大臣会見

斉藤大臣会見要旨

2024年1月9日(火) 11:03 ~ 11:20
国土交通省会見室
斉藤鉄夫 大臣

主な質疑事項

冒頭発言

(大臣から)人事案件について

(大臣)

本日の閣議案件で、特に私から報告するものはありません。
このほか、私から2点報告があります。
1点目は、人事案件についてです。
令和5年12月22日に発表しました、令和6年1月10日付で気象庁長官に (もり)隆志(たかし) 気象庁気象防災監を任命する人事異動については、令和6年能登半島地震の発生を受けて、発令を延期することとしました。
詳細は事務方にお問い合わせください。

(大臣から)航空の安全・安心確保に向けた緊急対策について

(大臣)

2点目は、羽田空港の衝突事故を受けてとりまとめた、航空の安全・安心確保のための緊急対策についてです。
まず、改めて、事故で亡くなられた海上保安庁の乗員5名とその御家族に心からお悔やみを申し上げます。
そして今回の事故に遭遇された方とその御家族の皆さまに、心からお見舞いを申し上げます。
先日の会見で申し上げましたように、公共交通機関としての航空の信頼回復を図ることは私の大きな使命の一つと考えており、国土交通省の総力を挙げ、航空の安全・安心対策に取り組んでいく決意です。
最終的には運輸安全委員会の事故調査報告も踏まえ、抜本的な安全・安心対策を講じますが、今回のような事故が二度と発生しないよう、現時点で把握している客観的な情報をもとに、直ちに取り組むことができる安全・安心対策について、これまで指示したものも含め、緊急対策として取りまとめました。
具体的には、1.管制機関及び航空事業者等への基本動作の徹底指示、2.管制官による監視体制の強化、3.パイロットによる外部監視の徹底、視覚支援、4.滑走路進入に関するルールの徹底、5.関係者間のコミュニケーションの強化、等の対策を緊急的に講じていきます。
加えて、運輸安全委員会の事故調査報告を待たず、早急に外部有識者を含めた検討委員会を立ち上げ、パイロットと管制官に対する注意喚起システムの強化や、パイロットと管制官の交信の見直しの必要性などについて、検討を行っていきます。
検討委員会の詳細については現在検討中であり、12日(金)に発表する予定です。
また、海上保安庁においても、事故当日に安全運航の徹底を指示し、五日には各種マニュアルの緊急点検やその履行状況の確認などを行う緊急安全対策を指示しています。
国土交通省としては、今般の事故の原因究明に向けて、引き続き、運輸安全委員会の調査等に全面的に協力しつつ、今後、更なる安全・安心対策に取り組んでいきます。
今日の緊急に取り組むべき項目について、この後事務方から具体的な方法等について説明させますのでよろしくお願いいたします。以上、冒頭2点御報告させていただきました。

質疑応答

羽田空港航空機衝突事故の根本的な再発防止に向けた中長期の対策について

(記者)

今、言及がありました緊急対策を取りまとめたとのことですが、今後、中長期的に見た場合、航空の安全確保に向けた再発防止策にどのように取り組んでいくのか、また、ソフト、ハード両面を含めたところでの必要性など大臣の現時点でのスタンスと言いますか、考え方をよろしくお願いします。

(大臣)

お手元に紙を1枚配らせていただきました。
短期、中期、長期に対して、これからの安全・安心対策をどのように取り組んでいくかをまとめたものです。
御質問の中長期については、この紙の2段目、3段目に当たろうかと思います。
早急に外部有識者を含めた検討委員会を立ち上げ、パイロットと管制官に対する注意喚起システムの強化、例えば、ストップバーの活かし方とか、いわゆる管制官での監視盤での注意喚起の仕組み、今までは色が変わるという程度でしたが、例えばアラームというようないろいろな意見も出ています。
そういう喚起システムの強化や、パイロットと管制官の交信の見直しの必要性などについても、しっかり有識者を含めた検討委員会で検討していただければと思っています。
今ある客観的な状況のなかで、これらを打ち出していく。
さらに、最終的には運輸安全委員会の事故調査報告も踏まえ、抜本的な安全・安心対策を講じていきたいと思っています。

