大臣会見

赤羽大臣会見要旨

2020年9月25日(金) 11:17 ~ 11:30
国土交通省会見室
赤羽一嘉 大臣

閣議・閣僚懇

 本日の閣議案件について報告はありませんが、その他1点報告させていただきます。
駅ホームにおける視覚障害者の安全対策についてです。
駅ホームにおける視覚障害者の方の転落防止のための検討会について、今日は御報告させていただきます。
去る7月26日にJR阿佐ヶ谷駅におきまして、ホームから転落した視覚障害者の方が列車と接触し、お亡くなりになられる大変痛ましい事故が発生いたしました。
改めて、この場をお借りし、御冥福をお祈り申し上げます。
これを受けまして、8月4日の会見において、駅ホームからの旅客転落事故防止のため、学識経験者、視覚障害者団体の皆さま、鉄道事業者等の関係者からなる検討会を設置する旨申し上げたところです。
この間、9月23日には、公明党の岡本衆議院議員ほか、東京都議会の皆さま等の御紹介で、日本視覚障害者団体連合、いわゆる日視連の代表の方にもお会いいたしまして、直接御要望をいただいたところです。
それを受けて、来月初旬を目途に「駅ホームにおける視覚障害者の安全対策検討会」、これは仮称でありますが、開催することとなりました。
この検討会には、日視連の代表の方にも委員として参加いただく予定となっております。
この検討会におきましては、具体的には、ホームドアが整備されていない駅において、ITやセンシング技術等を積極的に活用し、ハード・ソフトの両面から視覚障害者の方々に駅ホームを安全に御利用いただくための対策について検討することとしております。
詳細については鉄道局にお問いいただきたいと思います。
なお、ホームドアの設置につきましては、来年度予算でしっかりと確保できるよう、努力していきたいと思います。
私からは以上です。

質疑応答

(問)来年度の概算要求がまとまりました。
大臣が特に重視している点。
また、今年度は緊急3か年計画を反映した臨時・特別の措置が切れるということもあり、来年度以降、防災・減災のための予算をどのように確保していくのか、お考えをお聞かせください。
(答)国土交通省の令和3年度予算概算要求につきましては、以下の3点に重点を置いたものとしております。
まず第1に、「国民の安全・安心の確保」を最優先に、防災・減災が主流となる安全・安心な社会の構築や、危機に瀕する地域公共交通の確保・維持を図ってまいりたいと思っております。
第2の柱として、感染症の拡大防止と社会経済活動の早期回復の両立を図るとともに、「持続的な経済成長の実現」に向けまして、「新たな旅のスタイル」の普及・定着や、インフラ・物流分野等のデジタルトランスフォーメーションに取り組んでまいりたいと思います。
そして第3の柱では、「豊かで暮らしやすい地域の形成と多核連携型の国づくり」のため、バリアフリー社会の形成、住宅セーフティネット機能の強化、二拠点居住・ワーケーション等の住生活環境の充実を進めてまいりたいと思います。
このような全体像の下、政府全体の概算要求の方針に基づき、一般会計で5兆9617億円の要求を行うとともに、別途、「緊要な経費」について事項要求を行っているところです。
事項要求の具体的な内容としましては、3か年緊急対策後の激甚化・頻発化する自然災害に対応するための防災・減災、国土強靱化等の加速化・深化、コロナ禍でもエッセンシャルワーカーとして事業継続が求められた一方で、輸送需要の大幅な減少により大変経営が難しくなっている地域公共交通の持続可能な運行確保に向けた支援や、観光の再生と新たな展開に向けた支援といった、新型コロナウイルス感染症への対応などの緊要な経費について、予算編成過程でしっかり検討したいと考えております。
この中で、今御質問の防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策後の予算につきましては、今年度で臨時・特別の措置が終了することを踏まえ、まずは、令和3年度予算をしっかりと確保することが極めて重要な課題であると認識しております。
私自身、この1年間で、令和2年7月豪雨など、全国各地で発生した激甚災害の被災地を視察してまいりました。
被災自治体の首長の皆さまをはじめ、各方面から異口同音に、3か年緊急対策後も防災・減災対策を更に充実させるよう、強く求められてきたところです。
このため、3か年緊急対策後の中長期的な視点に立った計画的な取組のための予算について、激甚化・頻発化する自然災害等に鑑み、これまでの実績を上回る必要かつ十分な規模となるよう、省を挙げて全力で取り組んでまいる所存です。

