大臣会見

金子大臣会見要旨

2026年7月3日(金) 9:32 ~ 9:58
国土交通省会見室
金子恭之 大臣

主な質疑事項

冒頭発言

(大臣)

本日の閣議案件で、特に私から報告するものはありません。

質疑応答

北陸新幹線について

(記者)

北陸新幹線敦賀(つるが)新大阪(しんおおさか)間の延伸についてお伺いします。
先日開かれました与党整備委員会において、京都(きょうと)市長が示した建設費の財政負担について懸念を伝えました。
与党は国の負担を大きくして自治体が納得できる仕組みに変えるとの方針を示していますが、その点についての大臣の受け止めをお伺いします。
また、与党がルート決定の期限とする国会の会期末が近づいていますが、今後の議論に期待することを併せてお伺いします。

(大臣)

北陸新幹線敦賀―新大阪間については、与党の「北陸新幹線敦賀・新大阪間整備委員会」で議論が進められています。
先月30日の委員会においては、京都府と京都市へのヒアリングがあったと承知していますが、その中での御発言について、国土交通大臣の立場としてコメントすることは差し控えたいと思います。
いずれにしましても、与党での今国会中のルート決定に向けた御議論に真摯かつ丁寧に協力しつつ、一日も早い全線開業に向けて、国土交通省が、鉄道・運輸機構とともに、丁寧かつ着実に取り組んでまいります。

中東情勢について

(記者)

中東情勢に関連してお伺いします。
ペルシャ湾内に留め置かれている日本関係船舶の最新状況を教えてください。

(大臣)

7月1日に、新たに日本関係船舶1隻がホルムズ海峡を通過しました。
当該船舶の乗組員の健康状態に問題はなく、船体の異常もないとの報告を受けています。
これにより、ペルシャ湾内に残る日本関係船舶は31隻となりました。
日本関係船舶、とりわけ船員の安全の確保は最重要であり、国土交通省として、引き続き、情報収集を徹底し、関係者への情報提供を丁寧に行うとともに、外務省を始めとする関係省庁とも緊密に連携してまいります。

盛り土について

(記者)

本日で28人が犠牲となった静岡県熱海(あたみ)市の土石流災害から5年となります。
読売新聞の調査では各自治体で盛土規制法の運用が始まった後も無許可造成などで盛土規制法違反が疑われる不適切な盛土が全国で新たに約350カ所作られていたことが分かりました。
盛土規制法の運用前を含めると全国で計1040カ所に上ります。
規制強化後も悪質な業者が建設残土を不法投棄しており、自治体側からは国による支援強化を求める声も相次いでいます。
盛土規制法の実行性を高め違法な盛土をなくすため、国土交通省として具体的にどのように取り組まれるか大臣のお考えをお聞かせください。

(大臣)

令和3年7月3日に熱海市で発生した痛ましい土石流災害から、本日で5年となりました。
改めて、犠牲となられた方々に深い哀悼の意を表するとともに、被災された皆さまに心からお見舞いを申し上げます。
熱海での土砂災害を踏まえ、令和5年には、危険な盛土を全国一律の基準で包括的に規制する盛土規制法が施行されました。
令和8年4月時点で、同法の規制区域の指定がほぼ全ての都道府県等において完了し、本格的な運用が開始されたところですが、現場の自治体からは、無許可で土砂の投棄等が行われる実態もあると聞いており、災害防止の上で速やかな発見と対応が必要であると認識しています。
国土交通省としては、迅速かつ適切な対応を図るため、ガイドラインの整備、専門家への相談体制の構築、盛土の撤去など、これまでの技術的・財政的支援に加え、関係部局連携の好事例の横展開や、都道府県等に直接足を運んでの相談など、法運用の本格化を踏まえた、きめ細やかな支援を行ってまいります。
また、土砂の投棄は多様な手法で行われることから、盛土担当部局のみならず、森林や農地の担当部局、廃棄物処理の担当部局、さらには警察等との間で相互に連携して、無許可の投棄の早期の発見がなされるよう努めてまいります。
引き続き、地域に寄り添った丁寧な対応により、盛土等の災害から国民の安全・安心を確保するため、全力で取り組んでまいります。

令和2年集中豪雨からの復旧復興について

(記者)