令和6年能登半島地震の最新の被害状況と課題、今後の取り組みについて

(記者)

能登(のと)半島地震についてお伺いします。
現在把握している被害状況と、それを踏まえて見えた政策の課題ですとか対応の難しさがあればお聞かせください。
併せて早期復旧に向けた今後の取り組みもお願いいたします。

(大臣)

まず、今回の地震により、お亡くなりになられた方々及びその御家族に対し、心からお悔やみを申し上げます。
また、全ての被災された皆さまに、心からお見舞いを申し上げます。
本日(9日)6時時点の主な被害状況としては、高速道路は(のう)(えつ)道3区間、国道や県道は95区間で通行止め、土砂災害は、河道閉塞を含め、石川県等で53件発生、鉄道は、JR西日本七尾(ななお)線、のと鉄道でレール損傷等の被害、空港は、能登空港でターミナルビルや滑走路で被害、港湾は、能登地域の岸壁の約半数が利用できない状態となっており、一部地域では、津波により約120haの浸水被害も確認されています。
国土交通省では発災直後から、現地対策本部に職員を派遣するとともに、海上保安庁の巡視船艇・航空機や各地方整備局から集結したTEC-FORCE等、陸・海・空すべての力を結集し、総力を挙げて対応にあたっています。
引き続き、被災地への輸送ルートの確保や孤立地域等の解消、支援物資の輸送、生活環境の改善、生活再建などの課題に対し、しっかりと取り組んでいく必要があります。
まず、陸・海・空の輸送ルートの早期回復に向け、道路については、国道249号等沿岸部の緊急復旧に向けて、自衛隊との連携も視野に作業を着実に進めています。
また、生活道路についても、早期復旧に向け、TEC-FORCEによる被災状況調査を進めているところです。
海上輸送については、港内の水深確保や港湾施設の早期復旧等が課題であり、被害が大きな輪島(わじま)港など六つの港湾では、国が県に代わり応急復旧工事や岸壁の利用調整を進めるとともに、海上保安庁による港内調査等を進めています。
能登空港については、被災した滑走路の早期復旧に向け、石川県の作業をTEC-FORCEにより支援していきます。
支援物資の輸送については、業界団体、トラック事業者とも連携し、「ラストワンマイル」の配送や、避難の長期化に伴い多様化する、物資のニーズへの対応のため、現地にTEC-FORCEや物流の専門家を派遣するなど、様々な取組みにより支援を行っていきます。
生活環境の改善については、水道施設の早期復旧に向け、昨日(8日)より、特に被害の大きい能登半島北部の6市町(しまち)に、TEC-FORCEを順次派遣し、日本水道協会と連携して支援を行っています。
また、下水道についても点検支援を進めており、上下水道一体となった早期復旧に取り組んでいきます。
また、観光庁では、二次避難のため、一昨日時点において、石川県などの北陸4県で、約2500人収容可能な宿泊施設情報を集約し、石川県へ提供していますが、さらなる積み増しを迅速に行うよう対応していきます。
また、移動の支援についても関係機関と連携して取り組んでいきます。
この移動の支援は、例えば、関連死を少なくするために老人施設等で今必要な方を福祉タクシー等で運ぶことです。
これも厚生労働省と連携して取り組んでいきます。
住まいの確保に向け、建設型の応急住宅について、輪島市、珠洲市(すずし)では12日に、穴水町(あなみずまち)能登(のと)(ちょう)では15日に着工すべく、準備が進められています。
業界団体や全国自治体とも連携し、これらの取組みを支援していきます。
引き続き、国土交通省の現場力を最大限発揮し、自治体の支援ニーズを迅速・的確に把握して、被災者・被災地に寄り添った災害対応に、全力で取り組んでいきます。

石川県管理の河川や砂防施設の復旧作業 代行について

(記者)

