大臣会見

金子大臣会見要旨

2026年3月27日(金) 9:40 ~ 10:01
国土交通省会見室
金子恭之 大臣

主な質疑事項

冒頭発言

(大臣から)「下水道法等の一部を改正する法律案」、「建築物のエネルギー消費性能の向上等に関する法律の一部を改正する法律案」の閣議決定について

(大臣)

本日の閣議案件で、私から3点報告があります。
1点目は、本日の閣議で、国土交通省提出の2本の法律案が閣議決定されました。
一つ目の法律案は、「下水道法等の一部を改正する法律案」です。
この法案は、昨年1月に埼玉県()(しお)市で発生した、老朽化した下水道管の破損による大規模な道路陥没事故等を踏まえ、また、施設の老朽化や職員数の減少等により厳しさを増す下水道の事業環境にも対応しながら、強靱で持続可能な下水道の実現を図るとともに、道路における占用物件の適切な維持管理を図るため、所要の措置を講ずるものです。
二つ目の法律案は、「建築物のエネルギー消費性能の向上等に関する法律の一部を改正する法律案」です。
この法案は、建築分野の温室効果ガス排出量が我が国全体の約4割を占めることを踏まえ、2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、建築物の資材製造から解体までのライフサイクル全体の脱炭素の取組を評価するための措置や、より高い省エネ技術の開発や普及を促進するための措置などを講ずるものです。
それぞれの法案の詳細については後ほどプレスリリースをします。
詳細は事務方にお問い合わせください。

(大臣から)観光立国推進基本計画について

(大臣)

2点目は、本日の閣議で、2026年度から2030年度までの5年間を計画期間とする、第5次観光立国推進基本計画が閣議決定されました。
本計画では、観光を、地域経済や日本経済の発展をリードする戦略産業と位置付けた上で、地方誘客の推進を通じたオーバーツーリズム対策の強化等によって「インバウンドの戦略的な誘客と住民生活の質の確保との両立」を図るとともに、休暇の分散・旅行需要の平準化等の「国内交流・アウトバウンド拡大」、さらには、様々な国・地域への戦略的な訪日プロモーションの実施等による「観光地・観光産業の強靱化」に取り組むこととしています。
先程の閣議の場でも、私から関係府省庁に協力をお願いしましたが、2030年訪日外国人旅行者数6000万人、消費額15兆円等の目標達成に向けて、政府一丸・官民一体となって本計画に基づく様々な取組を力強く進めてまいります。
後ほどプレスリリースをします。
詳細は事務方にお問い合わせください。

(大臣から)住生活基本計画について

(大臣)

3点目は、本日の閣議で、新たな住生活基本計画が閣議決定されました。
この計画は、今後10年間の住宅政策の基本的な方向性を定めるものです。
本計画においては、2050年までに予想される人口減少・世帯減少とともに、単身世帯の増加、相続住宅の増加、生産年齢人口の減少といった住生活を取り巻く大きな社会変化を見据え、これまでの官民投資によって蓄積された良好な既存住宅ストックを最大限に活用しながら、人生100年時代の住生活を支える住宅市場を構築していく、という方向性を示しました。
この方向性に即した取組方策として、国民のニーズに応じ、住宅を適時適切に確保できる循環型の住宅市場の形成や、インフラ・居住環境の整った既存の住宅・住宅地の本格的な有効活用などに取り組むこととしています。
今後、本計画に基づき、関係省庁、関係業界団体等と連携して、国民の豊かな住生活の実現を推進してまいります。
詳細は後ほど事務方から説明させます。

(大臣から)オートバイの「希望ナンバー制」について

(大臣)

このほか、私から1点報告があります。
これまで、四輪車については、ナンバープレートの好きな番号を選べる「希望ナンバー制」を導入していましたが、オートバイ・ユーザーの皆さまからも「二輪車でも好きな番号を選びたい」という御要望を多数頂いていました。
これを踏まえて、今般、オートバイについても「希望ナンバー制」を導入することとし、本年10月中旬より、申込受付を開始します。
オートバイ・ユーザーの皆さまには、是非、御自身の好きな番号のナンバープレートとともに、ツーリングを楽しんでいただけたらと思いますし、ひいては、二輪車の販売活性化にもつながることを期待しています。
後ほどプレスリリースをします。
詳細は事務方にお問い合わせください。
私からは以上です。

質疑応答

リニア中央新幹線静岡工区について

(記者)

リニア中央新幹線の着工に向けて、静岡県とJR東海が対話を必要としていた28項目、これが昨日、全て合意に至りました。
着工の前提条件が整ったことについての、まず大臣の所感をお願いします。
また、早期着工に向けた大臣の意気込みも併せてお願いします。

(大臣)

