大臣会見

斉藤大臣会見要旨

2021年11月5日(金) 11:01 ~ 11:37
国土交通会見室
斉藤鉄夫 大臣

閣議・閣僚懇

 私の方から御報告させていただきます。
資産公開法に基づく衆議院議員としての資産報告の訂正についてです。
今般、国土交通大臣就任に伴い、大臣規範に基づく資産公開の準備作業を進める過程で、既に衆議院議長に報告している資産公開の内容について訂正するべき点があることが明らかとなりました。
本日、内容の精査等の作業が完了しましたので、法令に基づき過去の資産報告の訂正を衆議院議長に提出しました。
本日は、その訂正内容及び訂正を行った理由について御説明申し上げます。
令和元年5月、私の実の姉が亡くなりました。
その際にわかったのですが、姉の亡くなった夫が長年にわたって多額の投資をしていた関係で、姉には私も驚くほどの多額な資産がありました。
そして、弁護士と税理士の2名を遺言執行者とする遺言公正証書によって、予期せぬ形で、私は主に3000万円程度の不動産と有価証券、当時の評価額で約2億2000万円を相続することになりました。
そこで、まず相続税に関する申告手続きを税理士に依頼をし、令和元年10月に正しく申告を行い、7000万円以上の税金の納付もしました。
その後、相続した財産について令和2年4月22日に衆議院議員としての資産等補充報告を行いました。
その際、私は、投資について不勉強であったため、姉から相続をした有価証券の内容について理解できないものもあり、また、有価証券については額面金額で報告することになっていますが、投資証券や外国で発行された債券などは、額面金額の計算もわかりませんでしたので、相続をした有価証券のうち、資産等補充報告書の「有価証券」と記載された欄の中で、私自身が理解できた「株券」の欄のみ14銘柄及び株数、そして不動産について記載して報告を行いました。
今回、大臣就任に伴う資産報告に当たり、正確性を期すため、公認会計士で公明党の後輩である都議会議員の東村(ひがしむら)さんに、私から改めて厳格なチェックを依頼しました。
その結果、東村さんから、主に姉からの遺産相続された有価証券について、過去の資産等補充報告書等に記載漏れがあるので、過去の衆議院議員としての資産報告の訂正をしなければならないとの報告を受け、この度、法令にのっとり遅滞なく訂正を行うこととしました。
記載漏れ及び訂正内容は、姉からの相続によって生じたものが大半ですが、チェックの結果明らかになったのは以下のとおりです。
1、令和2年4月22日提出の資産等補充報告分は、相続等による記載漏れが、千葉県の土地2万1103円、建物64万4230円と有価証券の金銭信託1億379万1541円、内相続分1億318万2381円、その他の有価証券6609万6146円、株式1銘柄100株、金銭信託1億300万円の内訳は、海外の株式等に投資した証券投資信託6700万円、投資証券1300万円、外貨建MMF2300万円です。
その他の有価証券6600万円は、外国の発行する証券等の額面金額ですが、そのうち約6200万円がアルゼンチン共和国債権の額面金額であり、その時価は1300万円ほどとのことです。
また、内相続分との差額は、相続から令和元年12月31日までの配当や利子によって増えた分です。
2、平成30年1月26日提出の資産報告書は、株式1銘柄400株の記載漏れ。
これは、過去に加入している第一生命保険の株式会社化に伴い割り当てられた株式です。
3、令和2年12月31日現在の資産等補充報告書は未提出でしたが、有価証券の金銭信託180万2868円、その他1974万4553円、株式5銘柄3200株の記載漏れ。
金銭信託の増加分は、相続をした金銭信託の配当や利子で増えた分です。
その他の有価証券1974万4553円は、有価証券を相続した後、相続した有価証券を運用していた証券会社から妻に連絡があり、よくわからないまま証券会社の説得により、相続したアルゼンチン共和国の外国債券15万13ユーロを同国の別の外国債券に買換えしたもので、令和2年の配当や利子も若干含まれています。
株式5銘柄3200株についても、同様に証券会社の勧めにより、私の名義で取得したものです。
以上が詳細です。
今回の修正は、姉からの遺産相続が、私も驚くほど多額で予期せぬものであったこと、また、実際は姉の亡くなった夫が長年にわたって投資をしていたものであり、私自身が有価証券の全貌を理解できなかったことによるものであり、ひとえに私のミスです。
衆議院議員としてこれだけ多額の訂正報告を行うことは、法の精神からしても、不勉強であったとはいえ大変に申し訳なく、心からお詫び申し上げます。
今後は、衆議院議員として、資産報告に関しては、必ず専門家のチェックを受け、正確を期してまいります。
また、今回の修正内容を反映して大臣規範に基づく国土交通大臣としての資産報告を行ってまいります。
なお、訂正箇所については、本日午後議員会館事務所に資料を用意しておきますので、よろしくお願いいたします。
私からは以上です。


