大臣会見

赤羽大臣会見要旨

2020年2月21日(金) 9:35 ~ 9:54
国土交通省会見室
赤羽一嘉 大臣

閣議・閣僚懇

 本日の閣議案件につきまして、特に私の方から御報告するものはございませんが、新型コロナウイルス関連で2点報告させていただきます。
1つ目は、ダイヤモンド・プリンセス号の対応についてです。
ダイヤモンド・プリンセス号の乗客で入院されていた2名の方が昨日お亡くなりになりました。
お亡くなりになった方々の御冥福を心からお祈り申し上げますとともに、御遺族の皆さまにお悔やみ申し上げたいと思います。
また、現在、入院されている方々の皆さまの一刻も早い御回復を心からお祈り申し上げる次第です。
ダイヤモンド・プリンセス号については、皆さん御承知のように一昨日19日から、順次、乗客の方々の下船が始まっています。
国土交通省では、関係省庁や船会社との間での円滑な下船の実現に向けた調整、下船した方々が移動するためのバス車両の確保に全力を挙げてまいりました。
計61台のバス車両の確保に御協力をいただいた全ての事業者、関係者の皆さまに、この場を借りて改めて心より感謝申し上げたいと思います。
また、武(ぶ)漢(かん)市をはじめ湖北(こほく)省在住の在留邦人の方々につきまして、第一便で御帰国された皆さまにつきましては、千葉県勝浦市のホテル三日月様の特段の御協力をいただきまして、健康観察のため同ホテルに御滞在いただいておりましたが、2月13日に全員皆さま無事に御自宅に戻られたところです。
本日の午後、勝浦市長、また、ホテル三日月の皆さまのところに訪問させていただきまして、感謝と御礼の気持ちを直接お伝えする予定ですが、同ホテルと勝浦市に改めて感謝を申し上げたいと思います。
加えまして、在留邦人の皆さまの御帰国に際しまして、御協力、御支援いただきました航空事業者、バス事業者を含む全ての関係者の皆さまに対し、重ねて御礼、感謝を申し上げる次第です。
これまでのところ、乗客の皆さまの下船は円滑に行われておりますが、本日以降も、国土交通省として乗客の方々の下船がスムーズに行われるよう、関係省庁と連携の下でしっかりと対応してまいりたいと思っています。
2つ目は、公共交通機関における感染拡大防止策の徹底についてです。
公共交通事業者にはこれまでマスクの着用、また、手洗い・うがいの励行、検温のお願いと感染拡大防止策の徹底をお願いしてまいりましたが、その中で16日に日本交通の営業所に視察に伺った際に、マスクの確保が大変難しくなっているという御意見をいただきました。
国土交通省では、14日より厚生労働省及び経済産業省との間で公共交通に従事する方々のマスク確保について調整を進めてまいりました。
今般、厚生労働省におきまして、日本衛生材料工業連合会と御調整いただきまして、まずは12000枚のマスクをタクシー事業者に御提供いただけることになりました。
本日21日、タクシー事業者の団体に発送させていただく予定です。
早急に御対応いただきました関係者の皆さまに感謝申し上げたいと思います。
更なるマスクの確保に向けて、引き続き関係省庁、関係団体と調整を進めてまいりたいと思っております。
私からの報告は以上です。

