大臣会見

石井大臣会見要旨

2018年3月2日(金) 8:43 ~ 8:52
参議院本館議員食堂
石井啓一 大臣

閣議・閣僚懇

 本日の閣議で、当省提出の「海外社会資本事業への我が国事業者の参入の促進に関する法律案」が閣議決定されましたので、御報告いたします。
この法案は、世界の旺盛なインフラ需要をわが国の経済成長へとつなげるため、海外における鉄道、空港、港湾、都市・住宅、下水道等のインフラ事業へのわが国事業者の参入を促進するためのものであります。
具体的には、国土交通省所管の15の独立行政法人等が海外でも業務を行えるよう措置することで、国内業務を通じて蓄積してきました技術やノウハウ、更には公的信用力を活用いたしまして、わが国民間事業者が参入しやすい環境づくりを行わせるものであります。
このような官民一体となった取組によりまして、政府目標である2020年に年間約30兆円の受注目標の達成に向けまして、インフラシステム輸出を強力に推進していきたいと考えております。
詳細は後ほど資料を配付いたします。
私からは以上であります。

質疑応答

(問)JR西日本の台車亀裂問題について伺います。2月28日、製造元の川崎重工業が調査結果を明らかにしました。事実関係や大臣の受け止め、今後の対応についてお伺いいたします。
(答)2月28日にJR西日本の社長が記者会見を行いまして、台車の側バリ底面の板厚が設計寸法より薄く研削されるなど製造時の不備があったこと、亀裂は、側バリ底面と軸バネ座の溶接部を起点に発生し、側バリ底面の板厚が薄かったことで、亀裂が大きく進展したと推定されること、側バリ底面の板厚が薄い台車ついては順次取り換えるとともに、その間は定期的に超音波探傷検査により溶接部の傷等を監視していくことなどについて公表いたしました。
また、同日に川崎重工業の社長も記者会見を行いまして、作業指示が十分ではなく、削ってはならない側バリ底面を研削し、この工程が検査で確認されないなど、品質管理に問題があったこと、再発防止のため、車両カンパニープレジデントを筆頭とする品質管理委員会を設立し、品質管理体制を再構築することなどについて公表いたしました。
台車の製造時に不備があり、今回のような重大インシデントの発生につながったことは、高速で走行する新幹線の安全性、信頼性を揺るがしかねない重大な事象であり、誠に遺憾であると考えております。
本件につきましては、現在、運輸安全委員会が調査を行っておりますが、国土交通省といたしましては、今回の公表内容を踏まえ、これまでのJR西日本等に加えて、川崎重工業に対してもヒアリングを行い、今回の事象に至った背景等を更に精査した上で、部品の製造段階におけるミスを根絶するための方策を探ってまいりたいと考えております。
また、今回の事象を踏まえまして、本年2月に設置いたしました「鉄道の輸送トラブルに関する対策のあり方検討会」におきまして、台車の設計・製造・検査に関する根本的な検証を行うとともに、再発防止策について検討を行ってまいります。
高速で走行する新幹線の安全輸送が確保されるように、しっかりと取り組んでまいります。

(問)今のに関連して、川崎重工業へのヒアリングを行うということですが、目途などはいつ頃を考えていますでしょうか。
(答)これは、2月28日から既にヒアリングは開始しております。

(問)また、ヒアリングを通じて、今後、鉄道事業法だと鉄道事業者への行政処分があると思うのですけれども、そうした処分というところまでいくかどうかは不明ですが、今後指導などは検討されていくのか、現時点での見通しを伺えますでしょうか。
(答)今回の重大インシデントの発生を受けて、国土交通省としては、JR西日本に対し、既に徹底した原因究明と再発防止対策の実施を指示いたしまして、その進捗について継続的にチェックを行ってきているところであります。
また、この度の川崎重工業の発表を受けまして、今回の事象に至った背景等について、同社に対するヒアリングを開始したところであります。
その結果を踏まえまして、鉄道の安全確保の観点から、必要に応じて、同社に対して適切な措置を求めてまいりたいと考えております。

(問)今日、閣議決定されたインフラ輸出支援法案ですが、民間の海外展開を独立行政法人等が支援するということですが、その意義と狙いについて、改めてお伺いできますか。
(答)今回の法案は、独立行政法人等に蓄積されている技術・ノウハウを活用しまして、国土交通分野の海外インフラ事業へのわが国事業者の参入を促進することを狙いとするものであります。新興国を中心とした世界の旺盛なインフラ需要を取り込むことは、わが国の成長戦略にとって重要でありますが、競合国との受注競争は熾烈化しております。
こういった中、新興国等のインフラ開発・整備は現地政府の影響力が強いため、公的機関の中立性や交渉力を活用した相手国政府への案件形成の働きかけが有効であること、例えば新幹線鉄道の整備や大規模都市開発のマスタープラン作りなどの専門的な技術やノウハウは公的機関が保有していることから、民間事業者のみでは十分に対応できない場合が、これまでもございました。
このため、国土交通省所管の15の独立行政法人等が、公的な信用力を活用しつつ、調査等の案件形成から工事を完了した後の運営・維持管理まで関与できるよう措置すること等によりまして、海外のインフラ事業へのわが国事業者の参入を促進してまいりたいと考えております。
官民一体となったインフラシステム輸出を強力に推進することによりまして、政府目標であります2020年におけるインフラシステム受注額約30兆円の達成に貢献できるものと考えております。

(問)今日、朝日新聞の朝刊で、森友学園の土地取引を巡って、財務省の文書が問題の発覚と前後で書き換えられていた疑いがあると報じられました。こうした実態について、大臣として把握されているか、把握されていれば、それはどういう内容かお聞かせください。
(答)御指摘のような報道があったことは承知しておりますけれども、内容については詳細を承知しておりませんので、コメントは控えたいと思います。

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