室
石井啓一 大臣

閣議・閣僚懇

本日の閣議案件で、特に私の方から御報告するものはございません。
以上です。

質疑応答

(問)日産自動車の件で2点ほどお聞きします。
まず1点目ですが、日産自動車が国土交通省に不正の届出をしていた後も不正の検査を続けていたという事実が発覚しました。
まずこのことについて大臣の受け止めをお聞かせください。
もう1点は、現在これ以外に国土交通省に報告されているような新たに判明した事案などあれば、あと1ヶ月後に(日産からの)報告が控えていると思いますが、これを受けての制度的な取組など国土交通省で対応を考えていることがあればお聞かせください。
(答)日産車体湘南工場におきまして、ハンドル切角検査に係る不適切な完成検査の事案や、昨日に日産自動車が発表した3工場における不適切な完成検査の事案が、引き続き発生した旨の報告を受けております。
これは、再び自動車ユーザー等に不安を与え、かつ自動車型式指定制度の根幹を揺るがす行為であり、極めて遺憾であると考えております。
自動車の安全性の確保という最重要課題の取組に当たりましては、組織内の緊密な連携が必要不可欠と考えておりますが、日産自動車にそうした体制がなかったのであれば法令遵守意識の徹底、現場の体制をはじめとする安全管理体制の再構築をしっかり検討し、対策を徹底していただく必要があると考えております。
いずれにいたしましても、国土交通省といたしましては、立入検査結果や日産自動車からの報告内容等を踏まえ、事実関係の詳細を把握し、日産自動車を更に指導するとともに再発防止の徹底について厳正に対処していきたいと考えております。
それから1ヶ月を目途に報告ということですが、9月29日付で日産自動車に対して完成検査の確実な実施を確保するよう業務体制を改善するとともに、これまでの経緯や事実関係について、詳細かつ徹底的な調査を指示し、1ヶ月を目途に報告を求めているところです。
こういった中にあって今申し上げたような、事案が明らかになった後も不適切な完成検査が継続していたということが発生しておりまして、これにつきましてもなぜこうした事案が起きたのか等、これまでの経緯について詳細かつ徹底的な調査を行うとともに、事実関係及び再発防止策についても検討し、報告の中に盛り込むよう指導しているところです。

(問)神戸製鋼所によるデータ改ざんの問題についてお尋ねいたします。
この問題で国土交通省の所管業界や施設などへの影響とか、国土交通省としての現状把握の対応とか、そういった点について教えてください。
(答)神戸製鋼所において、アルミ・銅事業部門及び他の事業部門における検査データが改ざんされたことにつきましては、安全の確保を最優先とする交通事業者等との契約に反する極めて不適切な行為であると考えております。
国土交通省といたしましては、安全性を揺るがすような事態があってはならないと考えており、神戸製鋼所に対して、最終製品の安全性への影響の有無等、事実関係を究明すること、次に鉄道事業者・自動車メーカー等への適切な情報提供を行うこと、更に徹底的に原因を究明し、再発防止対策を構築すること等について実施し、その結果について速やかに報告するよう求めているところであります。
これと並行して、鉄道事業者・自動車メーカー・航空機メーカー・舶用メーカー等に対して、神戸製鋼所がデータ改ざんを行った製品の使用の有無と安全性への影響の有無について調査を指示しているところであり、所管施設、道路・河川・港湾等についてもその影響の有無について調査を行っているところであります。
更に昨日この事案に対して全省的に対応するために、事務次官をヘッドとする省内連絡会議を開催し、調査の進捗状況等について情報共有を図るとともに、必要な対応について検討を行ったところであります。
現時点では、事業者等から安全性に影響があるとは聞いておりませんが、引き続き早急な実態の把握を行う等、対応に万全を期してまいりたいと考えております。

(問)日産自動車と神戸製鋼の両方に絡む話だと思いますが、今までものづくりの信頼性が高かった日本で、立て続けに相次いでデータ改ざんを含めた法令意識が低い事案が発生しております。
そうした安全に関わるものづくりというのを所管する国土交通省の立場として、大臣の受け止めをお願いします。
(答)日産自動車の不適切な完成検査、また神戸製鋼所による製品の検査データ改ざん、こういった不適切な行為は、高品質で安全・安心と評価されてきた日本のものづくりに対する信頼を揺るがすような事態であり、極めて遺憾であります。
徹底的に原因を究明し、再発防止策を講ずる等、一日も早い信頼回復に向けて経営陣が当事者意識と主体性を持って取組を進めていただきたいと考えております。

