(問)
知床遊覧船のKAZU1)の沈没事故について、2点伺います。
事故の家族会が4月20日に公表した共同声明の中で事故当初の対応について、海上保安庁も警察も現場に到着するのが遅れたことと、自衛隊への災害派遣要請が通報から6時間以上経過した後だったことを指摘した上で、事故直後の初動の対応は正しかったのか今一度検証してほしいというようなことをおっしゃっています。
その上で2点質問します。
国土交通省は事故対応の検証を行う考えがこの後ありますでしょうか。
もしないようでしたら理由も教えてください。2点目、また事故対応について、第一管区海上保安本部長が、現場に詳しくない国土交通省のキャリア組だったことの影響があったのかそのお考えをお聞かせください。
(大臣)
海上保安庁では、知床遊覧船事故を受け、直ちに初動対応等の点検を行いました。
初動対応については、ヘリコプターからの吊り上げ救助などを行う要員を同乗させる必要があったことに加え、悪天候が重なり、巡視船艇・航空機の到着に約3時間を要しました。
また、通報を受けた段階で現場の状況にかかる具体的な情報が不足していたため、自衛隊への災害派遣要請にも時間を要する結果となりました。
これらの課題に対し、まずは、本年4月に釧路航空基地に機動救難士を新たに配置するとともに、今年度中に釧路航空基地へのヘリコプターの増強や、オホーツク海域に面する部署へ大型巡視船を配備するということを決定し、救助・救急体制の強化を図ることとしています。
また、自衛隊への災害派遣要請については、防衛省・自衛隊と調整を行い、災害派遣要請を迅速に行えるよう、手続きを見直しました。
海上保安庁においては、これらの取組みなどにより、海難救助に万全を期してまいりたいと思っています。
なお、第一管区海上保安本部においては、事案発生直後から、対策本部を設置し、本庁とも連携の上、組織的に状況を踏まえて対応を行っていたものと認識しています。
(記者)
検証はされる予定はないということでしょうか。
(大臣)
先ほども申し上げたように、点検をし、そして課題を明らかにし、その課題に対して先ほど申し上げたような対応を行ったものです。