2025年11月25日(火) 9:10 ~ 9:30
国土交通省会見室
金子恭之 大臣
(大臣から)2027年国際園芸博覧会の準備の加速化について
(大臣)
本日の閣議案件で、特に私から報告するものはありません。
このほか、私から2点報告があります。
1点目は、「2027年国際園芸博覧会の準備の加速化」についてです。
本日から、後ろのスクリーンに公式ロゴを表示しまして、公式マスコットのトゥンクトゥンクと共に会見を行うことにしました。
開幕に向けて大いに機運を高めていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
今般、閣議決定された経済対策にも、本博覧会の準備の加速が盛り込まれており、会場や政府出展施設の工事の前倒し、海外からの参加の促進とともに、夜間プログラムの充実など、博覧会の魅力を向上させる検討も加速させます。
また、最も重要な事項である、要人を含む来場者の会場内での安全確保に関し、近年求められている警備水準の引き上げに伴う費用は、大阪・関西万博と同様に、国が確保することとし、協会との役割分担や必要額の精査を早急に行ってまいります。
こうした取組により、博覧会の成功に万全を期してまいります。
詳細は事務方にお問い合わせください。
(大臣から)マンションの取引実態の調査結果について
(大臣)
2点目は、マンションの取引実態の調査結果の公表についてです。
この調査は、3大都市圏等の新築マンションを対象に、不動産登記情報等を活用して、短期売買と、国外からの取得の2点について、国土交通省として初めて調査・分析を行ったものです。
今月4日に開催された「外国人の受入れ・秩序ある共生社会に関する関係閣僚会議」における総理からの早急な実態把握・公表の指示を受け、本日公表するものです。
調査の結果、短期売買、国外からの取得のいずれについても、都内を中心に一部の大都市部で増加しており、中心部に行くほど増加が顕著となる傾向や、同じエリアでも年によって数字が大きく変動する状況などが見られました。
また、短期売買については、大規模マンションの方が割合が高い傾向も確認できました。
国土交通省としては、日本人か外国人かを問わず、実需に基づかない投機的取引は好ましくないと考えており、これまで、大規模マンション等の供給事業者が会員となっている不動産協会と、投機的取引の抑制に向けた対応について相談を重ねてきたところです。
この調査結果の公表を受けて、本日、不動産協会の方でも会見を開き、協会の取組について発表される予定と伺っています。
今回の調査結果を踏まえ、業界とも緊密に連携しながら、投機的取引抑制に取り組むとともに、今後も、継続して取引実態の把握に努めてまいります。
詳細は後ほど事務方から説明させます。私からは以上です。
(記者)
先程のマンション取引調査結果を受けた大臣の受け止め、改めてどのような対策が必要と考えられるか伺います。
また、今回の調査結果では大部分の購入者は日本に国籍がある方だったようなのですけれども、巷で今広がっている排外主義の是正も目的に、改めて大臣の方から、大部分の購入者が日本人であり、外国人の割合は少ない旨を発信される御予定などがあればお願いします。
(大臣)
今回の調査では、2025年上半期での新築マンションの取得のうち、国外からの取得の割合は、23区で3.5%、都心6区で7.5%という結果になりました。
区によっては10%前後のところもあり、特に直近で顕著な増加傾向も見られることから、今後も動向を注視していく必要があると考えています。
また、このような状況に加え、今回の調査の元となっている不動産登記情報に国籍が含まれておらず、国内に住所のある外国人による取得の実態は把握できていないことから、本調査の結果をもって、取得全体に占める外国人の割合が小さいか否かを申し上げることは困難と考えています。
国土交通省としては、来年度以降も本調査を継続し、取引実態の把握に努めるとともに、今月4日の総理指示を受け、不動産登記において国籍を把握する仕組みが整備された場合には、国籍も含めたより詳細な取引実態の調査・分析に取り組んでまいります。
