大臣会見

斉藤大臣会見要旨

2023年5月9日(火) 10:01 ~ 10:14
国土交通省会見室
斉藤鉄夫 大臣

主な質疑事項

冒頭発言

(大臣)

本日の閣議案件で、私から報告することはありません。

質疑応答

石川県能登地方を震源とする地震について

(記者)

5日に石川県能登(のと)地方で最大震度6強の地震が発生しました。
現在までに把握されている被害の状況と国土交通省の対応についてお聞かせください。

(大臣)

改めて、今回の地震により、お亡くなりになられた方とその御家族に対し、心よりお悔やみを申し上げます。
また、全ての被災された皆様に、心からお見舞いを申し上げます。
これまでに、珠洲(すず)市内を中心に、強い揺れやがけ崩れに伴い住家や宿泊施設の被害が複数発生しています。
道路については、国道249号や県道・市道の全面通行止めが7箇所、土砂災害についてはがけ崩れが5件発生しています。
また、河川の護岸や港湾施設においても亀裂などが発生する等の被害が生じています。
国土交通省では、発災後、直ちにヘリコプター、巡視船艇、航空機による被災状況調査を行っています。
また、ホットラインの構築や情報連絡員などの派遣により、自治体の支援ニーズを把握するとともに、テックフォース等を派遣し、土砂災害や道路、港湾の被災状況調査、建築物応急危険度判定に関する支援、照明車、衛星通信車、給水機能を有した散水車の派遣などの支援を行っているところです。
地震発生から1週間程度は、最大震度6強程度の地震が発生するおそれがあります。
揺れの強かった地域の皆様は、今後の地震活動や雨の状況に十分注意し、危険な場所に立ち入らないなど身の安全を図るよう心がけていただきたいと思います。
国土交通省としましては、引き続き、現場力を最大限発揮し、被災者・被災地に寄り添った対応をしていきたいと考えています。

近畿日本ツーリストの過大請求事案について

(記者)

旅行会社大手の近畿(きんき)日本(にっぽん)ツーリストが、自治体から請け負った新型コロナの関連事業で、人件費を偽るなどして、最大で16億円を過大請求していた可能性があると発表しました。
背景にはコロナ禍で痛んだ旅行事業を新事業でカバーして営業目標を達成したいという営業担当者の想いが働いたということも明らかにしています。
国土交通省が把握しているこれの事実関係と大臣の受け止め、そしてこの事案に対する国の対応があれば教えてください。

(大臣)

5月2日に、近畿日本ツ―リストより、自治体からの受託業務について、最大で16億円の過大請求を行った旨の発表がありましたが、詳細な事実関係は、現在、近畿日本ツ―リストが設置した第三者委員会において調査されていると承知しています。
ワクチン接種業務をはじめ自治体からの受託事業は、国民の税金を活用したものであり、大手旅行会社である近畿日本ツーリストが過大な請求を行っていたことは、あってはならないことで、極めて遺憾なことだと、このように感じています。
国土交通省としては、旅行業務に関する事案ではないものの、所管事業者におけるコンプライアンス遵守の徹底を図る観点から、同社に対して指導を行っているところです。
引き続き、第三者委員会の調査結果等も踏まえつつ、再発防止に向けた取組みが徹底されるよう求めて参りたいと思っています。

北海道新幹線羊蹄トンネル工事のコンクリート品質管理について/建設業界に対する信頼が失われかねない状況について

(記者)

2問続けてお尋ねします。
北海道新幹線(よう)(てい)トンネルの建設現場で、熊谷組(くまがいぐみ)がコンクリートの品質管理試験に関して、虚偽報告をしていたと発表しました。
安全に関する検査で嘘をついていたという極めて悪質な事例であり、工程にも影響しかねません。
この件について大臣の見解をお聞かせください。
また、大手ゼネコンを巡っては3月にも札幌市で大成(たいせい)建設が建設している再開発ビルで施工不良が発覚したばかりです。
こうした事態が続けば、建設業界に対する信頼が損なわれかねません。
大臣の見解をお聞かせください。

(大臣)