(問)「Go To トラベル」について、もう1点お伺いします。
東京発着旅行が始まる10月1日が間近に迫ってきましたが、予定どおり実施されるのか、あるいは延期する必要があるのかどうか。
この辺の最終判断をどのようにされるのかお聞かせください。
(答)9月19日から22日までの4連休におきまして、全国各地の観光地は、大変多くの旅行者の皆さまで賑わい、多くの旅行者の皆さまにGo To トラベル事業を御活用いただいたものと認識しております。
本事業に参加する事業者と旅行者の双方には、感染拡大防止対策を徹底するよう求めてきており、皆さまには、しっかりとした対策を講じていただいていると承知しております。
こうした中で、感染の状況につきましては、我々は日頃から内閣官房コロナ室と情報共有し、また、意見交換を行っておりますが、現時点で政府として、10月1日以降に開始を予定している東京発着の旅行を対象とする方針に変更はなく、本日開催される予定の分科会においても、政府から本件をお諮りする予定はないと承知しております。
いずれにせよ、感染状況については引き続き注視しながら、適宜適切に対応してまいりたいと考えております。

(問)河野行政改革担当大臣が、全省庁に行政手続で判子を使用しないよう要請しています。
国土交通省の現在の対応状況と今後の方針についてお聞かせください。
(答)9月23日のデジタル関係閣僚会議において、河野大臣から、民間から行政機関への申請等において押印を求めている手続きなどについて、できるものについては速やかに廃止していただきたい旨の御発言がありました。
押印の廃止など、行政手続きのデジタル化を進めることは、今般の新型コロナ対応の経緯も踏まえ、テレワークの推進など、働き方の改革を進める上で大変重要なものと私どもも認識しております。
民間事業者等から国への手続きについては、原則として全ての手続きについて押印を不要とする方向で検討するよう、各局に指示しております。
個々の手続きで押印を求めている趣旨などを踏まえつつ、可能なものについては早期に押印を不要とするよう、しっかりと対応してまいりたいと考えております。

(問)冒頭のホームドアの件でお聞きしたいのですが、改めてホームドアの検討会を設置する意義と、どのような議論を進めていきたいのか、大臣の御所感をお願いします。
(答)視覚障害者のみならず、ホームから転落する事故が何件も発生しております。
これに対応して、これまで、ホームドアの設置、また声かけ等を行ってまいりました。
ホームドアにつきましては、御承知のように、大変費用も掛かることから、目標を決めながら着実に行っていくという状況の中で、9月23日に日視連の代表の方とお会いしたときに、新型コロナウイルス感染症の発生によって声かけ自体がしにくい、要するに、声をかけること自体が感染リスクを高めるのではないかということで、残念ながら少し後退しているとの御指摘がありました。
新しい虎ノ門ヒルズの駅については、転落防止の点字ブロックをホームの際ではなく、比較的真ん中に設置できますが、既存の駅舎では建物が邪魔になることや、障害者の皆さまにとっては、そうしたものを変えること自体、混乱を招くこともあります。
健常者の我々の視点ではなく、視覚障害を持たれている方や、別の障害を持たれている方の御意見も聞きながら、それに対してどう対応できるか。
できるだけAI等の技術力を活用した転落防止の制度とソフト面の強化、こういったことも是非行っていきたいと思いますし、「声かけ運動」は9月7日から10月31日まで、コロナウイルス禍で声かけが後退しているとの声もありましたので、もう1度声かけ運動を徹底しようというキャンペーンも行っているところです。
具体的な検討内容については、先ほど一部申し上げましたが、まずはホーム転落の実態把握と原因の分析をすること。
視覚障害者がホームの端に接近した場合に、例えば、センサーやカメラでこれを検知し、危険であることを御本人と駅員に知らせる方策。
また、駅の係員やスマートフォンの音声等により、視覚障害者の皆さんを適切に案内・誘導するための方策ができないかどうか。
こうしたことも具体的な検討内容になるかと思っております。
検討会のメンバーは、おおよそ決まっておりますし、スケジュール自体も、先ほど申し上げましたが、10月初旬に第1回目を開催し、令和2年度中に検討結果を取りまとめる予定でしっかりと進めていきたいと思います。
また、議事も公開し、概要も公表することを想定しております。

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