(問)日産自動車と神戸製鋼とそれぞれですが、まず日産自動車ですが、ほかのメーカーに対しても検査に不備がないか報告を求めているところだと思いますが、これまで何かメーカー側から報告があったとか、現時点では同様の不備はないという認識でいいのか、報告は今月中にまとまるということでいいのか、時期の目途があれば教えてください。
あと、神戸製鋼のデータ改ざんについてなんですけれども、特に消費者にとって影響の大きい自動車分野で、昨日、アルミ板については、トヨタですとかホンダとか一部のメーカーで安全が確認されたという発表がありましたけれども、アルミ以外の素材ですとか、サプライヤーを経由したものも含めて、最終的な安全性の確認にどれくらい時間がかかりりそうなのか、目途が分かれば教えてください。
(答)まず、日産の検査に関してでありますが、日産自動車の完成検査の不適切事案を受けまして、他の国内自動車メーカー及び輸入車インポーターに対しまして、同種の事案の有無について1ヶ月以内に報告を求めているところであります。
報告内容につきましては、報告の期限を待って、内容を確認、とりまとめの上、公表いたしたいと考えております。
それから、神戸製鋼の件ですが、自動車についてですが、アルミ製品として自動車のドア、ボンネット等の外板部品や、サスペンションに使用されていたことが確認をされております。
国内自動車メーカーや自動車輸入組合に対して調査を指示しているところであります。
併せて、神戸製鋼所製の鋼線がタイヤに使用されている可能性もあることから、タイヤメーカー国内4社にも調査を指示しております。
現時点では自動車メーカー等から安全性に影響があるとは聞いていおりませんけれども、引き続き、自動車メーカーに対して早急に調査を進めるよう指導してまいりたいと考えております。

(問)旅行会社のアバンティリゾートクラブに関してなんですれけども、11日に事業停止したあと、その後連絡がつかないという状態になっているといわれておりますけれども、これについての大臣の御見解と、国土交通省、観光庁としての対応、また、旅行負債額等々、被害の程度がもし分かっていれば教えていただければと思います。
(答)10月11日に営業を停止しましたアバンティリゾートクラブは、海外旅行について、募集型企画旅行、手配旅行、他社の旅行商品の代理販売を行っており、国内旅行については、主に他社の旅行商品の代理販売を行っておりました。
この会社を通じて旅行の予約をしている旅行者の人数や旅行代金の規模等については、現在調査中でありますが、現在までのところこの会社と全く連絡がつかないことから、この事案は非常に悪質な案件であるといえます。
この旅行会社が営業停止したことによりまして、まず第1に、この会社を利用して現在渡航されている方の円滑な帰国が優先でございますので、邦人の旅行者より支援要請があった場合に、必要な支援を行うよう外務省に依頼をいたしました。
なお、現在のところ、海外でお困りの旅行者がいるとの情報はございません。
引き続き、関係者と連携を図り、被害の状況の把握に努めてまいりたいと考えております。

(問)日産と神戸それぞれなのですが、日産については2つありまして、1つは今回発覚した分も追加でリコールという認識で良いのかということ、あと20年という話も出ておりますが、どれくらいの不正の期間があったかということを把握しておりますか。
(答)事案が判明した後も、引き続き不適切な検査を行っていた。これは日産自動車が御判断する件だとは思いますが、当然そういった方向になるのではないかと想定しております。
また、この不正な検査がどのくらいの期間行われていたのかについては、今、日産の方で調査しているところだと思いますので、その報告を待ちたいと思います。
(問)あと神戸製鋼の件なんですけれども、これは国際的な連携というところも、今後、力を入れていくという理解でよろしいのでしょうか。
特に航空メーカーに関しては。
(答)欧州航空安全庁が、例えば欧州の航空機設計・製造・修理事業者に対し注意喚起を行い、事実関係の調査等を呼びかけている事案もございますので、欧州また米国の外国当局とも密接に連携しながら対応を検討してまいりたいと考えております。

(問)日産の件なのですが、検査員だけでなくテスターラインの届け出がなされていなかったということについて、これは届け出が修正されれば直ちに認めるという方向で考えていらっしゃるのでしょうか。
(答)道路運送車両法関係法令において、完成検査工程等に変更があった場合に遅滞なく届け出ることとされておりまして、この規定との関係が課題になると考えております。
今後、日産自動車から事実関係の詳細について報告を受けまして、法令違反の有無については判断していきたいと考えております。
 

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