大臣会見

石井大臣会見要旨

2019年9月10日(火) 10:40 ~ 11:04
国土交通省会見室
石井啓一 大臣

閣議・閣僚懇

 本日の閣議案件で、特に私の方から報告するものはございません。
以上でございます。

質疑応答

(問)昨日、首都圏に直撃した台風についてお聞かせください。
今回は通勤時間帯にも影響があったということで、鉄道各社は計画運休を実施しました。
この計画運休について大臣の評価と今後の課題、検証すべき点などあればお願いします。
(答)鉄道の計画運休につきましては、本年7月のとりまとめ等を踏まえ、各鉄道事業者において取組が行われているところです。
規模が大型であった先月の台風10号の際には、例えばJR西日本は山陽新幹線について、2日前に計画運休する可能性があること、前日には具体的な計画運休について公表しました。
これにより、利用者は旅行日程を変更する等により、大きな混乱はなかったものと承知しております。
今回の台風15号では、10号に比べると台風の規模は大きくないものの、日本に接近するに従い勢力を強める予想であったことから、例えばJR東日本は、計画運休の案内を8日の夕刻に行いました。
具体的には、9日の始発から8時頃まで運転を見合わせること、安全確認の結果、被害等が認められた場合は運転再開までに更に時間を要する可能性があること、運転再開後も通常より運転本数は大幅に減る予定であることなどを多様な手段と多様な言語で公表していました。
この台風では、気象庁が記録的な暴風雨と予報したとおり、鉄道においても、強風によって倒木、線路沿線の仮設物の倒壊、飛来物による架線への支障等、多くの被害が発生しました。
このため、運転再開までに時間を要し、また、運転再開後の列車本数も少なかったことから、多くの駅で入場規制が行われました。
こういった状況を踏まえますと、JR東日本による前日の公表内容は適切であったと考えますが、これが利用者に十分に周知されていたかどうか、また、他の民鉄事業者による情報提供も適切に行われていたか等について、しっかり検証する必要があると考えております。
このため、JRや大手民鉄等の鉄道事業者を集めた会議を近々に開催し、今回の台風における各社の対応や今後の課題等について意見交換を行う予定です。
国土交通省といたしましては、今回の台風15号の対応を含めたこれまでの計画運休を振り返りながら、より適切な計画運休が行われるように取り組んでまいります。

(問)今回の台風で工事現場にあった足場などが強風によって崩れるといった被害が相次いだのが目立ったかなと感じているのですが、これについて大臣はどう受け止められているか、また、今後の安全対策などについて御検討されていることがありましたら教えてください。
(答)確かに、報道で何箇所か工事用の仮設足場等の倒壊がありました。
気象庁も前日、記録的な風雨というふうに予想を発表しておりましたので、それぞれの現場で対応していたかと思いますが、今回の事象もしっかりとまた振り返って、更に安全対策を講じられるようにしていきたいと考えています。

(問)先ほどの計画運休についてもう1点お伺いしたいのですが、言われたように、再開後にやはりそれぞれの駅に多くの人が集まって混雑したということで、鉄道業界だけの取組では混乱を防ぐという部分では限界もあると思いまして、企業や学校や役所なども柔軟な出勤、台風一過のあとはすぐに出勤しないだとか、在宅で勤務するだとか、そういうような考え方も必要になってくるのではないかと思いますが、企業・学校・役所を含めて社会全体での取組の必要性など、大臣の御所感についてお伺いできたらと思います。
(答)私も報道で拝見しましたが、元々テレワーク等を進めていた企業等では、今回の台風の通勤等においても柔軟な対応ができたという報道もあったかと思います。
これは国土交通省の所管の範囲は超えるかもしれませんが、社会全体で柔軟な働き方を考えるという中で、今回の台風のような事案に適切に対応できる可能性もあるのかなと感じたところであります。

