大臣会見

赤羽大臣会見要旨

2021年5月28日(金) 9:26 ~ 9:34
国土交通省会見室
赤羽一嘉 大臣

閣議・閣僚懇

 本日の閣議案件について、私から2点報告させていただきます。
1点目は、第5次社会資本整備重点計画及び第2次交通政策基本計画が閣議決定されました。
これは、激甚化・頻発化する自然災害、インフラの老朽化、人口減少、デジタル革命の加速、グリーン社会の実現、さらには新型コロナウイルス感染症の影響等、昨今の社会情勢の変化を踏まえ、現行の計画を見直し、それぞれ新たに令和7年度までの社会資本整備及び交通政策の基本的な方向性を示すものです。
この両計画の推進に当たっては、相互の取組の相乗効果が得られるよう車の両輪として一体的に実行することにより、安全・安心、また、豊かでゆとりのある暮らし、そして、経済成長を実現させていきたいと考えております。
詳細は後ほど事務方から説明させます。
2点目は、第2次自転車活用推進計画が閣議決定されました。
本計画は、コロナ禍において自転車利用ニーズ、例えば、通勤や配達目的等ですが、そのニーズが高まっていることや、これに伴い、安全・安心の確保への対応が更に必要になっていること等を踏まえ、現行の計画を見直し、令和7年度までの自転車の活用の推進に関して基本となる計画として策定したものです。
今後とも、持続可能な社会の実現に向け、私を本部長とする自転車活用推進本部を中心として、自転車の活用を総合的かつ計画的に推進してまいります。
詳細は後ほど資料を配布いたします。
私からは以上です。

 

質疑応答

(問)本日閣議決定された交通政策基本計画の中で、鉄道のダイナミックプライシングが盛り込まれています。
改めて、ダイナミックプライシングの狙いと今後の検討をどのように進めるかお願いいたします。
(答)冒頭申し上げましたように、本日閣議決定されました第2次交通政策基本計画の中で、大都市部における都市鉄道等の通勤時間等の混雑緩和を促進させる施策の1つととして、ダイナミックプライシング等の新たな政策の効果や課題を十分に検討するとの方向性が示されました。ダイナミックプライシングについては、改めて言うまでもありませんけれども、ピーク時間帯とオフピーク時間帯の運賃に差をつけることにより、ピーク時間帯の利用者を分散させ、混雑緩和を図ることが期待されます。
一方で、時差出勤やテレワークを推進するなど、社会全体の行動変容と一体で進めなければ効果はなかなか発揮できず限定的になるのではないかという点や、ピーク時間帯しか利用できない利用者の皆さまに対する配慮といった諸課題が残されているところです。
運賃制度の見直しについては、多くの利用者に多大な影響を及ぼすことから、その導入の可否を含め、利用者目線に立って、十分な検討を行っていく必要があると考えています。
 
(問)昨日、官邸で赤羽大臣が、国際線のクルーに対してワクチンの優先接種をできるように要望したと御発言されて、総理からも前向きな返答があったと御発言されていたかと思いますが、検討状況について教えていただきたいのと、具体的にいつ頃を目指しているなどあれば、併せてお聞かせください。
(答)ワクチン接種については、国の方針として医療従事者や高齢者等の優先接種など順位が定められて実施されているところであり、政府を挙げて、高齢者等の接種を進めることを一丸となって取り組んでいます。
昨日の昼食の際に、ワクチン接種全体をしっかり行なわなければいけないという話をしている中で、その場で国際線の乗員のワクチン優先接種について申し上げたわけではなく、正確に言いますと、これまで国際線の乗員の早期ワクチン接種について、国際線の乗員の担う役割や業務の特性から、事務的な要望をお願いしていると話題が出ておりましたので、改めて私から総理へ水際対策としても重要なのではないでしょうかとお話させていただいたところです。
国際線の運行に必要不可欠な乗務員は、職務の性質上、多頻度で、国境を越えて頻繁に往来することが避けられないという業務上の特性があるため、そうした要望があったところですが、いずれにしてもまだ具体的ではなく、国土交通省として、引き続き、詳細について関係省庁と協議し、しっかりと検討を進めていきたいと思っております。
 
(問)九州新幹線長崎ルートの佐賀県の区間についてお伺いします。
与党の検討委員会が26日に会合を開きまして、貸付料などを活用して佐賀県の財政負担を軽減することだとか、並行在来線の維持に関してJR九州が関与することなど、着工に向けた検討方針を確認されました。
これについて、着工に向けて佐賀県の理解が不可欠だと思いますが、国土交通省としてどう対応されるかお聞かせください。
(答)26日、与党西九州ルート検討委員会が開催され、今お話しがありましたように、「九州新幹線新鳥栖(しんとす)武雄(たけお)温泉(おんせん)間に関する検討の方向性」を踏まえて、在来線のあり方、地方負担のあり方、ルート及び地域振興等の諸課題について意見交換がなされたと承知しております。
他方、国土交通省鉄道局と佐賀県の「幅広い協議」については、今月31日に4回目の協議を行うこととしております。
来年秋に、武雄温泉-長崎間の新幹線ルートが開業予定ですので、そのことを意識しながら、この区間のひとつひとつの課題について、佐賀県との間でしっかりと議論を行い、良い知恵を出していきたいと考えております。
国土交通省としては、全国の新幹線ネットワークをしっかりとつなげていくことが、地方創生、防災・減災の観点から大変重要だと考えており、九州新幹線西九州ルートが、九州地域、ひいては西日本地域の未来にとってどのような整備のあり方が望ましいか、しっかりと議論を積み重ねてまいりたいと考えております。

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