2026年8月4日(火) 13:22 ~ 13:41
国土交通省会見室
金子恭之 大臣
(大臣から)令和8年熊本地震による被災地の視察について
(大臣)
私から2点報告があります。
1点目は、令和8年熊本地震による被災地の視察についてです。
今回の地震により、お亡くなりになられた方々とその御家族に対し、心よりお悔やみ申し上げます。
また、全ての被災された皆さまに、心からお見舞いを申し上げます。
昨日、熊本地震の発災から初めて、救助・救命の初動活動に一定の目途がついたと報告を受けたことから、高市総理、あかま防災担当大臣と、熊本県の被災地を現場の負担にならないようできる限り配慮の上で、視察してまいりました。
まず、被災状況を上空から視察し、避難所となっている氷川中学校を訪問し、避難生活を余儀なくされている方々から直接、切実なお話を伺いするとともに、熊本県知事や熊本県議会議長と意見交換を行いました。
被災された方々の不安や御苦労の大きさを改めて強く感じたところです。
今回の視察を通じて、被災地の一日も早い復旧と、被災された方々の暮らしの再建に向けて、決意を新たにしました。
特に、現地では断水が大きな問題となっていました。
給水支援として、全国からの給水車の確保、八代港・三角港における海上保安庁の巡視船や港湾局の船舶による給水や入浴支援、水資源機構の可搬式浄水装置の派遣を行っています。
さらに、本省の幹部職員を司令塔として、自衛隊や厚生労働省とも連携し、緊要度の高いニーズを一元的に調整する体制を整えて対応しています。
お伺いした氷川町では、全国からの応援により、応急復旧は急ピッチで進んでおり、水道施設の導水管、浄水場、送水管まで点検し、概ね機能が確保されていることを確認しました。
残るは、各家庭に水を配る配水管等の点検・復旧というところまできました。
さらに対応を加速して、皆さまに今週中には復旧見通しをお示しすると申し上げていた件については、他の市町も含め現在、断水している地域において、8月初旬、8月中旬、8月末を目途に断水の解消を図りたいと思います。
断水解消に要した期間ですが、10年前の熊本地震では約3ヶ月半、能登半島地震は約5ヶ月でした。
今回の地震では、被災の状況は異なりますが、より早期の約1ヶ月強という期間で断水を解消することとしています。
引き続き、応急給水を継続するとともに、断水解消に向けた応急復旧に全力で取り組んでまいります。
続いて道路については、発災直後、高速道路で約142kmにわたり通行止めをしましたが、昼夜を問わず復旧を進め、これまでに約42kmを解除するとともに、約80kmについて緊急車両の通行が可能となっています。
九州道については、現在、全車両通行止めとなっている宮原サービスエリアから坂本パーキングエリア間において、来週8月9日の週に緊急車両の通行が可能となる予定です。
これにより、緊急車両については、九州道全線で通行が可能となります。
さらに、8月後半には、一部通行制限を伴いますが、九州道全線で、一般車両の通行も可能となる予定です。
南九州道についても、8月後半までに八代南インターチェンジから田浦インターチェンジの区間において、一般車両の通行が可能となる予定です。
九州道と南九州道を連絡する八代ジャンクションから八代南インターチェンジ間については、これまでの現地調査により、妙見第一橋の複数の橋脚が断層のずれの影響で沈下あるいは隆起し、1mを超える高低差が生じている状況を確認しています。
そのため、本日8月4日に、ネクスコ西日本において有識者委員会を設置し、復旧方法を検討する予定です。
8月6日に開催する第一回委員会では、有識者委員による妙見第一橋の現地調査も実施予定と聞いています。
また、九州道の通行止めの影響により、並行する国道3号に交通が集中し、一部の区間において渋滞が発生していると承知しています。
この対応のため、九州地方整備局が中心となり、熊本県や警察等の関係者で構成される「熊本県災害時交通マネジメント検討会」を7月29日に立ち上げ、8月3日には並行する県道を2車線で復旧し、迂回案内を強化するなど、被災地周辺の交通を円滑にするための取組を進めています。
なお、本日の閣議において、今般の地震により被災した道路の災害復旧を実施するため、予備費206億円の使用について決定されました。
