大臣会見

赤羽大臣会見要旨

2020年6月26日(金) 10:34 ~ 10:46
国土交通省会見室
赤羽一嘉 大臣

閣議・閣僚懇

 本日の閣議案件で、私の方から1点報告があります。
本日の閣議で、「令和2年版国土交通白書」を配布させていただきました。
令和2年版国土交通白書では、本年が国土交通省の発足から20年目の節目に当たることなどから、「社会と暮らしのデザイン改革~国土交通省20年目の挑戦~」をテーマとして取り上げました。
国土交通省発足からこれまでの我が国を取り巻く環境変化と、それに対する取組を振り返りつつ、今後、国土交通省が向き合うべき課題として、激甚・頻発化する災害への防災・減災、老朽化対策などの対応や、地域の移動手段の確保等を取り上げるとともに、取組の方向性を展望しております。
また、現下の課題であります新型コロナウイルス感染症への対応の状況について、特集として記述しております。
詳細は事務方にお問い合わせください。
私からは以上です。

 

質疑応答

(問)リニア新幹線静岡工区についてですが、今日の午後に静岡県知事とJR東海の社長が面談をする予定となっておりますが、大臣が両者の会談に期待することはどのようなことでしょうか。
(答)本日の午後、リニア新幹線静岡工区について、静岡県の川勝(かわかつ)知事とJR東海の金子社長が会談されることは承知しております。
国土交通省といたしましては、リニア中央新幹線の早期実現と、その建設工事に伴う水資源と自然環境への影響の回避、軽減を同時に進めていくことが重要だと考えております。
そのためにも知事と社長が直接お話をされ、意思疎通されることは大変有意義ではないかと考えております。
本日の会談が、率直な意見交換をされ、実りのあるものになることを期待しております。
 
