2025年11月18日(火) 9:10 ~ 9:18
国土交通省会見室
金子恭之 大臣
(大臣)
代表質問、予算委員会が終わりまして、今日10時から参議院国土交通委員会で私の所信聴取ということになりました。
いよいよ国土交通委員会の店開きが始まりますので、緊張感を持ってしっかりと対応したいと思います。
(記者)
先日、三井不動産が販売前マンションの転売規制を購入予定者に通知したということがありました。
これらの対策は不動産の購入の価格高騰対策として有効とお考えになりますか。
また、国としても何か同様な行き過ぎた転売規制を検討する方針というのはありますでしょうか、伺います。
(大臣)
近年の住宅価格上昇の背景には、需要と供給の両面で様々な要因があるものと認識しています。
この要因の一つとして今お話がありましたような、投機目的でのマンション取引の可能性を指摘する声もあると承知しています。
お尋ねの三井不動産レジデンシャル株式会社の取組については、その有効性については、国土交通省としても期待感を持って今後の動向を注視していきたいと考えています。
国土交通省としても、実需に基づかない投機的な取引は好ましくないと考えています。
まずは取引の実態を把握することが重要であり、今月4日の総理指示を踏まえて、国外からの取得を含めたマンションの取引実態を早急に把握、公表するとともに、その結果も踏まえて、必要な対応を検討していきたいと思います。
(記者)
中国政府が自国民に日本訪問を控えるよう注意喚起しました。
渡航自粛が広がれば、訪日客需要が低迷し日本の観光業に打撃となりますが、大臣の受け止めと観光分野への影響、国土交通省としての対応と対応策の必要性についてお聞かせください。
(大臣)
中国政府が14日、中国国民に対して、当面の間、日本への渡航を避けるよう厳重に注意喚起すると発表した、と承知しています。
現在、外交ルートで様々なやりとりが行われていると承知しており、今般の渡航自粛の呼びかけが中国人旅行者の訪日旅行にどのような影響を与えるかについては、現時点で、予断を持って申し上げることは差し控えたいと思います。
引き続き、中国からの訪日旅行者の動向について、注視していきたいと思います。
(記者)
熊本県の川辺川での流水型ダム建設に伴う、漁業補償契約についてお尋ねします。
国土交通省と球磨川漁協が14日に結んだこの契約について、漁協組合員で作る2つの団体から同日、契約に関する抗議文が提出されました。
この抗議文によると、漁協が開いた説明会の複数会場で補償案への疑問や説明不足の声が上がっており、国土交通省が組合員向けに直接説明する場を設けることを強く求めています。
球磨川漁協は9月の臨時総会で、594人中426人と、3分の2以上の賛成で補償案の受け入れを決めましたが、反対した162人の声は決して小さくありません。
この声に対して、今後組合員向けに説明会を開くお考えがあるのかお尋ねします。
また、こうした状況を踏まえて、ダム建設をどのように進めていくかも併せてお尋ねします。
(大臣)
川辺川の流水型ダムについては、令和2年7月豪雨災害後の治水対策として、国・県・流域市町村が一体となって進めている「球磨川水系流域治水プロジェクト」の根幹となる事業です。
先週14日には、球磨川漁業協同組合と九州地方整備局との間で漁業補償契約を締結しました。
この漁業補償契約については、漁業権を有する球磨川漁協と交渉を行ってきたものであり、9月の漁協総会において、反対162票に対して賛成が426票と全体の3分の2を上回り、可決されたと承知しています。
これまでも、球磨川漁協からの要望については、九州地方整備局から丁寧に説明させていただいており、これを踏まえ漁協において組合員への説明会等が行われているところです。
また、9月11日に3分の2以上の賛成で補償案の受け入れを決めていただいた漁協総会においても、更に、頂いた組合員からの御懸念についても、10月2日に漁協理事会へ説明を行ったところであり、今後、組合員に周知されるものと承知しています。
今後も、球磨川漁協の意向・要望を踏まえ、丁寧な対応に努めるとともに、川辺川ダムの令和9年度の本体基礎掘削工事着手、そして令和17年度の完成に向け、着実に事業を進めていきたいと思っています。
ですから、これまでも色々な組合員の人たちの懸念や要望には丁寧に、例えば60分の1や30分の1の模型を作って、そこで実証実験をやって、懸念のものに対するデータを元に説明していますし、また先程言いましたように3分の2で受け入れをいただいた総会においても更に要望を頂きました。
それについても理事会に丁寧にお返ししているということですので、引き続きこの姿勢は守りながらと思います。
一方、私も令和2年豪雨災害を経験していますけれども、やはり多くの方々がお亡くなりになり、多くの皆さま方が被災し、長年かけて作ってきた街づくりをやってきた街並みが壊れてしまったということも考えるならば、環境に十分配慮した流水型ダムを作るということは、国、県、そして流域自治体とも合意の上で進めているわけですので、その地域の責任ある立場の皆さま方と連携しながら進めていきたいと思います。
(記者)
中国の訪日自粛を求める呼びかけについてのことで、先程の御回答に関してお尋ねしたくて、先月のデータとかここ1年くらいのデータを見ますと、中国からの訪日観光客は、国別で見ますと、ほとんど1番多い状態を占めていまして、実際そこの方で自粛が呼びかけられると、国内の観光業の皆さまですとか、そういったところの影響も懸念されてくるのかなといいますか、実際に今キャンセルも出始めているという報道も一部ある中で、その辺り今、大臣どのように受け止めていらっしゃるかお聞かせください。
(大臣)
先程も申し上げたように、中国政府から注意喚起があったということ、自粛をするようにという話についても聞いていますけれども、まだ間がありませんので、今後、外交的にも今色々なやりとりをやっているところなので、この時点で何かそういう不安を煽るようなことはできませんし、中国がもちろん訪日客は圧倒的に多いわけですけれども、それ以外の国の皆さま方の観光客数も増えていますので、そういう意味では、しっかりと訪日客の需要を喚起するような政策を執りながら、中国の観光客の皆さま方に対しては注視していきたいと思います。
一喜一憂して、大変だ大変だと大慌てすることではないのだろうと思いますので、もちろんオーバーツーリズム等々の問題も、もちろんこれは中国の観光客だけではないのですけれども、そういう中でやはりある程度、地域の観光客の状況を見ながら、しっかりとそこに対応できる体制を作っていく、その地域に住む皆さま方の時間とか、あるいは地域によって物凄く差がありますので、そういったところも含めて、その地域がどういう影響が出てくるかということも含めて、我々もオーバーツーリズムというのは考えていますけれども、一方、訪日客を増やしていかなければいけないという命題もありますので、是非そのことも含めて、総合的にこれから注視していきたいと思います。