 

質疑応答

(問)先ほど冒頭で御発言があった資産報告の訂正の件で1点お伺いしたいのですけれども、この件について、大臣は政治責任についてどのようにお考えでしょうか。
(答)予想だにしていなかった姉の遺産があり、特に、有価証券の報告に必要な額面金額の計算など不勉強で内容を理解することができませんでした。
この点は私の力不足です。
ただ、公認会計士の東村さんも、「大臣と衆議院の有価証券の資産報告は、額面金額での記載を求めているが、平成24年に亡くなった姉の夫が購入した証券投資信託等の書類も残っておらず、姉とその夫の2回にわたる相続の財産を過去に遡って調査をし、その額面金額を資産報告に反映させることは本当に難しかった。」と、このように仰っていました。
私の政治的責任は、今回のこの申告漏れについて、しっかりと国民の皆さまに御報告をし、丁寧に説明することだと考えております。
 
(問)別件で質問があります。
ANAホールディングスと日本航空が2021年度の業績予想を下方修正し、いずれも2年連続の赤字となる見通しを公表しました。
緊急事態宣言は解除されましたが、航空会社の経営環境についてどのように受け止めていらっしゃるかということと、公共交通機関でもある航空業界への支援のあり方について大臣のお考えをお聞かせください。
(答)このほど、航空大手2社の第2四半期決算が発表され、両社とも固定費削減等の効果により、前年同期と比べると改善してはいるものの、第2四半期の営業上の損益は1000億円を超える赤字であったと承知しております。
大変大きな赤字である、経営的に大変厳しい状況であるという認識です。
また、今年度通期の純損益についても、ANAが1000億円の赤字、JALが1460億円の赤字と見込むなど、大変厳しい業績予想となっております。
これは、緊急事態宣言等の長期化による旅客需要の回復の遅れを踏まえ、航空業界の経営環境は依然として極めて厳しい状況にあると認識しております。
国としては、これまでも、資金繰り支援や雇用調整助成金などの支援のほか、公租公課の大幅な減免、つまり空港使用料、航空機燃料税、こういった公租公課の減免など、相当踏み込んだ支援を航空業界に対して実施してきているところです。
国土交通省としては、コロナ禍による影響が長期化していることを踏まえ、引き続き、航空需要の動向や経営状況を注視しつつ、公租公課の減免を含めて、必要な支援について、適切に対応するよう検討していきたいと思っております。
 
(問)旅行の関係で3点ほどお伺いしたいのですけれども、間もなく終了する技術実証の件で、その検証ですとか、それを受けてのガイドラインの策定のスケジュール感、見通しなどあればお伺いしたいということと、あと、県民割を隣県に広げることについても検討していると前から仰っているのですけれども、その現在の検討状況、そして「Go To トラベル」の制度見直しについても言及あったかと思うのですけれども、現在の検討状況をお願いいたします。
(答)御質問の技術実証については、10月より、ツアーや宿泊施設を対象に、ワクチン接種歴や検査の陰性結果の確認など現場における実務の運用や効果の検証を進めています。
宿泊については10月いっぱいで終え、ツアーについては11月14日まで実証を行っているところです。
この技術実証の結果も踏まえて、11月のできるだけ早い段階で、旅行における「ワクチン・検査パッケージ」の運用方法を定めるガイドラインを策定する予定です。
Go To トラベル事業については、こうした技術実証やガイドラインの内容を踏まえて、パッケージの活用による安全・安心の確保を前提とした仕組みとなるよう、検討を進めてまいります。
また、隣接県に広げてはどうかという地域観光事業支援については、先日10月16日、岸田総理より「ワクチンや検査により安全・安心を確保することを前提に、隣接県にも拡大」するよう指示を頂きました。
隣接県への拡大についても、パッケージの活用により、安全・安心が確保されることを前提に、なるべく早期に実現できるよう、引き続き、検討を進めてまいります。
 