その他のインフラの復旧状況についてですが、港湾については、先週、八代港や三角港において利用可能となった岸壁に、中部地方整備局と北陸地方整備局の船舶が到着し、支援物資を届けるとともに給水・入浴支援などを実施しています。
また、熊本県と連携し港湾施設の復旧を進めているところですが、八代港においては、港湾管理者である熊本県からの要請を受け、港湾法の規定に基づき、8月3日から国が港湾施設の一部を管理することとしました。
引き続き、全国からの海上支援を受け入れるための施設復旧を強力に進めていきます。
鉄道については、8月2日に、JR鹿児島線の熊本-宇土間と三角線の全線において運転を再開しました。
現在、九州新幹線の熊本-鹿児島中央間、JR鹿児島線の宇土-八代間、肥薩おれんじ鉄道線の全線で運転を見合わせていますが、肥薩おれんじ鉄道線の水俣-川内間で8月5日の始発から運転を再開する予定です。
また、事業者と連携し、九州新幹線の新水俣-鹿児島中央間において、先行して運転再開に向けた検討を進めています。
さらに、避難生活を改善する取組も進めています。
物資のプッシュ型支援につきましては、全日本トラック協会と連携してトラックの手配を行い、これまでに広域物資輸送拠点への飲料や離乳食、簡易シャワーの配送につなげました。
被災地では、避難所等のトイレが逼迫していることから、道の駅の防災用コンテナ型トイレ7台とトイレカーを1台、被災地へ派遣しています。
また、経済産業省と連携して仮設トイレを利用できるよう支援を行っています。
避難されている方の支援として、避難先となる宿泊施設については、被災者と宿泊施設間の受入が円滑に進むように、地元の旅行業者に協力いただき、昨日より本格的に受け入れが開始しています。
これまでに熊本県内で94施設が確保され、受入先を拡大するために、さらに九州全域で受入可能な宿泊施設の確認を図ってまいります。
また、一時的な住まいとして関係自治体と連携して県営住宅や市町村営住宅の確保を図るとともに、宇城市で3団地50戸、氷川町で1団地20戸の建設型応急仮設住宅の設置を決定し、昨日工事に着手されました。
国土交通省では、復旧や支援に対し、TEC-FORCE263名による活動など全力で取り組んでいます。
引き続き、被災地の声に丁寧に耳を傾けながら、関係省庁等と連携し、被災地の一日も早い復旧・復興に全力で取り組んでまいります。
(大臣から)「地下水の適正な保全と利用に関する検討会」提言について
(大臣)
2点目は「地下水の適正な保全と利用のあり方について」のとりまとめについてです。
本年1月に関係閣僚会議で決定された「外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策」において、全国統一的な地下水の採取の実態把握や、地下水の適正な保全と利用の仕組みを検討することが位置付けられました。
それを受け、内閣官房水循環政策本部及び国土交通省では、3月に有識者による「地下水の適正な保全と利用のあり方に関する検討会」を立ち上げ、議論を進め、この度提言が取りまとめられました。
この提言では、まず、重要な水資源である地下水を巡る課題として、半導体工場の立地等による新たな水需要の増加、気候変動による地下水涵養量の減少、外国人等による地下水採取への懸念、条例等の規制の空白地域の存在等を挙げています。
その上で、地下水採取により他の地下水利用への支障が起きると原状回復が困難となることから、行政が、地下水の採取行為を把握し、他の地下水利用への支障を及ぼす恐れがある場合には、是正を求めることができるような仕組みが必要であるとしています。
本提言を踏まえ、今後、具体的な仕組みのあり方について、法規制を含め検討してまいりたいと考えています。
後ほどプレスリリースをします。
詳細は事務方にお問い合わせください。
私からは以上です。
(記者)
断水の復旧状況について伺います。
随時更新されている国土交通省の被害状況報告によりますと、自治体によって復旧が進んでいるところと停滞しているところがあります。
どういったことが影響しているのでしょうか。
現状の分析や国土交通省の考えをお聞かせください。
(大臣)
