大臣会見

赤羽大臣会見要旨

2019年11月12日(火) 9:26 ~ 9:41
国土交通省会見室
赤羽一嘉 大臣

閣議・閣僚懇

 閣議案件については、報告はございませんが、そのほかに1点御報告をさせていただきます。
11月9日から10日にかけて沖縄を訪問させていただきました。
9日は沖縄県知事、那覇市長とともに首里城の火災の状況を視察し、また、10日は那覇航空基地、那覇港クルーズターミナル、那覇空港を視察するとともに、午後、那覇港国際クルーズ拠点整備事業起工式へ出席をさせていただきました。
首里城につきましては、沖縄の皆さまの誇りであり、心の支えでもあり、また、歴史と文化の象徴である建物が焼失したその現場を見せさせていただきまして、改めて私自身も大きな衝撃と深い悲しみを感じたところでございます。
6日の「首里城復元のための関係閣僚会議」では、衛藤内閣府特命担当大臣とともに副議長を仰せつかったところであり、また、国営公園の責任者、観光の担当大臣として、地元の皆さまの御意見を伺いながら、しっかりと復元に向けて全力を尽くしてまいろうと決意したところでございます。
また、海上保安庁の那覇航空基地では、航空機を使用した業務の視察を、那覇港では、クルーズ船の受入の現状について視察をさせていただき、その後「那覇港国際クルーズ拠点整備事業」の起工式に出席をいたしました。
沖縄を訪れるクルーズ船が大変増えておりまして、国土交通省としましてもしっかり取組を進めていきたいと考えております。
那覇空港では、先月本体工事が完了した新管制塔から滑走路増設事業を視察させていただきました。
埋め立て工事や護岸工事、管制塔本体の工事は既に完了し、滑走路の舗装工事や無線・灯火工事等も終盤を迎えておりまして、今年度末の供用に向けて、順調に工事が進捗しております。
その後、本年3月に供用した際内(さいない)連絡施設を視察させていただいたところでございます。
私からは以上でございます。

質疑応答

(問)本日が台風19号の上陸から1か月になります。
台風の際は、国土交通省のウェブサイトである「川の防災情報」へのアクセス集中や各種警報情報の発信・伝達に課題があったと思われます。
大臣もこれまで会見で検証を行うお考えを示されていると思いますけれども、洪水時の情報発信や伝達の改善について、検証をどのように進めていかれるお考えでしょうか。
(答)今回の災害で、「川の防災情報」へのアクセスが集中してダウンしてしまったことですとか、また、「氾濫発生情報」の未発表を起こしてしまったことや、それぞれ被災自治体とのやり取りの中で混乱があったこと、大雨特別警報解除後の洪水への注意喚起のあり方等、今回の災害を通して情報の発信・伝達における課題が残ったのは事実であります。
そのため今回の課題を検証して、対応案を検討するために、水管理・国土保全局と気象庁による検証チームを省内に設置することといたしました。
検証チームは、現場の実態をよく確認し、要因を検証して、真に住民の皆さまの避難につながる情報発信について、しっかりと検討してまいりたいと考えております。
第1回の会議は、今月14日木曜日に行う予定としております。
詳細は事務方にお問い合わせいただきたいと思います。
また、今回の台風災害で様々な問題が浮き彫りになっておりまして、まず、中小河川も含めた堤防強化の方向性ですとか、ダムの洪水調節のあり方、土砂災害時の警戒避難体制づくりなど、今回の台風19号で明らかになった河川・気象情報の改善以外の課題についても、有識者や関係機関と検討を進めて、先日設置した、社会資本整備審議会河川分科会「気候変動を踏まえた水(みず)災害(さいがい)対策検討小委員会」の場でもしっかりと御議論いただいて、今後の改善につなげてまいりたいと考えております。

(問)台風19号の関係で、先日報道もされていますが、宮城県の丸森町(まるもりまち)の堤防の決壊箇所のほとんどが内水氾濫などによって堤防の外側から削られるという状況があることがわかりました。
国管理河川でも一部そういった状況があるようですけれども、改めて堤防の強化の具体策についてお考えをお聞かせください。
(答)今冒頭の質問にもお答えしたところでありますが、今回の破堤した箇所は140箇所に上りまして、それぞれの要因分析が必要だと思っております。
その要因分析なくして復旧方法もなかなか決めにくいということで、各地方整備局の下で、それぞれの水系、例えば、阿武隈川堤防調査委員会、これは第1回を10月16日から始めており、鳴瀬(なるせ)川(がわ)、荒川水系、那珂川(なかがわ)・久慈(くじ)川(がわ)堤防調査委員会や、千曲(ちくま)川(がわ)堤防調査委員会、宮城県の有識者会議等々、それぞれ有識者会議を始めていただいております。
丸森町だけではなくて、内水が原因となったことによって、今回の災害が起こったところも他にもあるのではないかと思っております。
そうしたことも踏まえてよく分析をして、これまでの想定にとらわれずに、どのようにして越水や決壊が発生したのか、しっかりと分析をし、対策を取ろうと考えております。