(問)台風に関連して、昨晩から今日にかけて、成田空港で1万3000人以上の方が足止めして、一晩明かすというようなことがありまして、鉄道とか高速道路がずっと長く通行止めになったことが原因ということなのですが、どうしてこういうことになってしまったのか、国として空港会社なりに何か指示とか対応を何か言っていたのか、今後どのような対策・対応が必要になっていると考えているのかお聞かせください。
(答)昨日、台風15号通過の影響で、鉄道の運休や高速道路の通行止めが発生したことにより、成田空港からのアクセスに支障が生じました。
昨日は、復旧した鉄道による輸送の他、バス事業者にも協力を求めて深夜まで都心行きの臨時バスを運行するなどして対応したものの、結果として約1万3300名の方が空港に滞留することとなりました。
本日始発よりは、空港からの交通機関は概ね通常運行となって、滞留者も徐々に減っていると承知をしております。
なお、やむを得ず滞留された方々に対しては成田空港株式会社において、交通状況についての案内の他、飲料水、軽食及び寝袋の配布、携帯電話の充電設備の増設、有料の休憩室の開放等の対応を行ったところであります。
その際、外国人旅行者の方にも正確な情報が伝わるよう、これらの情報について多言語による発信を行ったと聞いております。
国土交通省といたしましては、成田空港株式会社とともに今回の事象について検証を行って、しっかり今後の同様の事例が生じた場合の対策を検討していきたいと考えています。
(問)今のところで、今後検証していくということなのですけれども、現状で、国なり空港会社なり航空会社なりで、どうすればよかったのかというのが、いまいち見えていないというか、分からない部分があって。
(答)どうすればよかったのかというのは、しっかり検証した上で、今後の対策として考えていきたいと思っています。
(問)その辺はまだお考えてとしても、まだ国としてもどうというところは、何とも言えないというところですか。
(答)いろいろな情報は断片的には入っていますけれども、しっかりと振り返りを行いながら、その中で今後の教訓を見出していきたいと考えています。

(問)関連して、計画運休に関しては鉄道会社を集めた会議を近々に開くということと、成田空港会社等々と検証を行う、これは2つがそれぞれで行うということでしょうか。
(答)基本的にはそれぞれで行うことになりますけど、関連するところもありますから、航空局と鉄道局でしっかりと情報交換しながら、全体的にどうあるべきかということを検討していきたいと思います。
(問)少し広めの考え方をする、鉄道の話だけでなく空港の話も関係する部分ではきちんと検討していくということですか。
(答)空港のアクセスということについて言えば、鉄道は非常に重要なアクセスですから、そういったことも含めて連携しながら検証しなければいけないと思っています。

(問)今の空港の問題ですが、ここのところ羽田空港に対して増便の許可が下りたということで大変うれしいと思っています。
この原因は航空会社だけではなく国土交通省の方にも大いにあるのではないかと思います。
私は都庁の記者なので都営地下鉄についてはよく話すのですが、今、成田空港と羽田空港を結ぶ京急電鉄、この間事故を起こしましたが、あれは起こるべくして起こったと思います。
本当にむちゃくちゃな鉄道の、いわゆる交通の、電車が走っていると。
私は港区に住んでいますので、いつも銀座に出ますのには東銀座、歌舞伎座のところで降りるのですが、今、京急電鉄は千葉県と神奈川県との間を、空港だけではなくて4カ所か5カ所違うところを結んでいるものですから、快速又は特急が地下鉄の路線を走っていて、3本に1本は従来止まっていた駅に止まらない。
例えば、この間も外人のお客さんをお世話しました。
(答)京成電鉄の方ですか、京浜急行の方ですか。
(問)京浜急行です。
(答)成田空港は関係ないということですか。
(事務方)京浜急行から都営浅草線を通じて押上から京成電鉄に入って、相互乗入をしています。
成田空港と羽田空港を1本で行けるものもあります。
(問)4・5本の快速や特急が地下鉄の路線、都営浅草線を走っているのです。
ものすごいスピードで、今まで外人のお客さん、この間も御案内しましたけれども、東銀座で降りなくちゃいけない新宿からのお客さんを御案内しようとしたら、新橋を出ました後、東銀座で止まらない。
次の日本橋まで2駅も飛ばして、日本橋で降りたのです。
外に出まして、地下に下りて、また170円払わされて戻ってくると。
外人のお客さんもびっくりしていましたが、しかもホームドアも全然ない。
なぜだろうと。
都営地下鉄の場合も、大江戸線はホームドアができているのに、そこだけはできていない。
聞いてみましたら、浅草線は東京都の運営だからということですけれども、しかしやはり交通局ということで、国土交通省がいろいろと管理されているということです。
というようなことで、何か一般消費者がものすごく、これから来る外人の方も迷惑するのに、これはそのまま放ったらかしで、ホームドアもなしで時速何キロの特急や快速が地下鉄の路線をぶっ飛ばしているという毎日です。
止まらないで、こういうのが続いているのです。
これ、何とか一つ、大臣、1度乗っていただいて、考えていただければと思っております。
(答)ホームドアにつきましては、現状、利用者が1日10万人以上の駅を優先的に整備するということで、原則として10万人以上の駅は2020年度までにホームドアを整備するという目標で進めておりますが、現在、ホームドアの整備について2021年度以降の新たな目標を検討しておりますので、引き続き駅ホームの安全性の向上はしっかりと取り組んでいきたいと考えております。