リニア中央新幹線静岡工区に関する静岡県とJR東海との間の技術的な対話については、御指摘のとおり、昨日3月26日に開催された同県の専門部会での議論をもって、同県が着工の前提としている28の対話項目全てで対話が完了したと承知しています。
静岡工区については、国土交通省も、令和2年4月から3年8か月にわたって、有識者会議を開催し技術的な対話の論点整理を行うとともに、令和6年2月以降は、「静岡工区モニタリング会議」を通じて静岡県とJR東海の対話を促すなど、継続的に支援を行ってまいりました。
そのような経緯も踏まえると、今般の技術的な対話の完了という大きな節目を迎えたことは、感慨深いものがあります。
また、(しな)(がわ)-名古屋間の開業に向けた重大な課題である静岡工区の早期着工に、ようやく目途が立ちつつあると感じています。
静岡工区の着工までには、静岡県がJR東海に対して要請している(おお)()(がわ)流域の住民への説明など様々な手続きが必要と承知していますが、今後、これらの手続きが丁寧かつスピード感をもって進められることを期待しています。
国土交通省としては、引き続き、リニア中央新幹線の早期整備に向けた環境を整え、一日も早い開業に向けて、関係自治体やJR東海と連携し、しっかりと取り組んでまいります。
なお、リニアに関しては、明日3月28日、山梨県のリニア山梨実験センターにおいて新たな改良型試験車両の試乗をさせていただくとともに、建設中の神奈川県駅(仮称)の工事現場の視察を行う予定です。
リニア中央新幹線の技術開発や整備の状況もしっかりと確認してまいります。
是非、皆さま方にも御同行いただければありがたいと思っています。

住生活基本計画について

(記者)

閣議決定した住生活基本計画について、3点質問させていただきます。
1点目が今回の住生活基本計画の改定内容の中で、特に重要と認識している新たな要素・方針はどのようなものでしょうか。
また、なぜそれらを重要としているのか、その理由をお聞かせください。
2点目が新たな住生活基本計画で掲げた三つの視点、11の目標を反映させる住宅行政の施策目標の達成にあたっては、エンドユーザーに各種住宅を供給している国内に展開している住宅事業者が実施する事業活動との関連性も重要になります。
新たな住生活基本計画を今後運用していくにあたって、国内に展開している住宅事業者にどのようなことを望むのでしょうか。
3点目です。
衣食住との表現があるように、住宅は人が暮らす上で不可欠な要素の一つです。
新たな住生活基本計画を運用することによって、国民のこれからの住環境をどのようにしたいとお考えでしょうか。

(大臣)

今回の住生活基本計画においては、先程申し上げたような2050年までの社会的な変化に伴い、従来とは大きく異なるものになっていく住宅市場に対応した住宅政策の大きな方向性を示しています。
特に重要な点として、これからは既存住宅の市場環境の整備に一層注力していくことで、良好な既存の住宅・住宅地が最大限に活用され、人生100年時代のライフスタイルにあわせた居住ニーズを満たす住宅市場としていくことが挙げられます。
既存住宅の活用を促すため、これまでも、住宅ローン減税について、質の高い既存住宅にかかる借入限度額や控除期間の拡充を令和8年度税制改正案に盛り込んでいるところですが、今後、新たな計画を踏まえて、あらゆる施策を総動員して、具体的な取組を進めてまいります。
また、事業者への期待という点では、本計画に基づく施策を展開する上で、住宅の供給やリフォーム、流通、関係サービスを提供する事業者など、市場のあらゆるプレイヤーが協力して進めていくことが重要と考えています。
事業者の皆さまにおかれても、こうした認識を共有した上で、民間事業者ならではの創意工夫を生かした独自の取組などが先行して実施されていくことを期待しています。
今後の住環境については、これまでの官民投資によってインフラや居住環境が整った既存の住宅・住宅地を最大限活用しつつ、若者から高齢者まであらゆる世帯にとっての良好な住環境の形成を進めることが必要です。
本計画には、今申し上げたこと以外にも、激甚化・頻発化する災害に対応した安全な住宅・住宅地の形成や、畳・漆喰をはじめとする地域の自然素材を利用する「和の住まい」の推進など、幅広い施策を盛り込んでおり、こうした施策を総動員することで、国民の豊かな住生活が実現するよう取り組んでまいります。

中東情勢について

(記者)

中東情勢について、海運・航空・観光の最新情報を教えてください。
まもなくアメリカ・イスラエルのイラン攻撃から1か月となります。
ペルシャ湾内に日本関係船舶などが留め置かれている状況も長期化していますが、大臣の受け止めと事態打開に向けてどう取り組むかについてもお聞かせください。

(大臣)