(問)昨日、岡山県と香川県を結ぶフェリーを運航している四国急行フェリーが、12月16日からのフェリーの休止届を出したのですけれども、この航路100年以上ずっと続いていた航路で、地元では非常に大きな衝撃をもって受け止められているのですが、それに対する大臣の受け止めと、採算の悪化が1番大きな休止届の要因なのですが、それに対して今後国として支援する方向性だとかがもしあればお願いします。
(答)宇野-高松航路のことですよね。
昨日、今お話がありましたように、事業者より事業の休止届出が四国運輸局宛に提出されました。
宇野-高松航路について、利用者の減少等により大変厳しい経営状況にあると承知しております。
今後、11月15日に地元での連絡協議会が開催されることになっておりますので、利用者の利便の確保など課題が残ると思いますから、今後必要な対応について協議されることと承知をしているところです。
引き続き、連絡協議会での議論を踏まえながら必要な対応を検討してまいりたいと思っています。
地元の皆さまの声もよく聞いて、善処していきたいと思います。

(問)冒頭にあった水管理・国土保全局と気象庁による検証チームですが、主な論点や結論をとりまとめる時期の目安についてお聞かせください。
(答)論点は先ほど申し上げたように相当広いのですけれども、堤防に関する検討会、様々な要因分析をして、それぞれの水系で状況も随分違うと思いますので、大変時間もかかると思います。
また、ダムの洪水調節に関して、この前の記者会見でもありましたけど、事前に放流することについて、利水をされている業者の方の理解をどう得るかの仕組みづくりも含めて検討されると思いますし、土砂災害の防止対策小委員会では、先ほど申し上げましたがマイタイムライン等、自助・共助・公助の中の警戒避難体制づくりの強化をどうするのかということです。
検証スケジュールは、先ほど申し上げた11月14日に河川・気象情報の改善に関する検証チーム第1回目の検証会議を行って、来年の2月までしっかりと回数を重ね、政府全体の検証作業とも連携しながら、今のところ来年の3月にとりまとめて報告をさせていただきたいと考えています。

(問)気象庁との検証チームの話と堤防やダムとかの関係と両方ありましたけれども、堤防、ダムの関係は、社会資本整備審議会の小委員会で別々となるということですか。
(答)事務方から正確にお願いします。
(事務方)河川と気象情報に関する検証につきましては、大臣から御発言がありましたように、今週14日木曜日に検討会議を行います。
そちらの方での検討事項としましては、河川・気象情報に関することということで、実際に今回問題になりました決壊や越水が発生した時の情報発信のあり方ですとか、大雨特別警報解除後の情報提供であるとか、それ以外の「川の防災情報」へのアクセス集中対策も含めた河川情報提供の改善・充実、こうしたものにターゲットを絞って検討を進めてまいる予定です。
また、それ以外の堤防の検討ですとか、土砂災害の検討ですとか、ダムの検討につきましても、まだ具体的には固まっていませんけれども、個々に検討を進めてまいりまして、これらのことについては、社会資本整備審議会の小委員会の方にも適時御報告しながら、そちらの有識者の方に御審議いただきたいと考えているところです。

(問)質問等に関連して2つお願いします。
1つは首里城ですが、報道で見る限りでは、知事も地元も、早期の復興・復旧をということでしょうが、やはり火災の原因分析とそれに伴う責任問題なくして、お金を安易に国民全体のお金から出していいのかどうかということはぜひ議論していただきたい。
大臣はどう思うか。
それから、宇高連絡船、宇高フェリーもそうなのですけれども、やはり本四連絡橋を3本誘致する際に、大臣も先日言ったとおり一定程度の補助金が出ていますし、こうなることはある意味見えていた話であると。
休航するからまたお金を出せと、地元はそのように言うのでしょうけれども、橋を作っておいて、そのお金も地元も出さない、今度はフェリーが傷んだらフェリーのお金を出せと。
これはあまりにも我田引水、地元びいきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
(答)1つ目の首里城の件ですが、今、警察と消防において原因の調査を行っております。
まだ、現時点では原因特定に至っていないと承知していますが、原因の特定をしないと、例えば、保険の問題も解決しないでしょうし、様々なことが進まないと思いますので、その結果を待って、その結果をしっかり尊重しなければいけないと思います。
そのことが大事だということです。
国としましては、先ほども申し上げたとおりですけれども、国営公園である以上、また、首里城の位置づけの重さ等を考えるときに、しっかりと国としてできることは精一杯やりたいと思っています。
もう1つの件は、そういう御意見もあるかとも承知しています。
現状のことを地元の皆さんと、協議会を通しながら、しっかりと意見を交わしながら、結論を導いていただきたい、協議を進めていただきたいということです。

ページの先頭に戻る