(問)私も何点かあるのですが、1点目が、先ほど航空業界の現状についての認識を言っていただきましたけど、JR各社も1000億円を超える赤字のところもあり、鉄道業界の現状についてはどのように認識されていますでしょうか。
(答)JR各社も大変苦しい状況にあるという基本認識ですけれども、JR上場4社の第2四半期の決算が発表されましたが、各社とも昨年度同期からは回復しているものの、単体・連結ともに赤字となりました。
また、同時に公表された通期の連結業績予想も昨年度の決算よりは回復基調ではありますが、JR西日本以外の3社は下方修正を行い、東日本、東海は黒字予想から赤字予想への変更となっております。
これは、緊急事態宣言の延長などにより、想定よりも人の動きの回復が遅れたことが主な原因と聞いています。
こうした厳しい経営状況を踏まえ、各社とも、財務基盤の強化や固定費の削減に取り組んでいるものと承知しています。
国土交通省としては、これまでも、雇用調整助成金の支給や危機対応融資などの資金繰り支援を行ってまいりましたが、緊急事態宣言の解除やワクチン接種率の上昇等を踏まえ、旅客需要の回復支援等、引き続き、各社の意見を聴きつつ、必要な取り組みを進めてまいります。
 
(問)続きまして、京王(けいおう)電鉄(でんてつ)の事件の件でお伺いします。
先日、鉄道各社の安全管理者を集めた会議も開かれて、あと、京王電鉄からもヒアリングなどを今進められている状況だと思います。
前回の会見でもお聞きしたんですけれども、そこから数日経って今現在ヒアリングされた中で認識されている状況ですとか、今後の改善点など、認識がありましたらお願いいたします。
(答)京王電鉄の件、本当にいろいろ国民の皆さんの懸念も非常に大きいということで、11月2日火曜日、JR各社や大手民鉄など、計32社の安全統括管理者等との間で、WEB会議を急遽開催しました。
この会議では、まず、国土交通省から各事業者に対して再発防止策の検討の指示を行ったところです。
その後、京王電鉄から事案の概要や対策の状況について報告を受けました。
その上で、各社との意見交換の内容を踏まえて、緊急時においては、1つは複数の非常通報装置が押された場合は、通話ができない状況でも緊急事態と認識し、当該列車を適切な箇所に速やかに停車させるなど、緊急対応することを基本とすること。
ホームドアと列車のドアがずれている場合の対応としては、双方の扉を開け、乗客を安全に誘導・救出することを基本とすること。
この2点を指示したところです。
今後については、各鉄道事業者における警備の強化等の再発防止策に関する報告内容を踏まえ、更なる対応策を取りまとめたいと考えています。
その際、支援策の必要性についても検討してまいります。
このような形で行っていきたいと思います。
ホームドアと列車のドアがずれている場合についても、双方の扉を開け、乗客を安全に誘導・救出することを基本とするということとしましたが、いろいろなその場の状況があると思います。
2つの扉のずれが大きくて転落の可能性が高い場合や、既に避難しようと窓から出て、その乗客がホームドアに足をかけているような場合には、現場の判断で適切に対応すること、訓練の実施も含めて、具体的な運用方針を定めるように指示しているところです。
(問)今の御発言の中で、今後支援も検討ということがありましたけれども、国ができる支援としては、どのようなことを考えていらっしゃいますか。
(答)1つは各事業者の間で情報共有をしっかりできるように、また、技術的なアドバイス等がまずは基本ですが、そのほか、これから安全を高めていくためにいろいろな施策を行わなくてはいけないときに、それをどういう形で支援していくか、財政的な面も含めて、そういうことも今後検討していきたいと思っています。
 
(問)最後にもう1点だけ。
今朝、産油国が増産をしないという決定をしまして、原油高が一層進むことが考えられますが、改めて、この原油高の状況についての受け止めと運輸業界への影響などをお願いいたします。
(答)原油価格については、引き続き、高値の水準が続いています。
原油価格は1バレル80ドル前後で推移していまして、レギュラーガソリン価格は1リットル当たり160円後半へと上昇してきているという認識です。
また、先ほど仰ったように、産油国が追加増産を見送ったとの報道があることも承知しています。国土交通省としては、引き続き、交通・物流分野への影響を注視しつつ、必要に応じて、荷主や国民に対して燃料サーチャージに対する理解や協力を求めるなど、関係省庁と連携して対応していかなければならないと思っています。
現場からも大変だという声は届いており、先ほど申し上げたような対応をしっかり行っていきたいと思います。
 