要は、今回は外国に住所がある方の取引であって、国内については日本人か外国人かということが把握できていませんので、そういうことです。
(記者)
調査結果に関して質問します。
これまでの会見で金子大臣は、近年の住宅価格上昇の要因の一つとして「投機的目的でのマンション取引の可能性を指摘する声がある」とお聞きであるとおっしゃっていました。
今回の調査結果は、転売によってマンション価格が上がっていると示す内容でしょうか、大臣のお考えをお願いします。
(大臣)
今回の調査では、上半期に登記された新築マンションのうち、1年以内に売買された割合は、23区で9.3%、都心6区で12.2%という結果になりました。
また、10%を超える区も複数あり、直近での顕著な増加傾向も見られました。
近年のマンション価格の上昇の背景には、需要と供給の両面での様々な要因があり、今回の調査のみで短期売買による影響を特定することは困難ですが、今回の結果も踏まえ、引き続き、短期売買等取引実態を注意深く見ていく必要があると考えています。
国土交通省としては、実需に基づかない投機的取引は好ましくないと考えており、引き続き、取引実態の把握に努めるとともに、不動産協会等関係団体と連携して、投機的取引の抑制にしっかり取り組んでいきたいと思っています。
(記者)
マンションの取引実態の調査結果についてお尋ねします。
先程大臣の方でも、国籍の話がありましたけれども、今大規模な土地の購入については、国籍の届け出というところが義務付けられているかと思います。
今後もこうした調査を行っていくということですので、マンション等の不動産の情報にも国籍について明記するのかですとか、そういったところの今後の方針含めてお伺いしたいです。
(大臣)
御指摘のとおり、大規模な土地の取引については、本年7月に、国土利用計画法の届出事項に国籍を追加したところです。
一方、今回の調査の元となっている不動産登記については、現在、国籍を記載する仕組みにはなっていませんが、今月4日に開催された「外国人の受入れ・秩序ある共生社会に関する関係閣僚会議」において、総理から法務大臣に対して、「不動産の移転登記時の国籍把握の仕組みの検討」が指示されたところです。
この総理指示を受けて、不動産登記において国籍を把握する仕組みが整備された場合には、国土交通省としても、国籍を含めた、より詳細な取引実態の調査・分析に取り組んでいきたいと思っています。
(記者)
改正トラック法の施行日が先日閣議決定されたと思うのですが、大臣の受け止めをお願いします。
(大臣)
先の通常国会にて議員立法で成立した「トラック適正化2法」は、トラック運送事業の取引環境の適正化やトラックドライバーの処遇の改善に資するものとなっており、その一部についての施行期日を来年4月1日と定める政令等が21日に閣議決定されました。
これによって、来年4月1日から、許可を得ずに他人の貨物を有償で運送する、いわゆる違法な「白トラ」行為を行った者に対して、運送を委託した荷主等についても、処罰の対象となるほか、違法な「白トラ」の利用が疑われる荷主等については、トラック・物流Gメンによる是正指導の対象となります。
また、多重取引構造の是正に向けて、トラック運送事業者等が元請事業者として運送を引き受ける場合に、再委託の回数を2回以内までとする努力義務が課されることとなります。
国土交通省としては、引き続き、関係省庁や業界団体とも連携しながら、改正内容の丁寧な周知をしっかりと実施するとともに、3年以内に施行予定の事業許可の更新制や適正原価制度の導入に向けた準備を着実に進めて、トラック運送業界における健全な取引実態の実現やドライバーの更なる賃上げを図ってまいります。
広島県における虚偽の公文書による国庫負担金の請求について
(記者)
広島県の虚偽公文書問題についてお伺いします。
県は虚偽公文書をもって国土交通省から補助金を得ていましたが、この文書を巡り、県は21日、公益通報についての再調査結果を公表し、県が当初から認識していたという結果が出ました。
国としての受け止めと今後の方針、県への補助金の返還請求など、今後の対応をお伺いします。
