大臣会見

石井大臣会見要旨

2018年2月20日(火) 9:06 ~ 9:20
国土交通省会見室
石井啓一 大臣

閣議・閣僚懇

本日の閣議案件で、特に私の方から御報告するものはございません。
以上であります。

質疑応答

(問)今週、全国大会も予定されていますTEC-FORCEについてですが、この春で設立からちょうど10年ということで、活躍の場が広がっている一方で負担も増えていると思うのですが、この10年の総括と課題について、お伺いできますか。
(答)緊急災害対策派遣隊、TEC-FORCEは、平成20年に発足して以来、本年4月で満10年を迎えます。
これまで東日本大震災や熊本地震、昨年7月の九州北部豪雨など、昨年12月末時点で、発足以来78の災害に対して延べ6万人を超える隊員を派遣いたしまして、被災状況の早期把握や道路の啓開、浸水の解消に向けた緊急排水など、全力で被災自治体の支援に当たってまいりました。
東日本大震災では、延べ1万8000人に及ぶ隊員が活動いたしまして、櫛の歯作戦による救助救援ルートの確保や津波で水没した仙台空港の排水活動などを実施いたしました。
また、熊本地震では、余震が続く中で土砂災害危険箇所の点検を行ったほか、被災者向けの給水活動等を行い、昨年7月の九州北部豪雨では、大量の土砂・流木で塞がれた国道や県道の迅速な啓開を行うなど、TEC-FORCEはそれぞれの災害におきまして全力で被災地支援を実施しており、各地で高い評価をいただいております。
今後、わが国におきましては、南海トラフ巨大地震、首都直下地震、更には大規模水害などの脅威にも対峙していかなければならず、それらの災害に的確に対応するため、TEC-FORCEの充実強化が課題と考えております。
国土交通省としましては、これまでの経験を活かしながら、今後もTEC-FORCEの訓練や研修等を通じ、更なる技術力の強化や必要な体制の確保に取り組んでまいります。
なお、「TEC-FORCE全国大会」では、TEC-FORCE隊員への国土交通大臣表彰とともに、昨年の九州北部豪雨等において現地で対応した隊員から活動状況などについて報告をいただきます。
後ほど、事務方から資料を配付いたします。

(問)四国新幹線についてお伺いします。
地元では「四国新幹線整備促進期成会」が発足するなど、誘致の気運が高まっていると御承知だと思いますけれども、これは基本計画路線の実現の可能性などについて調べる調査費が、今年度、来年度と盛り込まれております。
これらの調査の進捗状況についてお伺いします。
また、今後、将来的に整備計画に上げる際に必要となる、こうした事前調査の実施可能性について、よろしくお願いいたします。
(答)四国における新幹線につきましては、全国新幹線鉄道整備法に基づきまして、四国新幹線、大阪市から大分市間、四国横断新幹線、岡山市から高知市間の2路線が基本計画路線に位置づけられております。
四国における新幹線の整備につきましては、昨年7月の「四国新幹線整備促進期成会」の設立や、地元の日本青年会議所による署名活動等、その促進に向けた活動が活発に展開されていると承知しております。
国土交通省におきましては、整備新幹線の整備の推進状況等を踏まえ、各地域から基本計画路線等の鉄道整備に関する様々な御要望をいただいているところでありまして、平成29年度より基本計画路線を含む幹線鉄道ネットワーク等のあり方に関する調査に取り組んでおります。
具体的には、主要都市間の輸送密度、時間距離等の基礎的なデータ収集、単線による新幹線整備を含む効率的な新幹線整備手法の研究、また在来線の高速化手法、既存の幹線鉄道との接続手法の研究等について調査を行っているところでありまして、平成30年度予算案にも、所要の調査費が引き続き盛り込まれているところであります。
全国新幹線鉄道整備法に基づく整備計画を決定するにあたっては、その前段として、同法に基づき所要の調査を行う必要がありますけれども、国土交通省としては、まずは、この基本計画路線を含む幹線鉄道ネットワーク等のあり方に関する調査にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
(問)今仰いました四国新幹線の基本計画路線に位置づけられている2路線につきまして、大臣としましては、地元の誘致に向けた活動が活発になっていることについての御所感はいかがでしょうか。
(答)促進期成会の設立や署名活動等、活動を活発に展開されていることについては敬意を表したいと思います。
(問)もう1点、同じく四国新幹線の関係で、JAPICが打ち出している単線についてのアイデアにつきましては、コスト削減ですとか工期短縮といった見方もありますが、これについての国土交通省としての受け止めをお願いします。
また、整備計画に上がった際に採用される余地があるのかも含めてお願いいたします。
(答)単線新幹線については、先ほど申し上げました調査において、その可能性について検討している段階であります。
わが国における採用や海外展開の可能性につきましては、その調査結果を見極めた上で、更に沿線地域や相手国のニーズも十分勘案しながら探っていくべきものと考えております。