(問)冒頭の資産の訂正の件で確認させてもらいたいのですが、2番目に仰った平成30年1月提出分、これはお姉さんの相続は関係ない話なのですか。
(答)2点目の1銘柄400株は関係ありません。
(問)これは、額面で言うといくらになるのですかね。
(答)先ほど、申し上げましたように、第一生命保険の株式会社化に伴い割り当てられた株式ということで、今の御質問はその額面がいくらかということですが、後で調べて御報告します。
(問)もう1点、御兄弟の相続ということで、かなり多いなという印象ですけれども、他に相続される方がいらっしゃらなかったということでよろしいでしょうか。
(答)いえ、相続人は5人おりまして、私がそのうちの1人です。
(問)5人いらっしゃって、他の4人の方もこの遺産について知らなかったということなのですかね。
知らなかったから訂正されたということなのですかね。
(答)5人相続人がいまして。
(問)他の方は遺産があることはご存じだったのですか。
(答)いえ、遺産があるということで初めて自分に遺産がくると。
基本的にはあとの4人は代襲相続になります。
姉には子供がいなかったものですから。
兄弟である私と、兄は死んでおりますので、その4人の子供が代襲相続ということですので、皆さん突然来た遺産という認識かと思います。
(問)すいません、その突然来た遺産を把握されたのはいつになるのですかね。
そこを確認させていただきたいのですけど。
(答)正確にこういう遺産があると、この5人が知ったのは遺言公正証書によることになりますが、もちろんこういう不動産を持っているなどということは、ある程度認識していましたので、その相続があるということ自体は想像していましたけれども、多額の、特に有価証券等については、こんなに多額でこういう形であるというのは誰も認識していませんでした。
(問)しつこくてすいません。
多額だったのも含めて、大臣が把握されたのはいつになるのでしょうか。
令和元年5月に亡くなられて、そのときに知られたわけではないということなのですかね。
(答)財産を持っているということについては、正確に認識していたわけではありませんけれども、全容を把握していたわけではありませんけれども、姉は不動産も持っておりましたし、財産を持っているということは認識していました。
ただ、その内訳、有価証券がこれだけあるとか、そのようなことについてはその時点では認識していませんでしたけれども、正確に全容を把握できたのは、遺言公正証書によるというところです。
(問)その日付はいつですか。
(答)後で御報告します。
日付と第一生命の金額ですね。
 
(問)今の資産報告の修正について、ちょっと整理してお伺いしたいのですが、3点仰られて、結局それぞれ、2番目の件は今、額面を調べると仰ったのですが、結局、1、2、3はそれぞれ、全体額としての修正額の全体総額はそれぞれいくらなのかということは言うことはできますか。
詳細を仰っていただいて非常にありがたいと思いました。ただ、全体としてそれぞれ、修正額はいくらですということは言うことはできますでしょうか。
(答)私の理解ですが、2番の株式については、報告の中でも株式については株数だけ報告することになっているので、その部分は金額にできないことだと思います。
株式に関しても株数で報告することになっておりますので、金額的にはできないのかと思います。
また、有価証券では額面で表示することになっていますので、その額面が先ほど報告した数字です。
ただ、先ほどもありましたけれども、額面というものは購入したときの金額で報告することになっていますが、現実は、例えばアルゼンチン債などはかなり低くなっていてという認識ですので、全体を合わせてこれだけの金額ということは、私の認識では無理かと思いますが、この点も専門家に聞きます。
(問)大臣規範に基づく審査報告を行う。
これはいつですか。
(答)大臣規範については、これから内閣総務官室に提出すると。
(問)今日ですか。
(答)公開は11月中旬ということだけ決まっているそうです。
(問)では、提出もそれまでにされると。今月中ですかね。
(答)ここまできちっとチェックしましたので、今週中に。
今日出すということで。
(問)提出済みで、今月中に公開されると。
(答)はい。
 
(問)今の資産報告の訂正の関係なのですけれども、このタイミングで公表された理由というのをお聞かせいただけますか。
(答)今回、私、大臣の資産報告を行うに際して、正確性を期すために専門家にチェックをお願いしました。
この大臣の資産報告を行うための準備作業においては、有価証券について間違いのない金額を記載することと、特定口座の中で株式とか、先ほどの金銭信託とか、投資証券とかが運用されているのですけれども、その特定口座で運用している株券を確認するために、残高証明書を取り寄せました。
作業を専門家にチェックしてもらわないとわからないと決めて、専門家にお願いをして、東村さんですけれども、東村さんも、それからいろいろな残高証明書等、各証券会社に連絡して取るという作業がありました。
それが全部揃ったのが、10月29日です。
東村さんにもこれを元にチェックを行っていただきました。
先ほども申し上げましたように、非常に煩雑な大きな作業だったようです。
大変な膨大な作業だったと聞いておりますけれども、このチェックを行っていただいて、訂正資料を作っていただいて、今日に間に合ったということです。
(問)確認なのですけれども、そうすると、全ての資料が出揃って報告の全容がわかったのはいつになるのでしょうか。
(答)正直申し上げて、全部揃ってチェック作業を専門家の元で始めたのが、今週始めから、ということかと思います。
その点もまた正確を期してまた御報告します。
 

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