(問)先ほどの台風の計画運休とそれから空港での検証というお話しがありましたけれども、計画運休によって、鉄道が麻痺して車を使う人が増えたと、昨日は上も下も大渋滞になってしまったというような話も聞いています。
ですから、空と鉄道、道路交通も含めた、首都圏のこういう台風が起きたときの交通網全体を検証する必要があるのではないかと思いますが、大臣のお考えをお聞かせください。
(答)高速道路もかなり通行止めになりましたので、今後、事前の発表のやり方については検討してもいいのかな。
鉄道の計画運休に習って、通行止めの可能性があるということについて、あらかじめお知らせしておくということは大切なことかもしれませんので、これは道路局中心に検討させたいと思います。

(問)話題変わって恐縮なのですが、2015年に茨城県にある鬼怒川の堤防が決壊してから今日で丸4年になったと思うのですが、改めて4年になったことの受け止めと、それに伴って、現在、国土交通省などで行われています、いわゆる「鬼怒川緊急対策プロジェクト」が来年度末で終了予定というところで、改めて残り1年間に向けての、対策の完結に向けた省としての決意をお聞かせ願えればと思います。
(答)平成27年9月の鬼怒川の決壊は、関東地方で直轄管理河川として約30年ぶりに決壊、氾濫をしたということで、非常に大きな氾濫でありました。
住民の方々も鬼怒川が決壊することを想定していらっしゃらなかった。
私も翌日、現地に入って多くの方に聞きましたけれども、まさか鬼怒川が決壊するとは思わなかったということで、結果的に多くの方が逃げ遅れて、ヘリコプターによる吊り上げ救助ですとか、あるいは自衛隊による船での救助等、多くの方が取り残されたということで、この関東・東北豪雨がきっかけとなって「水防災意識社会再構築ビジョン」を作るきっかけになったということでも、ある意味で非常にエポックメイキングな災害であったと思っております。
鬼怒川の今のプロジェクトにつきましては、概ね5年程度を目途に完了させるという目標を掲げて対応しておりますので、来年度の完了、ハード整備はしっかりと完了させる。
ただ、この再構築ビジョンというのは、ハードのみならずソフト対策、特に鬼怒川流域では初めてマイ・タイムラインの作成という新たな取組もやりましたし、また、プッシュ型のいろいろな情報を提供するということも初めて行いました。
ソフト対策はこれからもしっかりとやり続けなければいけないと思っておりますので、ハード・ソフト相まって、安全性の向上にしっかりと取り組んでいきたいと思っています。

(問)先ほどの計画運休のことで改めて教えていただきたいのですけれども、まず、一般的に計画運休というのをどのように捉えていらっしゃるかということと、先月の10号、今回と、計画運休を鉄道各社が出すこと、どんどん出しているのが一般的になってきているように思うのですが、こういう動きについてどのように捉えていらっしゃるか御所感をお願いします。
(答)計画運休は、あらかじめ災害、豪雨等々で運休が予定される場合に、被害があってから、あるいは、事象が起きてから運休するのではなくて、あらかじめそういう事象が予想される場合には、前もって乗客の皆さん、住民の皆さんにお知らせをして、運休をする可能性があるということを連絡しておいて、運休をするものです。
もしかするともっと正確な定義はあるかもしれませんけれども、そういう捉え方なのかなと思っております。
ある意味で、直前に情報を発信すると多くの皆さんが混乱する。
電車が動いているかと思って駅に行ってみたら動いていないということで多くの方が滞留したりすると、これはむしろ危険性が増すということもありますから、あらかじめそういった状況が分かる場合は、運休の可能性等についてもあらかじめお知らせをしていくということは、非常に意義があるということかと思います。
先ほど申し上げましたように、今年7月に計画運休について国土交通省としてもとりまとめ等を行っておりますので、それに基づいて今後もいろいろな事象における教訓も踏まえながら、ブラッシュアップをしながらやっていきたいと思っています。

(問)話題変わりますけれども、昨日、鉄道局長が佐賀県を訪ねられまして、先日の大雨の被災現場とか九州新幹線の工事箇所等を視察されまして、それに併せてフル規格化に反対している佐賀県知事に面会を申し出て断られたということがありました。
地元では大雨の視察と併せての面会要望に疑問の声も出ていたりもしますし、今後、協議のスタートに向けてどのように進めていかれるお考えかお聞かせください。
(答)昨日、鉄道局長が佐賀県を視察いたしましたが、視察に際して、知事との面会の可否について事務的に打診したところですが、当然のことながら、災害対応中に無理にお会いしたいとの趣旨ではなく、知事との面会については改めて今後調整したいと考えています。

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