大臣会見

石井大臣会見要旨

2018年11月6日(火) 10:21 ~ 10:35
国土交通省会見室
石井啓一 大臣

閣議・閣僚懇

 本日の閣議案件で、特に私の方から報告するものはございません。
このほか、私の方から1点報告がございます。
今月2日の会見におきまして、航空会社における飲酒に関する不適切な事案が発生したことへの国土交通省の対応についてお答えしたところでありますが、追加的な対応をとることといたしました。
まず、航空局長から事案を発生させました全日空及び日本航空の社長に対しまして、昨日、詳細な調査を行うとともに、より効果的な再発防止策をグループ会社も含め早期に実施するよう改めて指示するとともに、この調査結果及び再発防止策を今月16日までに報告するよう指示いたしました。
また、運航乗務員等の飲酒に関し、数値基準の新設やアルコールチェックの義務付けなど、新たな基準を検討する有識者検討会を設置し、早期に第一回の検討会を開催し、年内にも中間的なとりまとめが得られるよう事務方に指示いたしました。
詳細は後ほど資料を配布いたします。
私からは以上であります。

質疑応答

(問)2つお聞きします。
1つ目が、羽田の新しい飛行経路に関して、横田空域を通る旅客機の管制を日本側が行うことで合意する見通しとなったとの報道がありましたが、事実関係や合意に向けた今後の見通しはいかがでしょうか。
(答)都心上空を飛行いたします羽田の新経路の運用に向け、準備を進めてきているところでありまして、米国側とも従来から必要な調整を行ってきております。
報道は承知しておりますが、具体的な調整状況については、コメントを差し控えさせていただきます。
引き続き、2020年東京オリンピック・パラリンピックに間に合うよう、必要な調整を進めていきたいと考えております。

(問)2つ目ですが、昨日、スバルが、新たな完成検査の不適切な事案が判明し、リコールを届け出ると発表しましたが、大臣の所感と、国土交通省としての対応はいかがでしょうか。
(答)国土交通省におきましては、9月28日にスバルから完成検査における不適切事案に関する報告書の提出があったことを受けまして、10月16日、17日及び22日に立入検査を実施いたしました。
立入検査におきまして、スバルが昨年末までにやめていたとしたブレーキ等のずさんな全数検査について、複数の検査員から最近まで継続していたとの証言があり、直ちに、スバルに対してリコールが必要かどうかの検討を至急行うよう指示し、これを受けて、昨日、スバルより8日にリコール届出を行う旨の発表があったと認識しております。
スバルにおきましては、完成検査における不適切事案の再発防止に取り組む中、ごく最近までずさんな全数検査が続けられており、スバルによる調査においても把握できなかったことは、再発防止に対する取組姿勢に疑問を抱かざるを得ず、問題の根深さを示すものであり、極めて遺憾であります。
国土交通省といたしましては、引き続き、これまでの報告内容や立入検査の結果を精査するとともに、リコール対象車両の早期改修や完成検査の不適切事案の再発防止の徹底を指導し、更なる対応が必要になる場合には、厳正に対処してまいります。

(問)KYBについてなのですが、現在、不正があったかどうか不明としているダンパーが一定数あるのですけれども、これを検査結果が確認できないので不正と見なして交換対象にするという報道がありました。
国土交通省に対してそういった報告が上がっているか、また、これについて交換の完了時期などの遅れなども心配されると思いますが、いかがでしょうか。
(答)今、御指摘の報道があったことは承知しておりますけれども、適応品であるかどうか不明のものについて、調査を断念したという報告は受けておりません。
ただし、不明のものが最終的に適合品であることが証明できない場合には、交換する方針と聞いております。
交換でありますが、国土交通省は各社に対して、大臣認定に不適合の製品は、所有者等と調整の上、可及的速やかに交換を進めること、それから、大臣認定不適合ではないが、顧客との契約に不適合の製品は、顧客の意向を踏まえ、誠意を持って交換等の対応を行うこと、交換の実施にあたっては、所有者等と調整の上、交換計画を策定し、国土交通省に報告を行うことを指示しております。
引き続き、所有者に対して誠実に説明を行った上で、早期に交換計画を策定し、提出するよう求めてまいりたいと考えています。