質疑応答

(問)先日、1月の訪日外国人旅行者数が発表になりまして、4ヶ月連続の減少となりました。
これについての大臣の受け止めと2月以降の新型コロナウイルスによる影響の見通しについてお伺いしたい。
さらに新型コロナウイルスの影響を踏まえると、今年の訪日客4000万人の目標達成は難しいのではないかとの見方もありますが、このあたりについての大臣の御所見もお願いします。
(答)今のお話のとおり、本年1月の訪日外国人旅行者数は、対前年同月比マイナス1.1%、266万1千人となりました。
韓国におきまして、昨年から続く訪日旅行控えや日韓航空路線の運休、減便により、大幅なマイナスが続きましたが、その他の国・地域については、1月については順調にプラスに推移しておりました。
しかしながら、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴いまして、中国政府が1月27日から海外への団体旅行等を禁止したことをきっかけに、訪日中国人旅行者が大幅に減少したこともあり、1月の訪日外国人旅行者数が総数でマイナスになりました。
今後の見通しにつきましては、まず、現状航空便につきましては、日中航空路線の便数が新型コロナウイルス感染症の事案発生前と比べて約8割減少しており、今後の需要次第で更なる減便が予想されるところです。
また、クルーズ船につきましても御報告しているところですが、2月に日本に寄港予定であった14隻の外国船籍のクルーズ船のうち、13隻でツアーが中止となっております。
加えて、他の国・地域におきましても、海外旅行自体への自粛ムードが生まれているという影響も出ているところです。
加えて、国内に目を転じましても、日本人旅行者の旅行の手控えも進み、各地の運輸局の窓口から様々ヒアリングをしているところですが、各地の観光産業にも宿泊キャンセル等の影響が相当色濃く出ております。
大変厳しい状況になっておりまして、ホテル、旅館業界だけではなくて、関連のバス事業者、タクシー事業者の方々からも、売上げが落ちて経営状況が悪化している、雇用の確保が難しいといった深刻な声も伺っているところでございます。
こうした事態を受けまして、まず目の前の支援策として、資金繰りと雇用の手当ということで、セーフティーネット貸付制度の要件緩和等による資金繰りの支援、また、雇用調整助成金制度の要件緩和による雇用の確保にしっかりと全力で取り組んでまいりたいと思います。
休業されているところも出てきておりますが、今回の事案で廃業する業者が出ないようにしっかりと守っていきたいと思っております。
加えて大切なことは、感染の拡大防止でございまして、冒頭申し上げましたように、公共交通機関や宿泊事業者等の観光関連事業者に対して、改めて、マスクの着用、手洗い・うがいなどの励行などの感染予防対策の徹底を重ねて要請していきたいと考えております。
また加えて、正確な情報発信を努めることで、風評被害の発生防止に全力を挙げて取り組んでいきたいと考えております。
今1番最大の支援策というのは、私は、この感染拡大を防止したと終息宣言をできるだけ早くできるようにということを、政府また官民一体となって取り組んでいくことが1番の支援策だと思いますが、同時に、来たるべき時に反転攻勢ができるように、今年は東京オリンピック・パラリンピック開催年でありますし、日本各地の魅力、また正しい情報をしっかり発信しながら、適切な時期に、機を捉えたプロモーションをしっかりと強力に展開してまいる覚悟でございます。
政府の目標については、今年の4000万、また10年後の6000万という大変大きな目標でございます。
若干の凸凹はあるかもしれませんが、この目標を掲げながら、いろいろな事がこれからあると思いますけれども、足腰の強い観光政策を育てていくということも国土交通省として大変重要なテーマだと思っておりますので、一喜一憂せずに目標に向かって進んでいけるようにしっかり取り組んでいきたいと考えております。

(問)新型コロナウイルスによる観光への影響への関連でお尋ねなのですけれども、日本の宿泊施設については、観光庁でもキャンセル等の影響の調査を実施されていたかと思います。
数字は公表できないということでしたけれども、先ほども取り上げられていたように、事業者からの声などで何か代表的なものを教えていただけるものがあればお聞かせいただけますでしょうか。
(答)様々な声があり、地域によって、その同じ地域でもインバウンド中心の旅館、ホテルもあれば、そうではないところもあり、同じ観光地でもいろいろな声があるのは事実ではありますが、まず中国人の旅行者のキャンセルが相当響いているというのは相当いろいろな地域で出ております。
加えて、中国人の旅行者のキャンセルだけではなく、日本人旅行者のキャンセルや、今後の予約を見送る動きが顕在化しているというのを心配しております。
そうしたことから、経営者も大変、このまま長引くと経営が維持できるのかといった声がある中で、先ほど御紹介申し上げましたように、セーフティーネット貸付のことや、なかなか今人手不足ですから、ここで従業員の皆さんをリリースすると、回復するときに実際は人手を集めることができないということも現状の状況かと思っておりますので、雇用調整助成金を利用する際の緩和もされておりますので、そうしたことをこちらからも周知徹底して、先ほど申し上げましたように、この一連の中で廃業されるような業者が1件も出ないようにしっかりやっていかなければいけないと思っております。
そうした現場では、従業員の皆さんと、よく報道でも、バス会社、貸切バス事業者の運転手さんに対して経営者が直接話しているニュースもありますが、そういうサポートの手段もあるんだということも、しっかりとプッシュ型で徹底をしていかなければいけないと思っています。
現状2月21日現在で、宿泊事業者やバス事業者、タクシー事業者から寄せられた81件の御相談、また逆に、プッシュ型で地方運輸局から全国207の宿泊事業者、全国142の観光施設、そして47都道府県全ての旅館、ホテル組合の皆さんにヒアリングをかけているところでございまして、今言ったようなことが代表的な声であります。
しっかり、人ごとではなくて、それぞれの業界の皆さま一軒一軒に寄り添って親身に御相談に応じていきたいと考えております。