中東情勢に関して、本日7時時点で把握していることを申し上げます。
まず、航空関係及び観光関係については、これまでにお伝えしている状況から大きな変化はありません。
航空関係については、エミレーツ航空のドバイ-成田(なりた)便、ドバイ-羽田(はねだ)便は、引き続きほぼ毎日運航されているところです。
また、エティハド航空のアブダビ-成田便は、毎日ではありませんが、定期的な運航が続いています。
次に、海運関係については、引き続き、ペルシャ湾内に日本関係船舶45隻が入域しています。
事案発生から1か月近くが経過し、ペルシャ湾内に留め置かれている乗組員の皆さまにおかれては、大変な緊張状態の中で、御苦労されているものと承知しています。
日本関係船舶、とりわけ乗組員の安全の確保は最重要であり、国土交通省として、情報収集を徹底し、関係者への情報提供を丁寧に行うとともに、事態の早期沈静化に向け、外務省をはじめとする関係省庁や関係国とも緊密に連携してまいります。

北海道新幹線開業10年について

(記者)

北海道新幹線が26日に開業から10年を迎えました。
首都圏や東北と北海道南部の結びつきが強まった一方で、同区間開業以来、大幅な営業赤字が続いています。
開業10年を迎えた北海道新幹線に対する大臣の受け止めを教えてください。

(大臣)

北海道新幹線(新青森-(しん)(はこ)(だて)(ほく)()間)については、昨日3月26日、開業10周年を迎えました。
本州と北海道が新幹線で繋がることで、北海道道南地域における観光客の増加や宿泊施設の開業など、地域の交流の促進に貢献しているものと認識しています。
北海道新幹線の整備効果を最大限発揮させるには、札幌までの開業が大変重要であり、引き続き、関係者の理解と協力を得て、一丸となって、北海道新幹線の整備を着実に進めるよう努めてまいります。

燃料価格高騰によるトラック運送業の価格転嫁について

(記者)

中東情勢に関して伺います。
足元で軽油価格が上昇しており、トラックなど物流事業者では経営への影響も懸念されています。
今日、バスやタクシーの関係団体を集めた会合もありますが、国土交通省として、価格転嫁など現状考えている対応策を教えてください。

(大臣)

団体毎の会合がありますし、その後大臣室にもお見えいただくことになっています。
中東情勢の変化に伴い燃料価格が高騰する状況においても、我が国の物流を支えるトラック運送事業者が安定的に事業を継続する必要があります。
このため、これまで他業種と比較して価格転嫁が進んでいないトラック運送業において、今般の燃料価格の変動分も含めて、荷主や元請事業者に対する構造的な価格転嫁を実現することが必要不可欠であると認識しています。
国土交通省としては、燃料サーチャージ制を含む「標準的運賃」の周知・啓発、トラック・物流Gメンによる荷主等への是正指導、中小受託取引適正化法を契機とした公正取引委員会や中小企業庁との連携強化・全国計64カ所に設置をしている運輸支局等の適正取引相談窓口における相談の受付といった取組を実施することで、軽油価格を含めたコスト上昇分を適正に運賃に転嫁できる環境整備を進めています。
さらに、本日午後、中小受託取引適正化法を所管する公正取引委員会及び中小企業庁との連名によって、燃料サーチャージ制の導入や運賃改定等を通じて、今般の燃料価格の変動分も含めた価格転嫁が徹底されるよう、荷主団体に対して文書による要請を行うこととしています。
引き続き、イラン情勢によるトラック運送業界への影響を注視しつつ、公正取引委員会や資源エネルギー庁をはじめとする関係省庁や業界団体とも連携しながら、適切に対応してまいります。

川辺川の流水型ダムについて

(記者)

熊本県の(かわ)()(がわ)の流水型ダム建設関連でお伺いします。
26日に、球磨(くま)(がわ)漁協は国から受け取る漁業補償の組合員への配分案を可決しました。
一部組合員から国による説明会開催を求める要望書も出ており、反対の声もありましたが、ダム建設で影響を受ける組合員への具体的な補償が決まったことに対する大臣の受け止めをお願いします。

(大臣)

私も経験をした一人ですけれども、川辺川の流水型ダムは、令和2年7月豪雨災害後の治水対策として、国・県・流域市町村が一体となって進めている「球磨川水系流域治水プロジェクト」の根幹となる事業であり、昨年11月には、球磨川漁業協同組合と九州地方整備局との間で漁業補償契約を締結しました。
昨日26日、球磨川漁協の総会が開催され、補償金配分案が可決されたことは、報道等で承知しています。
この補償金配分案については、球磨川漁協内部での取り決めですので、私からのコメントは差し控えさせていただきます。
なお、これまでも、球磨川漁協から組合員の声や御要望をしっかりと伺い、御懸念の点に対して、九州地方整備局において模型実験あるいはデータを用いた説明を行うなど、丁寧に対応してきたところであり、御要望いただいた内容については、全て理事会において回答しています。
引き続き、この姿勢を守りながら丁寧な対応に努め、川辺川ダムの令和9年度の本体基礎掘削工事着手、そして令和17年度の完成に向け、着実に事業を進めてまいります。

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