能登半島地震の件でお伺いします。
国道249号など幹線道路について、総理から権限代行で復旧を進めるよう指示が出ていると思いますが、県や市町職員の人繰りが厳しい状況の中で、これから砂防施設や河川についても国が主導して復旧を進める考えはあるのでしょうか。
大臣の見解聞かせてください。

(大臣)

まず河川、砂防施設についての御質問です。
応急復旧と本格復旧、分けて考える必要があるかと思いますが、応急復旧については、御存知のとおり国が率先してやっているところです。
国土交通省では、1日の発災直後からTEC-FORCEを現地に派遣し、ヘリコプター等も活用しながら、被害状況の把握や、応急復旧対策の技術的な支援などを行っています。
こうした活動等により、被災地では、大規模な土砂崩壊により、河川がせき止められたり、砂防施設が機能を失うなどの箇所があることを把握しています。
国土交通省としては、今後とも、早期復旧に向けて、県からの要望等を踏まえながら、国が先頭に立って迅速に対応していきたいと考えているところです。
河川や砂防等の本格復旧については、これから県とよく連携をしますが、まずは応急復旧、県と連携を取りながら国が先頭に立ってやっているところです。

九州新幹線西九州ルートにおける佐賀県との協議についての受け止めと今後の対応について

(記者)

国土交通省が昨年末の12月28日に佐賀県と行った九州新幹線西九州ルートの未着工区間に関する協議についてお尋ねします。
ルートに関して佐賀県側は政府側が推す佐賀駅を通るルートを明確に否定し、佐賀空港周辺を通るルートを「可能性を議論してよい」との認識を示しました。
佐賀県の姿勢をどう評価されますか。
また、佐賀県側は今後の協議について、佐賀・長崎両県がまず話し合い、状況に応じてJR九州や国土交通省が加わる案を示しました。
この案をどのように受け止め、今後どのように協議を進められますか。大臣のお考えをお聞かせください。

(大臣)

昨年12月28日に、国土交通省の平嶋(ひらしま)鉄道局次長と、佐賀県の南里(なんり)副知事との間で、九州新幹線(新鳥栖ー武雄温泉間)について、協議を行いました。
この協議において、佐賀県からは、フリーゲージトレイン導入を断念した経緯を踏まえるべきではないか、長崎県と佐賀県とで話をして合意していくことが必要ではないか、佐賀駅を通るルートを白紙にして、合意形成すべきではないかなどのお話があったと承知しています。
また、鉄道局からは、昨今の、佐賀県知事による県議会等での御発言について、その趣旨を確認するとともに、フル規格で整備することの意義や、二次交通との結節点となる、佐賀駅を通るルートの意義などについて、お伝えしました。
その上で、今回、佐賀県と鉄道局との間で率直な意見交換ができたことは一定の意義があったと考えています。
今後の対応としては、まずは、与党の検討委員会に対して、今回の協議の内容を御報告することになると考えています。
いずれにしても、今回佐賀県からお伺いした内容も踏まえながら、引き続き、新幹線整備の必要性、重要性について御理解をいただけるよう、佐賀県との議論を積み重ねていきたいと考えています。

辺野古代執行を行った際の大臣の所感について

(記者)

年末、普天間(ふてんま)基地の代執行を大臣やられた訳ですが、平和や安全を大変重視している大臣が、()()()を代執行したことに対して、何か葛藤や悩みなどは無かったのかということが1点と、辺野古基地になっても、航空法の高さ制限に引っかかると今指摘されています。高台には沖縄高等専門学校、()()中学校があります。
これについてどう思うか。以上2点お伺いできればと思います。

(大臣)

まず1点目の御質問ですが、これまでも、公有水面埋立法の所管大臣として、法律に基づき、所要の手続を進めてきたところです。
今般の代執行についても、適法に事務を遂行するため、法律に基づき、公有水面埋立法の所管大臣として、必要な手続を行ったものです。
2点目の御質問については、質問通告がなかったものですから、私今この時点でお答えできませんけれども、検討してお答えさせていただきたいと思います。

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