明日4日で熊本県を中心に甚大な被害があった、2020年7月豪雨から6年となります。
被災地ではインフラ復旧が進む一方で人口減少への課題もあります。
これまでの復旧・復興をどのように評価されていますでしょうか。
また、治水対策に関して川辺川(かわべがわ)の流水型ダムの本体工事が来年度着工予定です。
ダムによらない治水を求める声もありますが、大臣としての受け止めをお願いします。

(大臣)

明日7月4日で、球磨川(くまがわ)流域で50名の方々がお亡くなりになり、6000戸以上が浸水する甚大な被害が発生した令和2年7月豪雨から6年を迎えます。
改めて、犠牲となられた皆さまに哀悼の誠を捧げるとともに、被災された皆さまに心よりお見舞い申し上げます。
多分ですね、災害が起きたのは土曜日だったのですね。
私も地元に金曜日に帰っていましたので、まさに私が故郷に帰って、睡眠をして、そして連絡によって起きたのが7月4日の深夜でした。
豪雨の当日、とにかく、明るくなってから動かなくてはいけないということで、早速、球磨川が増水する中を、災害対策本部が設置された人吉(ひとよし)市役所に向かい、市長らとともに災害の対応に当たりました。
何度も申し上げたように、私自身もまだ交通規制がされていなかったため、球磨川を渡って、人吉市役所へ向かったのですが、その時はもうひたひたでした。
まだ洪水が起きる前でしたが、命からがら橋を渡って、その青井(あおい)神社の前を市役所の方へ向かったのですが、おそらく20分遅れていれば誰も知らない所で、私自身も秘書と一緒に車で流されていたのではないかということを考えると、非常に恐ろしい、あの日のことを今考えればあの時は必死になって、とにかく災害本部に行かないといけないという思いがありましたので、そういう状況でありましたが、後から考えると本当に危ない経験をしたなと、九死に一生を得たと思います。
その後、甚大な被害を目の当たりにし、事前防災の重要性を痛感したところです。
5mも6mも上の電線に流れてきた物が引っかかっている、自分達の背丈以上のところに車が何台も引っかかっている、家は土砂にまみれているような状況の中で、本当に地獄絵図を見るような思いでした。
甚大な被害を目の当たりにして、本当に事前防災の重要性を痛感したところです。
この6年間、国土交通省としては、一日も早い復旧・復興に向け、被災自治体からの要請を受けた国による権限代行制度も活用し、道路や河川などのインフラ復旧に全力で取り組んでまいりました。
今思うと、ちょうど7月に豪雨災害が発生したのですが、その前の5月に道路法を改正し、直轄道路でなくとも地方道あるいは市町村道も国の権限代行が使えるという法律改正をしていたため、実は適用第1号であったわけですが、それ以降の災害においても、国の権限代行が機能し、予算の面においても、あるいは技術的な面においても国土交通省の現場力がそれ以降の災害においても、能登(のと)半島地震においてもそうですが、活かされてきたものだと考えています。
例えば今後、球磨川の治水対策については、「球磨川水系流域治水プロジェクト」に基づき、河道掘削や宅地かさ上げ、川辺川ダム、遊水地整備、タイムラインによる避難体制の強化などの流域治水対策を、国・熊本県・流域市町村が一体となって進めているところです。
一方で、御指摘のとおり、人口減少への対応や、地域コミュニティの維持など、復興に向けた課題は依然として残っているものと認識しています。
引き続き、地域の実情に寄り添いながら、地方自治体と緊密に連携し、復興への支援に取り組んでまいります。
いずれにしましても、それぞれの地域に住んでいる方がまずは治水安全度を上げて、安全にそこに住むということが一番の重要な点であると思います。
危険なところからは皆さん、転居したいという思いがある中で、そこにずっと昔から残っている方が安心してそこに暮らしていける、そういう環境を作っていくということが我々国土交通省に課された命題だと思っています。
あわせて、川辺川ダムについてお尋ねがありました。
川辺川ダムは、「球磨川水系流域治水プロジェクト」の根幹となる事業です。
豪雨災害の後、九州地方整備局が熊本県や流域市町村とともに立ち上げた「令和2年7月球磨川豪雨検証委員会」では、仮に川辺川ダムが整備されていた場合、人吉区間での浸水面積が約6割程度減少するなど大きな効果があったと推計しており、熊本県知事や流域の全市町村長から、新たな流水型ダムの建設を求める声をいただいています。
これらの経緯を踏まえ、河川法に基づき、学識経験者や関係住民の意見を聴いた上で、改めて熊本県知事の御意見を伺い、令和4年8月に、川辺川ダムを位置付けた河川整備計画を策定し、その後、令和6年11月までに、環境影響評価法に基づくものと同等の環境影響評価を完了しています。
今後とも、事業再評価などを適切に行い、ダムの効果などを地元住民の方々に丁寧に説明しつつ、令和9年度の本体基礎掘削工事着手、そして令和17年度の完成に向け、着実に事業を進めてまいります。

