2025年11月21日(金) 8:35 ~ 8:45
衆議院分館 4階エレベーターホール前
金子恭之 大臣
(大臣)
本日の閣議案件で、特に私から報告するものはありません。
(記者)
まもなく、本日にも高市内閣の経済対策が閣議決定される見込みとなっていますけれども、国土交通省の中での、やっていく大臣の意気込みと、力の入れたい政策、それからその狙いについてお願いします。
(大臣)
今回の経済対策については、総理より、生活の安全保障・物価高への対応、危機管理投資・成長投資による強い経済の実現、防衛力・外交力の強化の三つの柱に沿って策定するよう指示があったところです。
国土交通省としても、この三つの柱に沿って、必要な施策を盛り込むこととしています。
まず、「生活の安全保障・物価高への対応」としては、住宅価格等の高騰を踏まえ、住宅ローン・フラット35の融資限度額引上げ等に取り組みます。
また、インバウンドと地域住民の生活との両立を図るための、オーバーツーリズム対策等にも取り組みます。
「危機管理投資・成長投資による強い経済の実現」としては、経済安全保障の強化の観点から、造船業の再生・強化及び港湾ロジスティクスの強化に取り組むほか、防災・減災、国土強靱化の推進などに取り組みます。
「防衛力と外交力の強化」の観点からは、海上保安能力の強化などに取り組みます。
これらの対策の裏付けとなる予算措置についても調整を進め、重要施策を着実に推進してまいります。
(記者)
金子大臣は本日、就任から約1か月を迎えられました。
就任会見では「防災や交通政策など職責を全うする」と抱負を述べられて、これまで対外的には、アメリカと造船能力拡大に向けた覚書を結ぶなど、取組を進めてこられました。
就任1か月を振り返った所見と今後力を入れたい課題について改めて教えてください。
(大臣)
あまり意識していなかったのですけれど、本日で国土交通大臣就任から1か月となりました。
これから年末にかけて、法案審議も控えており、補正予算、令和8年度予算・税制の編成も大詰めを迎えます。
引き続き、緊張感を持って、高市内閣の一員としてしっかり対応していきたいと思います。
その上で、1か月を振り返って、いくつか申し上げます。
まずは、就任直後に、最初の視察として、能登半島地震の被災地に行ってまいりました。
被害の大きさを実感し、被災された方々の生活や生業の再建に向けて、国土交通省を挙げて復旧・復興を進めるとともに、防災・減災、国土強靱化を強力に推進する決意を新たにしました。
高市内閣のもとで新たに立ち上げられた日本成長戦略本部では、重点投資対象の一つに「造船」が位置付けられました。
先月28日には、米国ラトニック商務長官との間で協力覚書に署名し、また、明日には、国内最大級の造船所である今治造船・丸亀事業本部を視察します。
我が国造船業の再生に向けて、率先して取り組んでいく覚悟です。
このほか、海上保安庁の現場も視察し、練度の高い訓練を確認するとともに、こちらからお願いをして若手海上保安官と意見交換を行い、船内の設備や宿舎、また、女性海上保安官の働きやすい環境等について、本音の声を聞いてまいりました。
国土交通省は、国民の命と暮らしを守り、我が国の経済や地域の生活・生業に直結する重要な分野を、陸・海・空にわたり、幅広く所管しています。
今後も、できる限り現場に赴き、生の声を聞く、現場主義を大事にしながら、国土交通大臣としての任務を遂行してまいります。
(記者)
自賠責の積立金の一般会計の繰入金についてお願いします。
小林政調会長が19日に、補正予算で5700億円を戻すと表明されていて、こちら今、2023年から1台125円の賦課金というのが、積立金の不足によってかかっていると思うのですが、こちらの扱いについて検討状況をお願いします。
(大臣)
一昨日、小林政調会長が今般の経済対策において、自動車安全特別会計から一般会計に繰り入れられている約5741億円の一括返還を検討している旨、発言されたことは承知しています。
これまで、国土交通省としては、財務省に対して、早期の全額の繰戻しの実現を強く求めてまいりました。
仮に全額返済が実現された場合においては、自動車事故被害者への支援事業等を安定的かつ継続的に実施することができるものと考えています。
今週19日、交通事故被害者の御家族の方が大臣室にお見えいただき、お話を伺いました。
改めて、被害者や御家族が安心して生活できる社会の実現に向けて、被害者支援事業等をしっかりと継続していくとともに、事業の充実を図らなければならないとの思いを、強くしました。
なお、今後の賦課金の取り扱いについては、将来にわたって被害者支援事業等の充実と安定的な継続を確保することを第一に考え、適切に対応していきたいと考えています。
(記者)
私からは鉄道について伺います。
JRの各社の地方の赤字路線が今月出揃いました。
JR東日本は過去最大ということになっています。
それで、沿線の知事からはやはりJRが内部補助をすべきではないか、経営の苦しいところは国が責任を持つべきでないかというような、こういった意見も今年の4月に出されているところですけれども、大臣としてこの内部補助の考え方、国がどうあるべきかという考え方を伺いたいと思います。
(大臣)
大量輸送機関としての鉄道の特性が発揮できていないローカル鉄道については、地域の関係者が十分に議論を行って、地域や利用者にとって最適な形で交通手段の維持・確保を図ることが重要であると思います。
令和5年の地域交通法の改正等によって、新たな制度を活用したローカル鉄道の再構築の取組が全国的に進んでいますが、私の地元でも二つの鉄道が再構築の認定を頂いていまして、来月にはもう一社お願いしようとしているところです。
更なる制度の充実・強化や全国的な鉄道ネットワークの在り方等に関して、今お話があったように様々な意見が出ていると承知しています。
このような状況を踏まえて、先月10日には、令和4年に開催しました「鉄道事業者と地域の協働による地域モビリティの刷新に関する検討会」を再開しまして、ローカル鉄道の再構築や鉄道ネットワークに関する課題等について、有識者の方々に議論していただくこととしています。
(記者)
中国の関連でお伺いできればと思います。
渡航自粛の要請の関係で、来週マカオで予定されていた日中韓観光大臣会合が中止になったということを韓国政府が明らかにしています。
日本からは、観光庁長官が参加予定されていましたけれども、事実関係と大臣としての政府間の会合にも影響が及んでいることの受け止めを教えてください。
(大臣)
次回の日中韓観光大臣会合は、中国にて開催されることが決定していますが、本会合の日時等については、現時点でホスト国である中国から発表されていないことから、私からはコメントすることは差し控えたいと思います。
(記者)
関係機関の方には中止の連絡もあったということをお伺いしていたのですけれども。
(大臣)
私は承知していません。
そういう意味では、中身も含めて差し控えたいと思います。