大臣会見

斉藤大臣会見要旨

2022年8月5日(金) 10:30 ~ 10:40
国土交通省会見室
斉藤鉄夫 大臣

閣議・閣僚懇

(大臣)本日の閣議案件で、特に私の方から報告するものはありません。

質疑応答

(問)2問お聞きします。
まず1点目ですが、東北や北陸を中心に大雨が降っていますが、現在把握している被害状況と国土交通省の対応をお願いします。
(答)まず、今回の大雨により、被災された方々に心より御見舞い申し上げます。
東北地方の日本海側や北陸地方では、3日の朝から複数の線状(せんじょう)降水帯(こうすいたい)が発生し、山形県や新潟県では大雨特別警報を発表するなど、各地で記録的な大雨となりました。
これまでに判明している被害状況ですが、河川については、山形県大江町(おおえまち)などを流れる最上(もがみ)(がわ)水系最上(もがみ)(がわ)など、21水系45河川で氾濫が確認されています。
また、新潟県や青森県などで、計12件の土砂災害の報告があります。
道路については、新潟県村上(むらかみ)()の直轄国道113号で道路自体が流出したことにより、通行止めになっているほか、各地において被害が確認されており、早期の復旧に努めています。
鉄道については、橋梁倒壊や盛土流出等の施設被害が確認されています。
復旧までに長期間かかることも予想されますが、いずれも地域住民の皆さまの生活の足であり、代替交通手段の確保に向けて、事業者と連携した対応を進めていきます。
国土交通省では、地方整備局の防災ヘリコプターによる広域被災状況調査を実施するとともに、発災地以外の地方整備局からTEC-FORCE(テック・フォース)を派遣するなどし、被害の全容把握に努めています。
引き続き、地域に寄り添いながら、国土交通省の現場力を最大限発揮し、災害対応に全力を尽くしていきます。
各地で雨量が多くなっており、少しの雨でも災害のおそれがあります。
国民の皆さまにおかれましては、地元自治体や気象台から発表される避難情報や気象情報に留意して、災害から身を守る行動をとっていただきますよう、お願いを申し上げます。
(問)2点目ですが、関東・東北豪雨の関係で、国の一部敗訴としては、先月の一審判決について国が昨日控訴しましたけれども、その理由と今後の対応をお願いします。
(答)平成27年9月の関東・東北豪雨により被災されたすべての方々に改めて御見舞いを申し上げます。
先月22日に、水戸地方裁判所において判決が言い渡された鬼怒川水害訴訟については、一審において国の主張が認められなかった若宮(わかみや)()地区に関する判決に不服があるため、昨日、東京高等裁判所に対して国から控訴手続きを行いました。
具体的な控訴理由については、手続き上、今後提出する控訴理由書において明らかにすることとなっており、引き続き、関係機関と協議の上で適切に対処してまいりたいと考えています。
 
(問)日野自動車がデータ不正に関する報告書を先日、国土交通省の方に提出いたしました。
その内容に対する受け止めと、再発防止に向けたお考えをお願いいたします。
(答)8月2日、日野自動車から、同社が生産する多くのエンジン機種において、排出ガス性能や燃費性能を確認する試験において不正な行為があった旨の報告を受けました。
今回の不正行為は、約20年に渡って行われており、自動車ユーザーの信頼を損ない、かつ、自動車認証制度の根幹を揺るがす行為であり、断じて許されないことだと思っています。
国土交通省としては、8月2日の報告を受けた後、速やかに日野自動車に対して、不正が判明したエンジン機種の全てを出荷停止とすること、販売済みの車両のうち、リコールで対応可能なものについては速やかにリコールを実施すること、自動車ユーザーや建設機械等メーカーへの丁寧な説明や対応に努めることを指示したところです。
今後の対応については、報告翌日の8月3日より、日野自動車に対する立入検査を行っているところであり、立入検査での不正行為等の事実関係や再発防止策の実施状況等の確認結果を踏まえて、厳正に対処してまいりたいと思っています。
 
(問)日野に関してもう少し伺いたいのですが、今から遡ること2016年に、三菱自動車が燃費不正をやって、その時に日野を含めてメーカー各社に他はやっていませんかという調査をやったときに、日野はやっていません、こういう返事をしていて、言うまでもありませんが、道路運送車両法というのは、国とメーカーとの信頼関係の上に成り立っている法律だというところでいうと、しかも、強制力がある調査に対して日野が嘘をついていたということなので、これについては、今も厳正に対処するとおっしゃっていますけど、やはり嘘をついたということ自体は許されるべき話ではない。
それから、リコールをしっかりやりなさいというお話ですけど、例えば、既に3月に発表したリコールは触媒を新品に交換するという緊急リコールなんですが、これは4ヶ月で40%しかやってないんですよね。
こういうことに対して、やれやれと言うのは簡単なんですが、実際、日野はあんまり動いていないと。
国や国民を舐めていると思うんですが、その辺はいかがでしょうか。
(答)8月2日の日野自動車からの報告を踏まえ、翌8月3日から国土交通省が行っている立入検査において、御指摘の2016年の国土交通省の調査に対して、日野自動車が虚偽の報告を行ったことが確認されました。
国の調査に対して、虚偽の報告を行った上で、不正を隠蔽し続けたことは、道路運送車両法の根幹に関わるものであり、大変遺憾です。
まさに今、おっしゃられたように制度の根幹をなすものは信頼関係です。
そこで嘘がまかり通れば、制度そのものが成り立たない、そのように思います。
国土交通省としては、引き続き、厳格に立入検査を行い、その結果等を踏まえて、厳正に対処してまいります。
また、リコールについても、リコールで対応できない部分とせめてリコールで対応できる部分とがあるわけですが、せめてリコールで対応できる部分については、今の時点で誠意を持って行ってもらいたい、このようにきちっと指導したいと思います。

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