(問)2点ほどお伺いいたします。
まず1点目です。
石井大臣は、10月30日、沖縄による辺野古新基地沿岸埋立て承認撤回について、執行停止という決定をいたしました。
沖縄県が大臣宛に執行停止申立てに対する意見書を提出してから、わずか5日後の発表でした。
玉城沖縄県知事からは結論ありきだという批判もありますが、大臣は決定に当たって、意見書の中身を丁寧に検証し、真摯に審査をしたと断言できるでしょうか。
(答)まず、辺野古に関します公有水面埋立の承認撤回に関しまして、行政不服審査法に基づく審査請求、それから、執行停止の申立てが公有水面埋立法を所管いたします国土交通大臣になされました。
国土交通省といたしましては、行政不服審査法に基づいて適切に判断をしたところでございます。

(問)もう1点、10月21日に台湾で起きた高速鉄道の事故について伺います。
事故車両はJR東海の子会社である日本車輌製造のものと発表されております。
報道では、安全装置を切った際に自動的に指令室に連絡が入る機能に設計ミスがあったことが報じられております。
この点について、車両を製造した日本車輌製造やその親会社のJR東海の責任について、どのようにお考えでしょうか。
(答)責任というのは、事故の責任というふうに考えてよろしいのでしょうか。

(問)はい。
(答)まず、今回の台湾の列車事故につきましては、事故の原因については台湾側で調査中と承知しております。
いずれにいたしましても、日本車輌製造が台湾に納入した車両において、仕様書どおり製造されていなかったことは、鉄道車両製造の信頼に関わることであり、大変遺憾と考えております。
日本車輌製造は、台湾側の調査に最大限協力するとともに、徹底した原因究明を行い、再発防止対策に努めていただきたいと考えております。
なお、JR東海は資本関係はございますけれども、一義的な責任はあくまで日本車輌製造が負うものと認識しております。

(問)JALの飲酒に絡んで、国土交通省の飲酒についての運転への影響の把握についてお尋ねします。
国土交通省は、陸上、航空に限らず、アルコールのチェックの方法をまとめております。
この時に、航空のチェックというのは大幅に緩かったということが分かっているにも関わらず、こうして航空業界に丸投げしてきたということについて、飲酒の影響をどういうふうに考えていらっしゃるのかというのが1点。
それからもう1つ。
現行の法律では、国内法でも飲酒運転をしようとしたパイロットに対して刑事罰を加えることはできません。
こうした根本的な対策がなされていなかったことについて、これからやるということについてはよく分かったんですけども、今までそうではなかった点について、大臣どういうふうにお考えでしょうか。
(答)飲酒の安全に及ぼす影響については、十分に認識をしております。
今回の事案を踏まえて、基準等の強化を進めてまいりたいと考えております。

(問)現状まで航空について、これだけ緩かった、業界に丸投げをしていたという点についてはどうなんでしょうか。
(答)出発前にアルコールも含めた健康状態の確認は、現行でも義務付けしておりますが、チェック装置の配置の義務付けまではしておりませんでした。
そういったことも課題でありますので、今後、基準等の強化を進める中で、アルコールチェックの装置の義務付け等も検討してまいりたいと考えております。

(問)一部報道の確認で恐縮なのですが、韓国政府が造船業界に対して補助金を多額に投入して市場の公平性を歪めているという点で、以前から懸念を表明されていたと思うのですが、その一部報道で、WTOの紛争処理手続きに基づき、二国間協議を要請するという内容のものがありました。
この事実確認、要請の時期を含めて、現状をお答えいただければと思います。
(答)韓国によります自国造船業に対する公的支援は、市場を歪曲し、造船業における供給過剰問題の是正を遅らせる恐れがあることから、その早期是正を図るため、これまで様々な機会にこうした懸念を韓国側に伝えてきたところであります。
しかしながら、これまでのところ、韓国において是正の動きは見られておりません。
このため、先月、海事局と韓国産業通商資源部との局長級協議を実施いたしまして、韓国に対して、わが国の懸念を改めて伝えるとともに、この問題の友好的かつ迅速な解決の必要性を強く訴えました。
しかしながら、韓国政府は、こうした支援措置は政府の介入によるものではなく、また市場歪曲性もないとするこれまでの説明を繰り返しております。
この結果を踏まえまして、国土交通省では、WTO協定に基づく紛争解決手続きを進めることも含めまして、関係省庁とともに最終的な調整を行っているところであります。

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