UR団地建替えについて

(記者)

所管されている都市再生機構、URについて質問させていただきます。
まず、改めて賃貸業におけるURの公的使命とは何かをお伺いします。
次に、UR団地建替え後の再入居にかかる家賃減額措置の限度額を50㎡以下で約50%減額に拡充した意義について、大臣の考えをお伺いします。
また、今後建替えが予定されている東京都板橋(いたばし)区の高島(たかしま)(だいら)団地の住民からは、こうした減額措置の拡充を歓迎する一方で、更なる家賃の上昇や戸数の減少を不安視する声、移転先の選択肢の一つである建替えを行わない団地は駅から遠く離れてシャッターが下りた店が多くて、利便性の向上を求める声も聞かれます。
居住者の安心感を得るために、どのように対応するのか併せてお伺いします。

(大臣)

URの賃貸住宅事業は、多様な世帯が入居しやすい住居の提供や、地域の魅力向上、地域コミュニティの活性化などを目的とし、高齢者などの住まいのセーフティネットの役割も担っているところです。
UR賃貸住宅の建替えに際しては、建替前の住宅にお住まいの方々の居住の安定を確保することが重要です。
そのため、低所得の高齢者世帯等については原則として、建替後の住宅の家賃を従前の家賃まで減額する措置を講じており、国としてもURに必要な支援を行っています。
この家賃減額措置について、令和7年度補正予算において、これまで最大で月額3.5万円としていたものを、建替後住宅の家賃の50%へと見直し、近年の家賃上昇の状況においても十分な減額となるように措置したところです。
こうした対応に加えて、UR賃貸住宅の建替えに際しては、住民への希望調査を行った上で、希望する住民が入居できる戸数を確保することとしており、高島平団地の建替えにあたっても、今後、こうした取組を進めていくものと聞いています。
また、高島平団地において建替えを行わない住宅においても、バリアフリー改修や省エネ改修等を実施し、居住環境の改善を行っているところと聞いています。
住まいは生活の基盤であり、UR賃貸住宅の建替えにあたっては、入居者の居住の安定に十分配慮しつつ丁寧に進めるよう、URの取組をしっかりと促してまいります。

リニア中央新幹線について

(記者)

一昨日1日に、鈴木(すずき)静岡県知事とJR東海の丹羽(にわ)社長が面談し、リニアの静岡工区着工の可能性が高まったのですけども、これへの受け止めをお伺いします。
具体的にはですね、中東情勢緊迫化、石油ナフサ不足でですね、工事費は全国的に高騰傾向にあるのにですね、JR東海は去年10月の総工事費試算11兆円を元に本格的に着工しようとしていると、これは問題ではないか、再試算の必要がないのかをお伺いしたいと思います。
ちなみに被災地能登半島の復興の建設費は倍増しているとの記事もあるので、そういう状況の中でJR東海が再試算をしないことについての大臣の御見解をお伺いします。
第二の国鉄のようになってですね、税金投入する恐れについては、そのリスクを避ける必要があるということでお聞きしています。
2問目がですね、川勝(かわかつ)前静岡県知事はですね、名古屋まで部分開業しても赤字垂れ流し路線になるのは確実だと、大阪まで行く人がわざわざ名古屋で乗り換えてリニアを使う人がどれだけいるのかと、品川(しながわ)名古屋(なごや)でそれぞれ乗り換え時間もかかると、実質的にはそんなに時間短縮効果もないのに名古屋まで部分開業しても赤字確実だと、やるんだったら大阪まで一気に開通するしかあり得ないんじゃないか、ということも言っているので、甘い見通しに基づくJR東海の姿勢について大臣の御見解をお聞きします。

(大臣)