今回の地震では、主に水道管に被害が発生し、断水が生じたと認識しており、漏水調査等による水道管の破損箇所の点検や、破損箇所の復旧作業が進められているところです。
震度7や震度6強といった強い揺れを観測した地域で、現在も断水が発生しており、氷川町や八代市においては、取水地点から浄水場までの基幹となる管路等の被害が確認されるとともに、宇城市等においては、各家庭に水を供給する管路に多くの被害が発生しています。
こうした震度の違いや地盤の強度などの差が、地域の復旧状況の差異につながっていると考えられます。
国土交通省としては、水道の速やかな復旧のため、日本水道協会と連携し、全国から水道技術者や工事業者を被災自治体に派遣し、復旧作業を行っているところであり、引き続き、先ほど御説明した8月末の断水解消に向け全力で取り組んでまいります。
(記者)
九州新幹線についてお伺いします。
先ほども発言にありましたように、熊本-新水俣間の復旧の見通しがたっていないとのことですが、国土交通省としてこれまでJR九州と話し合いをされてきたのかお伺いします。
また、今後、国土交通省として復旧にどのように関わっていかれるのでしょうか。
(大臣)
JR九州からの報告によれば、九州新幹線の熊本-新水俣間については、橋梁の損傷やレールの歪み等の被害が多数確認されており、8月中の運行再開は困難であると聞いています。
国土交通省では、発災直後から、現地の九州運輸局はもちろん、本省鉄道局の技術審議官と、JR九州の安全統括管理者の間を含む様々なレベルで、被害状況、運転再開の見込みなどについてやり取りをしながら、対応に当たっています。
国土交通省からJR九州に対しては、支援の要望があれば教えてほしい旨伝えているところです。
例えば、JR九州からの相談を受け、先行して運行再開を検討している新水俣-鹿児島中央間について、車両基地へのアクセスが途絶されている中で、適切に車両の検査を行う方法について助言するなどしています。
6日、JR九州の古宮社長が被害状況や復旧対応などの報告に来られる予定となっており、私からも直接、河川や道路などとの事業間連携を含め、要望があれば遠慮なく相談してほしいとお伝えしたいと考えています。
引き続き、九州新幹線の一日も早い全線復旧に向け、国土交通省として、JR九州と緊密に連携して取り組んでまいります。
(記者)
日本製紙八代工場を昨日、ヘリから見られたようですが、煙突倒壊や八代市役所庁舎の免震構造部分の損傷に関し、現地調査は行われているのでしょうか。
課題の把握などはできているのかを伺います。
あわせて、先月7月30日、31日の国土交通省非常災害対策本部会議で金子大臣の指示の中で、「必要な技術的助言などの支援をしてください」とありましたが、具体的にはどのような支援のことを想定しているのでしょうか、お答えください。
(大臣)
私は八代市に住居を持っています。
私の家の窓から日本製紙の煙突が毎朝見える状況でもあります。
また、八代市役所の免震装置については10年前の熊本地震で被災をして建て替えたということもありましたので、今回の地震発生後も非常に気になっていました。
そのようなことも踏まえて、震度6強の地震を受けた八代市については、日本製紙八代工場の煙突の倒壊や、市役所の免震装置の損傷などの被害が発生しています。
これらに関し、発災当初より住宅局から積極的にアプローチさせるとともに、私からも直接、市長や工場長に連絡を取り、「できることは何でもやる」とお伝えするなど、私自身、問題意識を持って取り組んでまいりました。
その上で昨日、現地に入り、日本製紙八代工場の被害状況をヘリコプターで上空から確認させていただいたところです。
日本製紙八代工場については、現在、事業者側と被害状況の調査等に向けた調整を行っているところであり、調整が整い次第、速やかに国土技術政策総合研究所等の研究者を派遣し、被害の実態の把握に努めてまいります。
その上で、事業者からの要請に応じ、必要な技術的助言などの支援を行ってまいります。
また、八代市役所については、7月31日から8月1日にかけて、国土技術政策総合研究所の研究者を派遣し、免震装置が想定を上回る地震動を受けたことで、免震装置自体の損傷、建具が開かないなどの被害を確認しました。
今後、建築物の復旧等に向けて課題等を整理し、必要な技術的助言などの支援を行ってまいります。