大臣会見

斉藤大臣会見要旨

2022年7月26日(火) 10:41 ~ 10:52
国土交通省会見室
斉藤鉄夫 大臣

閣議・閣僚懇

(大臣)本日の閣議案件で、特に私から報告するものはありません。
このほか、私の方から1点御報告させていただきたいと思います。
治水対策とカーボンニュートラルに向けた取組みを両立する「ハイブリッドダム」についてです。
国土交通省では、近年の気候変動の影響による水害の激甚化・頻発化を踏まえた治水対策とともに、2050年カーボンニュートラルに向けた取組を加速させるため、治水機能の強化と水力発電の促進を両立させる「ハイブリッドダム」の構築に向けた取組を開始します。
この「ハイブリッドダム」は、最新の気象予測技術や土木技術を活用して、天候に応じて貯水量を柔軟にする高度な運用を実現することによって、治水容量と発電容量の増強を図るものです。
これにあわせて、ダムが立地する地域の振興にも官民連携で取り組んでいきたいと思っています。
今後は、水力発電や地域振興に関心のある民間企業等と意見交換を行いながら、取組の具体化に向けた検討を行ってまいりたいと思っています。
詳細は後ほど事務方から説明をさせていただきます。
よろしくお願いします。
私からは以上です。

質疑応答

(問)先週、2015年の関東・東北豪雨で被災した茨城県常総市の住民らが、国を相手にした訴訟で、水戸地裁が国の責任を一部認める判決を出しました。
これに関する受け止めと国土交通省の対応をまずお願いします。
(答)平成27年9月関東・東北豪雨により被災されたすべての方々に改めて御見舞いを申し上げます。
先日22日に、鬼怒川の氾濫被害にあわれた住民の方々が国の河川管理に瑕疵があったとして損害賠償を求めた訴訟について、原告らの請求を一部認容するとの水戸地裁の判決がありました。
今後の取扱いについては、判決内容を慎重に精査し、関係機関と協議の上で適切に対処していきたいと考えています。
よろしくお願いします。
 
(問)ローカル鉄道のあり方に関して、昨日、国土交通省の有識者検討会が、輸送密度が1000人未満の区間ではバス路線などへの転換も含めた協議を進めるべきとする提言案をまとめましたが、これについての受け止めと今後の対応もお願いします。
(答)国土交通省では、「鉄道事業者と地域の協働による地域モビリティの刷新に関する検討会」を本年2月に設置し、昨日7月25日、提言書をとりまとめていただき、国、沿線自治体、鉄道事業者のそれぞれについて、今後の取り組むべき方向性等が示されたところです。
御指摘の、国が新たな協議の場を設置する要件としては、「対策の必要性」に関するものとして、先ほどお話しがありました、輸送人員等の目安が示されましたが、国は、線区の状況を踏まえた優先順位を付けながら判断し、「広域的調整の必要性」の観点でも、関係者の意見を聞きつつ判断するべきとされており、国が一方的に協議の場を立ち上げたり、バスへの転換を促すものではありません。
また、協議の場は「廃止ありき」「存続ありき」といった前提を置いて開催されるべきではない、利用者目線で議論することが重要である旨も強調されており、一定の輸送需要を下回っているという理由だけで鉄道の存廃を画一的に判断すべきでなく、地域ごとに丁寧に見ていく必要があるとされています。
国土交通省としては、今回の提言の内容を真摯に受け止め、関係省庁、自治体、事業者としっかり協議しながら、必要な対策を講じていきたいと思っています。
 
(問)常総の裁判について質問です。
判決では堤防の隣接地についても、被害の予見可能性がある場合には、その区域も河川区域に指定すべきという判断が示されました。
これについての受け止めと、今後の河川計画への影響について現時点での見解をお願いいたします。
(答)受け止めですが、国の主張が認められなかったことについては大変残念に思っていますが、御指摘の点も含め判決内容を慎重に精査した上で関係機関とも協議し、今後の対応を検討するとともに、引き続き適切に河川整備を進めてまいりたいと考えています。
(問)控訴等、裁判の対応についても適切に今後検討して対処していくということでしょうか。
(答)今回の判決の内容を精査して、関係機関とも協議しながら、対応を検討していきたいと思っています。
 
(問)足下の観光の動向についてお伺いいたします。
足下では感染の第7波が続いていますが、旅行業界では、取材によると今のところ大きなキャンセルは出ていないようですが、その中で感染対策を取りながら旅行に行くというような旅行の仕方が定着していて、このような現状になっているという評価もあるようですが、大臣として現状をどのように評価しているかお聞かせください。
(答)感染状況はご存じのとおりで、しかしながら夏休みに入って、大きなキャンセルが出ていない、こういう状況についての受け止めという御質問かと思います。
最近の旅行予約のキャンセル状況については、鉄道・航空各社や、大手旅行会社等からは目立ったキャンセルはないと聞いていますが、引き続き、今後の動きを注視する必要があると考えています。
現状、国として移動や旅行の自粛等は求めていませんが、国土交通省としては、引き続き、旅行者には基本的な感染防止対策の徹底をお願いしたいと考えています。
その上で、8月末まで延長した県民割も適宜活用いただきながら、感染対策をしっかりと行った上で、お出かけいただければと思います。
これまでの経験から移動そのものについて、大きな感染上のリスクは感染対策をしっかりしていればリスクはないということも、国民の皆さまの間で意識は共有されつつありますし、また、移動した先でも感染対策をしっかりした上で楽しめば、感染対策上も大きな意味があるということが国民の皆さまに浸透してきたからではないかと受け止めています。
 
(問)昨日のローカル線の提言のことで、一点伺いたいのですけど、提言の中で国が中心となる新しい協議会の設置のことが盛り込まれました。
提言では、存続・廃線を前提にせず、まずテーブルに着くということを訴えていると思うのですが、沿線自治体からは廃止に繋がるのではないかという警戒感が一定にあるようです。
そういった中で国としては、どのように議論を促していこうと考えているのでしょうか。
(答)沿線自治体に、廃線に繋がるのではないかという心配があるのは私もよく理解できます。
その意味でも、今回地域の住民目線に立って、どのようにすれば地域の公共交通を持続可能で、住民の方にも恩恵がいくような形で、この公共交通を維持できるのかを、自治体、事業者、そして国、一体となって話し合うことが重要だと思います。
今の実情で、そのまま何もしないと、持続可能な公共交通が破綻するのは目に見えています。
そういう意味でも、それぞれが今どういうところに問題点があって、どうすれば地域住民の方にとって、最も幸せな公共交通という体系になるのか、それを国と自治体と事業者が一体となって話し合うということが、非常に重要ではないかと思います。
その精神でやっていきたいと思っています。

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