大臣会見

石井大臣会見要旨

2018年9月28日(金) 11:00 ~ 11:10
国土交通省会見室
石井啓一 大臣

閣議・閣僚懇

 本日の閣議案件で、特に私の方から御報告するものはございません。
このほか、私の方から3点御報告がございます。
1点目は「台風第24号の日本列島への接近について」であります。
台風第24号は、明日29日にかけまして、非常に強い勢力で南西諸島に接近する見込みであります。
その後、加速しながら30日から10月1日にかけて日本列島を縦断する可能性があります。
台風の影響により全国的に、暴風、高波、大雨、高潮に厳重な警戒が必要であります。
国民の皆さまには、気象情報や自治体からの避難情報に留意していただき、早め早めの対策や、避難行動を心がけていただくよう、お願いいたします。
2点目は「地域のニーズに応えるタクシー運賃・料金の実証実験について」であります。
10月1日から、東京都内において「変動迎車料金」に関する実証実験を、全国7地域において「定額タクシー」に関する実証実験を、それぞれ開始いたします。
変動迎車料金は、過去の輸送実績等から時間帯毎のタクシー需要を判断し、それに応じて段階的に価格を変動させるサービスであります。
これによりまして、空いている時間帯の潜在的な乗車ニーズに応えて需要を喚起したり、混雑する時間帯に優先的配車を受けたいといったニーズに対応するサービスを目指してまいります。
また、定額タクシーは、事業者が定めた利用可能区域や利用回数等の条件の範囲で、一定期間、定額で乗り放題とするサービスであります。
定額タクシーの実証実験は全国7地域で行います。
免許を返納した高齢者の通院などの利用といった各地域の多様なニーズに応じまして、地域の足の確保を図っていくことを狙いとしております。
今回の実証実験を通じ、サービスの実現可能性を検証するとともに、利用者アンケート等を行いまして、その結果を踏まえて必要な制度を検討していくこととしております。
これらの取組を通じまして、利用者利便の向上を図るとともに、タクシー事業の運行の効率化により、生産性の向上とドライバーの労働環境の改善を推進してまいります。
詳細は、後ほど事務方から説明いたします。
3点目は「サービスエリアや道の駅における子育て応援の取組について」であります。
今般、国土交通省では、子育て応援の取組の一環として、全国の高速道路のサービスエリアや「道の駅」における子育て応援の取組について推進する方策を取りまとめました。
具体的には、全国の高速道路のサービスエリア及び国が整備した「道の駅」におきましては、概ね3年以内に、24時間利用可能なベビーコーナーの設置、屋根付きの優先駐車スペースの確保を完了させます。
また、関係者の協力により、おむつのばら売り等のサービスも充実させます。
昨日、松山少子化担当大臣からも、この件について要請がございました。
国土交通省といたしましては、この取組に加え、ベビーカーのための歩道のバリアフリーなどについても積極的に取組を進めてまいります。
詳細は、後ほど資料を配付いたします。
私からは以上であります。

質疑応答

(問)先日、日産自動車から報告書が提出されまして、今までなかった警告灯や重量測定などの検査項目でも新たな不正が判明しました。
これに対する大臣の受け止めと、国土交通省の対応を教えてください。
(答)一昨日、日産自動車から7月9日の指示に基づき、完成検査の運用状況について徹底調査をした結果として、燃費及び排出ガスや精密車両測定に係る、抜取検査における不適切な取扱いについて報告がありました。
このような不適切事案が2000年代から常態化しており、特に、1年前に判明した、任命されていない者が完成検査を行っていた事案等の完成検査問題の再発防止に取り組む中で、最近まで不適切事案が続いていた点におきまして、問題の根深さを示すものであり、極めて遺憾であります。
また、コスト削減重視による影響が根本原因の1つとして挙げられておりますが、適切な完成検査の確保のためには、会社の施策が不適切な取扱いを発生させるリスクや要因にまで目を向けながら、現場の第一線までコンプライアンス重視を浸透させることを含めて、経営層のリーダーシップの下、実効性のある対策の実施が必要と考えております。
国土交通省といたしましては、引き続き、日産自動車から再発防止策の実施状況に係る、四半期報告を求める等により、業務改善の徹底について適切に対処するとともに、今般の報告内容を精査し、対応が必要となる場合には、厳正に対処してまいる考えであります。

(問)日産からの報告はありましたけれど、別途、スズキも同様に報告があったかと思います。
これについての大臣のお考え、受け止め、今後の対応をお願いします。
(答)スズキの件でありますけれども、四輪車の燃費及び排出ガスの抜取検査におけるトレースエラーの事案に関しまして、スズキから8月8日に報告があったところでありますが、その後に行った国土交通省による立入検査の精査の過程で、これまで把握していなかった過去のデータの存在が確認された結果、四輪車の測定値の書き換えがあったことや、二輪車でもトレースエラーが2件あったことが判明いたしまして、一昨日、スズキより把握した内容について報告がありました。
完成検査の不適切事案については、他社においても様々な事案が判明している中、最大限の危機感を持って対応すべきところ、このような事実がスズキの社内調査で発見できなかったことは、スズキにおける対応姿勢に問題があると考えられ、極めて遺憾であります。
国土交通省といたしましては、スズキに対しまして、万全の調査態勢を構築した上で、燃費及び排出ガスの抜取検査に関することはもちろん、完成検査全般について徹底調査するよう指示をいたしました。
引き続き、スズキにおける完成検査の不適切事案の全容解明について、厳正に対処してまいります。

(問)合わせて関連ですけれども、今日、この後だと思われますが、同様の事案で、スバルについても報告を検討していると言われてますけれども、スバルに対しては、どのような対応を考えてらっしゃるか、お願いします。
(答)スバルに対しましては、6月5日に自動車局より完成検査について徹底調査するよう指示しておりましたが、本日午後、スバルより報告書が提出される予定であると自動車局から聞いております。
国土交通省といたしましては、報告書の内容を精査いたしまして、対応が必要となる場合には厳正に対処してまいる考えであります。

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