リニア中央新幹線品川-名古屋間の総工事費については、令和7年10月に事業主体であるJR東海が従来の予定額である約7兆円から約4兆円増加をし、約11兆円となる見通しとなることを公表しており、この増額の中には、当該時点及び今後の物価高騰等の影響を想定した額を計上していると聞いています。
いずれにしましても、リニア中央新幹線の総工事費については、事業主体であるJR東海において必要なタイミングで適切に算定、見直し等がなされるべきものと認識しています。
品川-名古屋間の部分開業についての御懸念に関しては、JR東海からは、東京圏・名古屋圏間の速達化による需要の喚起や各中間駅の新規利用なども期待できる、いずれにせよ、部分開業により健全経営を損なうことはないと考えている、と聞いています。
また、JR東海は、約11兆円となる見通しの品川-名古屋間の建設に必要な資金は、健全な経営を損なうことなく自社において賄えると表明していると承知しており、また、そのことは、株主総会などの機会を通じて、株主や市場関係者の理解を得られているものと理解しています。
もとより、リニア中央新幹線は東京-大阪間の全線開業により、その真価が発揮されるものであることは間違いありません。
国土交通省としては、JR東海による工事の進捗状況や経営状況等を注視しつつ、一日も早い全線開業に向けて、関係自治体やJR東海と連携し、引き続きしっかりと取り組んでまいります。
また、川勝前知事の懸念についての話がありました。
川勝前知事の懸念との言及がありましたが、御指摘は令和5年の部分開業についての静岡県のメリットを求めた総理宛書簡のことと思慮しますが、これについては国土交通省において、当該文書における御要請を踏まえた調査を実施し、その結果について静岡県に説明を行い、御理解を得たものと承知をしています。
前知事の御懸念はあるとは思いますが、基本的にはJR東海という鉄道会社が経営を度外視してやるとは思えません。
しっかりと危機管理も含めて予算も上乗せしてやっているということでありますので、そういう意味では私自身はこの懸念は当たらない、総理宛書簡についてはしっかり静岡県に説明をして御理解を得たものとなりますので、そこは御理解いただきたいと思います。

(記者)

大臣今お答えになっておかしいと思わないのですか。
JR東海11兆円の総工事費は将来の物価上昇も踏まえてと言いながら中東情勢緊迫化のことは入っていないのは明らかではないですか。
中東情勢緊迫化で石油ナフサ不足が新たに加わったことによる総工事費増額分は確実にあると思われるのですが、それをやっていないことが問題だと思われないのでしょうか。
危機管理能力、JR東海は不足しているんじゃないかという意味なのですが。

(大臣)

御指摘のことでありますが、工事費の主な増加理由として、物価等高騰の影響で、プラス2.3兆円、合わせて今後、その当時、物価高の高騰等により工事費がさらに上昇するリスクに備えた額を1兆円、上乗せています。
難工事があるかもしれない。
いろんなリスクも考えながら、十分な予算を推計されたと考えていますので、今仰っていることは、理解というか御指摘はあると思いますが、JR東海が今後の様々なリスクを考えながら工事費の上乗せをされたということは、我々は理解しているところであります。

(記者)

1兆円上乗せしたとしても、全然足りないのではないですか。
中東情勢緊迫化で石油、ナフサ不足で能登半島の建設費が2倍になっているわけで、全然足りなくて、さらに工事費が上乗せされる可能性が十分あるというふうに大臣はお考えにならないのでしょうか。

(大臣)

それだけではなくて、1兆円上乗せしたのだけど、その前にも資材高騰等も踏まえて、今後の推計も踏まえて、2.3兆円、その上に1兆円ということでありますので、それが多いか少ないかについては我々が物を申すということではなくて、これは事業主体であるJR東海が経営をしていくわけですから、経営上、株主の皆さんにも御理解をいただいたということを考えれば、素人の我々がいろいろ言うことではないということと思います。
言い方はちょっとまずいですが、技術者ではありませんので、我々は出された資料に基づいて、それを理解するということになると思います。
ですからJR東海もこれから、先程申し上げましたように色々な場面で、株主総会での機会を通じて株主や、市場関係者に説明をし、御理解を得たということですので、そこはしっかり見守っていきたいと思います。

(大臣)

訂正をさせていただきます。
物価高騰の影響の、全体で2.3兆円の中に、今後の1兆円ですから、合わせて3.3兆円ではなくて、2.3兆円の中に今後の1兆円も含まれているということで訂正をさせていただきたいと思います。

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