大臣会見

石井大臣会見要旨

2018年9月18日(火) 11:21 ~ 11:30
国土交通省会見室
石井啓一 大臣

閣議・閣僚懇

 本日の閣議案件で、特に私の方から御報告するものはございません。
このほか、私の方から3点御報告がございます。
1点目は「関西インバウンド観光リバイバルプラン」についてであります。
訪日外国人旅行者数は、本年前半は非常に好調に推移いたしましたが、平成30年台風第21号やこれに伴う関西国際空港の被災によりまして、その伸びに影響を受けることが懸念されております。
このため、9月21日にも見込まれます関西国際空港の第1ターミナル北側の再開を機に、一気呵成に関西地区におけるインバウンド観光を活性化させるため、同日から、韓国や中国の大型連休期間を挟んだ1ヶ月程度を集中キャンペーン期間と位置づけ、オールジャパンの取組を行うこととし、関係団体や事業者に協力を呼びかけることといたしました。
本プランに基づく個々の取組につきましては、関係団体・事業者からの聞き取り結果を踏まえまして、21日にまとめて公表したいと考えております。
詳細は後ほど事務方から説明させます。
2点目は「日韓観光交流拡大に向けた共同緊急アピール」についてであります。
インバウンドの影響のうち、特に、韓国につきましては、7月の訪日者数が約2年ぶりに対前年比マイナスに転じるなど、特に大きな影響を受けたところであります。
このため、観光庁から韓国へ働きかけをいたしまして、韓国旅行業協会、日本政府観光局及び日本旅行業協会の3者によりまして、観光早期回復への協力を強化する「日韓観光交流拡大に向けた共同緊急アピール」を発出することとなりました。
9月20日に、ツーリズムエキスポジャパンにて、3者による署名が行われると承知しております。
詳細は事務方にお問い合わせいただきたいと思います。
3点目は「関西国際空港の連絡橋について」であります。
空港アクセス鉄道につきましては、関係者の御努力によりまして、本日始発より通常ダイヤで運行を再開いたしました。
これによりまして、21日目途に目指しております第一ターミナル北側の再開による空港機能の回復に伴う輸送需要の増大に対応することが可能となる見込みであります。
また、ネクスコ西日本では、14日に完了いたしました下り線道路橋の撤去作業と並行いたしまして、復旧方法等について検討を行ってきたところでありますが、橋桁の損傷の程度が著しいことから、再利用可能な一部分を除き、新しい橋桁を製作して架け直す方針といたしました。
この方針を踏まえまして、海上での作業を予定している来年春頃の天候が安定し、作業に支障が生じなければ、来年のゴールデンウイークまでに、道路橋を完全復旧することを目標に作業を進めることといたします。
詳細は後ほど資料を配付いたします。
私からは以上であります。

質疑応答

(問)先ほどもお話ありましたけれども、台風21号で、大臣は、昨日、関西空港その他を視察されたと伺っております。
今後の対策等を含めまして、御所見のほうをお伺いしたいと思います。
(答)昨日は、台風21号による高潮で浸水被害を受けた関西国際空港の第1ターミナルビルや貨物上屋等、関空連絡橋の損傷箇所、関西~神戸ベイシャトルの乗船場、関空の対岸のりんくうタウン駅の臨時シャトルバス乗り場、空港周辺の電柱の倒壊現場、神戸六甲アイランド被災現場などを視察してまいりました。
被災したインフラの復旧状況を直接確認いたしまして、今回の台風による被害の影響を改めて実感したところであります。
まだ現場では復旧作業が全力で進められている最中でありますけれども、関西国際空港につきましては、ターミナルビル地下に、防災設備や空調設備等、ターミナルビルを稼働させるために必要不可欠な施設が多く配置されており、今回のような浸水被害を最小限に食い止める抜本的対策が必要と実感いたしました。
今後、1日も早く被災前の水準に近づけることが重要と考えておりまして、第1ターミナル北側の再開や貨物上屋の復旧を進めるなど、被災前の受入機能が確保される本格復旧の実現に向け、全力で取り組んでまいります。
関空連絡橋については、冒頭申し上げたとおり、本日始発より、空港アクセス鉄道が運行を再開したところであり、引き続き、来年のゴールデンウイークまでに、連絡橋を完全復旧することを目標に作業を進めることといたします。
また、電柱の倒壊につきましては、避難や救急活動、救援物資の輸送、復旧活動の支障になることから、無電柱化による災害に強い道づくりが重要と考えております。
今後、地震や台風等の被害を受けにくく、電力供給の観点からも効果的である無電柱化について、取組を推進してまいりたいと考えています。
神戸港の六甲アイランドにおきましては、コンテナターミナルの一部でクレーン等の受電設備に障害が生じたため稼働できない状況であります。
また、市営の上屋におきましては、民間事業者の荷役機械等の損傷が見られました。
改めて1日も早い復旧と、高潮被害を最小限に食い止めるコンテナの流出防止対策や電源対策等の必要性を実感いたしました。
阪神港につきましては、関係機関と連携しながら、どのような支援が可能か検討を進めまして、早期全面復旧に全力を尽くしてまいります。
特に、神戸港六甲アイランドのコンテナターミナルRC6及びRC7につきましては、年内の完全供用を念頭に、早期の仮復旧を目指してまいります。
国土交通省としましては、引き続き、台風による被害から1日も早く復旧できるよう全力を尽くしてまいります。

(問)関連で、関空のことで、旅客ターミナルについては復旧が進んでいますけれども、貨物ターミナルの物流機能の復旧と今後の見通しを教えていただけますか。
(答)関空での貨物取扱いにつきましては、早期に回復することが必要と考えております。
関係者が一丸となって、14日にA滑走路の運用を再開したほか、空港内の物流施設の復旧作業に努めていただいております。
浸水等の被害を受けた1期島の貨物上屋については、第1ターミナルの旅客便再開にあわせて、部分的な運用が開始されております。
これによりまして、既に一部運航を再開しております貨物専用便に加えまして、旅客便に貨物を搭載する扱いが再開し、段階的に回復していくものと考えております。
一方、昨日、現場に行きまして、一部の貨物上屋につきましては、屋根やシャッターの破損、貨物を取り扱うための機器の損傷等が見られ、引き続き、復旧に向けて進めていく必要があるところを実感したところであります。
国土交通省としましては、関西経済への影響を最小限に抑えるため、国際物流の拠点空港である関西国際空港の本格復旧を1日も早く実現できるよう、引き続き、全力を尽くしてまいりたいと考えています。

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