(大臣)
広島県が、虚偽の公文書を用いて災害復旧事業に関する国庫負担金の請求を行っていた事案について、11月21日に、県が、外部の弁護士による調査報告書を公表したことは承知しています。
また、今回の報告書では、令和3年に県の人事課に対して公益通報があり、それを受けた内部調査によって、令和4年3月には、県は虚偽公文書作成の事実認定をすることが可能であったことなどが明らかにされたと承知しています。
広島県が、虚偽の公文書を用いて国庫負担金の請求を行ったことや、遅くとも令和4年3月の時点でその事実を認定できていたにも関わらず、令和7年5月に公表するまで適切な対応がなされなかったことは、誠に遺憾です。
現在、広島県において、平成30年度以降の災害復旧事業の設計変更協議に係る虚偽の公文書作成の有無及びその理由や、国庫負担金に及ぼした影響などを確認・整理しているところと聞いていまして、国土交通省は、以前より、県に対し、確認結果を速やかに報告するよう求めているところです。
今後、詳細な報告を受けた上で、必要な場合は補助金の返納を求めることも含め、国土交通省として適切に対処してまいります。
日本のバス、タクシーにおける自動化、電動化について
(記者)
大臣は週末22日に松山市にいらして、バス協会の会長会社である伊予鉄バスの清水さん、あるいはBOLDLYさんと自動運転の試乗をなさったと思います。
これの御感想と、一般的に日本は路線バスあるいはタクシーの自動化、電動化が世界のスピード感からすると少し遅れているのではないかという指摘があるのですが、今後、電動化、自動化をどのように推し進めていらっしゃるのか、その辺りを教えてください。
(大臣)
先週22日に、愛媛県松山市において自動運転バスに試乗しましたが、その試乗を通じて、アメリカや中国の一部都市で開始されている本格的な自動運転サービスが、我が国でも実現間近であることを実感したところです。
特に、来年の1月後半には、郊外ではなくて市街地でレベル4が実現するということで、私のFacebookとかXを見ていただくと、始動あるいは停止、車線変更、車線変更の時は車が流れているところに自動的に入っていく、あるいは信号のみならず、信号の矢印とか、あるいは交通標識に対応しているということ、それを見た時に、我々は前方とか左右とかですが、この自動運転バスは360度にそのような情報を把握した上で走っている、そういう意味では私と比べて非常にスムーズな運転、しかも電動化されて静かであるということ、それからカードによる決済もできるということで、非常にここまで来たかということ、それから踏切を越える自動運転は今まで世界でもなかったのですが、1月までには踏切を越えるところもしっかり自動運転で対応できるということであり、まさに世界最高水準のレベルに達しているということを実感したところです。
自動運転は、バス・タクシーの深刻な担い手不足や、交通事故削減などの社会課題を解決する観点から、その普及を進めることが重要であり、国土交通省では、これまで自動運転の導入を目指す地方自治体に対して支援を行ってきたところです。
また、車両の電動化もカーボンニュートラル実現に向けて進めていく必要があり、こちらについても電動車を導入するバス・タクシー事業者への支援を行っており、国産のバス・タクシー車両も少しずつ出始めているところです。
さらに、これら自動運転や電動化技術の分野で我が国の自動車メーカーが世界をリードしていけるよう、国土交通省が、一般的に中国やアメリカに比べて日本は遅れているという見方をされているのですが、実は国連における国際基準づくりにおいては、日本人が共同議長なり、あるいはその責任者として、しっかりとその中に入っていますので、日本が主導しているところですので、しっかりと外国に負けないように、日本の安全、そして確実、安心な自動運転が確保できるように国際基準づくりを含めて、取り組んでいきたいと考えています。
これらの取組を通じて、自動運転や電動化の分野において、我が国が海外に比べ後れを取ることがないよう、しっかりと対応していきたいと思います。