(問)大臣は先日佐賀県を訪れまして、九州新幹線西九州ルートの整備方式がまだ決まっていない区間を視察されました。
希望されていた佐賀県知事との面会はなかったようですけれども、改めて視察の御所感と先日提案されたアセスも含めて今後どう進めていくのかお考えを聞かせてください。
(答)24日からの2日間、佐賀県、長崎県において、九州新幹線関係施設の視察を行いました。
これ以外にも、観光関連事業者の皆さんとの会談を、その前の大分県、佐賀県、長崎県とそれぞれ3日連続で、新型コロナウイルス禍における観光関連事業者の現場の声を聞かせていただくことがメインで行ったわけですが、佐賀県、長崎県の九州新幹線関係施設の視察も行わせていただきました。
それに加えて、佐賀駅から武雄(たけお)温泉(おんせん)駅まで在来線の特急にも乗車させていただきました。
昨年9月に大臣に就任した直後に、佐賀県の六角(ろっかく)(がわ)の大水害が起こり、現地視察をさせていただきましたが、今回改めて在来線特急に乗ったときに、この在来線の近くに水害現場があったことを認識しました。
加えて、率直に申し上げて、佐賀駅から武雄温泉駅の間はほとんど水田の中を走っているような状況で、加えて横に天井川的な河川が走っていて、水があふれるとおそらく鉄道は不通になるような状況になってしまうのではないかと大変心配したところです。
武雄温泉駅の方に行くと、今、新幹線の駅もあるということも関係して高架化が進んでいますので、あの周辺に行くとそうした心配がなくなりました。
近年、全国各地で災害が起こりましたが、新幹線は災害に強いということが、最近改めて認識されているところで、そうした意味で、コンディションのあまりよくない平地のところで、揺れも激しいので、在来線の特急は、防災・減災の観点からも、改善の余地があるのではないかということも強く感じたところです。
建設中区間の各所におきましては、まず、令和4年度の開業に向けて建設工事が進むとともに、駅周辺の開発についても、それぞれの自治体側で強力に推進されていることを確認いたしました。
沿線地域においては、新しい新幹線の開業効果をしっかりと取り込んでいただきたいと考えております。
24日は嬉野(うれしの)温泉(おんせん)駅、嬉野温泉駅は新駅でありますので、正にその新駅の駅前に様々な構想があって、嬉野温泉は1.2kmぐらいと少し遠いのですけれども、その間をつなぐ全国2番目の新幹線駅併設の道の駅の構想もあると聞いております。
また、長崎駅に25日に伺いましたが、私が以前長崎に行ったときの感想としては、長崎は非常に平野部が少なく狭隘(きょうあい)な感じで、そういうイメージを一掃させるような、新しい駅周辺に県庁の新しい庁舎もできたり、「出島メッセ長崎」というものを作って、観光、また経済的な効果もあり非常に発展していくのではないかと強く認識したところです。
加えて、24日の嬉野温泉での会合、25日の長崎でのそれぞれの観光関連の会合でも、冒頭申し上げましたが、新幹線の効果というのは、特に九州新幹線を見ていると、関西地域から鹿児島ルートができたということで、鹿児島までというよりどちらかと言うと途中の熊本に行って観光されている方がたくさん増えていると。
関西と九州を結ぶという意味では大変大きな経済的な効果のみならず、人的な交流・効果もあったと感じております。
長崎から関西へつながるということは、様々な意味で大きな効果が期待されるのではないかと思っております。
今回、佐賀県でお会いした方は観光関連の方々が多かったので、お会いした佐賀県の嬉野温泉や武雄温泉の首長の皆さまは、是非フル規格でつなげてほしいという強い要望がありましたが、佐賀県全体としてはその総意になっていないと承知しております。
是非これから率直に国土交通省と佐賀県と、協議会のテーブルもできましたので、様々案件を出し合って、その案件について対立するための協議会ではありませんので、案件を両者が知恵を出し合って解決するための協議会だと認識しておりますので、先ほど御質問のあったアセスの問題も、国土交通省の方の真意をよく理解していただいて、御理解を賜る努力が必要なのではないかと思っております。
そうしたことで、一つ一つ課題を出して、そこに対する両者の知恵を出しながら、私の希望としては、これが今後20年、30年先の佐賀県のみならず、九州全体、西日本全体の発展につながるような整備新幹線ネットワークの結論を得ることを期待しております。
 
(問)自賠責保険の一般会計に貸し出している6000億円の繰戻し、毎年この件について大臣に伺うのですが、2年後には全額繰戻しになるかどうかという見極めの時期がきます。
それを踏まえて、被害者救済と繰戻しについての大臣のお考えを伺いたいと思います。
(答)この自賠責の繰戻しにつきましては、私自身も昨年11月に、自動車事故被害者の御家族の会の皆さまから直接お話を2つのグループから伺いまして、被害者救済事業をしっかり充実させなければいけないということを認識しましたし、その財源となる繰戻しの重要さ、これをしっかりと認識し、麻生財務大臣にも申し上げているところです。
財務大臣も、返せないということはあり得ないとのことでありまして、令和2年度予算では約40億円の繰戻しが実施され、3年連続の繰戻しが実現しているところです。
そういう意味では、自動車事故被害者及びその御家族の皆さまの不安の声にお応えするため、今後とも財務省としっかり協議してまいりたいと思いますが、ただ戻せ戻せと言うだけでは、全体的な我が国の財政にそんなに余裕があるわけではありませんので、説得力がないと思っております。
去年の11月にヒアリングをさせていただいたときに、まだまだ療護施設の拡充や、介護者の皆さん自体が高齢化しているといったことに対する対応など、様々な課題があるとお話を伺いました。
こうした課題に対応するため、自動車局に今年度の骨太と概算要求に間に合うように、しっかりとした議論を構築するよう指示したところです。
具体的な提案をもって、繰戻しが前に進むように、そしてその結果として、自動車事故被害者並びにその御家族の皆さんの安心につながるように、しっかりと取り組んでいきたいと考えております。

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