まず北海道新幹線(新函館(しんはこだて)北斗(ほくと)・札幌間)の羊蹄トンネル有島(ありしま)工区の工事におきまして、コンクリートの品質を確保するための試験が、所定の頻度等で行われていないにもかかわらず、実施されたように装う虚偽の報告が行われていることを、鉄道・運輸機構が確認をいたしました。
このような不正行為が行われたことは、大変遺憾です。
鉄道・運輸機構では、今回の事案を踏まえて、直ちに、他の工区に対して注意喚起を行うとともに、他の工区でも同様の事案が発生していないかを確認しているところであり、今後の対応については、この調査結果等を踏まえて検討してまいります。
それから、後段の御質問で、3月の大成建設による虚偽申告に関する事案ですが、建設業の信頼を揺るがすものであり、今回の事案も含めて、本当に遺憾なことだと思っています。
3月の事案を踏まえて、大成建設に対しては、原因究明や、再発防止、他の物件で同様の問題がないかなどについて、第三者によるチェックを含め、厳正に対応するよう指導しているところです。
また、今回の事案についても、熊谷組に対して、原因究明、再発防止、他の物件で同様の問題がないかなどについて速やかに調査・報告するとともに、発注者に対して誠実に対応するよう、指示をしたところです。
私も建設会社の出身で、例えば、この大成建設の事案についてみれば、鉄骨を組み上げていって、一つの節を組み上げたときにきちっと上から鉛直の糸を垂らして、ズレを本当にミリ単位の管理を行っていくという、実際私も現場で働いていたときにやったこともあり、まさにコンクリートの水分検査やスランプ検査は、特にコンクリートの流動性というのはきちんとコンクリートが狭いところにもきちっと入っていくかどうかということをチェックする本当に重要な品質検査であり、そういうことについて、今回の事例があったというのは、私も建設現場で育った一技術者として、あり得ないことという思いで、本当に建設業の信頼性を揺るがす大きな問題だと思います。
この問題については建設業の信頼確保に向けて、このような不正事案が発生しないよう、品質管理をきちっと行うということも含めまして、国土交通省として徹底して指導してまいりたいと思っています。

(記者)

誠実に対応するよう熊谷組に対して指示したというのは、これは何日付でのことでしょうか。

(大臣)

正確な日付は。

(事務方)

昨日8日になります。

国土交通省OBによる民間企業役員人事への介入について

(記者)

国土交通省のOBの方による人事介入問題についてお伺いします。
3点お伺いできればと思うのですけど、一つ目が先月28日に、空港施設株式会社が、第三者委員会の報告書を公表されましたけれども、これについて、国土交通省の見解をお伺いできればと思います。

(大臣)

先月28日に、空港施設株式会社の検証委員会が報告書を公表されたことは承知しています。報告書の内容を踏まえ、既に私が主導して、事実関係の確認とこれまでの調査の点検を進めているところです。
今後、その結果をもとに、適切な対応を図ってまいりたいと思っています。

(記者)

2点目ですが、報告書によりますと、山口氏が国土交通省の現役職員と人事情報のやり取りなどを行っていたとされていますけれども、これまで「現役職員の関与はない」という国土交通省の説明だったと思うのですが、その辺の食い違いというのはいかがでしょうか。

(大臣)

これまで、私からは、一つは空港施設株式会社の役員人事に対する現役職員の関与、それから現役職員による空港施設株式会社への再就職のあっせん、それからOBから国土交通省に対する働きかけについて、「確認できなかった」と説明してきたところです。
この報告書に、国土交通省の現役職員と山口氏のやりとりなどについて記載があったことを踏まえまして、事実関係を確認の上、先ほど申し上げたこの3点、この私の説明に影響を及ぼすものかどうかについて、点検を行っていきたいと思っています。

(記者)

3点目、最後ですけど、報告書が公表されたことも踏まえて、改めて、現役職員やOBの方の関与について調査すべきではないかという指摘もありますけれども、これについていかがでしょうか。

(大臣)

先ほど申し上げたとおり、報告書の内容を踏まえ、既に私指示をして、私主導で、事実関係の確認と、これまでの調査の点検、照らし合わせ等を進めているところであり、今後、その結果をもとに、適切な対応を図ってまいりたいと思っています。

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