(問)重点地域内の電線地中化を進める「無電柱化推進計画」についてお伺いします。
昨日公表されて、一部では義務化するという話も出ていましたが、その理解で良いでしょうか。
また、実際にはどのように無電柱化を推進していくお考えか、お伺いします。
(答)「無電柱化推進計画」につきましては、平成28年12月に成立、施行されました「無電柱化の推進に関する法律」に基づきまして、無電柱化の推進に関する施策の総合的、計画的、かつ迅速な推進を図るために策定することとされておりまして、昨日より計画案のパブリックコメントを開始したところであります。
計画案におきましては、2018年度からの3カ年間で、約1400kmの新たな無電柱化の着手を目標にしておりまして、義務化ではございませんけれども、防災の観点から、都市部内、DID内の第1次緊急輸送道路、また安全・円滑な交通確保の観点から、バリアフリー化の必要な特定道路、更には景観形成・観光振興の観点から、世界文化遺産周辺の地区を代表する道路など、無電柱化の必要性の高い道路につきまして重点的に推進することとしておりまして、国、地方公共団体及び関係事業者が連携して取り組むこととしております。
今後の無電柱化に当たりましては、コスト縮減の促進や財政的措置、占用制限の拡大等、様々な施策を講じながら、地方ブロック無電柱化協議会等を通じまして、道路管理者と関係事業者等が連携して重点的に推進していくこととしているところであります。
(問)更に伺います。
計画案では2009年以降、年間約260kmのペースであったものを、今後3年間で1400kmを実現していく目標を掲げていますけれども、計画の実現性、実効性をいかに確保していくのか、お願いいたします。
(答)無電柱化は平成21年度以降でみますと、平均で毎年約250kmのペースで着手し、整備が進められております。
一方、2018年度からの3カ年の計画目標である1400kmにつきましては、年平均でみると約470kmとなりますが、これはこれまでの実績の最大の延長と同程度となっています。因みに、平成16年度から20年度については、年平均約440kmの無電柱化に着手しているところであります。
無電柱化を進める上で課題となっております整備コストについて、関係者と連携しまして、浅い層に埋設する方式や小型ボックス活用埋設方式等の低コスト手法の導入に取り組んでおりまして、今年度は京都市等の実際の道路において電線を直接地中に埋設する直接埋設方式の実証実験を行っております。
無電柱化推進計画の推進に当たりましては、これに加えまして、電線管理者による単独地中化への支援などの財政的措置や占用制限の拡大など、様々な施策を総合的に講じ、目標の達成を図ってまいりたいと考えております。

(問)タクシーについて伺いたいと思います。
昨今報道もあるとおり、日本のタクシー会社・事業者と、国内あるいは海外のシステムアプリ開発会社が提携しているという話が、今日の日経新聞でも3つくらい出されておりましたけれども、僕は基本的にはライドシェアについては国は鎖国をずっとやっていると。
配車アプリをどんどん認めていくということになると、その先にはやはりライドシェア、国は白タク、白タクといって批判的なんだけれども、2020年のインバウンド4000万人等々を考えるに、やはりライドシェアを国は解禁する方向を検討しても良いのではないかと思うのですが、お考えはいかがでしょうか。
(答)国土交通省としては、自動車による旅客の運送においては、安全・安心の確保が最重要の課題と認識しております。
これまでも重ねて申し上げてきておりますが、運行管理や車両整備等について責任を負う主体を置かないままに、自家用車のドライバーのみが運送責任を負う形態で旅客運送を有償で行うという、いわゆる自家用車ライドシェアにつきましては、安全の確保、利用者の保護等の観点から問題があり、極めて慎重な検討が必要と考えております。
一方で、ITの推進等を踏まえたタクシーの利便性向上や観光先進国の実現に向けた訪日外国人向けのサービス向上は重要であります。
こういった観点から、全国ハイヤー・タクシー連合会において、平成28年12月に、サービス向上に向けて今後新たに取り組む11項目をとりまとめ、これまでにも初乗り運賃の引き下げですとか、事前確定運賃ですとか、また相乗りタクシーと、順次取り組みを進めております。
更に、1月17日に、「訪日外国人向けタクシーサービス向上アクションプラン」が策定されまして、具体的には、訪日外国人が母国と同じようにタクシーを利用できるよう、日本のタクシー配車アプリや日本のタクシー会社と海外の主要配車アプリとの連携等を推進することなどが盛り込まれておりまして、国土交通省としては、この11項目やアクションプランに盛り込まれた取り組みを推進するために必要な支援をしてまいりたいと思います。
(問)そのライドシェアは世界のあちこちで普及が進んでいるわけですが、あれは危険であるという認識でよろしいですか。
(答)それぞれの国の事情があるかと思いますが、わが国におきましては、いわゆる自家用車ライドシェアについては、安全の確保、利用者の保護等の観点から問題があり、極めて慎重な検討が必要と考えております。
 

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