(問)羽田空港の飛行試験について伺います。
先日、実機試験が終了して、その後の騒音の影響であったり、一部の海外航空会社が着陸を見送ったということに関して、本格運用までに追加の対策があれば教えてください。
また、今のところ3月29日から本格運用開始という方針に変わりはないかというのも教えてください。
(答)羽田空港の新飛行経路の運用開始・国際線の増便に向け、管制官が新飛行経路の運用手順等を確認するほか、新たに設置した航空機騒音測定局の調整を行うため、北風・南風それぞれ7日間、実機飛行による確認を行いました。
実機飛行確認中には、住民の皆さまから「航空機の騒音が大きい」とか「見た目の圧迫感が大変ある」という厳しい声も寄せられているところでありまして、まずこの点についてしっかり真摯に受け止めてまいりたいと思っております。
また、騒音測定結果も含めて、様々な実機飛行確認の結果について現在精査中でありまして、できる限り早期に公表することを予定しています。
加えて、これまで説明した騒音レベルを著しく上回る結果となった場合、そうした地点があった場合には、原因究明をしっかり行うとともに、必要に応じて新たな騒音対策等を検討していかなければいけない、現時点では3月29日からの新飛行経路の運用開始に向けて、地元の皆さまの理解が深まるように更に努めてまいりたいと思っております。
また、この中で、航空機の運航に関する専門家にも確認をいただいておりますし、今回、実機飛行に実際乗られたパイロットの皆さまからも様々な御意見も聞かせていただいております。
本年夏ダイヤからの新飛行経路の確実な運用を行うために、羽田空港に乗り入れる全ての外国の航空会社に対しまして、新飛行経路の運航に関する準備状況について確認を進めるとともに、運航上の留意点について改めて周知・徹底して安全を図っていきたいと考えております。
現時点では以上です。

(問)昨日、札幌雪まつりの会場にいたスタッフで、2人目の新型コロナウイルスの感染者が発表されまして、国内の観光現場で感染例が続けて出ています。
日本人の旅行控えの動きもありますけれども、今後、観光振興と感染予防をどう両立すべきなのか。
また、日本人は国内旅行でどのように行動すればいいのか、大臣の御所見をお願いします。
(答)昨日20日、厚生労働大臣からイベント等の開催について、その必要性を改めて検討いただきたいということと、アルコール消毒薬の設置などの対策をしっかりと講じるように、という発表があったことを承知しております。
それに加えて、観光地だけではありませんけれども、一般の企業についても、テレワークや時差通勤の関係者への協力、国民全体ですが、うがい・手洗いの励行ということも重ねてお願いしたところであります。
国土交通省といたしましても、観光業界、加えて交通関連業界、所管業界に広く周知し、感染拡大防止のための取組を要請しているところでありますし、重ねてやっていきたいと考えております。
他方で、我々観光振興を推進する立場でありますが、どうしてもこうした不安が拭えないと観光というのはなかなか結果が出てこないと思いますので、まずは国内感染防止対策を徹底するということが大事で、1日も早く終息宣言ができるように、政府の一員として、国土交通省として今やるべきことを協力してやっていきたいと、加えて、若干風評被害ということも心配しております。
対策も取っておりますし、懸念しているのは、クルーズ号で随分感染者が出ているということで、日本全体で相当な感染者の数が増えているというような誤解をされている国も出てこないとも限りませんので、そうしたことは正しく発信していかなければいけないと。
加えて、それぞれの観光地の皆さまは、拡大防止や風評被害発生に対して大変注意もされておりますので、そうした現場の皆さまとしっかり協力しながら、国として何が支援できるかということも連携を密にしながら、来たるべき観光シーズンに向けて、地域で観光政策はすばらしいことだと思っておりますので、楽しんでいただけるような環境作りを1日も早くできるように、今できることを1つ1つしっかりとやっていかなければいけないと考えております。

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